有価証券報告書-第35期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営理念
「日々新たに、社会に役立つ」
一時の利を考えず、社会貢献から生まれる利益を追求する。
社会を結び、企業を作り、人心を結び、人格を作り、新しい活力を作る。
利己の心ではなく、利他の心で活動する。
(2)経営方針
① 新規開拓に向けた営業力の強化
機能性精密成形品で培った強み・特徴を活かし、これまでの産業機器、レジャーに加えて、ロボット、センサ、通信、医療などの他市場・他分野へ新規顧客開拓のためのアプローチを強化する。
② 環境への対応と未来への商品開発
環境方針、管理体制、規程類を整備し、環境に関わる全社的な体制づくりを行うとともに、「未来への商品開発」を推進し、成果を出す。
③ 生産力の強化と人材育成
個別製品の原価低減に取り組むとともに、検査機やロボット等の導入による自動化と効率化をさらに進める。
会社と社員の成長、成果の配分を徹底する。
(3)経営環境
わが国の経済の先行きにつきましては、米国の中間選挙に向けた動き、中東情勢の緊迫化や原油をはじめとした物価上昇、深刻な人手不足など、景気の先行きには不確実性が残っています。
経済協力開発機構(OECD)が、2026年3月に中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格上昇を踏まえた経済見通しを発表しました(表1参照)。旺盛な人工知能(AI)投資の追い風などで、経済成長率は前回予想(2025年12月)を据え置きましたが、インフレ率は4.0%と大幅な上方修正となり、前回までの緩和見通しを大きく転換しました。
表1)
こうした中、当社は2025年10月に名古屋証券取引所メイン市場への重複上場、2026年2月に東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更を行い、上場維持に係わる課題が解決したことから、2027年3月期より、中長期的な視点での企業価値の向上に取り組んでいく所存です。具体的には、成長投資として、新規設備投資及び生産能力拡大並びに人的資本投資(人材採用の強化)をより積極的に進めてまいります。
その結果として、2027年3月期の売上高は当期比横ばい、利益は大幅に減額となる見込みです。当社の進行期の業績が大幅な減額になる要因は以下の通りです。
① セールスミックスの変動による利益率の悪化
② 新規設備投資の大幅な増額修正
③ 人的資本投資(人材採用の強化)の積極化
上記①~③の要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)対処すべき課題」に記載のとおりであります。
<ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業>映像機器分野では、2025年のデジタルカメラの出荷台数は前年比11.2%増加し、2024年に引き続き好調に推移しました。内訳では、レンズ一体型カメラが29.6%と大幅に増加しました。レンズ交換式カメラの内、ミラーレスは12.5%増加しました。
2026年の「デジタルカメラ合計」は前年比1.6%増と前年比で伸びは鈍化する見通しです。レンズ一体型カメラは増加するものの、レンズ交換式カメラは前年比で微減となる見通しです。
デジタルカメラの出荷台数実績及び2026年出荷見通し 単位:数量(千台)
出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)
当社においては、新機種の取り込みや顧客基盤の拡大も含め、今後とも堅調に推移するものと思われます。
OA機器分野は、過去数年間は中国経済の影響で売上高が大幅に落込み、低迷した反動もあり、当期は、前年同期比で急回復しました。進行期の売上高は顧客の生産計画や今後の当社への発注見込みを勘案した結果、前年同期比で減少する見込みです。その後は緩やかな回復を見込んでおります。
産業機器分野は、産業用インクジェットプリンターヘッドは今後とも拡大基調は維持する見込みです。
進行期の同分野の売上高は、顧客の生産計画や今後の当社への発注見込み並びに市場動向を勘案した結果、前年同期比では減少する見込みです。
レジャー分野は、海外のアウトドア需要や売れ筋機種の影響に売上高は左右される傾向はあります。当社においては、新機種の売上高が見込めることから、拡大基調が続く見込みです。
<マクロ・テクノロジー関連事業>機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子ともに景気動向の影響は受けにくいものの、ライフラインを支えるインフラ整備に使用される製品であるため、定期的な入れ替え需要のほか、電線の地中化や高圧受配電盤のリニューアル需要もあり、底堅く推移する見込みです。国内の大手電力会社による設備投資も長期的に増加傾向を示しており、発電設備を中心に安定した需要が継続しております。
特別高圧・高圧配盤の年度別数量 (単位:面)
出典:一般社団法人日本配電制御システム工業会(JSIA)統計データ
(注)単位の「面」は配電盤を台数ではなく正面の構成面数で換算した値を表しております
当社は新規顧客の受注が見込めることから、進行期の売上高は増加し、拡大基調が続く見込みです。
当社は、国内で一貫生産出来る唯一の樹脂碍子メーカーであり、昨今のサプライチェーン及び地政学的リスクの高まりは、国産有利へ働く可能性が高まるものと予想しております。
(4)対処すべき課題
中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)2年度での前倒し達成
当社は、2023年5月19日に適時開示しました「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」において、中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の成長戦略<基本方針・重点取組事項>を前倒しで発表しました。同計画の業績目標としては、最終年度(2027年3月期)の売上高12.6億円、営業利益1.2億円(いずれも過去最高更新)を目指すこととしました。「経営方針」としては、以下のとおりです。
① 新規開拓に向けた営業力の強化
② 環境への対応と未来への商品開発
③ 生産力の強化と人材育成
同業績目標は、2026年3月期(同計画の2年度)に、売上高及び利益ともに前倒しで達成することができました。
売上高は、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業が大きく伸長しました。全ての分野の売上高は前年同期比で増加しました。特に産業機器分野は、産業用インクジェットプリンターの売上高が予想以上に伸長しました。マクロ・テクノロジー関連事業も堅調に推移しました。同利益は、売上高が予想を上回ったことや工場の高稼働率の継続並びに利益率が高い製品の寄与等で売上高利益率は予想を大きく上回りました。販管費は、労務費及び支払手数料並びに荷造包装費が増加しましたが、営業利益は予想を大きく上回りました。
グロース市場上場維持基準の適合に向けた対応
当社は、グロース市場上場維持基準のうち「時価総額」が上場維持基準を満たしていないことから、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を作成し、中期経営計画の最終年度となる2027年3月までに、上場維持基準を満たすべく、営業力の強化、新商品開発、生産力強化等、各種取組を含め、上記業績の達成に努めてまいりました。
しかしながら、当社は、「同計画書」の成果による「時価総額基準」の適合を見通すことは難しく、同基準が改善期間内に適合していることが確認できなかった場合、当社株式は2027年10月1日に上場廃止となる可能性がありました。
このような状況の変化を踏まえ、当社は、2025年10月6日に名古屋証券取引所メイン市場に重複上場を行い、2026年2月6日には東京証券取引所スタンダード市場への上場市場区分の変更を行いました。以上の対応により当社株式は当該取引所での上場が継続されることとなりました。
当社は、今後も上場のメリットを享受しつつ、これまで培った技術と信頼を基盤とし、持てる経営資源を最大限に活用しながら、顧客ニーズに応える安全で高品質な製品・技術を提供するとともに、これまで培った技術を活用した新規事業の創出を通じて、我が国の新産業創生及び持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の最終年度
当社は、2021年11月15日に、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」の適時開示が始まって以降、業績目標達成と上場維持を常に意識してまいりました。今回の上場維持に係わる課題が解決したことから、当社は進行期(2027年3月期)(以下、進行期という)より、中長期的な視点での企業価値の向上に取り組んでいく所存です。具体的には、成長投資として、新規設備投資及び生産能力の拡大並びに人的資本投資(人材採用の強化)をより積極的に進めてまいります。
その結果として、当該中期経営計画(以下、中期計画という)の最終年度の利益目標は以下のとおり、大幅に減額となる見込みです。
<注記>2027年3月期(最終目標)のセグメント別売上高は、2025年5月に見直し修正。全社売上高及び利益並びに販管費は、2023年5月19日に適時開示した数値。
当社の進行期の業績が大幅な減額になる要因は以下のとおりです。
① セールスミックスの変動による利益率の悪化
当社は成長戦略上、重要な経営指標として、「ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の売上高」を重視し、営業を強化してまいりました。その結果、同関連事業の売上高は、中期計画スタートの前年度売上高718百万円が、2026年3月期には、1,063百万円となり、約1.5倍に伸長しました。収益性の高いナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の伸長により、売上総利益率は、中期計画の最終目標設定時(2023年5月)に想定しました数値39.3%に比べ、改善しております(表2参照)。
進行期のナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の売上高は、顧客の生産計画や今後の当社への発注見込みのヒアリングを実施しながら、市場動向を勘案し、情報を慎重に社内精査した結果、当期を若干下回る見通しです。一方、マクロ・テクノロジー関連事業は、近年に新規開拓しました顧客の売上高を見込んでおり、当期を上回る見通しです。また当社は国内で一貫製造できる唯一の樹脂成形碍子メーカーであることから、昨今のサプライチェーンや地政学的リスクの高まりは、今後受注獲得に優位に働くことが予想されます。
進行期は、両事業の売上高比率が変動することや当期大幅伸長しました産業機器分野が減少すると見込んでいること等から、全体の売上総利益率は当期実績(42.1%)と比較して減少する見込みです(表2参照)。
② 新規設備投資の大幅な増額修正
当社は、今後の事業成長とそれに伴う生産力の強化(老朽設備の更新及び能力増強)に迅速に対応する必要があると考えております。進行期は、関東工場の建屋増築も検討に設備投資を大幅に増額してまいります。具体的には、昨年5月の決算発表時に想定していた額の3倍以上(3億円超)を実施する予定です。これに伴い、減価償却費は大幅な増加が見込まれます。
③ 人的資本投資(人材採用の強化)の積極化
関東工場への大型投資に伴う製造人員の増員、顧客への提案力及び対応力強化に伴う技術者と営業人員の増員、東証スタンダード市場への上場に伴う管理体制の強化のための人員増を進めてまいります。これにより、労務費の増加や新規人材採用に伴う人材紹介手数料の増加を見込んでおります。
以上、上記①~③の要因が複合し、進行期は成長投資を積極的に実施することから、大幅減益を見込んでおります。
次期中期経営計画(2028年3月期から2030年3月期)に向けた対処すべき課題
当社は、三大経営資源(人材、モノ、資金)のうち、将来の成長に必要な「人材」と「モノ(生産設備及び能力)」が現時点で不足していると認識しております。一方「人材及びモノ」を獲得する資金はある程度は確保されております。次期中期経営計画(2028年3月期から2030年3月期)以降の成長戦略の策定を見据え、「人材及びモノ」への投資に迅速に対応すべきであると考えております。進行期は売上高が当期比横ばいとなり、上記①~③の要因が複合し、大幅な減益となることは充分に承知しておりますが、当社としては、中長期的な視点での施策を先行して講じるべき時期であると認識しております。
(5)事業方針
「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」
当社は高精度と高機能を軸として樹脂製品に機能を付加することにより、お客様の商品価値の向上に貢献します。
(6)当社の強み
① 樹脂製品の概念を変える
樹脂製品は「精度がでない」「物性が満足できない」今までの常識で樹脂化を断念していませんか。当社は新たな樹脂化の可能性を追求し、樹脂製品の概念を変えます。
② 樹脂製品のコーデイネーター
当社はお客様の樹脂製品の設計から生産に至るまでのプロセスをトータル的(材料、金型、成形、後加工に至るまで)にサポート提案します。お客様の商品価値向上と量産を視点にあらゆる角度から最適な樹脂製品を提案します。
③ 樹脂製品のカスタマイズ
熱硬化性・熱可塑性に関わらず、様々な種類の樹脂を取り扱う事が可能です。独自コンパウンド技術により、お客様商品にマッチしたオリジナル材料を提案・開発・製造することが可能です。
④ 樹脂製品の一貫生産
樹脂複合材料をコアとして、金型、成形、後加工に至るまで一貫した技術と生産体制を保有しており、提案力、スピード、完成度の優れた樹脂製品を提供できます。一貫体制ならではの安定した量産構築が可能であり、品質保証も一貫して行います。
(1)経営理念
「日々新たに、社会に役立つ」
一時の利を考えず、社会貢献から生まれる利益を追求する。
社会を結び、企業を作り、人心を結び、人格を作り、新しい活力を作る。
利己の心ではなく、利他の心で活動する。
(2)経営方針
① 新規開拓に向けた営業力の強化
機能性精密成形品で培った強み・特徴を活かし、これまでの産業機器、レジャーに加えて、ロボット、センサ、通信、医療などの他市場・他分野へ新規顧客開拓のためのアプローチを強化する。
② 環境への対応と未来への商品開発
環境方針、管理体制、規程類を整備し、環境に関わる全社的な体制づくりを行うとともに、「未来への商品開発」を推進し、成果を出す。
③ 生産力の強化と人材育成
個別製品の原価低減に取り組むとともに、検査機やロボット等の導入による自動化と効率化をさらに進める。
会社と社員の成長、成果の配分を徹底する。
(3)経営環境
わが国の経済の先行きにつきましては、米国の中間選挙に向けた動き、中東情勢の緊迫化や原油をはじめとした物価上昇、深刻な人手不足など、景気の先行きには不確実性が残っています。
経済協力開発機構(OECD)が、2026年3月に中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格上昇を踏まえた経済見通しを発表しました(表1参照)。旺盛な人工知能(AI)投資の追い風などで、経済成長率は前回予想(2025年12月)を据え置きましたが、インフレ率は4.0%と大幅な上方修正となり、前回までの緩和見通しを大きく転換しました。
表1)
| 成長率 | インフレ率 | |
| 2026年3月予想 | 2.9% | 4.0% |
| 2025年12月時点の予想 | 2.9% | 2.8% |
こうした中、当社は2025年10月に名古屋証券取引所メイン市場への重複上場、2026年2月に東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更を行い、上場維持に係わる課題が解決したことから、2027年3月期より、中長期的な視点での企業価値の向上に取り組んでいく所存です。具体的には、成長投資として、新規設備投資及び生産能力拡大並びに人的資本投資(人材採用の強化)をより積極的に進めてまいります。
その結果として、2027年3月期の売上高は当期比横ばい、利益は大幅に減額となる見込みです。当社の進行期の業績が大幅な減額になる要因は以下の通りです。
① セールスミックスの変動による利益率の悪化
② 新規設備投資の大幅な増額修正
③ 人的資本投資(人材採用の強化)の積極化
上記①~③の要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)対処すべき課題」に記載のとおりであります。
<ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業>映像機器分野では、2025年のデジタルカメラの出荷台数は前年比11.2%増加し、2024年に引き続き好調に推移しました。内訳では、レンズ一体型カメラが29.6%と大幅に増加しました。レンズ交換式カメラの内、ミラーレスは12.5%増加しました。
2026年の「デジタルカメラ合計」は前年比1.6%増と前年比で伸びは鈍化する見通しです。レンズ一体型カメラは増加するものの、レンズ交換式カメラは前年比で微減となる見通しです。
デジタルカメラの出荷台数実績及び2026年出荷見通し 単位:数量(千台)
| 2024年 | 2025年 | 前年比 | 2026年 | 前年比 | |||
| デジタルカメラ 合計 | 8,490 | 9,438 | 111.2% | 9,590 | 101.6% | ||
| カテゴリー別 | レンズ一体型 | 1,880 | 2,436 | 129.6% | 2,770 | 113.6% | |
| レンズ交換式 | 6,609 | 7,001 | 105.9% | 6,820 | 97.4% | ||
| ミラーレス | 5,612 | 6,311 | 112.5% | - | - | ||
| 一眼レフ | 997 | 690 | 69.3% | - | - | ||
出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)
当社においては、新機種の取り込みや顧客基盤の拡大も含め、今後とも堅調に推移するものと思われます。
OA機器分野は、過去数年間は中国経済の影響で売上高が大幅に落込み、低迷した反動もあり、当期は、前年同期比で急回復しました。進行期の売上高は顧客の生産計画や今後の当社への発注見込みを勘案した結果、前年同期比で減少する見込みです。その後は緩やかな回復を見込んでおります。
産業機器分野は、産業用インクジェットプリンターヘッドは今後とも拡大基調は維持する見込みです。
進行期の同分野の売上高は、顧客の生産計画や今後の当社への発注見込み並びに市場動向を勘案した結果、前年同期比では減少する見込みです。
レジャー分野は、海外のアウトドア需要や売れ筋機種の影響に売上高は左右される傾向はあります。当社においては、新機種の売上高が見込めることから、拡大基調が続く見込みです。
<マクロ・テクノロジー関連事業>機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子ともに景気動向の影響は受けにくいものの、ライフラインを支えるインフラ整備に使用される製品であるため、定期的な入れ替え需要のほか、電線の地中化や高圧受配電盤のリニューアル需要もあり、底堅く推移する見込みです。国内の大手電力会社による設備投資も長期的に増加傾向を示しており、発電設備を中心に安定した需要が継続しております。
特別高圧・高圧配盤の年度別数量 (単位:面)
| 特別高圧・高圧配盤の 年度別数量 | 年度比 | |
| 2022年度 | 59,044 | 100.2% |
| 2023年度 | 62,145 | 105.3% |
| 2024年度 | 66,722 | 107.4% |
出典:一般社団法人日本配電制御システム工業会(JSIA)統計データ
(注)単位の「面」は配電盤を台数ではなく正面の構成面数で換算した値を表しております
当社は新規顧客の受注が見込めることから、進行期の売上高は増加し、拡大基調が続く見込みです。
当社は、国内で一貫生産出来る唯一の樹脂碍子メーカーであり、昨今のサプライチェーン及び地政学的リスクの高まりは、国産有利へ働く可能性が高まるものと予想しております。
(4)対処すべき課題
中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)2年度での前倒し達成
当社は、2023年5月19日に適時開示しました「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」において、中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の成長戦略<基本方針・重点取組事項>を前倒しで発表しました。同計画の業績目標としては、最終年度(2027年3月期)の売上高12.6億円、営業利益1.2億円(いずれも過去最高更新)を目指すこととしました。「経営方針」としては、以下のとおりです。
① 新規開拓に向けた営業力の強化
② 環境への対応と未来への商品開発
③ 生産力の強化と人材育成
同業績目標は、2026年3月期(同計画の2年度)に、売上高及び利益ともに前倒しで達成することができました。
売上高は、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業が大きく伸長しました。全ての分野の売上高は前年同期比で増加しました。特に産業機器分野は、産業用インクジェットプリンターの売上高が予想以上に伸長しました。マクロ・テクノロジー関連事業も堅調に推移しました。同利益は、売上高が予想を上回ったことや工場の高稼働率の継続並びに利益率が高い製品の寄与等で売上高利益率は予想を大きく上回りました。販管費は、労務費及び支払手数料並びに荷造包装費が増加しましたが、営業利益は予想を大きく上回りました。
| 表1) | (単位:千円) |
| 2025年3月期 (実績) | 2026年3月期 (実績) | 2027年3月期 (最終目標) | |
| 売上高 | 1,022,740 | 1,299,249 | 1,260,000 |
| 売上総利益率 | 42.4% | 42.1% | 39.3% |
| 営業利益 | 108,729 | 164,141 | 120,000 |
| 経常利益 | 110,879 | 165,954 | 121,340 |
| 当期純利益 | 100,655 | 125,470 | 80,000 |
グロース市場上場維持基準の適合に向けた対応
当社は、グロース市場上場維持基準のうち「時価総額」が上場維持基準を満たしていないことから、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を作成し、中期経営計画の最終年度となる2027年3月までに、上場維持基準を満たすべく、営業力の強化、新商品開発、生産力強化等、各種取組を含め、上記業績の達成に努めてまいりました。
しかしながら、当社は、「同計画書」の成果による「時価総額基準」の適合を見通すことは難しく、同基準が改善期間内に適合していることが確認できなかった場合、当社株式は2027年10月1日に上場廃止となる可能性がありました。
このような状況の変化を踏まえ、当社は、2025年10月6日に名古屋証券取引所メイン市場に重複上場を行い、2026年2月6日には東京証券取引所スタンダード市場への上場市場区分の変更を行いました。以上の対応により当社株式は当該取引所での上場が継続されることとなりました。
当社は、今後も上場のメリットを享受しつつ、これまで培った技術と信頼を基盤とし、持てる経営資源を最大限に活用しながら、顧客ニーズに応える安全で高品質な製品・技術を提供するとともに、これまで培った技術を活用した新規事業の創出を通じて、我が国の新産業創生及び持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の最終年度
当社は、2021年11月15日に、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」の適時開示が始まって以降、業績目標達成と上場維持を常に意識してまいりました。今回の上場維持に係わる課題が解決したことから、当社は進行期(2027年3月期)(以下、進行期という)より、中長期的な視点での企業価値の向上に取り組んでいく所存です。具体的には、成長投資として、新規設備投資及び生産能力の拡大並びに人的資本投資(人材採用の強化)をより積極的に進めてまいります。
その結果として、当該中期経営計画(以下、中期計画という)の最終年度の利益目標は以下のとおり、大幅に減額となる見込みです。
| 表2) | (単位:千円) |
| 2027年3月期 (最終目標) | 2027年3月期 (予想) | 差異 (増減) | |
| ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業 | 1,050,000 | 1,026,000 | △24,000 |
| マクロ・テクノロジー関連事業 | 208,000 | 260,000 | 52,000 |
| その他事業 | 2,000 | 6,000 | 4,000 |
| 売上高 | 1,260,000 | 1,292,000 | 32,000 |
| 売上総利益 | 494,789 | 510,000 | 15,211 |
| 同率 | 39.3% | 39.5% | |
| 販管費 | 374,789 | 440,000 | 65,211 |
| 営業利益 | 120,000 | 70,000 | △50,000 |
| 経常利益 | 121,340 | 76,000 | △45,340 |
| 当期純利益 | 80,000 | 46,000 | △34,000 |
<注記>2027年3月期(最終目標)のセグメント別売上高は、2025年5月に見直し修正。全社売上高及び利益並びに販管費は、2023年5月19日に適時開示した数値。
当社の進行期の業績が大幅な減額になる要因は以下のとおりです。
① セールスミックスの変動による利益率の悪化
当社は成長戦略上、重要な経営指標として、「ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の売上高」を重視し、営業を強化してまいりました。その結果、同関連事業の売上高は、中期計画スタートの前年度売上高718百万円が、2026年3月期には、1,063百万円となり、約1.5倍に伸長しました。収益性の高いナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の伸長により、売上総利益率は、中期計画の最終目標設定時(2023年5月)に想定しました数値39.3%に比べ、改善しております(表2参照)。
進行期のナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の売上高は、顧客の生産計画や今後の当社への発注見込みのヒアリングを実施しながら、市場動向を勘案し、情報を慎重に社内精査した結果、当期を若干下回る見通しです。一方、マクロ・テクノロジー関連事業は、近年に新規開拓しました顧客の売上高を見込んでおり、当期を上回る見通しです。また当社は国内で一貫製造できる唯一の樹脂成形碍子メーカーであることから、昨今のサプライチェーンや地政学的リスクの高まりは、今後受注獲得に優位に働くことが予想されます。
進行期は、両事業の売上高比率が変動することや当期大幅伸長しました産業機器分野が減少すると見込んでいること等から、全体の売上総利益率は当期実績(42.1%)と比較して減少する見込みです(表2参照)。
② 新規設備投資の大幅な増額修正
当社は、今後の事業成長とそれに伴う生産力の強化(老朽設備の更新及び能力増強)に迅速に対応する必要があると考えております。進行期は、関東工場の建屋増築も検討に設備投資を大幅に増額してまいります。具体的には、昨年5月の決算発表時に想定していた額の3倍以上(3億円超)を実施する予定です。これに伴い、減価償却費は大幅な増加が見込まれます。
| 設備投資及び減価償却費 | (単位:千円) |
| 2025年3月期 (実績) | 2026年3月期 (実績) | 2027年3月期 (予想) | |
| 設備投資 | 56,170 | 120,985 | 389,000 |
| 減価償却費 | 56,513 | 68,205 | 115,000 |
③ 人的資本投資(人材採用の強化)の積極化
関東工場への大型投資に伴う製造人員の増員、顧客への提案力及び対応力強化に伴う技術者と営業人員の増員、東証スタンダード市場への上場に伴う管理体制の強化のための人員増を進めてまいります。これにより、労務費の増加や新規人材採用に伴う人材紹介手数料の増加を見込んでおります。
以上、上記①~③の要因が複合し、進行期は成長投資を積極的に実施することから、大幅減益を見込んでおります。
次期中期経営計画(2028年3月期から2030年3月期)に向けた対処すべき課題
当社は、三大経営資源(人材、モノ、資金)のうち、将来の成長に必要な「人材」と「モノ(生産設備及び能力)」が現時点で不足していると認識しております。一方「人材及びモノ」を獲得する資金はある程度は確保されております。次期中期経営計画(2028年3月期から2030年3月期)以降の成長戦略の策定を見据え、「人材及びモノ」への投資に迅速に対応すべきであると考えております。進行期は売上高が当期比横ばいとなり、上記①~③の要因が複合し、大幅な減益となることは充分に承知しておりますが、当社としては、中長期的な視点での施策を先行して講じるべき時期であると認識しております。
(5)事業方針
「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」
当社は高精度と高機能を軸として樹脂製品に機能を付加することにより、お客様の商品価値の向上に貢献します。
(6)当社の強み
① 樹脂製品の概念を変える
樹脂製品は「精度がでない」「物性が満足できない」今までの常識で樹脂化を断念していませんか。当社は新たな樹脂化の可能性を追求し、樹脂製品の概念を変えます。
② 樹脂製品のコーデイネーター
当社はお客様の樹脂製品の設計から生産に至るまでのプロセスをトータル的(材料、金型、成形、後加工に至るまで)にサポート提案します。お客様の商品価値向上と量産を視点にあらゆる角度から最適な樹脂製品を提案します。
③ 樹脂製品のカスタマイズ
熱硬化性・熱可塑性に関わらず、様々な種類の樹脂を取り扱う事が可能です。独自コンパウンド技術により、お客様商品にマッチしたオリジナル材料を提案・開発・製造することが可能です。
④ 樹脂製品の一貫生産
樹脂複合材料をコアとして、金型、成形、後加工に至るまで一貫した技術と生産体制を保有しており、提案力、スピード、完成度の優れた樹脂製品を提供できます。一貫体制ならではの安定した量産構築が可能であり、品質保証も一貫して行います。