四半期報告書-第45期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)

【提出】
2024/01/31 16:13
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態および経営成績の状況
このたびの令和6年能登半島地震で亡くなられた方々ならびにご遺族の皆様には、謹んで哀悼の意を表します。
また、被災された方々には衷心よりお見舞い申しあげますとともに、被災地の一日も早い復旧・復興を心からお祈り申しあげます。
さて、当第3四半期連結累計期間におきましては、さらなる進化と拡大を続けるグローバル市場に対応するため、デジタル販売の継続的な強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、安定的、持続的な成長のため、経営上の優先課題である人材投資戦略について、人事組織の強化や「クリエイティブスタジオ」の新設、パートナーシップ制度の導入、福利厚生制度の拡充など職場環境のさらなる改善等を実施しました。加えて、開発力・技術力の持続的強化のため、コンシューマゲーム開発における3DCG制作技術を強みとする開発会社を完全子会社化するなど、企業価値の向上を図ってまいりました。
このような経営戦略のもと、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図りました。これにより、当第3四半期連結累計期間におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、3,260万本と前年同期2,910万本を上回り、当社グループのコンテンツ価値向上に大きく寄与しました。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めました。また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業におけるスマートパチスロの導入や当社グループの人気IP活用等によるリピート販売などの施策により、収益の向上を図りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,061億79百万円(前年同期比33.3%増)、営業利益は477億4百万円(前年同期比43.1%増)、経常利益は494億60百万円(前年同期比47.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は346億36百万円(前年同期比46.7%増)となりました。
なお、当社はステークホルダーの皆様からのご支援等により、昨年6月に創業40周年を迎えました。本周年記念の特設サイトとしてデジタル観光地「カプコンタウン」の開設に加え、より一層のブランド浸透を図るなど様々な施策を講じております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① デジタルコンテンツ事業
当事業におきましては、当社グループのeスポーツ展開をリードするシリーズ最新作『ストリートファイター6』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を昨年6月に発売し、グローバルに幅広く支持されました。その結果、298万本を販売し、業績向上に貢献しました。
加えて、12月に米国で開催された世界最大級のゲーム表彰式典「The Game Awards 2023」において、『ストリートファイター6』が優れた格闘ゲームとして「Best Fighting」を受賞しました。さらに、『バイオハザード ヴィレッジ』のプレイステーションVR2対応無料ダウンロードコンテンツが優れたVR / ARゲームとして「Best VR / AR」を受賞し、当社IPが全世界で高い評価を得るなど、タイトル販売に弾みをつけました。
また、リピートタイトルにおいては、「モンスターハンター」シリーズの完全新作『モンスターハンターワイルズ』の制作発表に併せ、同シリーズのリピートタイトルの販売が好調な結果となりました。さらに、3月発売の『バイオハザード RE:4』が、プレイステーションVR2対応の無料タイトルアップデートなどの継続的な施策により、累計648万本を販売し、リピート販売拡大に寄与しました。加えて、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図る施策等を行い、『バイオハザード RE:2』などのシリーズタイトルを中心に販売しました。その結果、リピートタイトルの販売本数が2,670万本と前年同期2,200万本を上回り、収益を押し上げました。
モバイルコンテンツにおいては、「モンスターハンター」シリーズの最新モバイルゲーム『モンスターハンターナウ』(iOS、Android用)が9月に配信されました。同ゲームのグローバルダウンロード数は1,000万を突破し、IPの認知拡大に寄与しました。
この結果、売上高は814億36百万円(前年同期比33.0%増)、営業利益は473億61百万円(前年同期比36.8%増)となりました。
② アミューズメント施設事業
当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により経済活動が回復した状況下、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図りました。
当第3四半期連結累計期間において、昨年4月に子供向け遊具施設の「キッズバネット 静岡店」、6月に体験型施設の「クレイジーバネット イオンモール新居浜店」(愛媛県)および12月にカプセルトイ専門店の「カプセルラボ 原宿竹下通り店」(東京都)をオープンしましたので、施設数は48店舗となっております。
また、『モンスターハンターナウ』をより楽しんでいただける場所を各店舗に設置するなど、他事業との相乗効果を図りました。
この結果、売上高は138億47百万円(前年同期比21.9%増)、営業利益は15億47百万円(前年同期比52.6%増)となりました。
③ アミューズメント機器事業
当事業におきましては、パチスロ市場がスマートパチスロのけん引により堅調に推移している環境下、当社グループのスマートパチスロ第一弾となる『戦国BASARA GIGA』を昨年8月に発売し、15千台を販売しました。加えて、第二弾として1月稼働の『バイオハザード ヴィレッジ』を昨年12月に10千台出荷し、収益に貢献しました。
また、2022年8月発売の『新鬼武者2』および昨年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が、市場での高稼働を受け、リピート販売が順調に推移しました。
この結果、売上高は80億20百万円(前年同期比116.8%増)、営業利益は45億60百万円(前年同期比120.5%増)となりました。
④ その他事業
その他事業につきましては、当社グループのタイトルブランドの価値向上に向け、CG長編映画『バイオハザード:デスアイランド』が昨年7月に全世界で公開されました。加えて、Netflixにおいてアニメシリーズ『鬼武者』が11月に全世界で配信されるなど、引き続き主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズ展開などに注力しました。
また、eスポーツについては、昨年7月から開催の国内チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023」において、シリーズ最新作の『ストリートファイター6』を投入し、10月から北米、11月から欧州においても同チームリーグ戦を開始しました。さらに、8月から世界各地で開催の「CAPCOM Pro Tour 2023」において、当社史上最高の賞金総額200万ドル以上に拡大して実施するほか、シンガポール等でのイベント実施によるeスポーツの振興など、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を講じました。
この結果、売上高は28億75百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は6億42百万円(前年同期比47.4%減)となりました。
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ55億59百万円増加し、2,229億25百万円となりました。主な増加は、「ゲームソフト仕掛品」76億46百万円、未収入金の増加等により「流動資産その他」66億12百万円および「現金及び預金」58億92百万円であり、主な減少は、「売掛金」132億88百万円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ170億57百万円減少し、391億79百万円となりました。主な減少は、「未払法人税等」107億25百万円、「繰延収益」43億99百万円および「賞与引当金」33億7百万円によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ226億16百万円増加し、1,837億45百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」346億36百万円および「為替換算調整勘定」23億52百万円であり、主な減少は、「剰余金の配当」142億78百万円によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ34億27百万円増加し、928億98百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、213億33百万円の収入(前年同期は94億55百万円の収入)となりました。資金の主な増加は、「税金等調整前四半期純利益」495億98百万円(同335億51百万円)によるものであり、主な減少は、「法人税等の支払額」199億47百万円(同104億75百万円)および「ゲームソフト仕掛品の増加額」79億9百万円(同88億86百万円の増加額)によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、50億97百万円の支出(前年同期は27億86百万円の支出)となりました。資金の主な増加は、「定期預金の払戻による収入」227億7百万円(同214億60百万円)によるものであり、主な減少は、「定期預金の預入による支出」241億78百万円(同213億21百万円)および「有形固定資産の取得による支出」38億22百万円(同24億79百万円)によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、153億99百万円の支出(前年同期は252億33百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「配当金の支払額」142億71百万円(同108億73百万円)によるものであります。
なお、当第3四半期連結累計期間における資本の財源および資金の流動性の重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において重要な変更および新たに定めた基本方針はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、292億7百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更はありません。