有価証券報告書-第70期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/26 9:08
【資料】
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【項目】
154項目

研究開発活動

当社では研究開発活動としてコア技術である環境創造技術の深耕とネットワークシステム技術や電子デバイス計測制御技術との組み合わせにより、自動車や5G・IoTに関連する市場に向けた各種試験装置の製品開発を行いました。また、新たな事業領域である食品機械市場、医療、マテリアル市場に向けた製品開発や、省エネルギー・地球温暖化対策といった環境負荷低減技術の研究開発を行ってまいりました。
当連結会計年度における研究開発費は1,041百万円であり、事業セグメント別の研究開発費は装置事業990百万円、サービス事業51百万円であります。
装置事業およびサービス事業の研究開発活動の成果は次のとおりであります。
(1)装置事業
①地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)の低い新冷媒R-473Aを搭載した恒温恒湿器の各モデルの開発を進めております。冷媒R-23よりGWP値が88%削減された新冷媒を採用するとともに、独自技術により性能確保をしながら省エネを実現し、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量低減に貢献してまいります。
②半導体の高発熱負荷に対応したバーンインチャンバーを開発しました。-20℃から+150℃の温度範囲において、許容発熱負荷を従来比で4倍に拡大し、半導体が高発熱状態であってもチャンバー内の温度を均一に保持可能としました。今後も、IoTや次世代自動車分野で活用が進む最先端半導体の品質確保に貢献してまいります。
③5G通信機器の温度特性試験に対応した電波暗箱型恒温器について、新たに内容積の大きな4器種を開発し、ラインアップを拡充しました。電波暗箱型恒温器は、電波を遮蔽するシールド機能に加え、恒温槽内での電波の反射を防ぐ電波暗箱機能を備えており、-40℃から+100℃の温度環境下で無線試験が可能です。試験の対象物に合わせた多様な試験装置をラインアップし、高まる需要にお応えしてまいります。
④通電(発熱)状態での計測が容易、かつ試料の変化が観察可能な卓上型無風恒温槽「ワンデバイスチャンバー」を開発いたしました。5G通信、自動運転化の普及に伴い課題となっている高発熱部品や高密度実装基板の熱対策や、光通信用デバイス、高周波デバイスなどの「熱設計」や「サーマルマネジメント(熱管理)」のための評価に貢献してまいります。
⑤神戸R&Dセンターに設置されている全天候型試験ラボを活用し、お客さまの技術分野の課題解決に向けた、新たな試験方法の共同開発を進めております。全天候型試験ラボでは、温度、湿度、雪、雨、霧、太陽光、風のような地球上のさまざまな気象環境を動的に再現することができます。社内外の技術の融合によるイノベーションの活性化を目指してまいります。
⑥日々進化するデバイスの評価におけるお客さまの課題解決をサポートするため、神戸R&Dセンターにソリューションラボを開設しました。ソリューションラボには当社製品および各種計測器を設置し、これらを活用しながらお客さまとのコラボレーション活動を推進し、お客さまの課題解決に貢献してまいります。
(2)サービス事業
モバイル端末(SIM)通信およびクラウドを利用した新しいネットワークサービスの提供を開始いたしました。
高いセキュリティ環境下で、リモートワーク中や遠隔地からも装置の運転状況を確認いただけます。