有価証券報告書-第63期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 14:28
【資料】
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【項目】
108項目

研究開発活動

当社グループでは、スポーツ用品関連事業において研究開発活動を行っておりますが、当社の研究開発活動を基軸に全グループが一丸となってその成果の実現に努めております。
従って製造を担当する子会社等において行われる研究開発活動も、その全てが当社の指揮のもとにあり、グループ全体の調和を旨とした活動を行っております。
当社グループは、スポーツ用品のサプライヤーとして、お客様に喜んで使っていただける製品を開発するために、「お客様の視点に立ち」「お客様の立場で発想し」、市場優位性のある要素開発を融合し、魅力ある新製品の開発をタイムリーに進めてまいりました。また、自然との調和をモットーに企業活動を続けている当社グループにとって、「自然環境の保全」は重要なテーマであり、自然環境に優しい製品作りをしていくための研究にも取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、15億4千8百万円であります。
また、セグメントごとの研究開発活動につきましては、そのほとんどが当社(日本)であり、その内容を商品区分ごとに示すと次のとおりであります。
(1) 釣用リール
釣用リールの研究開発においては、お客様に真に感動と喜びを提供できる製品開発を継続してまいりました。
国内市場では、スピニングリールにおいて、マグシールドという革命的と自負するテクロノジーを搭載し、摩擦抵抗ゼロの防水技術により、更なる回転性能と耐久性を実現しました。この技術をマグシールドボールベアリングへと展開し、広くその性能の良さが浸透してまいりました。更に、MQ(モノコックボディ)という強靭・耐久を昇華させた新構造を採用したイグジストが大好評をいただきました。また、LT(LIGHT&TOUGH=軽量&タフ)コンセプト「フリームス」をはじめとするスピニングリール全般がお客様より大好評をいただきました。ベイトリールにおいては、キャスティング性能を飛躍的に向上させたTWS(T-ウイングシステム)および、アルミ強化ハウジングを採用した「ジリオンTW・HD」、更に、強靭タフコンセプト進化系RYOGAが、非常に高い評価をいただきました。電動リールにおいては、釣りの楽しさを実現する「手持ちコンセプト」の進化系、JOGパワーレバーおよびマグシールドボールベアリングを搭載し、更にアルミマシンカットJOGパワーレバーを搭載した「シーボーグリミテッドシリーズ」、また、メガツインプロを搭載した新サイズ電動 「シーボーグ800MJ」に続き「シーボーグ1200MJ」を発売し、お客様より大好評をいただきました。
海外市場では、スピニングリール「BGシリーズ」および「REVROSシリーズ」が、引き続き好評に加え、LTコンセプト「BALLISTICシリーズ」が大好評をいただきました。また、ベイトリール「TATULA-CTシリーズ」が引き続き好評価をいただきました。
環境への取り組みでは、ISO14001への対応として製品本体を構成する部品にRoHSをはじめとした国際的な環境規制をクリアした環境配慮型材料・塗料などの開発・採用を継続して推進してまいりました。
(2) 釣用ロッド
釣用ロッドの研究開発におきましては、お客様中心の経営方針の下、つりの楽しさ・感動をお客様にお伝えする製品開発を継続・展開してまいりました。
国内市場においては、当社独自のオンリーワン技術であるAGS(エアーガイドシステム)を更に進化させ「ルアーロッド」や「船竿」「磯竿」などへ展開し、非常に高い評価を得ました。また、そのほかにもSMT(スーパーメタルトップ)の展開としてSMTチューブラーを各竿種に搭載を図り、超弾性チタン合金素材のもたらす異次元の感度・調子をお客様に提供することができました。
またこれらのダイワテクノロジーと併せ、ひずみエネルギーによる素材シミュレーション技術(ESS)を用い「モアザン エキスパートAGS」「エメラルダス」などトータルで完成度の高い製品群が市場で大好評を得ました。またそのシミュレーション技術を応用した体感デモ機の開発に成功し、各展示会で好評を博し、売上促進に大きく寄与しました。
海外市場おいては、東アジア・オセアニア・欧米を中心に、今まで以上に各エリアのニーズにマッチした新製品の企画と開発体制の強化に努めてまいりました。特に韓国向け振出真ブナ竿「清明MX」のように、市場ニーズに合った製品の開発を行うことにより、売り上げに大きく貢献し、市場で大きな注目をあびました。
環境面におきましては、ISO14001への対応としてパッケージの減量化、環境配慮型シンナーの採用や塗料の無鉛化など、自然環境に優しい製品作りに引き続き取り組んでおります 。
(3) ゴルフクラブ
ゴルフクラブの研究開発におきましては、主力商品である「ONOFF赤シリーズ」と「ONOFF LADYシリーズ」を2年ぶりにフルモデルチェンジしました。代表される「ONOFF DRIVER AKA」については、ヘッドがたわみ復元することで、ボール初速をアップさせ、更なる飛距離を実現する新「パワートレンチ」構造により、前モデル以上に安定したハイドロー弾道で強く飛ばせるドライバーの開発に成功しました。また、「ONOFF IRON AKA」については、新開発「ツイントレンチ」と「Lカップフェース構造」「ハイリパルジョンソール」との相乗効果で、フェース下部の実打点エリアの反発力を大幅にアップさせ、更なる飛距離アップを実現しました。「ONOFF LADYシリーズ」については、深みのあるパープルを基調カラーとし、大人の女性にふさわしいシンプルでアーバンなデザインを追及し、豊富な色を選択できるカラーカスタムの充実を実現しました。機能面では女性が求める飛びとやさしさの実現をテーマに、たわみのエネルギーを飛びとやさしさに変える新「パワートレンチ」により更なる性能向上の実現に成功しました。
またFOURTEEN(フォーティーン)におきましては、アイアンにつきましては、安定性を高めるために重心を低く、深く、さらに飛距離を出すためにフェースの薄肉エリアを広く取り、高弾道で飛ばせて狙えるポケットキャビティ&セミストレートネックのアイアンTP766の開発に成功しました。
ウェッジにつきまして、ほどよくやさしく技も活かせる、実戦派のセミアスリートウェッジのDJ33、オートマティックに正確に打てるショット安定性で「とにかくやさしい」がコンセプトのスーパーワイドソールウェッジD036、そして、伝統的な形状に最先端の機能を搭載した軟鉄鍛造ウェッジFH Forged V1を上市し、好評をいただきました。