有価証券報告書-第67期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 9:12
【資料】
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【項目】
148項目

研究開発活動

当社では研究開発活動としてコア技術である環境創造技術の深耕と計測技術やメカニカル技術との組み合わせにより、新たな環境試験器、自動車市場や二次電池を中心とするグリーンテクノロジー市場に向けた各種試験装置の製品開発を行いました。また、新たな事業領域である食品機械市場、医療、マテリアル市場に向けた製品開発や、省エネルギー・地球温暖化対策といった環境負荷低減技術の研究開発を行ってまいりました。
当連結会計年度における研究開発費は1,169百万円であり、事業セグメント別の研究開発費は装置事業1,084百万円、サービス事業81百万円、その他事業3百万円であります。
装置事業およびサービス事業の研究開発活動の成果は次のとおりであります。
装置事業
①地球温暖化係数(GWP ;Global Warming Potential)の低い冷媒R449Aに対応した恒温恒湿器プラチナスシリーズ、冷熱衝撃装置TSEシリーズを発売いたしました。2020年から始まった欧州での規制に適応した低GWP冷媒への置換に対応しています。
②急速温度変化チャンバーTCCシリーズをモデルチェンジいたしました。新型コントローラを搭載し、標準装備のLANポートにパソコンやタブレット端末を接続することで、パソコンなどからWebブラウザで遠隔監視/管理できるようになりました。
③公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2019年度グッドデザイン賞」において、「ハイパワー恒温(恒湿)器 ARシリーズ 急速温度変化タイプ」が、グッドデザイン賞を受賞いたしました。
④恒温(恒湿)室 ビルドインチャンバー ハイパワーシリーズを開発いたしました。
新開発した空調機や試験室パネルにより、-70℃~+150℃と温度域を拡大するとともに、急速な温度変化、高発熱負荷対応を実現しています。車載機器の規格対応試験や、屋外機器のより過酷な環境での試験が可能になりました。
⑤恒温(恒湿)室 ビルドインチャンバー ドライブインシリーズを開発いたしました。
車2台が入る大空間に多様な気象環境を再現し実車での評価を行うことが可能な装置で、自動車の電動化、自動化に向けた評価の需要に対応いたします。
⑥半導体の特性評価や信頼性評価に対応した小型タイプのオーブンを開発いたしました。装置背面に設けた貫通孔を通してシステムとサンプル間の計測経路を最短にすることによりシステムの計測性能を向上させました。
⑦車載用デバイスをターゲットにしたバーンインチャンバーを開発いたしました。
高発熱負荷デバイスの低温評価(-40℃)が可能となります。
⑧車載用二次電池のモジュール評価用システムを開発いたしました。これまでのセル単位の評価に加えモジュール単位での評価が可能になりました。
⑨バイオ医薬品や再生医療用の細胞などが輸送時に温度や振動などの環境因子から受ける影響の評価を行う輸送環境試験装置を開発いたしました。これから需要の伸びが期待される先端医療分野をターゲットに、新しいビジネス開発に挑戦いたします。
⑩マテリアル分野に向けてスポット冷却加熱装置を開発いたしました。材料試験において温度特性を計測する際に試験材料に直接空気を当てて加熱、冷却することで試験時間を短縮できます。
サービス事業
①既設のイントラネットに接続するだけで、Webブラウザから環境試験器の稼働状況が一目でモニターできる集中管理システムの対応機種を追加いたしました。また市場の要求にお応えして、修理点検などの保全情報を一元管理し業務の効率化を実現する機能を追加いたしました。