- #1 サステナビリティに関する考え方及び取組(連結)
<取り組み例>・持続可能な木材の利用
ヤマハグループが生産しているピアノや弦打楽器、木管楽器など楽器の多くは、主に木材でつくられております。事業活動において多種多様な木材を使用していることを踏まえ、生物多様性や生態系を損ねることなく、貴重な木材資源を持続的に活用していけるよう、木材デューディリジェンスの推進や、原産地コミュニティーと連携した良質材の育成(おとの森活動)などを進めております。木管楽器の重要な材料である「アフリカン・ブラックウッド」の原産地であるタンザニア連合共和国では、同樹種の生態や森林の管理状態を調査。同樹種を楽器素材として持続的に利用できるビジネスモデルの実現に向け、森林保全と楽器生産、地域コミュニティー開発の観点から、植林技術の導入や土地利用の改善、材料利用技術の開発などを2015年から進めております。
2024/06/25 15:04- #2 主要な顧客に関する情報(IFRS)(連結)
(5) 主要な顧客に関する情報
単一の外部顧客との取引による売上収益が当社グループの売上収益の10%を超える外部顧客が存在しないため、記載を省略しております。
2024/06/25 15:04- #3 事業の内容
(1) 楽器事業
楽器の製造・販売、音楽教室等の運営、音楽・映像ソフトの制作・販売など多彩な事業を展開しております。初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに評価されるこれらの製品・サービスは、アーティストとの対話により進める研究開発やグローバルに展開するきめ細かな営業・サービス活動に支えられております。
(2) 音響機器事業
2024/06/25 15:04- #4 事業等のリスク
リスク分類 | リスク項目 | 当社のリスク認識 |
外部環境リスク | 事業環境の構造的変化 | (リスクの説明)当社グループは、世界の各地域に製造・販売拠点を置き、グローバルな事業展開を行っております。当社グループの海外売上収益は売上収益の76.4%を占めております。そのため、世界各国の経済状況や市場環境の影響を受けます。世界の市場における景気後退、これに伴う需要の減少は、当社グループの収益と事業展開に影響を与える可能性があります。 | (中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性) |
(リスク対策)当社からお客様へダイレクトに販売する仕組みの拡充や、デジタルマーケティングとリアル拠点の活動を統合したハイブリッドな顧客への価値訴求を強化しております。お客様とより深くつながり、一人一人のニーズに合わせたサービスを提供すたるための顧客情報基盤を拡充しております。また、販売において、各国経済状況の跛行性に対して在庫の供給を柔軟に対応させるよう努めております。調達・生産のレジリエンスを強化し、既存工場の生産能力向上により、環境変化に影響されにくい事業体を目指しております。 |
2024/06/25 15:04- #5 収益認識関係、財務諸表(連結)
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「連結財務諸表注記 24.売上収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
2024/06/25 15:04- #6 地域に関する情報(IFRS)(連結)
(4) 地域に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別情報は、次のとおりであります。
① 売上収益
2024/06/25 15:04- #7 従業員の状況(連結)
(2024年3月31日現在)
セグメントの名称 | 従業員数(名) |
楽器 | 14,552 | (5,567) |
音響機器 | 4,076 | (1,028) |
(注) 1 従業員数は就業人員数であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
2024/06/25 15:04- #8 戦略、気候変動(連結)
Locate
ヤマハは楽器・音響機器・その他(部品・装置等)の3つの領域でグローバルに事業を展開しております。その中でも、楽器事業はヤマハの売上の6割以上を占める主要事業の一つであり、その原材料は自然資本に依存し、自然との接点が大きい事業です。中でも木材はあらゆる楽器に使用されており、当社の事業と密接に関連しております。一般的に木材はプラスチック等と比べるとエコで持続的な材料であると考えられていますが、楽器用材の中には木材の持つ特性や風合いにより用途を限定的にしている代替困難なものもあり、その持続性が問われております。
また、SBTN(The Science Based Targets Network)の公開している評価ツールの一つであるHigh Impact Commodity List(注2)では、木材は“High Impact Commodity”に該当しており、科学的な面で見ても自然への影響が大きい原材料といえます。そのため今回の評価では、自然への依存度・影響度が高いと考えられる木材について検討を行うこととしました。
2024/06/25 15:04- #9 指標及び目標、気候変動(連結)
これらを踏まえ、重要な気候変動及び自然関連の依存、インパクト、リスク、機会を評価し管理するための指標とターゲットを以下のとおり設定しております。
分類 | 指標 | ターゲット(目標/基準年/目標年) |
持続可能な木材の利用 | 持続可能性に配慮した木材使用率 | 75%/2025年3月期 |
楽器材料となる希少樹種 3樹種の育成・保全 | 育成・保全対象を3樹種に拡大/2025年3月期 |
有害物質削減 | 新規小型製品 梱包材プラスチック使用 | 使用廃止/2025年3月期 |
有害性廃棄物排出量 | 目標策定予定 |
2031年3月期までに2018年3月期比でスコープ1+2を55%削減(SBTイニシアティブ1.5℃水準)、スコープ3を30%削減する中期目標を策定し、スコープ1+2については2051年3月期までにカーボンニュートラルを達成するという長期目標を設定しております。また、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、2023年6月にSBTのNetZero策定をコミットしました。(図1.「低炭素社会への移行計画」参照)目標を達成するための短期目標として、2025年3月期までに省エネによるCO2排出量削減 (CO2排出量/生産高)を掲げております。
木材を持続可能な形で利用し続けるには、森林保全や木材資源量への配慮と、サプライチェーンが経済的にも持続可能であるよう、雇用創出やインフラ整備といったコミュニティの発展に資することが必要です。ヤマハグループでは、木材デューディリジェンスの仕組みを構築し、購入する木材の原産地や伐採の合法性、資源の持続可能性に関する書類調査を実施し、その結果、リスクが高いと判断された木材については、現地訪問を含む追加調査および木材調達部門やサステナビリティ部門で構成する審査会での審議を通じて、より厳格な合法性などの確認を行っております。2024年3月期は木材デューディリジェンスに用いるリスク評価の基準を刷新しました。その中の、持続可能性の確認まで含めた「持続可能性に配慮した木材」の基準については、2023年5月に国際的な環境団体Preferred by Nature監修のもと新たに制定しております。これまでは第三者によって持続可能と判定された認証木材の使用率を拡大することで持続可能な木材利用に取り組んできましたが、樹種によっては認証木材の流通量が少なく、認証木材以外の持続可能性を評価できないことが課題でした。本基準では、非認証木材に対し、デューディリジェンスを通じて持続可能性を客観的に判断するための評価項目・判断基準を定めております。2022年4月に発表した中期経営計画では、2025年3月期までに持続可能性に配慮した木材使用率を75%にする目標を掲げております。今後も評価スキルの向上や調査のための十分なリソース確保を通じてデューディリジェンスの精度向上を図りながら、サプライヤーと連携し、持続可能性に配慮した木材の利用拡大を進めていきます。(図2.「ネイチャーポジティブへの移行計画」参照)
2024/06/25 15:04- #10 沿革
年 | 沿革 |
2012年 | 管楽器国内生産拠点を豊岡工場へ統合 |
2013年 | 国内の楽器・音響機器卸販売および教室事業を行う株式会社ヤマハミュージックジャパンを設立 |
2014年 | 米国の楽器・音響機器メーカー Line 6,Inc.(現 Yamaha Guitar Group,Inc.)を買収 |
〃 | 米国の通信・音響機器メーカー Revolabs,Inc.(現 Yamaha Unified Communications,Inc.)を買収 |
2024/06/25 15:04- #11 注記事項-その他の収益及びその他の費用、連結財務諸表(IFRS)(連結)
(非金融資産の減損)
楽器事業セグメントの中国、インドネシアにおけるピアノ製造設備に関して、 △3,168百万円の減損損失を認識しております。
減損損失の内容は、次の通りであります。
2024/06/25 15:04- #12 注記事項-セグメント情報、連結財務諸表(IFRS)(連結)
(注) 1 セグメント間の売上収益は市場実勢価格に基づいております。
2 資本的支出は、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の支出を伴う増加額を記載しております。減価償却費及び償却費は資本的支出に対応する金額を記載しております。
2024/06/25 15:04- #13 注記事項-偶発債務、連結財務諸表(IFRS)(連結)
訟の原因及び訴訟提起に至った経緯
2013年3月から2017年3月にかけて英国で行われた当社楽器製品のオンライン販売において、YME が、特定の取引先との間で再販売価格維持行為を行ったとする競争法違反の決定を受けておりました。これにより消費者が不当に高い価格で製品を購入したとして、発生した損害額の賠償を求める集団訴訟が申立てられたものであります。
2024/06/25 15:04- #14 注記事項-報告企業、連結財務諸表(IFRS)(連結)
告企業
ヤマハ株式会社(以下、当社)は日本に所在する株式会社であり、東京証券取引所に株式を上場しております。登記上の本社の住所は静岡県浜松市中央区中沢町10番1号であります。当社の連結財務諸表は、2024年3月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下、当社グループ)から構成されております。当社グループは楽器事業、音響機器事業及びその他の事業を営んでおります。
2024/06/25 15:04- #15 注記事項-売上収益、連結財務諸表(IFRS)(連結)
24.売上収益
売上収益の内訳は、次のとおりであります。
(1) 収益の分解
2024/06/25 15:04- #16 注記事項-引当金、連結財務諸表(IFRS)(連結)
製品保証引当金は、製品販売後に発生する補修費用に備えるため、売上収益もしくは販売台数に対して経験率により、または個別見積りにより計上しております。主に発生から1年以内に対応・支出を行いますが、一部は1年を超えて支出が行われる場合があります。資産除去債務は、資産の解体・除去費用及び原状回復費用等の発生に備えて、将来支出すると見込まれる金額を計上しております。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払いが発生すると見込まれますが、将来の事業計画などの影響を受けます。
2024/06/25 15:04- #17 注記事項-重要性がある会計方針、連結財務諸表(IFRS)(連結)
ステップ5:履行義務の充足時に又は充足するにつれて収益を認識する
当社グループは、楽器、音響機器及びその他製品の製造販売を主な事業としております。これらの製品の販売については、原則として、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引渡時点で収益を認識しております。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引、リベート及び返品を控除した金額で測定しております。
2024/06/25 15:04- #18 略歴、役員の状況(取締役(及び監査役))(連結)
1992年4月 | 当社入社 |
2022年4月 | 楽器事業本部長 |
2023年4月 | 楽器・音響営業本部副本部長兼ヤマハ楽器音響(中国)投資有限公司総経理 |
2024年4月 | 代表執行役社長(現) |
2024/06/25 15:04- #19 略歴、役員の状況(執行役)(連結)
1985年4月 | 当社入社 |
2013年6月 | 当社執行役員 |
2014年1月 | 楽器・音響営業本部事業企画部長 |
2015年4月 | ソフト事業本部長 |
2016年6月 | 上席執行役員 |
2017年4月 | 楽器・音響営業本部長 |
2017年6月 | 執行役 |
2023年4月2023年4月 | 楽器事業本部長常務執行役(現) |
2024年4月 | 楽器・音響事業本部長(現) |
2024/06/25 15:04- #20 研究開発活動
をテーマに研究開発を進めました。
「ヤマハならではの新たな製品を生み出す」では、フィンガードラムパッド「FGDP-50」「FGDP-30」とミュージックプロダクションスタジオ「SEQTRAK(シークトラック)」を開発しました。フィンガードラムパッド「FGDP-50」「FGDP-30」は、本格的なドラム演奏を、指を使って手軽に楽しむことができる新開発の
楽器です。軽量コンパクトなボディにスピーカーや音源、充電式リチウムイオンバッテリーを搭載し、時間や場所を選ばずに演奏をお楽しみいただけます。「SEQTRAK」は、音楽制作からパフォーマンスを行うために必要な機能を一台に集約した製品です。思い描いたアイデアを逃さず、いつでも、どこでも音楽を制作でき、パワフルなパフォーマンス機能が聴衆との一体感を生み出します。
「音楽生活をより愉しむためのサービスを展開」では、「TransVox」を開発いたしました。「TransVox」は、歌声の分析・合成とAIに関係する最新技術を駆使し、人の歌声を別人の歌声にリアルタイム変換する技術です。この技術を活用し、2022年に有名歌手とコラボレーションした「なりきりマイク」を展開し、多くのメディアに連日取り上げられるなど大きな反響をいただきました。さらに、男性アーティストの声に挑戦、かつ2音声の同時変換(デュエット機能)への対応にも相性がよいアーティストということから、有名男性アーティストグループとコラボレーションしました。彼らの楽曲をAIに学習させ、4オクターブのツインボーカルの声色の特徴を細部まで把握し、リアルタイムで両名の音声を忠実に再現することを実現しました。また、「TransVox」を活用して制作したAIボイスチェンジャーを使用し、静岡県イメージキャラクターが「しゃべれる」ようにする取り組みに協力しました。
2024/06/25 15:04- #21 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)
2.サステナビリティを価値の源泉に
2050年カーボンニュートラルを目指した事業活動におけるCO2排出量削減や持続的な木材の利用を通じ、地球環境の保全に努めます。製品・サービスを通じて新たな社会の様々な課題を解決し、快適で安全な暮らしに貢献することで社会価値を創造します。また多種・多彩な楽器の供給を通じた世界の音楽シーンへの貢献、新興国における器楽教育普及など、音楽文化全体の普及・発展に力を尽くします。
① 地球と社会の未来を支えるバリューチェーンを築く :カーボンニュートラル、持続可能な木材、
2024/06/25 15:04- #22 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
中期経営計画「Make Waves 2.0」における2025年3月期の経営目標「売上成長率 20%」「事業利益率 14%」「ROE 10%以上」「ROIC 10%以上」は、当連結会計年度においてそれぞれ13.4%、7.3%、6.1%、5.5%となりました。
(イ)セグメントごとの売上収益の状況
当連結会計年度の売上収益は、デジタルピアノの需要回復が遅れたことや、中国市場の市況低迷の長期化により楽器の販売が伸び悩んだものの、法人向け音響機器の販売好調に加え、為替の円安による影響もあり前年同期に対し114億55百万円(2.5%)増加の4,628億66百万円となりました。
2024/06/25 15:04- #23 設備の新設、除却等の計画(連結)
当社グループにおいて2025年3月期に計画しているセグメントごとの設備投資の新設、拡充の概要は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 計画金額(百万円) | 目的 |
楽器 | 15,000 | 製造設備及び営業施設の新設及び更新等 |
音響機器 | 3,000 | 製造設備及び営業施設の新設及び更新等 |
(注)1 上記計画に伴う今後の所要資金20,000百万円は、主として、自己資金で賄う予定であります。
2 上記以外に経常的な設備の更新のための売廃却を除き、重要な売廃却はありません。
2024/06/25 15:04- #24 設備投資等の概要
当連結会計年度の設備投資については、不動産の取得を中心に総額で27,118百万円の投資を実施しました。セグメントごとの内訳は、以下のとおりであります。
セグメントの名称 | 投資額(百万円) |
楽器 | 20,514 |
音響機器 | 4,936 |
(注)有形固定資産及び使用権資産の支出を伴う増加額を設備投資額としております。
なお、当連結会計年度における有形固定資産、無形資産及び使用権資産の増加額は34,171百万円であります。
2024/06/25 15:04- #25 重要な会計方針、財務諸表(連結)
ステップ5 :履行義務の充足時に又は充足するにつれて収益を認識する
当社は、楽器、音響機器及びその他製品の製造販売を主な事業としております。これらの製品の販売については、原則として、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引渡時点で収益を認識しております。収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引、リベート及び返品を控除した金額で測定しております。
5 ヘッジ会計の方法
2024/06/25 15:04- #26 重要な後発事象、財務諸表(連結)
被結合企業の名称 株式会社ヤマハミュージックマニュファクチュアリング
事業の内容 日本国内における楽器、音響機器の製造
(2)企業結合日
2024/06/25 15:04