有価証券報告書-第76期(令和1年11月21日-令和2年11月20日)
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループでは、企業理念を創業以来、経営の根底にある不変の価値観を表した「暮らしを創る」と定め、経営方針として「BRAND INNOVATION(ブランド革新)~家庭用品ブランドの深化と「食」と「暮らし」のソリューションブランドへの進化~」を掲げております。
その背景には、国内における人口・世帯数の減少や少子高齢化の進行、海外新興国における生活水準の向上、デジタル化の急速な進展等、人々の暮らしが変化・多様化していくなかで、従来の家庭用品メーカーとしてのブランドを継続するだけでは持続的な成長が難しくなりつつあることが挙げられます。
将来にわたりお客様に支持され、持続的成長を実現するためには、こうした環境の変化に適応し、生活者の食や暮らしに関する不満や負担を、商品やサービスを通じて解決(ソリューション)していく必要があり、ZOJIRUSHIブランドの革新が不可欠であると考えております。
(2) 中期経営計画の進捗状況
当社グループは2018年11月21日より、中期3ヵ年計画『ADAPT』を推進しております。
『ADAPT』は、「Adaptation to Diversity of Area,People and Technology」の各単語の頭文字をとり「多様性への適応」という意味を込めており、多様化する事業領域や販売地域、お客様や株主、テクノロジー等に適応し、持続的に成長することを目指しております。
この2年間、経営方針である「BRAND INNOVATION(ブランド革新)」の実現に向けて、「領域の水平的拡大」、「領域の垂直的拡大」、「経営基盤の強化」に取り組んでまいりました。
「領域の水平的拡大」では、既存市場を深掘りするために、商品ラインアップの拡大や、新市場・新規チャネルの開拓をはかりました。国内では、かまどの炎のゆらぎを再現した最高級モデルの圧力IH炊飯ジャー『炎舞炊き』シリーズの拡充や、共働き・子育て世代をターゲットとした機能性と使いやすさ、シンプルなデザイン性を兼ね備えた家電シリーズ『STAN.』を発売いたしました。また2020年11月より、当社製品を取り扱う直販ECサイト「象印ダイレクト」をオープンいたしました。海外では、中国ベビー用品市場の開拓やEC市場における拡販、販路拡大のため世界最大級の消費財見本市「アンビエンテ」への出展等を行ってきました。
「領域の垂直的拡大」では、新規事業を検討する専門部署を設置し新たな事業領域の創出に向けた体制の強化や、新規商品・新規事業のアイデアを社内公募し開発に着手しています。また、おいしいごはんを軸とした事業展開として、2018年に大阪にオープンしたごはんレストラン「象印食堂」の魅力度向上をはかるとともに、テイクアウト専門店「炎舞炊き象印亭」を期間限定でオープンいたしました。
「経営基盤の強化」では、業務効率化による生産性の向上と原価低減の推進や、当社製品のご愛用者を対象とした「ZOJIRUSHI オーナーサービス」を開始する等、お客様とのコミュニケーション強化を行っています。また、コーポレート・ガバナンス体制のより一層の強化をはかり、さらなる企業価値向上に取り組むため、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な景気減速も影響し、減収減益に歯止めをかけることができませんでした。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
欧米をはじめ日本においても新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、各国で感染抑制と経済活動継続を両立するための試行錯誤が続いています。今後の経済情勢については、ワクチンの普及により緩やかに回復すると見られますが、収束の見通しは立っておらず、今後も不透明な経営環境が続くと推測されます。
人々の暮らしにおいては、健康・衛生意識の高まりや、安心・安全な暮らしへの欲求、デジタル消費の加速、内食への回帰と中食の増加などが見られます。また景気後退による倒産・失業率の増加により、さらなる消費マインドの冷え込みも想定されます。働き方については、テレワークの増加やウェブ会議の普及、電子承認やペーパーレス化が進み、都市部集中への緩和の動きが見られます。このような環境変化のなか、今後はさらに多様な価値観や多様な社会の広がりが進むと考えられます。
このような状況下、減収減益に歯止めをかけ持続的な成長軌道に乗せるため、対処すべき7つの重点課題を設定しました。
①在宅勤務経験を通して見えた課題
・ICT環境の整備と業務の効率化
・働き方の変化に即した人事・評価制度の見直し
②新しい日常における生活者の多様な価値観への適応
・中食・内食シフトや衛生・健康意識の高まりに即したモノづくり
・ECやオンライン化に対応したデジタルマーケティングの強化
③新型コロナウイルス感染症の影響等、景気・需要動向への対応
・主力商品の収益力強化、ステンレスボトルのシェア回復
・景気後退に伴う価格志向への対応
④事業多様化の推進による成長とリスク分散
・新規事業・新規商品の開発、新市場・新チャネル開拓の加速
・基幹商品・基幹部品の調達リスク対策
⑤海外事業の成長軌道回帰
・アジア市場における急速なECシフトへの対応
・ASEAN重点国(ベトナム・タイ・インドネシア)での成長加速
⑥生活者接点の強化と新たなファン層の開拓
・アフターサービス(ZOJIRUSHIオーナーサービス含む)を通じた強固なファンづくり
・「STAN.」を活用した20-30歳代の開拓・ファン化促進
⑦ステークホルダーとの関係強化
・ESG視点での課題整理と実行促進
・IR・SR活動の強化
2021年11月期は、本来であれば中期3ヵ年計画『ADAPT』の最終年度となりますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、前提としていた経営環境が大きく変化しました。そのため2021年11月期から2022年11月期の2ヵ年を『ADAPT PhaseⅡ』と位置づけ、上記7つの重点課題を解決する、新しい日常における計画を新たに策定し、多様性への適応「ADAPT」を加速させていきます。
中期2ヵ年計画『ADAPT PhaseⅡ』の概要(2021年11月期~2022年11月期)
中期2ヵ年計画『ADAPT PhaseⅡ』では、象印ブランドを現状の家庭用品ブランドから、「食」や「暮らし」に関する不満や課題を、商品やサービスを通じて解決できるソリューションブランドへ進化していくために、引き続き「領域の水平的拡大」と「領域の垂直的拡大」、「経営基盤の強化」に取り組んでまいります。
国内事業では「利益とシェア」の最適バランスを追求した提案営業の強化や新規チャネルの開拓に取り組むとともに、社会や生活の変化に合わせた新製品の投入や、「おいしいごはん」を軸とした新規事業の創出をはかります。海外事業では成長軌道への回帰をはかるため、海外特有のニーズに対応した商品の投入や、EC市場の開拓・拡販、成長地域における販路の拡充を行います。また並行して、業務効率・開発効率の向上、サプライチェーンの再整備、人材・組織体制などの強化を行うとともに、ESG課題への取り組みを推進し社会的価値の向上をはかります。

中期業績目標
業績目標は以下の通りです。
(単位:百万円)
当社グループでは、企業理念を創業以来、経営の根底にある不変の価値観を表した「暮らしを創る」と定め、経営方針として「BRAND INNOVATION(ブランド革新)~家庭用品ブランドの深化と「食」と「暮らし」のソリューションブランドへの進化~」を掲げております。
その背景には、国内における人口・世帯数の減少や少子高齢化の進行、海外新興国における生活水準の向上、デジタル化の急速な進展等、人々の暮らしが変化・多様化していくなかで、従来の家庭用品メーカーとしてのブランドを継続するだけでは持続的な成長が難しくなりつつあることが挙げられます。
将来にわたりお客様に支持され、持続的成長を実現するためには、こうした環境の変化に適応し、生活者の食や暮らしに関する不満や負担を、商品やサービスを通じて解決(ソリューション)していく必要があり、ZOJIRUSHIブランドの革新が不可欠であると考えております。
(2) 中期経営計画の進捗状況
当社グループは2018年11月21日より、中期3ヵ年計画『ADAPT』を推進しております。
『ADAPT』は、「Adaptation to Diversity of Area,People and Technology」の各単語の頭文字をとり「多様性への適応」という意味を込めており、多様化する事業領域や販売地域、お客様や株主、テクノロジー等に適応し、持続的に成長することを目指しております。
この2年間、経営方針である「BRAND INNOVATION(ブランド革新)」の実現に向けて、「領域の水平的拡大」、「領域の垂直的拡大」、「経営基盤の強化」に取り組んでまいりました。
「領域の水平的拡大」では、既存市場を深掘りするために、商品ラインアップの拡大や、新市場・新規チャネルの開拓をはかりました。国内では、かまどの炎のゆらぎを再現した最高級モデルの圧力IH炊飯ジャー『炎舞炊き』シリーズの拡充や、共働き・子育て世代をターゲットとした機能性と使いやすさ、シンプルなデザイン性を兼ね備えた家電シリーズ『STAN.』を発売いたしました。また2020年11月より、当社製品を取り扱う直販ECサイト「象印ダイレクト」をオープンいたしました。海外では、中国ベビー用品市場の開拓やEC市場における拡販、販路拡大のため世界最大級の消費財見本市「アンビエンテ」への出展等を行ってきました。
「領域の垂直的拡大」では、新規事業を検討する専門部署を設置し新たな事業領域の創出に向けた体制の強化や、新規商品・新規事業のアイデアを社内公募し開発に着手しています。また、おいしいごはんを軸とした事業展開として、2018年に大阪にオープンしたごはんレストラン「象印食堂」の魅力度向上をはかるとともに、テイクアウト専門店「炎舞炊き象印亭」を期間限定でオープンいたしました。
「経営基盤の強化」では、業務効率化による生産性の向上と原価低減の推進や、当社製品のご愛用者を対象とした「ZOJIRUSHI オーナーサービス」を開始する等、お客様とのコミュニケーション強化を行っています。また、コーポレート・ガバナンス体制のより一層の強化をはかり、さらなる企業価値向上に取り組むため、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な景気減速も影響し、減収減益に歯止めをかけることができませんでした。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
欧米をはじめ日本においても新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、各国で感染抑制と経済活動継続を両立するための試行錯誤が続いています。今後の経済情勢については、ワクチンの普及により緩やかに回復すると見られますが、収束の見通しは立っておらず、今後も不透明な経営環境が続くと推測されます。
人々の暮らしにおいては、健康・衛生意識の高まりや、安心・安全な暮らしへの欲求、デジタル消費の加速、内食への回帰と中食の増加などが見られます。また景気後退による倒産・失業率の増加により、さらなる消費マインドの冷え込みも想定されます。働き方については、テレワークの増加やウェブ会議の普及、電子承認やペーパーレス化が進み、都市部集中への緩和の動きが見られます。このような環境変化のなか、今後はさらに多様な価値観や多様な社会の広がりが進むと考えられます。
このような状況下、減収減益に歯止めをかけ持続的な成長軌道に乗せるため、対処すべき7つの重点課題を設定しました。
①在宅勤務経験を通して見えた課題
・ICT環境の整備と業務の効率化
・働き方の変化に即した人事・評価制度の見直し
②新しい日常における生活者の多様な価値観への適応
・中食・内食シフトや衛生・健康意識の高まりに即したモノづくり
・ECやオンライン化に対応したデジタルマーケティングの強化
③新型コロナウイルス感染症の影響等、景気・需要動向への対応
・主力商品の収益力強化、ステンレスボトルのシェア回復
・景気後退に伴う価格志向への対応
④事業多様化の推進による成長とリスク分散
・新規事業・新規商品の開発、新市場・新チャネル開拓の加速
・基幹商品・基幹部品の調達リスク対策
⑤海外事業の成長軌道回帰
・アジア市場における急速なECシフトへの対応
・ASEAN重点国(ベトナム・タイ・インドネシア)での成長加速
⑥生活者接点の強化と新たなファン層の開拓
・アフターサービス(ZOJIRUSHIオーナーサービス含む)を通じた強固なファンづくり
・「STAN.」を活用した20-30歳代の開拓・ファン化促進
⑦ステークホルダーとの関係強化
・ESG視点での課題整理と実行促進
・IR・SR活動の強化
2021年11月期は、本来であれば中期3ヵ年計画『ADAPT』の最終年度となりますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、前提としていた経営環境が大きく変化しました。そのため2021年11月期から2022年11月期の2ヵ年を『ADAPT PhaseⅡ』と位置づけ、上記7つの重点課題を解決する、新しい日常における計画を新たに策定し、多様性への適応「ADAPT」を加速させていきます。
中期2ヵ年計画『ADAPT PhaseⅡ』の概要(2021年11月期~2022年11月期)
中期2ヵ年計画『ADAPT PhaseⅡ』では、象印ブランドを現状の家庭用品ブランドから、「食」や「暮らし」に関する不満や課題を、商品やサービスを通じて解決できるソリューションブランドへ進化していくために、引き続き「領域の水平的拡大」と「領域の垂直的拡大」、「経営基盤の強化」に取り組んでまいります。
国内事業では「利益とシェア」の最適バランスを追求した提案営業の強化や新規チャネルの開拓に取り組むとともに、社会や生活の変化に合わせた新製品の投入や、「おいしいごはん」を軸とした新規事業の創出をはかります。海外事業では成長軌道への回帰をはかるため、海外特有のニーズに対応した商品の投入や、EC市場の開拓・拡販、成長地域における販路の拡充を行います。また並行して、業務効率・開発効率の向上、サプライチェーンの再整備、人材・組織体制などの強化を行うとともに、ESG課題への取り組みを推進し社会的価値の向上をはかります。

| 1.領域の水平的拡大 ◆国内事業 ・アフターコロナの需要停滞を想定し、「利益とシェア」の最適バランスを追求した 提案営業の強化により、利益額の最大化をはかります。 ・ステンレスボトルと親和性のある売り場をもつ販売チャネルの新規開拓を推進し、 リビング事業の回復を行います。 ・社会や生活の変化に合わせた商品のモデルチェンジやラインアップ拡大を行い、 既存カテゴリの活性化をはかります。 ◆海外事業 ・主要地域におけるEC市場の徹底攻略と新規チャネルの開拓を強化します。 ・成長地域(ベトナム・タイ・インドネシア)における販路の拡充と 最適な販売体制の再構築を行います。 |
| 2.領域の垂直的拡大 ◆新規カテゴリ商品の投入 ・社内公募や協業による商品展開や、既存技術を応用した商品開発により、 新しい売上を創造するとともに、海外特有のニーズ対応した商品を投入します。 ◆新規事業の創出 ・象印らしい「おいしいごはん」を軸とした新規事業の創出をはかります。 |
| 3.経営基盤の強化 ◆生産性の向上 ・業務効率・開発効率を向上させるため、社内リソース(経営資源)の 拡充をはかるとともに、社外への業務委託などを積極的に活用します。 ◆供給体制の整備 ・日本、中国、東南アジアを主軸に生産体制を段階的に見直し、 品質・コスト・納期とリスク分散の両立をはかります。 ・部品調達リスクの分散や価格競争力強化に向けた取り組みを推進します。 ◆お客様との接点強化 ・時代に即したコミュニケーション手段を活用し、充実したサービスの提供により 更なるお客様満足度の向上をはかります。 ・若年層へのコミュニケーションを強化し、新たなファン層を獲得します。 ◆人材・組織体制の強化 ・多様な価値観に適応し、イノベーションによって持続的成長を可能にする 人的基盤の強化と組織の活性化を行います。 ◆ESG課題への取り組み推進 ・ESG課題の解決に向け、具体的な施策や目標を設定し推進することで 社会的価値の向上をはかります。 |
中期業績目標
業績目標は以下の通りです。
(単位:百万円)
| 2020年実績 | 2021年計画 | 2022年目標 | |
| 連結売上高 | 74,947 | 76,000 | 80,000 |
| 連結営業利益 | 5,440 | 5,700 | 6,000 |
| (営業利益率) | (7.3%) | (7.5%) | (7.5%) |