有価証券報告書-第94期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
- 【提出】
- 2018/06/22 16:29
- 【資料】
- PDFをみる
連結財務諸表注記事項(IFRS)
連結財務諸表に対する注記
1 報告企業の事業内容
丸紅株式会社(以下「当社」という。)は日本国にある株式会社であります。当社及び当社が直接・間接に議決権の過半数を所有する等により支配を有している国内外の連結子会社(以上を合わせて「当社及び連結子会社」という。)は、国内外のネットワークを通じて、生活産業、素材、エネルギー・金属、電力・プラント、輸送機その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しております。
2 連結財務諸表の基本事項
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定を適用しております。
(2)機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示されており、百万円未満を四捨五入しております。
(3)見積り及び判断の利用
連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。
・棚卸資産の評価(注記4 棚卸資産)
・有形固定資産の減損(注記5 有形固定資産)
・無形資産の減損(注記6 無形資産)
・引当金(注記7 引当金)
・確定給付制度債務(注記9 従業員給付)
・繰延税金資産の回収可能性(注記11 法人所得税)
・関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損(注記12 関連会社及びジョイント・ベンチャー)
・金融商品の評価(注記13 金融商品及び関連する開示)
・偶発負債(注記24 約定及び偶発負債)
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った判断に関する情報は、主に以下の通りであります。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲(注記3 重要な会計方針)
・売却目的で保有する非流動資産及び処分グループの分類(注記3 重要な会計方針)
・リースの会計処理(注記8 リース)
・金融資産の認識の中止(注記13 金融商品及び関連する開示)
・負債と資本の分類(注記20 その他資本性金融商品)
3 重要な会計方針
(1)測定の基礎
連結財務諸表は、以下の会計方針で記載されている通り、公正価値で測定されている特定の流動資産、及び金融商品、退職後給付制度に係る資産・負債等を除き、取得原価に基づき作成しております。
(2)連結の基礎
当社が直接・間接に議決権の過半数を所有する等により支配を有している国内外の連結子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、連結財務諸表に含まれております。連結財務諸表において、当社及び連結子会社間の内部取引及び勘定は消去されております。当社と決算期を統一することが、子会社の所在する現地の法制度上不可能である等の理由により、子会社の財務諸表の決算期が当社の決算期である3月末と異なる子会社については、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
(3)企業結合
企業結合は取得法により会計処理を行っております。取得原価は、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分により構成されております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。
既保有持分の支配獲得時の公正価値と帳簿価額との差額は純損益として認識しております。ただし、被取得企業の持分に関して認識していたその他の包括利益は、取得企業が被取得企業の持分を直接処分した場合と同様に処理しております。発生した取得費用は純損益として処理しております。
当社及び連結子会社は、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債について、原則として支配獲得時に存在する契約条件、経済状況、営業方針又は会計方針及びその他の適切な条件に基づいて、必要な分類及び指定を行っております。
(4)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資
関連会社とは、当社及び連結子会社が議決権の20%以上50%以下を保有すること等により重要な影響力を有している企業であります。
ジョイント・ベンチャーとは、当社及び連結子会社が、取決めに対する共同支配を有する当事者として、当該取決めの純資産に対する権利を有しているジョイント・アレンジメントであります。共同支配とは、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在する、取決めに対する契約上合意された支配の共有であります。
当社及び連結子会社は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資について持分法を用いて処理しております。持分法では、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資は、通常、原価に株式取得日以降の関連会社及びジョイント・ベンチャーの純資産の変動に対する当社及び連結子会社の持分に応じて調整した価額により計上しております。また、関連会社及びジョイント・ベンチャーから受け取った配当金については、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額より減額しております。
連結包括利益計算書には関連会社及びジョイント・ベンチャーの収益・費用に対する当社及び連結子会社の持分を持分法による投資損益として表示しております。関連会社及びジョイント・ベンチャーで認識されたその他の包括利益に変動がある場合には、当該変動に対する当社及び連結子会社の持分はその他の包括利益で認識しております。当社及び連結子会社と関連会社及びジョイント・ベンチャーとの間の取引から生じる未実現利益は、当社及び連結子会社の関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分を消去しております。また、関連会社及びジョイント・ベンチャーの会計方針を当社及び連結子会社の会計方針と一致させるための調整を行っております。
他の株主との関係等により、持分法を適用するために用いられる関連会社及びジョイント・ベンチャーの財務諸表の決算期が、当社の決算期である3月末と異なる関連会社及びジョイント・ベンチャーについては、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
持分法の適用後、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。
認識した減損損失がもはや存在しない、または減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する重要な影響力又は共同支配を喪失した場合、公正価値で投資額を測定しております。すなわち、残存持分の公正価値及び関連会社又はジョイント・ベンチャーに対する持分の一部の処分による収入と重要な影響力又は共同支配を喪失した日現在の投資の帳簿価額の差額を純損益として認識しております。なお、持分法により認識していたその他の包括利益は、関連会社及びジョイント・ベンチャーがその他の包括利益に関連する資産又は負債を直接処分した場合と同様に処理しております。
(5)外貨換算
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。連結グループ内の各企業は企業が営業活動を行う主たる経済環境等を考慮して機能通貨を決定しており、各企業の財務諸表は、その機能通貨を使用して測定しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算については、資産及び負債は報告期間の期末日の為替レートで円貨に換算し、収益及び費用は対応する報告期間における平均為替レートで円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。
支配の喪失を伴う子会社の処分時には、その他の資本の構成要素において認識している当該在外営業活動体に関連した換算差額の累計額の全額を純損益に振替えております。また、支配の喪失を伴わない子会社の部分的な処分時には、その他の資本の構成要素として認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分は非支配持分に振替え、純損益として認識しておりません。
重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴う関連会社及びジョイント・ベンチャーの処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額の全額を純損益に振替えております。また、重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴わない関連会社及びジョイント・ベンチャーの部分的な処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分を純損益として認識しております。
(6)現金及び現金同等物
現金同等物には、取得時における満期日が3ヵ月以内の定期預金、譲渡性預金を含めております。
(7)金融商品
(ⅰ)金融資産
当初認識及び測定
IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)の適用対象となる金融資産は、負債性金融資産については、償却原価で測定される金融資産又は純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(以下「FVTPLの金融資産」という。)に分類し、資本性金融資産については、FVTPLの金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(以下「FVTOCIの金融資産」という。)に分類しております。金融資産の当初認識時にその分類を決定しております。
FVTPLの金融資産は当初認識時に公正価値で測定しており、FVTPLの金融資産以外の金融資産は当初認識時に公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
関係する市場における規則又は慣行により一般に定められている期間内での資産の引渡しが要求される金融資産の売買(通常の方法による取引)の場合は、当社及び連結子会社が当該金融商品の契約上の当事者となった取引日により認識しております。
当社及び連結子会社の金融資産には、現金及び現金同等物、営業債権及び貸付金等の負債性金融資産、資本性金融資産、デリバティブ金融資産が含まれております。
事後測定
金融資産は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
償却原価で測定される金融資産
負債性金融資産は以下の双方の基準が満たされる場合、償却原価で測定しております。
・ビジネスモデル上の保有目的が契約上のキャッシュ・フローを回収することである場合
・契約条件がある特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローを生じさせるものである場合
これらの基準を満たす負債性金融資産は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価から減損損失を控除して測定しております。実効金利法による償却は連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
当社及び連結子会社は、上記の償却原価測定の基準を満たす金融資産に対し、FVTPLの金融資産として指定することにより償却原価で測定した場合に生じる会計上のミスマッチが解消又は著しく減少する場合には、当初認識時にFVTPLの金融資産として指定する取消不能の選択をする場合があります。
FVTPLの金融資産
当社及び連結子会社は、当初認識時においてFVTOCIの金融資産として指定しない資本性金融資産、及び償却原価測定の基準を満たさない、または基準を満たすが当初認識時においてFVTPLの金融資産として指定することを選択した負債性金融資産を、FVTPLの金融資産に分類しております。
当初認識後、FVTPLの金融資産の公正価値の変動、配当収益及び利息収益は連結包括利益計算書において主に収益又は金融損益として認識しております。
FVTOCIの金融資産
当社及び連結子会社はトレーディング目的で保有されていない資本性金融資産について、当初認識時にFVTOCIの金融資産として指定するか否かの取消不能の選択をしております。
FVTOCIの金融資産として指定される資本性金融資産は、当初認識後、公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、FVTOCIの金融資産として指定される資本性金融資産からの配当については、連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
認識の中止
当社及び連結子会社は、以下の場合に金融資産の認識を中止しております。
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利が消滅した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、またはパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんどすべてのリスクと経済価値を譲受人に移転した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、またはパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんどすべてのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、支配を移転している場合
金融資産のほとんどすべてのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、譲渡された金融資産に対して支配を継続する場合には、当該金融資産に対して継続的に関与している範囲において金融資産の認識を継続しております。
継続的関与の範囲で金融資産の認識を継続する場合には、関連する負債も認識しております。継続して認識する金融資産又は関連する負債は、当社及び連結子会社が保持する権利及び義務に基づいて測定しております。
償却原価で測定される金融資産の減損
当社及び連結子会社は、当初認識後に発生した1つ又は複数の事象の結果として減損の客観的証拠があり、かつ当該金融資産又は金融資産グループの見積将来キャッシュ・フローを信頼性をもって見積ることができる場合に、減損していると判断しております。
減損の客観的な証拠には、発行者又は相手先の重要な財政上の困難、元本もしくは利息の支払いに対する債務不履行又は遅延等の事象を含んでおります。
減損損失の金額は、当該金融資産の見積将来キャッシュ・フローを当初の実効金利で割り引いた現在価値、又は観察可能な市場価格に基づき見積っております。ただし、当該金融資産の金利が変動金利である場合、見積将来キャッシュ・フローの現在価値の算定は、各報告期間の期末日の実効金利を用いることとなります。
また、上記減損損失に加え、当該金融資産に係る債務者及び地域等が有する潜在的なリスクを評価した上で、過去の経験等を考慮に入れて算定される貸倒実績率又は回収可能価額の見積りに基づき減損損失を計上しております。
減損損失は、連結財政状態計算書上、負債性証券については帳簿価額から直接減額することにより、負債性証券以外の金融資産については引当金を計上することにより認識しております。また、連結包括利益計算書上、営業に係る債権から発生した減損損失は販売費及び一般管理費、それ以外の減損損失は金融損益として認識しております。
減損損失認識後において、減損損失の金額が減少し、その減少が減損を認識した後に発生した事象に客観的に関連付けることができる場合には、以前に認識された減損損失は、直接又は引当金勘定を修正することにより戻入れております。減損損失の戻入額は、当該金融資産の帳簿価額が、減損が認識されていなかったとした場合の償却原価を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
(ⅱ)金融負債
当初認識及び測定
IFRS第9号の適用対象となる金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債(以下「FVTPLの金融負債」という。)を除き、償却原価で測定する金融負債に分類しております。金融負債の当初認識時に分類を決定しております。
FVTPLの金融負債は当初認識時に公正価値で測定しており、償却原価で測定する金融負債に分類される金融負債は当初認識時に公正価値に取引費用を減算した金額で測定しております。
当社及び連結子会社の金融負債には、社債及び借入金、営業債務、デリバティブ金融負債等が含まれております。
事後測定
金融負債は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債として指定された金融負債は、公正価値により測定しております。
当初認識後、FVTPLの金融負債の公正価値の変動及び利息費用は、企業自身の信用リスクの変動に関連する部分は連結包括利益計算書上、その他の包括利益として認識し、残額は主に金融損益として認識しております。
償却原価で測定される金融負債
FVTPLの金融負債に分類されない金融負債は、償却原価により測定しております。
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価で測定しております。実効金利法による償却は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
認識の中止
金融負債は、契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合に認識を中止しております。
当初と著しく異なる条件による金融負債の交換又は条件の実質的な変更は、新たな金融負債の認識と当初の金融負債の認識の中止として取り扱い、これらの帳簿価額の差額は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
金融保証契約
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該金融保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
金融保証契約による負債は、当初認識時に金融保証契約により保証者が将来受領する保証料の合計額に、直接帰属する取引費用を調整した金額の現在価値で測定しております。当該負債は当初認識後、金融保証契約期間に亘り、規則的な方法により償却し、純損益として認識しております。ただし、各報告期間の期末日における現在の保証債務を決済するために要する支出の見積額が当初測定額から償却累計額を控除した金額を上回った場合は、当該負債の残高は各報告期間の期末日における現在の保証債務を決済するために要する支出の見積額で認識しており、その差額は純損益として認識しております。
(ⅲ)金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利が現時点で存在し、かつ、純額で決済するか、もしくは資産の回収と同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、純額を連結財政状態計算書において表示しております。
(ⅳ)金融商品の公正価値
各報告期間の期末日現在、金融商品の公正価値は、活発な市場における公表価格で測定しております。金融商品に関する市場が活発でない、または市場が存在しない場合は、適切な評価技法を用いて公正価値を測定しております。
(8)デリバティブ及びヘッジ会計
当初認識及び事後測定
当社及び連結子会社は、デリバティブを公正価値により、資産又は負債として認識しております。デリバティブの公正価値の変動についての会計処理は、適格なヘッジ手段に指定される場合はヘッジ目的とヘッジ指定により決定され、適格なヘッジ手段に指定されない場合のデリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値の変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、公正価値ヘッジとして、公正価値の変動額を純損益として認識し、ヘッジ対象資産、負債、確定約定の公正価値の変動額と相殺されます。
なお、ヘッジ対象が償却原価により測定する金融商品である場合は、当該金融商品の公正価値と帳簿価額との差額を純損益として認識した上で、修正後の金融商品の帳簿価額に基づき再計算した実効金利により償却しております。
当社及び連結子会社は、主に商品や商品購入の確定約定における公正価値の変動リスクや、固定利付資産・負債の金利変動による公正価値の変動リスクをヘッジするために、公正価値ヘッジを行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジとして、ヘッジ対象からの純損益が認識されるまで、公正価値の変動額をその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、デリバティブの公正価値の変動額のうち、ヘッジの非有効部分は純損益として認識しております。当社及び連結子会社は、商品の予定仕入、売上等における価格変動や為替の変動に伴う将来のキャッシュ・フローの変動リスクや、変動利付資産・負債の金利変動リスクをヘッジするために、キャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。
ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の資本の構成要素に計上されたヘッジ手段に係る金額についても、純損益に振替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債として認識されている場合には、その他の資本の構成要素として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振替えております。
予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれないと判断した場合は、ヘッジ会計を中止しております。この場合には、ヘッジが有効であったときにその他の資本の構成要素に認識していた金額は、ヘッジ会計を中止した時点で純損益に振替えております。また、ヘッジ会計の中止時以降のヘッジ手段の公正価値の変動は、もはやヘッジ手段ではないものとして将来に亘り純損益として処理しております。ヘッジ会計を中止した場合であっても、ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性が見込まれる限りにおいて、ヘッジ会計の中止時までにその他の資本の構成要素として認識していた金額は、当該予定取引が発生するまで引き続きその他の資本の構成要素に計上しております。
純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ及び借入金等のデリバティブ以外のヘッジ手段は、在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして、為替変動額をヘッジ効果が認められる範囲内でその他の資本の構成要素として認識しております。デリバティブ及びデリバティブ以外のヘッジ手段に係る為替変動額のうち、ヘッジの非有効部分及びヘッジ有効性評価の対象外の部分については純損益として認識しております。
純投資ヘッジにより、その他の資本の構成要素として認識された為替変動額の累積額は、在外営業活動体の処分時に純損益に振替えております。
(9)棚卸資産
棚卸資産は主に商品、製品及び販売用不動産で構成されており、取得原価(主に個別法又は移動平均法)と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。正味実現可能価額が取得原価より低い場合はその差額を評価減として費用認識しております。また、評価減は棚卸資産から直接減額しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
棚卸資産を評価減する原因となった従前の状況がもはや存在しない場合、または経済的状況の変化により正味実現可能価額の増加が明らかである証拠がある場合には、評価減の戻入れを行っております。戻入れ後の帳簿価額は取得原価と新たな正味実現可能価額とのいずれか低い方の額で認識しております。評価減の戻入額は純損益として認識しております。
なお、短期的な市場価格の変動により利益を獲得することを意図して棚卸資産を保有している場合、当該棚卸資産は販売費用控除後の公正価値で測定し、販売費用控除後の公正価値の変動は当該変動が発生した期の純損益として認識しております。
(10)有形固定資産
有形固定資産は、取引費用を含めた取得原価で当初認識しております。取得原価には、意図した使用が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産の取得、建設等に直接起因する借入費用を含んでおります。また、使用終了時の見積廃棄費用の現在価値は、引当金の認識基準を満たす場合については資産の取得原価に含めて、その有形固定資産の耐用年数に亘り減価償却により費用として認識しております。
当社及び連結子会社は、当初認識後、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。有形固定資産の減価償却費は、償却可能額を、主として、当該資産の耐用年数(建物及び構築物は概ね2年~60年、機械及び装置は概ね2年~45年)に亘る定額法、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により各期に配分しております。土地は減価償却をしておりません。有形固定資産項目に1つ又は複数の重要な構成要素が存在する場合は、重要な構成要素は個別に減価償却を行っております。
有形固定資産は、処分した時点、またはその使用もしくは処分により将来いかなる経済的便益も期待されなくなった時点で認識を中止しております。当該資産の正味の処分対価と帳簿価額との差額は、認識が中止された時点で純損益として認識しております。
有形固定資産の残存価額、耐用年数及び減価償却方法は、各報告期間の期末日に見直しを実施しており、修正が必要と判断された場合は会計上の見積りの変更として、将来に向かって調整しております。
(11)無形資産
のれん以外の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値で測定しております。無形資産を当初認識後、当社及び連結子会社は原価モデルを適用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。内部創出の無形資産は資産化の基準を満たすものを除き、発生時に関連する支出を費用として認識しております。
無形資産は耐用年数を確定できる資産と耐用年数を確定できない資産に区分しております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、当該資産の耐用年数(販売権及び顧客との関係等は概ね3年~45年、ソフトウェアは概ね2年~20年)に亘り、主に定額法により各期に配分しております。耐用年数及び償却方法は、各報告期間の期末日に見直しを実施しており、修正が必要と判断された場合は会計上の見積りの変更として、将来に向かって調整しております。
耐用年数を確定できない無形資産は償却をしておりません。耐用年数を確定できないという判断をした場合についても、耐用年数を確定できないことの裏付けとなっている事象や状況が引き続き存在しているか否かについて、各報告期間の期末日に見直しを実施しております。耐用年数を確定できないという判断が妥当でなくなった場合においては、耐用年数を確定できない無形資産から確定できる無形資産に変更し、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しております。
無形資産は、処分した時点、またはその使用もしくは処分により将来いかなる経済的便益も期待されなくなった時点で認識を中止しております。当該資産の正味の処分対価と帳簿価額との差額は、認識が中止された時点で純損益として認識しております。
のれん
のれんは、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分の合計(以下「対価の総額」という。)から、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の支配獲得時の公正価値の純額を差し引いた残額により認識しております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。この対価の総額が被取得企業の識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、その差額は純損益として認識しております。
当初認識後、のれんは償却を実施せず、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。企業結合で取得されたのれんは、取得日以後、減損テスト実施のために、当該企業結合から便益を得ることが期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
のれんが配分された資金生成単位又は資金生成単位グループ内の事業を処分する場合は、処分される事業と関連するのれんは当該事業の帳簿価額に含めて、利得及び損失を計算しております。この場合、のれんは、より合理的な方法がある場合を除いて、処分される事業と存続する資金生成単位との価値の比率に基づき測定しております。
(12)石油・ガス及び鉱物資源の採掘活動
石油・ガスの探査及び評価費用並びに開発費用は、成功成果法に基づき会計処理しております。利権鉱区取得費用、試掘井及び開発井の掘削・建設費用、及び関連設備は資産として認識し、試掘井に係る費用は商業採算性がないことが判明した時点で、地質調査費用等のその他の探査及び評価費用は発生時点で、それぞれ費用化しております。また、鉱物資源の探査及び評価費用は、鉱物の採掘活動の商業採算性が確認されるまで発生時に費用認識しております。
資産として計上された探査及び評価費用並びに開発費用は、有形固定資産(機械及び装置)に計上しております。また、探査権等の取得に対する支出は無形資産(資源に関わる権利等)に計上し、技術的可能性と経済的実行可能性が立証可能となった時点で有形固定資産(機械及び装置)に振替処理しております。
なお、事実と状況から探査及び評価資産の帳簿価額が回収可能価額を超過すると判断される場合には、帳簿価額をその回収可能価額まで減額しております。
(13)リース
当社及び連結子会社は、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースにより固定資産の賃貸事業及び固定資産の賃借を行っております。
契約がリースであるか否か、もしくは契約にリースが含まれているか否かについては、契約の履行が特定の資産又は資産グループの使用に依存しているかどうか、及び契約により当該資産の使用権が移転するかに基づき、リース開始日における契約の実質により判断しております。
リース資産の借手である場合
資産の所有に伴うリスク及び経済価値が実質的にすべて移転するファイナンス・リースについては、リース開始日に算定したリース物件の公正価値、またはリース開始日に算定した最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で、リース期間の起算日に連結財政状態計算書に資産及び負債として認識しております。支払リース料は金融費用と負債残高の返済部分に配分しており、金融費用は負債残高に対して一定の利子率となるように算定しております。金融費用はリース期間に亘り、また、変動リース料は発生した期間において費用として認識しております。リース資産は、所有している類似資産の減価償却方法と首尾一貫する方法に基づいて、予測使用期間に亘り減価償却を実施しております。予測使用期間については、所有権移転が合理的に確実である場合は資産の耐用年数とし、所有権移転が不確実な場合はリース期間と資産の耐用年数のいずれか短い期間としております。
オペレーティング・リースにおける支払リース料は、他の規則的な方法が利用者の便益の時間的パターンをより適切に表す場合を除き、リース期間に亘り定額法によって費用として認識しております。変動リース料は発生した期間において費用として認識しております。
リース資産の貸手である場合
資産の所有に伴うリスク及び経済価値が実質的にすべて移転するファイナンス・リースについては、リース期間の起算日にリース開始日の正味リース投資未回収額に等しい金額で受取債権を認識しております。貸手に生じた初期直接費用は、原則として正味リース投資未回収額に含めて認識しております。
オペレーティング・リースについては、その対象となる資産を、資産の性質に応じて連結財政状態計算書に表示しており、当該資産の減価償却方法は、所有している類似資産の減価償却方法と首尾一貫する方法を用いております。リース収益は、他の規則的な方法が資産からの使用便益の減少の時間的パターンをより適切に表す場合を除き、リース期間に亘って定額法により認識しております。また、発生した初期直接費用は、リース資産の帳簿価額に含め、リース収益の認識に従いリース期間に亘り費用として認識しております。
(14)棚卸資産を除く非金融資産の減損
減損損失
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。
有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。
耐用年数を確定できない無形資産及びのれん:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。なお、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。
減損の戻入
各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、または減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
(15)売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
非流動資産又は処分グループの帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引によって回収される場合で、以下の条件を満たす場合は売却目的保有に該当すると判断しております。
・通常又は慣例的な条件のみに基づいて現状で直ちに売却可能である。
・売却の可能性が非常に高い。
売却目的保有に分類する非流動資産及び処分グループは、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額により測定しております。
非流動資産が、売却目的保有に分類されている間、または売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、当該非流動資産について減価償却又は償却を行っておりません。
(16)引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。割引計算が実施される場合、時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しております。
資産除去債務については、資産の解体、除去及び敷地の原状回復費用ならびに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
(17)退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、大部分の従業員を対象として確定給付型企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は予測単位積増方式に基づき制度ごとに算定しております。
確定給付資産又は負債の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。再測定は、確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。また、過去勤務費用は直ちに純損益として認識しております。
確定給付資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、連結財政状態計算書で資産又は負債として認識しております。
(18)自己株式
当社及び連結子会社が自己の資本性金融商品(自己株式)を買い戻す場合には、自己株式を取得原価で認識し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却、発行又は消却時において、いかなる利得及び損失も純損益として認識しておりません。なお、帳簿価額と売却対価との差額は、資本剰余金として認識しております。
(19)株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対してストックオプション制度を採用しております。ストックオプションの付与日における公正価値は、所定の権利確定条件のすべてが満たされるまでの期間に亘り費用として認識し、対応する金額を資本として認識しております。なお、ストックオプションの公正価値はブラックショールズモデルにより算出しております。
(20)収益
収益は受領した、または受領可能な対価の公正価値で測定しております。公正価値は、値引き、割戻し等を差し引いた後の金額であります。
当社及び連結子会社の関与する取引には、仕切取引、代行取引等種々の形態があります。代行取引においては買手と売手との間で直接取引代金の決済が行われ、当社及び連結子会社は、買手と売手いずれか一方、もしくは両方から手数料を受け取っております。仕切取引、代行取引等には以下のような形態があります。
物品の販売
物品の販売から生じた収益は以下のすべてを満たした時に認識しております。
・物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が買手に移転したこと
・販売された物品に対して、所有と通常結び付けられる程度の継続的な管理上の関与及び実質的な支配を保持していない
・収益の額が信頼性をもって測定することができる
・取引に関連する経済的便益が企業に流入する可能性が高い
・取引に関連して発生した、または発生する原価が信頼性をもって測定することができる
物品の販売においては、当社及び連結子会社が出荷を手配する場合、または船荷証券・倉庫証券・貨物引換証・荷渡指示書等を買主に引渡す場合は、その交付時等契約上の受渡条件が履行された時点、またはその他検収が完了し、履行すべき義務がほぼなくなり、顧客の受取が確実となった時点をもって収益を認識しております。
役務の提供
役務の提供の成果が信頼性をもって見積ることができる場合は、各報告期間の期末日における取引の進捗度に従って収益を認識しております。
以下のすべてを満たす場合は、役務の提供の成果が信頼性をもって見積ることができると判断しております。
・収益の額が信頼性をもって測定することができる
・取引に関連する経済的便益が企業に流入する可能性が高い
・取引の進捗度を各報告期間の期末日において信頼性をもって測定することができる
・取引に関連して発生した、または取引の完了に要する原価が信頼性をもって測定することができる
役務の提供においては、役務の提供の成果が信頼性をもって見積ることができる場合を除き、発生した費用が回収されると認められる範囲でのみ収益を認識しております。代行取引においては、契約に定められた役務提供完了時に手数料を認識しております。
工事契約
工事契約の成果が信頼性をもって見積ることができる場合は、工事進行基準を適用しております。工事進行基準では、工事契約収益は進捗度に応じて工事が行われる複数の会計期間に収益として認識しております。工事契約の成果は、以下のすべてを満たす場合に信頼性をもって見積ることができると判断しております。
・工事契約収益の合計額が、信頼性をもって測定することができる
・契約に関連した経済的便益がその企業に流入する可能性が高い
・契約の完了に要する工事契約原価と報告期間の期末日現在の契約の進捗度の両方が信頼性をもって測定することができる
・契約に帰属させることができる工事契約原価が、実際に発生した工事契約原価を従前の見積りと比較できるように、明確に識別でき、かつ、信頼性をもって測定することができる
工事契約の成果が信頼性をもって見積ることができない場合は、工事契約収益は発生した工事契約原価のうち回収される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
契約に関して工事契約総原価が工事契約総収益を超過する可能性が高い場合には、当該超過額は直ちに費用として認識しております。
収益の総額表示と純額表示
物品の販売又は役務の提供に関連する重要なリスク及び経済価値に対するエクスポージャーを有している取引は当事者本人として取引を行っているものと考え、取引の総額を収益として表示しております。物品の販売又は役務の提供に関連する重要なリスク及び経済価値に対するエクスポージャーを有していない取引は代理人として取引を行っているものと考え、取引により得られた対価の総額から第三者に対する支払額を差し引いた純額のみを収益として表示しております。
利息収益
経済的便益が当社及び連結子会社に流入する可能性が高く、収益の金額を信頼性をもって測定することができる場合に認識されます。利息収益は実効金利法により認識しております。
受取配当
配当を受ける株主の権利が確定したときに収益を認識しております。
(21)法人所得税等
当期税金
各報告期間の期末日の未払(未収)法人所得税は、税務当局に対する納付もしくは税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の測定においては、各報告期間の期末日における法定税率又は実質的法定税率を使用しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金は、その他の包括利益として認識しており、資本に直接認識される項目に関する当期税金は、資本として直接認識しております。当社及び連結子会社は、税務上の技術的な解釈に基づき、税務ポジションが税務当局による調査において認められる公算が大きい場合に、その財務諸表における影響を認識しております。
未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつ企業が純額により決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合には、未収法人所得税と未払法人所得税は相殺しております。
繰延税金
当社及び連結子会社は、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その測定に当たっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。
繰延税金負債は、以下を除く将来加算一時差異に対して認識しております。
・のれんの当初認識
・企業結合でなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来加算一時差異について、一時差異の解消時期をコントロールすることが可能であり、かつ当該一時差異が予測可能な将来に解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、企業結合でなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合を除き、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しております。
子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高く、かつ当該一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識しております。
一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性について、各報告期間の期末日で再検討し、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しております。未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日で再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は非流動資産又は非流動負債として表示しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する繰延税金はその他の包括利益に、資本に直接認識される項目に関する繰延税金は資本に直接認識しております。繰延税金資産と繰延税金負債は、企業が未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法律上強制力のある権利を有する場合、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しております。
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が未収法人所得税と未払法人所得税を純額により決済すること、または資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
(22)組替
連結財務諸表及び連結財務諸表に対する注記の表示方法を変更した場合には、比較情報を組替表示しております。
(23)基準書及び解釈指針の早期適用
当社及び連結子会社は、以下の基準を早期適用しております。
(24)未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針は次の通りであります。
当社は2018年3月31日現在において以下の基準書及び解釈指針を適用しておりません。IFRS第9号「金融商品」(2014年7月改訂)及びIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用することによる当社及び連結子会社の連結財務諸表に与える重要な影響はない見込みです。IFRS第16号「リース」を適用することによる影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。なお、以下の基準書及び解釈指針の適用による累積的影響は適用開始日に認識する予定です。
また、IFRS第16号「リース」の適用による主な影響としては、従来の借手のオペレーティング・リースについて、連結財政状態計算書に使用権資産及びリース負債が認識されます。
4 棚卸資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の棚卸資産の内訳は次の通りであります。
経常的に販売費用控除後の公正価値で計上している棚卸資産は、主に取引相手方または第三者から入手した相場価格に基づき評価され、マーケットアプローチに基づく観察可能なインプットを使用した価格モデルに基づき評価しており、レベル2に区分しております。また、その帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ174,148百万円及び255,126百万円であります。
当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
期中に費用認識された棚卸資産の金額は前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ6,371,215百万円及び6,372,458百万円であります。また、そのうち、評価損計上額は、それぞれ2,627百万円及び2,844百万円であります。
5 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は次の通りであります。
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
帳簿価額
取得原価の増減のうちその他には、建設仮勘定から本勘定への振替を含んでおります。
有形固定資産の減価償却費は、連結包括利益計算書上、「商品の販売等に係る原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
当社及び一部の連結子会社は、施設、不動産、工場等について、将来予想キャッシュ・フローの低下等のため、回収可能価額に基づき前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ55,636百万円、2,126百万円の減損損失を計上しております。
オペレーティング・セグメント上、減損損失は、前連結会計年度において、主にエネルギー・金属に50,783百万円含まれております。
減損損失は、連結包括利益計算書上、「固定資産評価損」に含めております。
前連結会計年度における減損損失のうち重要なものは、米国メキシコ湾に所在する石油・ガス資産について埋蔵量の減少等に伴い、将来予想キャッシュ・フローの低下が見込まれたことによる減損損失47,495百万円であり、オペレーティング・セグメント上、エネルギー・金属に含まれております。これらの減損損失は、割引将来キャッシュ・フローに基づいた使用価値にて測定した回収可能価額により算出したものであり、回収可能価額の合計は67,619百万円であります。使用価値算定に用いた加重平均資本コストは8.0%であり、貨幣の時間価値及び固有のリスクに関する現在の市場評価を反映したものであります。使用価値算定に用いた割引将来キャッシュ・フローは、ブローカー等の外部機関が公表している長期価格等を参照して算定しております。
6 無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次の通りであります。
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
帳簿価額
前連結会計年度における「販売権及び顧客との関係等」の取得原価の増減のうちその他には、連結範囲の変更による減少が△22,218百万円含まれております。「のれん」の取得原価の増減のうちその他には、連結範囲の変更による減少が△12,547百万円含まれております。
上記の無形資産のうち耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ48,237百万円及び51,718百万円であり、主なものは「販売権及び顧客との関係等」に含まれている商標権であります。事業期間が確定していない商標権は、事業が継続する限り基本的に存続するため、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、耐用年数を確定できない無形資産に分類しております。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額には、Gavilonの取得に伴い認識した商標権がそれぞれ、42,071百万円及び39,840百万円含まれております。
上記の無形資産のうち耐用年数を確定できる無形資産は耐用年数にわたって償却を行っておりますが、探査及び評価資産については、採掘の技術的可能性と経済的実行可能性とが立証可能となるまでは償却を行っておりません。なお、探査及び評価資産は、採掘の技術的可能性と経済的実行可能性とが立証可能となった段階で有形固定資産へ振替え、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により償却を行います。
耐用年数を確定できる無形資産のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における重要なものの帳簿価額は、「販売権及び顧客との関係等」に含まれる穀物・肥料のトレーディング及び流通事業に関連した顧客との関係に係る資産がそれぞれ、26,758百万円及び23,086百万円、携帯電話販売代理店事業等に関連した販売権及び顧客との関
係に係る資産がそれぞれ27,554百万円及び25,753百万円であります。なお、これらの資産は、4年~25年に亘り、定額法により償却を行います。
無形資産の償却費は、連結包括利益計算書上、「商品の販売等に係る原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
当社及び一部の連結子会社は、無形資産について、将来予想キャッシュ・フローの低下等のため、回収可能価額に基づき前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12,955百万円及び2,630百万円の減損損失を計上しております。
減損損失は、連結包括利益計算書上、「固定資産評価損」に含めております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における「のれん」の帳簿価額には、Gavilonに対するのれんがそれぞれ、70,155百万円及び66,434百万円含まれております。
当連結会計年度より、Gavilonにおける穀物事業及び北米において穀物事業を展開するColumbia Grainを、また、Gavilonにおける肥料事業及び北米において農業資材事業を展開するHelenaを、それぞれ一体事業運営・管理していることから、Gavilonにおける穀物事業とColumbia Grainを1つの資金生成単位グループとし、また、Gavilonにおける肥料事業とHelenaを1つの資金生成単位グループとしております。
従い、当連結会計年度より、Gavilonに対するのれんを各資金生成単位グループに再配分した上で、のれんの減損テストを実施しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、穀物事業資金生成単位グループ(以下、穀物CGUグループ)に対して配分された「のれん」の帳簿価額はそれぞれ、36,278百万円及び34,354百万円であり、オペレーティング・セグメント上、生活産業に含まれております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、農業資材事業資金生成単位グループ(以下、農業資材CGUグループ)に対して配分された「のれん」の帳簿価額はそれぞれ、33,877百万円及び32,080百万円であり、オペレーティング・セグメント上、素材に含まれております。
穀物CGUグループ及び農業資材CGUグループののれんの減損テストにおける回収可能価額は使用価値に基づいて算定しており、当該使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いて算定しております。
事業計画は、資金生成単位グループ毎に、マネジメントが実績に基づき想定した、取扱数量、価格、マージン等を主要な仮定とし、過去の経験を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しております。また、穀物CGUグループ及び農業資材CGUグループにおける事業計画は、マーケットコンディションを平均化するため、対象期間を10年間で策定しております。事業計画が対象としている期間を超える期間については、継続価値を算定しております。
継続価値を算定するために用いられた一定の成長率2%は、各CGUグループの属する市場及び米国における長期の平均成長率等を勘案して決定しております。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における使用価値算定に用いた加重平均資本コストは、それぞれ、8.1%及び8.5%であり、貨幣の時間価値及び固有のリスクに関する現在の市場評価を反映したものであります。
7 引当金
当連結会計年度における、引当金の増減は次の通りであります。
「その他」には、為替変動による増減等が含まれております。
資産除去債務は、主に石油・ガスの資源開発事業に従事する連結子会社における資源開発設備の撤去に係る費用等に関するものであります。設備の撤去に係る支出は、当該資産除去債務の当初認識後、通常10年以上経過した後に支出されると見込まれております。
その他の引当金には、訴訟損失引当金や不利な契約等の負債性の引当金が含まれております。
なお、資産除去債務及びその他の引当金は、連結財政状態計算書上、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含めております。
8 リース
貸手側
当社及び一部の連結子会社は、ファイナンス・リースに該当する取引として、機械及び装置等の賃貸を行っております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在におけるファイナンス・リース契約に係るリース投資未回収総額及び受取最低リース料総額の現在価値は次の通りであります。
また、当社及び一部の連結子会社は、オペレーティング・リースに該当する取引として、機械及び装置等の賃貸を行っております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における解約不能オペレーティング・リース契約に係る受取最低リース料総額は次の通りであります。
借手側
当社及び一部の連結子会社は、ファイナンス・リースに該当する取引として、機械及び装置等の賃借を行っております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の正味帳簿価額はそれぞれ、27,109百万円及び24,279百万円であり、連結財政状態計算書上、主に「有形固定資産」に含めております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在におけるファイナンス・リース契約に係る支払最低リース料総額及びその現在価値は次の通りであります。
また、当社及び一部の連結子会社は、オペレーティング・リースに該当する取引として、機械及び装置、建物及び構築物等の賃借を行っております。これらのリースに係る前連結会計年度及び当連結会計年度における支払リース料はそれぞれ、51,299百万円及び54,854百万円であります。このうち、それぞれ3,081百万円及び5,380百万円にはサービスに対する支払が含まれております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における解約不能オペレーティング・リース契約に係る支払最低リース料総額は次の通りであります。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における解約不能な転貸リースに係る受取最低リース料99,882百万円及び89,045百万円は控除されておりません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における上記支払最低リース料総額のうち、それぞれ6,725百万円及び10,021百万円にはサービスに対する支払が含まれております。
9 従業員給付
(1)退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランスプラン又はその他の確定給付型企業年金制度を設けており、ほぼ全ての従業員が対象となっております。また、当社及び一部の連結子会社は、退職年金制度に加え、退職時に一時金を給付する退職一時金制度を併せて設けております。これらの制度における給付額は、従業員の勤続年数や給与水準等に基づき算定されております。
確定給付企業年金法等において、当社には年金給付を行う丸紅企業年金基金への掛金の拠出等の義務が課されております。基金の理事には法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣の処分、丸紅企業年金基金の規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実に、積立金の管理及び運用に関する業務を遂行する忠実義務等の責任が課されております。また、理事に対しては、第三者の利益を図ることを目的とした資産管理契約の締結の禁止が規定されるとともに、利益相反行為の禁止等の行為準則が明確化されております。
制度は当社より法的に独立した丸紅企業年金基金によって運営されております。代議員会は、雇用主側から選出された代表者(選定代議員)及び従業員側から選出された代表者(互選代議員)が同一人数にて構成し、代議員会の議長(理事長)は雇用主側から選出されます。
代議員会の議事は出席者の過半数で決しますが、可否同数の場合は、議長である理事長が決する権限を有しております。ただし、特に重要な事項に関する議事については、上記を超える多数で決することと規定しております。
投資方針等の重要な事項の決定権限は全て代議員会が有しております。実際の資産運用は、投資委託契約に基づき運用受託機関が行い、代議員会による個別の運用銘柄等の指示は、法令により禁止されております。
当社には、丸紅企業年金基金に対する掛金の拠出が要求され、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されております。当社は将来にわたり丸紅企業年金基金が定める掛金の拠出義務を負っておりますが、同拠出に加え、任意に退職給付信託に積立てを行っております。
退職一時金制度については、当社が直接受給者への支給義務を負っております。積立に関する法的要請はありませんが、当社が任意に退職給付信託に積み立てた制度資産が存在します。
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社及び一部の連結子会社の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値に係る変動は次の通りであります。
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いられた主要な数理計算上の仮定は次の通りであります。
感応度分析は期末日において合理的に推測し得る仮定の変動に基づき行われております。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
仮に割引率が0.5%下落し、その他の仮定に変動がない場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務はそれぞれ15,556百万円及び15,040百万円増加します。昇給率については将来の変動を見込んでおりません。
前連結会計年度末における制度資産の項目毎の公正価値は次の通りであります。
当連結会計年度末における制度資産の項目毎の公正価値は次の通りであります。
丸紅企業年金基金における資産の運用にあたっては、将来にわたり年金及び一時金の給付を確実に行うために必要な収益を長期的に確保することを目的としております。そのための投資方針は、各資産のリスク・リターンの特性を分析し、各資産間の相関を考慮した上で分散投資を図ることを基本としております。
具体的には、株式・公社債等の各種の資産を効率的に組み合わせた政策アセットミックスを策定し、それに沿ってマネージャーストラクチャーを構築並びに運用受託機関を選定し投資を実行しております。運用受託機関の選定にあたっては、経営理念・経営内容、運用方針及び運用スタイル、情報収集体制・意思決定プロセス等運用管理体制、法令遵守体制、受託機関及び運用担当者の年金運用における経験・実績等を勘案しております。
当連結会計年度末における制度資産に関する運用分類毎の目標投資比率は、株式、公社債及びその他について、それぞれ30%、60%、10%となっております。
また、運用受託機関を通じて行われる各資産の投資については、以下の通りであります。
主に証券取引所に上場されている株式については、投資対象企業の経営内容について精査し、業種、銘柄等を考慮した上で適切な分散投資を行っております。国債、公債、社債については、発行体、格付け、利率、償還日等の発行条件を精査して、適切な分散投資を行っております。合同運用信託については、株式及び公社債と同様の投資方針で行っております。生命保険会社が扱う団体年金の一般勘定である生保一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されております。外国銘柄への投資については、政治・経済の安定性、決済システム及び税制等の市場特性を精査し、適切に投資対象国及び通貨を選定しております。
なお、キャッシュバランスプランにおいては、制度資産の運用成績と年金給付額は一部連動する関係にあります。
丸紅企業年金基金における年金積立は、税法上の損金算入限度額、制度資産の積立状態、数理計算等の様々な要因を考慮の上行われます。制度資産への拠出は、既に提供された役務に対する給付に加え、将来提供される部分に対する給付を賄うことも意図しております。
確定給付企業年金法の規定に従い、丸紅企業年金基金の規約においては将来にわたり財政の均衡を保つことができるように5年毎に事業年度末日を基準日として掛金の額の再計算を行うことが規定されております。
再計算では、掛金に係る基礎率(予定利率、予定死亡率、予定脱退率、予定昇給指数、予定新規加入者数等)を見直し、掛金の妥当性を再検証しております。
これに加えて当社では、確定給付制度債務の積立不足額を積み立て、年金積立状態の健全性を維持するために市場性のある株式又は現金を退職給付信託に拠出する場合があります。
平成30年度において、約9,200百万円を掛金として制度資産へ拠出する予定です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションはそれぞれ14.6年及び14.4年であります。
(2)従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結包括利益計算書上、「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計金額は、それぞれ283,349百万円及び303,328百万円であります。
10 その他の損益
連結包括利益計算書における「その他の損益」は、前連結会計年度において、その他の収益73,600百万円とその他の費用27,666百万円の純額となっており、また、当連結会計年度において、その他の収益26,497百万円とその他の費用61,560百万円の純額となっております。
「その他の損益」の主な内容は以下の通りです。
前連結会計年度
「その他の損益」に含まれる為替差損益(純額)は、13,496百万円(為替差益)であります。なお、当該為替差損益は、ヘッジ目的のデリバティブ損益と概ね相殺されております。
また、大分県における太陽光発電事業を譲渡したことに伴い、譲渡益として22,387百万円を認識しております。
当連結会計年度
「その他の損益」に含まれる為替差損益(純額)は、4,824百万円(為替差益)であります。
また、海外インフラ案件における損失を認識しております。
11 法人所得税
当社は連結納税制度を適用しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された法人所得税の総額は、次の各対象項目に振分けて計上されております。
当社は主に、法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計
年度及び当連結会計年度における法定実効税率は、約31.0%であります。ただし、海外子会社についてはその所在地における一般的な税率をもって計算しております。
米国税制改正法「Tax Cuts and Jobs Act」が平成29年12月22日(米国東部時間)の大統領署名を以って成立し、連邦法人所得税率の35.0%から21.0%への引下げ等が行われることとなりました。これに伴い、米国の連結子会社の平成30年1月1日以降に解消が見込まれる一時差異等については、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率を変更しております。この税率変更等により、当連結会計年度の法人所得税が2,842百万円減少(益)しております。
法定実効税率と、連結包括利益計算書上の法人所得税の実効税率との調整は、次の通りであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は次の通りであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は次の通りであります。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次の通りであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金資産が認識されていない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額はそれぞれ、733,604百万円及び759,507百万円であります。このうち、失効期限別の繰越欠損金額は次の通りであります。
前連結会計年度又は当連結会計年度において、損失を計上しており、かつ繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している一部の子会社について、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金資産をそれぞれ100,122百万円及び64,113百万円を認識しております。これは各社のマネジメントが繰越欠損金及び将来減算一時差異を控除可能な課税所得の発生可能性を、タックスプランニングの機会等に基づき慎重に評価した結果、繰延税金資産を認識したものです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金負債が認識されていない、子会社及び関連会社に対する投資並びにジョイント・ベンチャーに対する持分に係る一時差異の総合計額はそれぞれ、776,091百万円及び840,005百万円であります。なお、認識されていない繰延税金負債の金額の算定は実務的ではありません。
12 関連会社及びジョイント・ベンチャー
前連結会計年度
持分法を適用している関連会社に対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、1,001,351百万円及び72,649百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額71,494百万円、その他の包括利益の持分取込額1,155百万円であります。
持分法を適用しているジョイント・ベンチャーに対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、754,601百万円及び53,269百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額43,231百万円、その他の包括利益の持分取込額10,038百万円であります。
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーの損失に対する未認識の持分は、それぞれ6,612百万円(期中減少額1,926百万円)及び8,942百万円(期中減少額5,258百万円)であります。
一部の関連会社及びジョイント・ベンチャーにおいて、プロジェクト・ファイナンスによる資金調達が行われており、預金について使用制限が付されております。
当連結会計年度
持分法を適用している関連会社に対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、994,926百万円及び100,344百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額99,815百万円、その他の包括利益の持分取込額529百万円であります。
持分法を適用しているジョイント・ベンチャーに対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、769,243百万円及び49,816百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額48,688百万円、その他の包括利益の持分取込額1,128百万円であります。
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーの損失に対する未認識の持分は、それぞれ11,572百万円(期中増加額4,960百万円)及び2,558百万円(期中減少額6,384百万円)であります。
一部の関連会社及びジョイント・ベンチャーにおいて、プロジェクト・ファイナンスによる資金調達が行われており、預金について使用制限が付されております。
13 金融商品及び関連する開示
(1)資本管理方針
当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針として、銀行をはじめとした金融機関からの間接調達と、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接調達を実施しております。当社及び連結子会社は、経営環境の変化にも耐えうる強固な収益基盤と磐石な財務基盤を確立し、持続的成長を達成するために、ネットD/Eレシオ(注1)、リスクアセット(注2)等の指標を資本管理に用いて、財務体質の強化を図っております。
(注)1 ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債/資本合計。なお、ネット有利子負債は、社債及び借入金
(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物、定期預金を差し引いて算出しております。
2 当社の定義するリスクアセットとは、Value at Risk手法による連結ベースでの保有資産価値の最大損 失額のことであり、連結子会社の保有する資産も含めたグループ全体の資産について、国、産業、顧客 の信用格付、回収予定期日、といったエクスポージャーごとのリスク属性を基に、相関を考慮したコン ピュータシミュレーションを行っております。
当社グループは、平成28年4月からスタートした3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」において、平成30年度末にネットD/Eレシオを1.3倍程度とすることを目標としておりましたが、平成29年5月9日に公表した「中期経営計画 GC2018の修正」において、財務基盤の更なる強化、及び事業戦略の進化を基本方針として、平成30年度末のネットD/Eレシオの目標を1.0倍程度に修正しております。ネットD/Eレシオについては、目標とする経営指標として、マネジメントは定期的にモニタリングしております。
なお、当社及び連結子会社が適用を受ける重要な資本の規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2)財務上のリスク管理方針
当社及び連結子会社は、日本を含む様々な国において営業活動を展開しているため、以下に挙げる金利リスク、為替リスク、信用リスク、商品価格リスク、流動性リスク及び株価変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、定期的なモニタリングを通じてこれらのリスクを評価しております。上記リスク軽減のため、リスクに対して一部若しくは全部のヘッジを行っている取引については、ヘッジ会計適用の有無に関わらず、同一のリスク管理方針のもとに管理を行っております。原則、ヘッジ対象とヘッジ手段の基礎数値は同一であり、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係が成立しております。また、ヘッジ比率は原則として一対一としており、ヘッジ対象のリスクを概ね減殺しております。
① 金利リスクの管理
当社及び連結子会社は、一部を除いて変動金利で資金調達しているため、金利が上昇すると支払利息が増加します。一方、変動金利の資金調達の相当の部分は金利の影響を転嫁できる営業債権及び貸付金等に見合っています。また、固定資産や投資等の非金利感応資産についても、取扱収益・受取配当金の増加により、収益の増加が見込まれます。よって、金利リスクは完全に回避できないものの、業績に与える影響は一定程度抑制される資産・負債の構成となっております。
そのうえで、当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、固定資産や投資等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジション残高とし、市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等を活用することで、金利リスクの軽減を図っております。
金利の感応度
以下の表は、その他全ての変数が一定であることを前提として、金利が1%上昇した場合における当社及び連結子会社の税引前利益への影響を示しております。
② 為替リスクの管理
当社及び連結子会社は、様々な通貨で取引を行っており、外貨建ての営業活動及び在外営業活動体に対する純投資に関連する為替変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、営業活動から生じる外貨建債権・債務、外貨建確定契約及び外貨建予定取引のキャッシュ・フローの変動リスク、外貨建債権・債務及び外貨建確定契約の公正価値の変動リスク及び在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジするため、為替予約、外貨建ての社債及び借入金等により為替変動リスクの軽減を図っております。
為替の感応度
以下の表は、その他全ての変数が一定であることを前提として、米ドル及び豪州ドルに対して日本円が1円円高となった場合における当社及び連結子会社の税引前利益及び資本への影響を示しております。また、その他全ての変数が一定であることを前提として、米ドル及び豪州ドルに対して日本円が1円円安となった場合における当社及び連結子会社の税引前利益及び資本への影響は、以下の表と同額で反対の影響があります。米ドル及び豪州ドル以外のその他全ての通貨の為替変動リスクに重要性はありません。
③ 信用リスクの管理
当社及び連結子会社は、輸出、輸入、国内及び外国間の各取引において、工業製品、農産物、消費財等、あらゆる分野にわたる商品を取り扱っており、その事業活動は、世界のあらゆる地域での資源開発、商品企画、事業投資から生産、物流、市場開拓まで、多岐にわたっております。従って、取引先あるいは投資先について重大な信用リスクの集中はありません。また、当社及び連結子会社は必要に応じて担保を要求しております。
当社及び連結子会社の金融資産の減損後の帳簿価額は、担保等の信用補完を考慮に入れない、信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
④ 商品価格リスクの管理
当社及び連結子会社は、石油及びガス、石炭、アルミ、銅、農産物等の商品価格の変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、売りと買いのマッチングや、先物、先渡、スワップ、オプション等の商品デリバティブ等により商品価格の変動リスクの軽減を図っております。なお、一部の商品デリバティブについては、予め決められた限度・損失限度枠内においてトレーディング目的で取引を実施しております。
商品価格の感応度
当社及び連結子会社が期末日において保有する棚卸資産、売買契約に係る商品価格の変動リスクは、商品デリバティブ等により概ね減殺されております。
なお、トレーディング目的の商品デリバティブの公正価値の変動による影響に重要性はありません。
⑤ 流動性リスクの管理
当社及び連結子会社は、金融市場の混乱等によって保有資産の市場流動性が著しく低下する等、流動性リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、適切な現金及び預金等の残高を維持するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関との間のコミットメントラインの設定により、十分な流動性を確保しております。
当社及び連結子会社のデリバティブの流動性分析は下表の通りであります。なお、他の契約と純額決済されるデリバティブについても総額で表示しております。
非デリバティブ金融負債の流動性分析は(3)金融商品の公正価値を参照ください。
⑥ 株価変動リスクの管理
当社及び連結子会社は、主に取引先との関係強化を目的として資本性金融資産(株式)を保有しているため、株価変動の影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は定期的に保有株式の見直しを実施し、保有意義の薄れた株式を売却することによって、株価変動リスクの軽減を図っております。
株価変動リスクの感応度
活発な市場のある資本性金融資産(株式)について、期末日の公表価格が一律5%下落した場合の当社及び連結子会社のその他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額への影響額(税引前)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末でそれぞれ、△9,261百万円及び△8,712百万円であります。
(3)金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融商品の公正価値の見積りは入手しうる市場情報又は他の適切な評価方法によっております。
当社及び連結子会社は金融商品の公正価値の開示に際し以下の方法と仮定を使用しております。
現金及び現金同等物、定期預金:
現金及び現金同等物、定期預金は償却原価にて測定しており、その連結財政状態計算書上の帳簿価額は、満期までの期間が短期であるため概ね公正価値であります。
有価証券及びその他の投資:
活発な市場のある有価証券の公正価値は、期末日の公表価格に基づいて測定しております。
活発な市場のない資本性金融資産及びFVTPLの金融資産に分類される負債性金融資産の公正価値は、割引将来キャッシュ・フロー、第三者による鑑定評価及びその他の評価方法により測定しております。
償却原価で測定されている負債性金融資産の公正価値は、同一の残存期間で同程度の信用格付を有する負債性金融資産に適用される期末日の市場金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
営業債権及び貸付金、営業債務:
営業債権及び貸付金、営業債務の公正価値は、主に同一の残存期間で同程度の信用格付を有する営業債権及び貸付金、営業債務に適用される期末日の金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
社債及び借入金:
社債及び借入金の公正価値は、同じ償還期限を有する類似の借入契約に適用される期末日の金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
その他の金融資産及びその他の金融負債:
その他の金融資産及びその他の金融負債はデリバティブ資産及びデリバティブ負債並びに非デリバティブ資産及び非デリバティブ負債により構成されております。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額は公正価値であります。
非デリバティブ資産は主に取引先に対するその他の債権で構成されており、FVTPLの金融資産を除いて償却原価にて測定しております。
非デリバティブ負債は主に取引先に対するその他の債務、認識の中止の要件を満たさずに譲渡した営業債権及び貸付金の対価に係る債務で構成されており、償却原価にて測定しております。
償却原価で測定されている非デリバティブ資産及び非デリバティブ負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額は概ね公正価値であります。
金利スワップ契約:
金利スワップ契約の公正価値は、同じ残存期間を有する類似のスワップ契約に適用される期末日のスワップ金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
為替予約:
為替予約の公正価値は、期末日の公表価格をもって見積っております。
商品先物・先渡等:
商品先物・先渡等の公正価値は、期末日の公表価格をもって見積っております。
② 営業債権及び貸付金
営業債権及び貸付金の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
FVTPLの営業債権及び貸付金は、当社の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性に基づいて、FVTPLで事後測定するものとして分類されたものであり、それを除く営業債権及び貸付金は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるFVTPLの営業債権及び貸付金はそれぞれ43,482百万円及び49,974百万円です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における償却原価にて測定する営業債権及び貸付金の公正価値はそれぞれ1,355,261百万円及び1,404,106百万円であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における金融資産の認識の中止の要件を満たさずに譲渡し、譲渡資産の全部の認識を継続する営業債権及び貸付金については、それぞれ129,871百万円及び107,373百万円を「営業債権及び貸付金」に含めて表示しており、譲渡により入金した金額61,378百万円及び59,233百万円をそれぞれ「その他の金融負債」に含めて表示しております。これらの営業債権及び貸付金は、手形の振出人や債務者が支払不履行となった場合に、当社及び連結子会社に支払義務が遡求されることから、当社及び連結子会社が譲渡資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持していると判定されたものであります。
上記のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において譲受人が譲渡資産のみに遡求権を有している営業債権及び貸付金はそれぞれ90,757百万円及び89,453百万円であり、関連する負債の帳簿価額はそれぞれ22,285百万円及び41,321百万円であります。これらの帳簿価額は概ね公正価値であります。
また、譲渡した営業債権及び貸付金の中には、債務者が支払不履行となった場合に当社及び連結子会社に支払義務が部分的に遡求されること、及び、当社及び連結子会社が当該営業債権及び貸付金への支配を保持していると判定されることから、継続関与の範囲で資産の認識を継続しているものがあります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当該営業債権及び貸付金の譲渡前の帳簿価額はそれぞれ854百万円及び419百万円であり、当社及び連結子会社が認識し続けている継続関与資産及び関連する負債の帳簿価額は同額でそれぞれ140百万円及び73百万円であります。
貸倒引当金の期中の増減は次の通りであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、減損していると評価されている営業債権及び貸付金はそれぞれ34,738百万円及び46,946百万円であり、これに対して設定した貸倒引当金はそれぞれ27,711百万円及び38,664百万円です。営業債権及び貸付金の帳簿価額と貸倒引当金との差額については担保等による回収が可能であると判断しております。
当社及び連結子会社は、債権管理方針として、決済期日から90日を超えた金融債権を期日超過債権として管理・牽制を強化しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、決済期日を超えているが減損していない営業債権及び貸付金の内訳は次の通りであります。
③ 有価証券及びその他の投資
有価証券及びその他の投資の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
FVTPLの負債性のその他の投資は、当社の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性に基づいて、FVTPLで事後測定するものとして分類されたものであります。
FVTPLのその他の投資は、前連結会計年度末において、主にファンドへの出資等であり、当連結会計年度末において、主に公社債等であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における償却原価で測定される有価証券及びその他の投資の帳簿価額は概ね公正価値であります。
当社及び一部の連結子会社が保有する公正価値で測定される資本性のその他の投資のうち、主として取引関係の維持、強化を目的として保有する投資については、FVTOCIで事後測定するものとして分類されたものであります。当該FVTOCIのその他の投資は主に普通株式であり、公正価値の内訳は次の通りであります。
活発な市場があるその他の投資の主な銘柄は次の通りであります。
活発な市場のないその他の投資は、資源関連分野並びに素材、機械及び生活産業関連分野等における投資により構成されております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の資源関連分野における投資はそれぞれ77,413百万円、79,354百万円であり、その他の分野における投資はそれぞれ66,278百万円、61,507百万円であります。
FVTOCIのその他の投資について、前連結会計年度中に認識された受取配当金は17,301百万円で、そのうち前連結会計年度末において保有している投資に係る受取配当金は16,563百万円であります。当連結会計年度中に認識された受取配当金は21,254百万円で、そのうち当連結会計年度末において保有している投資に係る受取配当金は20,731百万円であります。
FVTOCIのその他の投資に係る資本の部のその他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額については、連結会計年度中に認識の中止を行ったもの及び取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではないもの等に係る部分を利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度中及び当連結会計年度中の振替額(税引後)はそれぞれ、328百万円(損失)及び7,593百万円(損失)であります。
事業戦略の見直し等により処分したFVTOCIのその他の投資は次の通りであります。
④ 営業債務
営業債務の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
営業債務は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債務の帳簿価額は概ね公正価値であります。
営業債務の契約満期別の内訳は次の通りであります。
⑤ 社債及び借入金
社債及び借入金の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
社債及び借入金は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における社債及び借入金の公正価値はそれぞれ、2,806,133百万円及び2,542,717百万円であり、レベル3に区分しております。
社債及び借入金の契約満期別の内訳は次の通りであります。
社債及び借入金の内訳は次の通りであります。
(注)利率、最終償還期限及び最終返済期限は当連結会計年度末のものを表示しております。
⑥ 金融損益
金融損益の内訳は次の通りであります。
支払利息のその他には主にデリバティブに係る損益が含まれております。
有価証券損益のその他には主に関連会社及びジョイント・ベンチャーの売却に係る損益及び減損損失、子会社の支配喪失に伴う損益が含まれております。前連結会計年度及び当連結会計年度における子会社の売却等に伴う連結除外による損益はそれぞれ9,165百万円(利益)及び5,350百万円(利益)であります。そのうち、従前の子会社に対して保有している残余投資を支配喪失日現在の公正価値で測定したことによる損益は前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ3,814百万円(損失)及び1,483百万円(利益)であります。
当連結会計年度の有価証券損益のその他として、英国洋上風力発電事業の売却に伴う売却益11,177百万円を認識しております。
⑦ 公正価値の測定
当社及び連結子会社は、特定の資産及び負債を公正価値で測定しております。公正価値の測定のために使われるインプットは、市場における観察可能性に応じて以下の3つのレベルに区分されております。
レベル1:測定日において当社及び連結子会社がアクセス可能な、同一の資産又は負債に関する活発な市場における(無調整の)相場価格
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外の、直接又は間接的に観察可能な、資産又は負債に関するインプット
レベル3:資産又は負債に関する観察不能なインプット
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、当社及び連結子会社が経常的に公正価値で測定している資産及び負債は次の通りであります。
レベル1に区分されているその他の投資は、主に活発な市場のある資本性証券であり、デリバティブ取引は商品に係るデリバティブ取引であります。これらは活発な市場における無調整の相場価格によって評価しております。
レベル2に区分されている営業債権及び貸付金は将来の市場価格で決済される営業債権であります。デリバティブ取引は主に金利スワップ、為替予約及び商品に係るデリバティブ取引であります。これらはレベル1には属さない、活発ではない市場における同一資産の相場価格、あるいは活発な市場における類似資産又は類似負債に基づき評価され、商品取引所の相場価格、外国為替相場及び金利等の観察可能なインプットを使用して、主にマーケットアプローチで評価しております。
レベル3に区分されたその他の投資は主に活発な市場のない資本性証券であり、デリバティブ取引は主に商品に係るデリバティブ取引であります。これらは、活発な市場における類似資産又は類似負債がない、または極端な流動性の低下等により相場価格が歪められている等の理由で観察可能なインプットが使用できないため、合理的に入手可能なインプットや多くの市場参加者が合理的だとして採用しているインプット等によって、主にインカムアプローチで評価しております。
経常的に公正価値で評価される資産及び負債のうち、レベル3に区分された投資の公正価値の測定に関する重要な観察不能なインプットは割引率であります。公正価値は割引率の上昇(低下)により減少(増加)することとなります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社及び連結子会社が公正価値の測定に使用している割引率はそれぞれ、6.5%から11.7%及び7.0%から11.6%となっております。
当社及び連結子会社は、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期連結会計期間末に認識することとしております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の重要な振替はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社及び連結子会社が経常的に公正価値で測定しているレベル3の資産及び負債の増減は次の通りであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
連結包括利益計算書上、上記の資産及び負債に係る損益について、営業債権及び貸付金に係る損益は「その他の損益」に、その他の投資に係る損益は「有価証券損益」に、その他の金融資産に係る損益は主に「商品の販売等に係る収益」に、デリバティブ取引に係る損益は主に「商品の販売等に係る原価」又は「その他の損益」に含まれております。
また、上記のその他は主に連結包括利益計算書上の「在外営業活動体の換算差額」であります。
レベル3に区分されている資産、負債については当社で定めた公正価値測定の評価方針及び手続きに従い、担当部署が、対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。また、必要に応じて適切な第三者評価機関から鑑定評価等を入手しております。公正価値測定の結果は、担当部署から独立したコーポレートスタッフグループがレビューしております。
レベル3に区分されている資産のうち、「その他の包括利益を通じて公正価値測定されたその他の投資」の評価に使用されているインプットを代替的な仮定に変更した場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においては、著しい公正価値の変動はありません。
(4)金融資産及び金融負債の相殺
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品及び強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の内訳は次の通りであります。
金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品に関する相殺の権利は通常、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなる等の特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものであります。
(5)デリバティブ取引及びヘッジ活動
公正価値ヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、公正価値ヘッジとして主に棚卸資産及び商品売買の確定契約に係る公正価値の変動リスクをヘッジするための商品先物・先渡、及び固定利付資産・負債に係る固定金利を変動化するための金利スワップを指定しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。また、ヘッジ会計の中止による影響金額及び確定契約がヘッジ対象として不適格となったことにより純損益として認識した金額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、キャッシュ・フロー・ヘッジとして主に外貨建債権・債務、外貨建確定契約及び外貨建予定取引のキャッシュ・フローを固定化するための為替予約、変動利付資産・負債に係る変動金利を固定化するための金利スワップ、及び商品売買の予定取引に係るキャッシュ・フローを固定化するための商品先物・先渡を指定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。また、ヘッジ会計の中止による影響金額及び予定取引の発生が見込まれなくなったために、キャッシュ・フロー・ヘッジの評価差額から純損益に再分類した金額に重要性はありません。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジするため、主に外貨建ての社債及び借入金、為替予約を利用しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における、当社及び一部の連結子会社の、ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係るヘッジ種類別の帳簿価額は次の通りであります。
(注)1 「その他の金融資産」、「その他の非流動金融資産」、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」
2 「その他の金融資産」、「その他の非流動金融資産」、「営業債務」、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」
3 「その他の金融資産」、「社債及び借入金」及び「その他の金融負債」
上記以外に、ヘッジ会計を適用していないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、55,647百万円及び39,817百万円、63,337百万円及び53,536百万円であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、主なヘッジ手段の想定元本及び平均価格は次の通りであります。
前連結会計年度末
公正価値ヘッジにおける固定金利を変動化する金利スワップの主な条件は、固定受取金利が0.1%~2.0%に対して、変動支払金利が全銀協日本円TIBOR(3ヵ月物及び6ヵ月物)となっております。
当連結会計年度末
公正価値ヘッジにおける固定金利を変動化する金利スワップの主な条件は、固定受取金利が0.1%~2.0%に対して、変動支払金利が全銀協日本円TIBOR(3ヵ月物及び6ヵ月物)となっております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、当社及び一部の連結子会社の、公正価値ヘッジに分類されるヘッジ対象の帳簿価額及び公正価値ヘッジ調整の累計額は次の通りであります。
前連結会計年度末
当連結会計年度末
(注)1 「社債及び借入金」
2 「その他の金融資産」
3 「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」
前連結会計年度及び当連結会計年度における、当社及び一部の連結子会社の、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結包括利益計算書上、その他の包括利益に計上された金額(税効果考慮前)は次の通りであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
前連結会計年度及び当連結会計年度における、純額ポジションのヘッジについて、連結包括利益計算書上、個別の科目に認識したヘッジ損益に重要性はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結財政状態計算書上、その他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
当期利益への組替修正額の主な内容は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによる組替修正であります。
ヘッジ手段のオプションの時間的価値及びヘッジ手段に含まれる先物要素、外貨ベーシス・スプレッドを除いてヘッジ指定をしている場合における、これらのヘッジ手段から除いた金額に重要性はありません。
連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」及び「その他の非流動金融資産」に含まれるデリバティブ資産は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、61,210百万円及び43,171百万円、70,882百万円及び30,022百万円であります。
なお、「その他の金融資産」及び「その他の非流動金融資産」に含まれる非デリバティブ資産には、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、FVTPLの金融資産がそれぞれ12,882百万円及び13,152百万円含まれております。
連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」に含まれるデリバティブ負債は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、65,993百万円及び2,933百万円、59,597百万円及び4,763百万円であります。
14 差入担保資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、次の資産を借入契約等の担保として供しております。
当社及び連結子会社は、標準的な借入契約等において通常の慣習的な条件に基づき担保を差入れております。
上記の他、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、支払手形に含まれる引受輸入手形には、輸入担保荷物保管証が差入れられております。
輸入担保荷物保管証の標準的な約款では、輸入担保荷物の売却代金を引受輸入手形の未決済残高に充当するために、銀行に払込むこととなっております。しかし、当社及び連結子会社は手形期日に引受輸入手形の決済を実行しております。当社及び連結子会社の取引量が膨大であることから、輸入担保荷物保管証の対象となっている棚卸資産及び売却代金の総額を確定することは実務的ではありません。
わが国では、通常、銀行から要求された場合、借入に対し、担保を提供しなければなりません。また、担保の提供の有無にかかわらず、銀行には預金を期日到来分の貸付金と相殺する権利があり、さらに、債務不履行あるいはその他の特約事項が発生した場合には、預金をすべての貸付金と相殺する権利があります。当社及び連結子会社は、かかる権利を行使されたことはありません。
15 1株当たり当期利益
基本的及び希薄化後1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益の計算は次の通りであります。
16 その他の資本の構成要素及びその他の包括利益
その他の資本の構成要素の各項目の増減は次の通りであります。
非支配持分を含むその他の包括利益の各項目と、それらに係る税効果額は次の通りであります。
17 キャッシュ・フロー情報
キャッシュ・フローの補足情報は次の通りであります。
財務活動から生じた負債及び資産の変動の主な内容は次の通りであります。
当連結会計年度
18 セグメント情報
(1)オペレーティング・セグメント情報
当社及び連結子会社は、業績評価及び資源配分の意思決定のためのセグメント(オペレーティング・セグメント)として、商品及びサービスの特性に応じて区分したセグメントを採用しております。各セグメントは、種々の産業に関連して、国内及び海外において、原材料、生産財を含む広範囲な工業製品、消費財の購入、販売、市場開拓等を行っており、これらの営業活動は、金融、保険、その他の役務提供を伴っております。当社はこれらの事業を、オペレーティング・セグメントとして5の商品別セグメントに分類しております。
各セグメントの主な取引内容は以下の通りであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるオペレーティング・セグメント情報は、次の通りであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
(注)1 当連結会計年度より、オペレーティング・セグメント情報に「収益」を表示しております。
2 当連結会計年度より、「生活産業」の一部を「素材」に、また、「その他」の一部を「生活産業」に編入しております。
3 上記に伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。
4 セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
5 「その他」の「親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△)」には、特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない本部経費等の損益、セグメント間の内部取引消去が含まれております。また、「その他」の「セグメントに対応する資産」には、全社目的のために保有され、特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない資金調達に関連した現金及び現金同等物等の資産、セグメント間の内部取引消去に関する資産が含まれております。
(2)地域別情報
地域別情報は、収益の発生原因となる資産の所在する地域により区分しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における地域別情報は、次の通りであります。
対外部収益
(注)特定の顧客への収益の集中はありません。
非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)
19 資本金及び剰余金
当社の授権株式及び発行済株式は次の通りであります。
(注)1 普通株式は無額面であります。
2 当社の発行済株式数は全額払込済みであります。
自己株式、子会社及び関連会社保有の当社株式は次の通りであります。
会社法では、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、その他資本剰余金とその他利益剰余金の配当金額の10分の1をそれぞれ資本準備金と利益準備金として積み立てなければなりません。
20 その他資本性金融商品
財務基盤の更なる強化を図るため、平成28年8月に永久劣後特約付ローン(以下、本ローン)により国内金融機関から資金調達を実行しております。
本ローンはIFRS上、資本性金融商品に分類されるため、「資本」区分において243,589百万円(取引費用6,411百万円控除後)を「その他資本性金融商品」に計上しております。
なお、当連結会計年度末における、本ローンの経過利息のうち、支払が確定していないため、その他資本性金融商品の所有者に対する分配として認識していない金額は、479百万円であります。
本ローンの概要
21 配当
普通株主への分配として認識された普通株式に関する配当額は次の通りであります。
取締役会で決議されたが当該連結会計年度中に普通株主への分配として認識されていない普通株式に関する配当額は次の通りであります。
22 株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対してストックオプション制度を採用しております。当該制度の下では、新株予約権1個当たり普通株式100株が付与対象者に付与されます。新株予約権の権利行使時の払込金額は1株当たり1円であります。
新株予約権の権利行使期間は割当日の翌日から33年の間で、割当日の翌日から3年を経過する日又は当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日のうちいずれか早い日以降から行使することができます。なお、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10年間経過した場合、新株予約権を行使することができなくなり、当該時点において未行使の新株予約権を放棄したものとみなされます。
ストックオプションの状況は次の通りであります。
当連結会計年度末における未行使ストックオプションの行使価格の範囲及び加重平均残存契約年数は、それぞれ1円及び31.8年であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社のストックオプション制度に基づき発行されたストックオプ
ションの各測定日における加重平均公正価値はそれぞれ419円及び671円であります。
ストックオプションの公正価値はブラックショールズモデルにより算出しております。なお、予想ボラティリティは予想残存期間に対応する期間の過去の株価を基に算出しております。公正価値の算定における前提条件は次の通りであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において計上された株式報酬に基づく費用はそれぞれ180百万円及び348百万円であります。
23 関連当事者取引
連結財務諸表には、次の表に挙げられる子会社の財務諸表が含まれております。
当連結会計年度末
なお、上記以外に、266社の連結子会社の財務諸表が含まれております。
当社の取締役及び監査役への報酬等の総額は次の通りであります。
主要な関連当事者に対する当社及び連結子会社の債権残高及び債務残高は次の通りであります。
前連結会計年度末
当連結会計年度末
主要な関連当事者に対する当社及び連結子会社の収益及び仕入高は次の通りであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
24 約定及び偶発負債
当社及び一部の連結子会社は、化学品関連、金属関連、機械関連等の様々な商品に関して固定価格又は変動価格による長期購入契約を締結しております。通常、これらの購入契約に対し、見合いとなる販売契約を締結しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における長期購入契約の残高はそれぞれ、約662,000百万円及び約714,000百万円であります。
また、当社及び一部の連結子会社の前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における未履行投融資残高はそれぞれ、約224,000百万円及び約182,000百万円であり、そのうち有形固定資産及び無形資産に関する資本的支出の金額はそれぞれ、約2,000百万円及び約31,000百万円、ジョイント・ベンチャーに関するコミットメントの金額はそれぞれ、約53,000百万円及び約46,000百万円であります。
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における保証総額は、それぞれ357,619百万円及び260,973百万円であり、このうち関連会社及びジョイント・ベンチャーに係る金額は、それぞれ294,394百万円及び192,551百万円であります。当該保証総額(要求払い保証総額)は、履行可能性の程度にかかわらず、保証を履行すべき事象が発生した際に要求される契約上の想定しうる将来最大支払額を表示しております。
従って、当該保証総額は通常、保証に基づく偶発損失とは関係なく、これを大幅に上回るものであります。また、これらの保証契約の中には、当社及び一部の連結子会社が第三者による再保証等を受けているものもあります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における、第三者による再保証等の金額は、それぞれ25,353百万円及び5,934百万円であり、このうち関連会社及びジョイント・ベンチャーに係る金額は、それぞれ21,074百万円及び3,302百万円であります。
当社では、保証を差入れるに当たり、被保証者について、財務諸表等の情報に基づき事前審査を行った上で、その信用力に応じた信用度ランクを付与し、適正な信用限度の設定や必要な保全措置を講じることにより、保証履行リスクの管理を実施しております。
当連結会計年度末現在において、連結財務諸表に対し重大な影響を及ぼす保証の履行を行う可能性は僅かと見込んでおり、損失が見込まれるものに対しては所要の引当金を計上しております。
当社グループは、全世界的な規模で営業活動を行っており、日本及びそれ以外の地域の諸監督機関の指導監督の下に活動しております。この様な営業活動は、リスクを伴うこともあり、時として提訴されたり、クレーム等を受けることもあります。
当社は、平成23年3月17日付でインドネシア最高裁判所(以下、最高裁)において当社が勝訴した訴訟(以下、旧訴訟※)と同一の請求内容である、損害賠償請求等を求める南ジャカルタ訴訟及びグヌンスギ訴訟(併せて以下、現訴訟)について、第一審及び第二審での一部敗訴を受け最高裁に上告しておりましたが、南ジャカルタ訴訟については平成29年5月17日に、グヌンスギ訴訟については平成29年9月14日に、それぞれ最高裁判決を受領しました。
※当社がインドネシアの企業グループであるSugar Groupに属するPT. Indolampung Perkasa及びPT. Sweet Indolampungに対して債権を保有し、支払の督促を行っていたところ、当該債務者2社を含むSugar Group企業(PT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram、PT. Indolampung Distillery及びPT. Garuda Pancaarta)が債権者である当社を被告に含めて当社債権・担保の無効確認及び損害賠償の請求を行ったもの。
南ジャカルタ訴訟の最高裁判決内容の要旨は以下の通りです。
南ジャカルタ訴訟:
被告6名のうち当社及び丸紅欧州会社を含む被告4名が連帯して原告5社(インドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram、PT. Indolampung Distillery及びPT. Garuda Pancaarta)に対して合計2億5千万米ドルの損害賠償金を支払うことを命じるもの。
グヌンスギ訴訟の最高裁判決内容の要旨は以下の通りです。
グヌンスギ訴訟:
被告7名のうち当社を含む被告5名が連帯して原告4社(インドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram及びPT. Indolampung Distillery)に対して合計2億5千万米ドルの損害賠償金を支払うことを命じるもの。
現訴訟は、旧訴訟と同一内容の請求に関して、Sugar Groupが再び当社らを提訴したものであり、上記の判決内容は、Sugar Groupの主張を棄却した旧訴訟での最高裁自身の判決と矛盾するものであると考えられます。そのため、当社は、インドネシア最高裁判所法に基づき、南ジャカルタ訴訟については平成29年10月24日に、またグヌンスギ訴訟については平成30年2月6日に、それぞれ最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立てました。
当社は、司法審査(再審理)の結果、当該判決が無効になる可能性が高いと判断しているため、当連結会計年度末現在においては、南ジャカルタ訴訟及びグヌンスギ訴訟に対する訴訟損失引当金は認識しておりません。
当連結会計年度末において、上記の他、海外インフラ案件における損害賠償や債権回収に関する未解決の訴訟等がありますが、損失処理を行っている一部案件を除き、結果を現時点で予測することは不可能です。なお、これらに係る詳細な開示は、訴訟等に重要な影響を及ぼす可能性があるため、行わないこととしております。
25 ストラクチャード・エンティティ
当社及び一部の連結子会社は、ストラクチャード・エンティティに対して投資または融資等により関与しております。そのうち、連結していないストラクチャード・エンティティは融資及びリース事業等を目的としており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における総資産額はそれぞれ、391,400百万円及び264,580百万円であります。当該ストラクチャード・エンティティは、主として銀行借入により資金調達を行っております。
連結していないストラクチャード・エンティティに対する関与に関連して、連結財政状態計算書上に認識した資産・負債の帳簿価額及び最大エクスポージャーは次の通りであります。
資産帳簿価額の主な内訳は前連結会計年度末は「長期営業債権及び長期貸付金」であり、当連結会計年度末は「持分法で会計処理される投資」であります。負債帳簿価額の主な内訳は「長期営業債務」であります。資産帳簿価額及び負債帳簿価額の合計と最大エクスポージャーとの差異は、主にリース契約であります。
なお、最大エクスポージャーはストラクチャード・エンティティが保有する資産の価値の下落及びリース契約から発生する可能性のある損失の最大の金額であり、ストラクチャード・エンティティに関与することにより見込まれる損失の金額を意味するものではありません。
26 後発事象
当社は、次の通り社債を発行しました。
<第1回米ドル建て無担保社債>
27 連結財務諸表の承認
平成30年6月22日に、連結財務諸表は当社取締役会により承認されております。
1 報告企業の事業内容
丸紅株式会社(以下「当社」という。)は日本国にある株式会社であります。当社及び当社が直接・間接に議決権の過半数を所有する等により支配を有している国内外の連結子会社(以上を合わせて「当社及び連結子会社」という。)は、国内外のネットワークを通じて、生活産業、素材、エネルギー・金属、電力・プラント、輸送機その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しております。
2 連結財務諸表の基本事項
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定を適用しております。
(2)機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示されており、百万円未満を四捨五入しております。
(3)見積り及び判断の利用
連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。
・棚卸資産の評価(注記4 棚卸資産)
・有形固定資産の減損(注記5 有形固定資産)
・無形資産の減損(注記6 無形資産)
・引当金(注記7 引当金)
・確定給付制度債務(注記9 従業員給付)
・繰延税金資産の回収可能性(注記11 法人所得税)
・関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損(注記12 関連会社及びジョイント・ベンチャー)
・金融商品の評価(注記13 金融商品及び関連する開示)
・偶発負債(注記24 約定及び偶発負債)
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った判断に関する情報は、主に以下の通りであります。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲(注記3 重要な会計方針)
・売却目的で保有する非流動資産及び処分グループの分類(注記3 重要な会計方針)
・リースの会計処理(注記8 リース)
・金融資産の認識の中止(注記13 金融商品及び関連する開示)
・負債と資本の分類(注記20 その他資本性金融商品)
3 重要な会計方針
(1)測定の基礎
連結財務諸表は、以下の会計方針で記載されている通り、公正価値で測定されている特定の流動資産、及び金融商品、退職後給付制度に係る資産・負債等を除き、取得原価に基づき作成しております。
(2)連結の基礎
当社が直接・間接に議決権の過半数を所有する等により支配を有している国内外の連結子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、連結財務諸表に含まれております。連結財務諸表において、当社及び連結子会社間の内部取引及び勘定は消去されております。当社と決算期を統一することが、子会社の所在する現地の法制度上不可能である等の理由により、子会社の財務諸表の決算期が当社の決算期である3月末と異なる子会社については、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
(3)企業結合
企業結合は取得法により会計処理を行っております。取得原価は、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分により構成されております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。
既保有持分の支配獲得時の公正価値と帳簿価額との差額は純損益として認識しております。ただし、被取得企業の持分に関して認識していたその他の包括利益は、取得企業が被取得企業の持分を直接処分した場合と同様に処理しております。発生した取得費用は純損益として処理しております。
当社及び連結子会社は、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債について、原則として支配獲得時に存在する契約条件、経済状況、営業方針又は会計方針及びその他の適切な条件に基づいて、必要な分類及び指定を行っております。
(4)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資
関連会社とは、当社及び連結子会社が議決権の20%以上50%以下を保有すること等により重要な影響力を有している企業であります。
ジョイント・ベンチャーとは、当社及び連結子会社が、取決めに対する共同支配を有する当事者として、当該取決めの純資産に対する権利を有しているジョイント・アレンジメントであります。共同支配とは、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在する、取決めに対する契約上合意された支配の共有であります。
当社及び連結子会社は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資について持分法を用いて処理しております。持分法では、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資は、通常、原価に株式取得日以降の関連会社及びジョイント・ベンチャーの純資産の変動に対する当社及び連結子会社の持分に応じて調整した価額により計上しております。また、関連会社及びジョイント・ベンチャーから受け取った配当金については、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額より減額しております。
連結包括利益計算書には関連会社及びジョイント・ベンチャーの収益・費用に対する当社及び連結子会社の持分を持分法による投資損益として表示しております。関連会社及びジョイント・ベンチャーで認識されたその他の包括利益に変動がある場合には、当該変動に対する当社及び連結子会社の持分はその他の包括利益で認識しております。当社及び連結子会社と関連会社及びジョイント・ベンチャーとの間の取引から生じる未実現利益は、当社及び連結子会社の関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分を消去しております。また、関連会社及びジョイント・ベンチャーの会計方針を当社及び連結子会社の会計方針と一致させるための調整を行っております。
他の株主との関係等により、持分法を適用するために用いられる関連会社及びジョイント・ベンチャーの財務諸表の決算期が、当社の決算期である3月末と異なる関連会社及びジョイント・ベンチャーについては、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
持分法の適用後、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。
認識した減損損失がもはや存在しない、または減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する重要な影響力又は共同支配を喪失した場合、公正価値で投資額を測定しております。すなわち、残存持分の公正価値及び関連会社又はジョイント・ベンチャーに対する持分の一部の処分による収入と重要な影響力又は共同支配を喪失した日現在の投資の帳簿価額の差額を純損益として認識しております。なお、持分法により認識していたその他の包括利益は、関連会社及びジョイント・ベンチャーがその他の包括利益に関連する資産又は負債を直接処分した場合と同様に処理しております。
(5)外貨換算
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。連結グループ内の各企業は企業が営業活動を行う主たる経済環境等を考慮して機能通貨を決定しており、各企業の財務諸表は、その機能通貨を使用して測定しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算については、資産及び負債は報告期間の期末日の為替レートで円貨に換算し、収益及び費用は対応する報告期間における平均為替レートで円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。
支配の喪失を伴う子会社の処分時には、その他の資本の構成要素において認識している当該在外営業活動体に関連した換算差額の累計額の全額を純損益に振替えております。また、支配の喪失を伴わない子会社の部分的な処分時には、その他の資本の構成要素として認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分は非支配持分に振替え、純損益として認識しておりません。
重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴う関連会社及びジョイント・ベンチャーの処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額の全額を純損益に振替えております。また、重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴わない関連会社及びジョイント・ベンチャーの部分的な処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分を純損益として認識しております。
(6)現金及び現金同等物
現金同等物には、取得時における満期日が3ヵ月以内の定期預金、譲渡性預金を含めております。
(7)金融商品
(ⅰ)金融資産
当初認識及び測定
IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)の適用対象となる金融資産は、負債性金融資産については、償却原価で測定される金融資産又は純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(以下「FVTPLの金融資産」という。)に分類し、資本性金融資産については、FVTPLの金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(以下「FVTOCIの金融資産」という。)に分類しております。金融資産の当初認識時にその分類を決定しております。
FVTPLの金融資産は当初認識時に公正価値で測定しており、FVTPLの金融資産以外の金融資産は当初認識時に公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
関係する市場における規則又は慣行により一般に定められている期間内での資産の引渡しが要求される金融資産の売買(通常の方法による取引)の場合は、当社及び連結子会社が当該金融商品の契約上の当事者となった取引日により認識しております。
当社及び連結子会社の金融資産には、現金及び現金同等物、営業債権及び貸付金等の負債性金融資産、資本性金融資産、デリバティブ金融資産が含まれております。
事後測定
金融資産は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
償却原価で測定される金融資産
負債性金融資産は以下の双方の基準が満たされる場合、償却原価で測定しております。
・ビジネスモデル上の保有目的が契約上のキャッシュ・フローを回収することである場合
・契約条件がある特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローを生じさせるものである場合
これらの基準を満たす負債性金融資産は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価から減損損失を控除して測定しております。実効金利法による償却は連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
当社及び連結子会社は、上記の償却原価測定の基準を満たす金融資産に対し、FVTPLの金融資産として指定することにより償却原価で測定した場合に生じる会計上のミスマッチが解消又は著しく減少する場合には、当初認識時にFVTPLの金融資産として指定する取消不能の選択をする場合があります。
FVTPLの金融資産
当社及び連結子会社は、当初認識時においてFVTOCIの金融資産として指定しない資本性金融資産、及び償却原価測定の基準を満たさない、または基準を満たすが当初認識時においてFVTPLの金融資産として指定することを選択した負債性金融資産を、FVTPLの金融資産に分類しております。
当初認識後、FVTPLの金融資産の公正価値の変動、配当収益及び利息収益は連結包括利益計算書において主に収益又は金融損益として認識しております。
FVTOCIの金融資産
当社及び連結子会社はトレーディング目的で保有されていない資本性金融資産について、当初認識時にFVTOCIの金融資産として指定するか否かの取消不能の選択をしております。
FVTOCIの金融資産として指定される資本性金融資産は、当初認識後、公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、FVTOCIの金融資産として指定される資本性金融資産からの配当については、連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
認識の中止
当社及び連結子会社は、以下の場合に金融資産の認識を中止しております。
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利が消滅した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、またはパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんどすべてのリスクと経済価値を譲受人に移転した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、またはパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんどすべてのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、支配を移転している場合
金融資産のほとんどすべてのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、譲渡された金融資産に対して支配を継続する場合には、当該金融資産に対して継続的に関与している範囲において金融資産の認識を継続しております。
継続的関与の範囲で金融資産の認識を継続する場合には、関連する負債も認識しております。継続して認識する金融資産又は関連する負債は、当社及び連結子会社が保持する権利及び義務に基づいて測定しております。
償却原価で測定される金融資産の減損
当社及び連結子会社は、当初認識後に発生した1つ又は複数の事象の結果として減損の客観的証拠があり、かつ当該金融資産又は金融資産グループの見積将来キャッシュ・フローを信頼性をもって見積ることができる場合に、減損していると判断しております。
減損の客観的な証拠には、発行者又は相手先の重要な財政上の困難、元本もしくは利息の支払いに対する債務不履行又は遅延等の事象を含んでおります。
減損損失の金額は、当該金融資産の見積将来キャッシュ・フローを当初の実効金利で割り引いた現在価値、又は観察可能な市場価格に基づき見積っております。ただし、当該金融資産の金利が変動金利である場合、見積将来キャッシュ・フローの現在価値の算定は、各報告期間の期末日の実効金利を用いることとなります。
また、上記減損損失に加え、当該金融資産に係る債務者及び地域等が有する潜在的なリスクを評価した上で、過去の経験等を考慮に入れて算定される貸倒実績率又は回収可能価額の見積りに基づき減損損失を計上しております。
減損損失は、連結財政状態計算書上、負債性証券については帳簿価額から直接減額することにより、負債性証券以外の金融資産については引当金を計上することにより認識しております。また、連結包括利益計算書上、営業に係る債権から発生した減損損失は販売費及び一般管理費、それ以外の減損損失は金融損益として認識しております。
減損損失認識後において、減損損失の金額が減少し、その減少が減損を認識した後に発生した事象に客観的に関連付けることができる場合には、以前に認識された減損損失は、直接又は引当金勘定を修正することにより戻入れております。減損損失の戻入額は、当該金融資産の帳簿価額が、減損が認識されていなかったとした場合の償却原価を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
(ⅱ)金融負債
当初認識及び測定
IFRS第9号の適用対象となる金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債(以下「FVTPLの金融負債」という。)を除き、償却原価で測定する金融負債に分類しております。金融負債の当初認識時に分類を決定しております。
FVTPLの金融負債は当初認識時に公正価値で測定しており、償却原価で測定する金融負債に分類される金融負債は当初認識時に公正価値に取引費用を減算した金額で測定しております。
当社及び連結子会社の金融負債には、社債及び借入金、営業債務、デリバティブ金融負債等が含まれております。
事後測定
金融負債は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債として指定された金融負債は、公正価値により測定しております。
当初認識後、FVTPLの金融負債の公正価値の変動及び利息費用は、企業自身の信用リスクの変動に関連する部分は連結包括利益計算書上、その他の包括利益として認識し、残額は主に金融損益として認識しております。
償却原価で測定される金融負債
FVTPLの金融負債に分類されない金融負債は、償却原価により測定しております。
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価で測定しております。実効金利法による償却は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
認識の中止
金融負債は、契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合に認識を中止しております。
当初と著しく異なる条件による金融負債の交換又は条件の実質的な変更は、新たな金融負債の認識と当初の金融負債の認識の中止として取り扱い、これらの帳簿価額の差額は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
金融保証契約
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該金融保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
金融保証契約による負債は、当初認識時に金融保証契約により保証者が将来受領する保証料の合計額に、直接帰属する取引費用を調整した金額の現在価値で測定しております。当該負債は当初認識後、金融保証契約期間に亘り、規則的な方法により償却し、純損益として認識しております。ただし、各報告期間の期末日における現在の保証債務を決済するために要する支出の見積額が当初測定額から償却累計額を控除した金額を上回った場合は、当該負債の残高は各報告期間の期末日における現在の保証債務を決済するために要する支出の見積額で認識しており、その差額は純損益として認識しております。
(ⅲ)金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利が現時点で存在し、かつ、純額で決済するか、もしくは資産の回収と同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、純額を連結財政状態計算書において表示しております。
(ⅳ)金融商品の公正価値
各報告期間の期末日現在、金融商品の公正価値は、活発な市場における公表価格で測定しております。金融商品に関する市場が活発でない、または市場が存在しない場合は、適切な評価技法を用いて公正価値を測定しております。
(8)デリバティブ及びヘッジ会計
当初認識及び事後測定
当社及び連結子会社は、デリバティブを公正価値により、資産又は負債として認識しております。デリバティブの公正価値の変動についての会計処理は、適格なヘッジ手段に指定される場合はヘッジ目的とヘッジ指定により決定され、適格なヘッジ手段に指定されない場合のデリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値の変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、公正価値ヘッジとして、公正価値の変動額を純損益として認識し、ヘッジ対象資産、負債、確定約定の公正価値の変動額と相殺されます。
なお、ヘッジ対象が償却原価により測定する金融商品である場合は、当該金融商品の公正価値と帳簿価額との差額を純損益として認識した上で、修正後の金融商品の帳簿価額に基づき再計算した実効金利により償却しております。
当社及び連結子会社は、主に商品や商品購入の確定約定における公正価値の変動リスクや、固定利付資産・負債の金利変動による公正価値の変動リスクをヘッジするために、公正価値ヘッジを行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジとして、ヘッジ対象からの純損益が認識されるまで、公正価値の変動額をその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、デリバティブの公正価値の変動額のうち、ヘッジの非有効部分は純損益として認識しております。当社及び連結子会社は、商品の予定仕入、売上等における価格変動や為替の変動に伴う将来のキャッシュ・フローの変動リスクや、変動利付資産・負債の金利変動リスクをヘッジするために、キャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。
ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の資本の構成要素に計上されたヘッジ手段に係る金額についても、純損益に振替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債として認識されている場合には、その他の資本の構成要素として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振替えております。
予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれないと判断した場合は、ヘッジ会計を中止しております。この場合には、ヘッジが有効であったときにその他の資本の構成要素に認識していた金額は、ヘッジ会計を中止した時点で純損益に振替えております。また、ヘッジ会計の中止時以降のヘッジ手段の公正価値の変動は、もはやヘッジ手段ではないものとして将来に亘り純損益として処理しております。ヘッジ会計を中止した場合であっても、ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性が見込まれる限りにおいて、ヘッジ会計の中止時までにその他の資本の構成要素として認識していた金額は、当該予定取引が発生するまで引き続きその他の資本の構成要素に計上しております。
純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ及び借入金等のデリバティブ以外のヘッジ手段は、在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして、為替変動額をヘッジ効果が認められる範囲内でその他の資本の構成要素として認識しております。デリバティブ及びデリバティブ以外のヘッジ手段に係る為替変動額のうち、ヘッジの非有効部分及びヘッジ有効性評価の対象外の部分については純損益として認識しております。
純投資ヘッジにより、その他の資本の構成要素として認識された為替変動額の累積額は、在外営業活動体の処分時に純損益に振替えております。
(9)棚卸資産
棚卸資産は主に商品、製品及び販売用不動産で構成されており、取得原価(主に個別法又は移動平均法)と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。正味実現可能価額が取得原価より低い場合はその差額を評価減として費用認識しております。また、評価減は棚卸資産から直接減額しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
棚卸資産を評価減する原因となった従前の状況がもはや存在しない場合、または経済的状況の変化により正味実現可能価額の増加が明らかである証拠がある場合には、評価減の戻入れを行っております。戻入れ後の帳簿価額は取得原価と新たな正味実現可能価額とのいずれか低い方の額で認識しております。評価減の戻入額は純損益として認識しております。
なお、短期的な市場価格の変動により利益を獲得することを意図して棚卸資産を保有している場合、当該棚卸資産は販売費用控除後の公正価値で測定し、販売費用控除後の公正価値の変動は当該変動が発生した期の純損益として認識しております。
(10)有形固定資産
有形固定資産は、取引費用を含めた取得原価で当初認識しております。取得原価には、意図した使用が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産の取得、建設等に直接起因する借入費用を含んでおります。また、使用終了時の見積廃棄費用の現在価値は、引当金の認識基準を満たす場合については資産の取得原価に含めて、その有形固定資産の耐用年数に亘り減価償却により費用として認識しております。
当社及び連結子会社は、当初認識後、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。有形固定資産の減価償却費は、償却可能額を、主として、当該資産の耐用年数(建物及び構築物は概ね2年~60年、機械及び装置は概ね2年~45年)に亘る定額法、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により各期に配分しております。土地は減価償却をしておりません。有形固定資産項目に1つ又は複数の重要な構成要素が存在する場合は、重要な構成要素は個別に減価償却を行っております。
有形固定資産は、処分した時点、またはその使用もしくは処分により将来いかなる経済的便益も期待されなくなった時点で認識を中止しております。当該資産の正味の処分対価と帳簿価額との差額は、認識が中止された時点で純損益として認識しております。
有形固定資産の残存価額、耐用年数及び減価償却方法は、各報告期間の期末日に見直しを実施しており、修正が必要と判断された場合は会計上の見積りの変更として、将来に向かって調整しております。
(11)無形資産
のれん以外の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値で測定しております。無形資産を当初認識後、当社及び連結子会社は原価モデルを適用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。内部創出の無形資産は資産化の基準を満たすものを除き、発生時に関連する支出を費用として認識しております。
無形資産は耐用年数を確定できる資産と耐用年数を確定できない資産に区分しております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、当該資産の耐用年数(販売権及び顧客との関係等は概ね3年~45年、ソフトウェアは概ね2年~20年)に亘り、主に定額法により各期に配分しております。耐用年数及び償却方法は、各報告期間の期末日に見直しを実施しており、修正が必要と判断された場合は会計上の見積りの変更として、将来に向かって調整しております。
耐用年数を確定できない無形資産は償却をしておりません。耐用年数を確定できないという判断をした場合についても、耐用年数を確定できないことの裏付けとなっている事象や状況が引き続き存在しているか否かについて、各報告期間の期末日に見直しを実施しております。耐用年数を確定できないという判断が妥当でなくなった場合においては、耐用年数を確定できない無形資産から確定できる無形資産に変更し、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しております。
無形資産は、処分した時点、またはその使用もしくは処分により将来いかなる経済的便益も期待されなくなった時点で認識を中止しております。当該資産の正味の処分対価と帳簿価額との差額は、認識が中止された時点で純損益として認識しております。
のれん
のれんは、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分の合計(以下「対価の総額」という。)から、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の支配獲得時の公正価値の純額を差し引いた残額により認識しております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。この対価の総額が被取得企業の識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、その差額は純損益として認識しております。
当初認識後、のれんは償却を実施せず、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。企業結合で取得されたのれんは、取得日以後、減損テスト実施のために、当該企業結合から便益を得ることが期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
のれんが配分された資金生成単位又は資金生成単位グループ内の事業を処分する場合は、処分される事業と関連するのれんは当該事業の帳簿価額に含めて、利得及び損失を計算しております。この場合、のれんは、より合理的な方法がある場合を除いて、処分される事業と存続する資金生成単位との価値の比率に基づき測定しております。
(12)石油・ガス及び鉱物資源の採掘活動
石油・ガスの探査及び評価費用並びに開発費用は、成功成果法に基づき会計処理しております。利権鉱区取得費用、試掘井及び開発井の掘削・建設費用、及び関連設備は資産として認識し、試掘井に係る費用は商業採算性がないことが判明した時点で、地質調査費用等のその他の探査及び評価費用は発生時点で、それぞれ費用化しております。また、鉱物資源の探査及び評価費用は、鉱物の採掘活動の商業採算性が確認されるまで発生時に費用認識しております。
資産として計上された探査及び評価費用並びに開発費用は、有形固定資産(機械及び装置)に計上しております。また、探査権等の取得に対する支出は無形資産(資源に関わる権利等)に計上し、技術的可能性と経済的実行可能性が立証可能となった時点で有形固定資産(機械及び装置)に振替処理しております。
なお、事実と状況から探査及び評価資産の帳簿価額が回収可能価額を超過すると判断される場合には、帳簿価額をその回収可能価額まで減額しております。
(13)リース
当社及び連結子会社は、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースにより固定資産の賃貸事業及び固定資産の賃借を行っております。
契約がリースであるか否か、もしくは契約にリースが含まれているか否かについては、契約の履行が特定の資産又は資産グループの使用に依存しているかどうか、及び契約により当該資産の使用権が移転するかに基づき、リース開始日における契約の実質により判断しております。
リース資産の借手である場合
資産の所有に伴うリスク及び経済価値が実質的にすべて移転するファイナンス・リースについては、リース開始日に算定したリース物件の公正価値、またはリース開始日に算定した最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で、リース期間の起算日に連結財政状態計算書に資産及び負債として認識しております。支払リース料は金融費用と負債残高の返済部分に配分しており、金融費用は負債残高に対して一定の利子率となるように算定しております。金融費用はリース期間に亘り、また、変動リース料は発生した期間において費用として認識しております。リース資産は、所有している類似資産の減価償却方法と首尾一貫する方法に基づいて、予測使用期間に亘り減価償却を実施しております。予測使用期間については、所有権移転が合理的に確実である場合は資産の耐用年数とし、所有権移転が不確実な場合はリース期間と資産の耐用年数のいずれか短い期間としております。
オペレーティング・リースにおける支払リース料は、他の規則的な方法が利用者の便益の時間的パターンをより適切に表す場合を除き、リース期間に亘り定額法によって費用として認識しております。変動リース料は発生した期間において費用として認識しております。
リース資産の貸手である場合
資産の所有に伴うリスク及び経済価値が実質的にすべて移転するファイナンス・リースについては、リース期間の起算日にリース開始日の正味リース投資未回収額に等しい金額で受取債権を認識しております。貸手に生じた初期直接費用は、原則として正味リース投資未回収額に含めて認識しております。
オペレーティング・リースについては、その対象となる資産を、資産の性質に応じて連結財政状態計算書に表示しており、当該資産の減価償却方法は、所有している類似資産の減価償却方法と首尾一貫する方法を用いております。リース収益は、他の規則的な方法が資産からの使用便益の減少の時間的パターンをより適切に表す場合を除き、リース期間に亘って定額法により認識しております。また、発生した初期直接費用は、リース資産の帳簿価額に含め、リース収益の認識に従いリース期間に亘り費用として認識しております。
(14)棚卸資産を除く非金融資産の減損
減損損失
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。
有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。
耐用年数を確定できない無形資産及びのれん:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。なお、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。
減損の戻入
各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、または減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
(15)売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
非流動資産又は処分グループの帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引によって回収される場合で、以下の条件を満たす場合は売却目的保有に該当すると判断しております。
・通常又は慣例的な条件のみに基づいて現状で直ちに売却可能である。
・売却の可能性が非常に高い。
売却目的保有に分類する非流動資産及び処分グループは、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額により測定しております。
非流動資産が、売却目的保有に分類されている間、または売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、当該非流動資産について減価償却又は償却を行っておりません。
(16)引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。割引計算が実施される場合、時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しております。
資産除去債務については、資産の解体、除去及び敷地の原状回復費用ならびに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
(17)退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、大部分の従業員を対象として確定給付型企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は予測単位積増方式に基づき制度ごとに算定しております。
確定給付資産又は負債の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。再測定は、確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。また、過去勤務費用は直ちに純損益として認識しております。
確定給付資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、連結財政状態計算書で資産又は負債として認識しております。
(18)自己株式
当社及び連結子会社が自己の資本性金融商品(自己株式)を買い戻す場合には、自己株式を取得原価で認識し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却、発行又は消却時において、いかなる利得及び損失も純損益として認識しておりません。なお、帳簿価額と売却対価との差額は、資本剰余金として認識しております。
(19)株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対してストックオプション制度を採用しております。ストックオプションの付与日における公正価値は、所定の権利確定条件のすべてが満たされるまでの期間に亘り費用として認識し、対応する金額を資本として認識しております。なお、ストックオプションの公正価値はブラックショールズモデルにより算出しております。
(20)収益
収益は受領した、または受領可能な対価の公正価値で測定しております。公正価値は、値引き、割戻し等を差し引いた後の金額であります。
当社及び連結子会社の関与する取引には、仕切取引、代行取引等種々の形態があります。代行取引においては買手と売手との間で直接取引代金の決済が行われ、当社及び連結子会社は、買手と売手いずれか一方、もしくは両方から手数料を受け取っております。仕切取引、代行取引等には以下のような形態があります。
物品の販売
物品の販売から生じた収益は以下のすべてを満たした時に認識しております。
・物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が買手に移転したこと
・販売された物品に対して、所有と通常結び付けられる程度の継続的な管理上の関与及び実質的な支配を保持していない
・収益の額が信頼性をもって測定することができる
・取引に関連する経済的便益が企業に流入する可能性が高い
・取引に関連して発生した、または発生する原価が信頼性をもって測定することができる
物品の販売においては、当社及び連結子会社が出荷を手配する場合、または船荷証券・倉庫証券・貨物引換証・荷渡指示書等を買主に引渡す場合は、その交付時等契約上の受渡条件が履行された時点、またはその他検収が完了し、履行すべき義務がほぼなくなり、顧客の受取が確実となった時点をもって収益を認識しております。
役務の提供
役務の提供の成果が信頼性をもって見積ることができる場合は、各報告期間の期末日における取引の進捗度に従って収益を認識しております。
以下のすべてを満たす場合は、役務の提供の成果が信頼性をもって見積ることができると判断しております。
・収益の額が信頼性をもって測定することができる
・取引に関連する経済的便益が企業に流入する可能性が高い
・取引の進捗度を各報告期間の期末日において信頼性をもって測定することができる
・取引に関連して発生した、または取引の完了に要する原価が信頼性をもって測定することができる
役務の提供においては、役務の提供の成果が信頼性をもって見積ることができる場合を除き、発生した費用が回収されると認められる範囲でのみ収益を認識しております。代行取引においては、契約に定められた役務提供完了時に手数料を認識しております。
工事契約
工事契約の成果が信頼性をもって見積ることができる場合は、工事進行基準を適用しております。工事進行基準では、工事契約収益は進捗度に応じて工事が行われる複数の会計期間に収益として認識しております。工事契約の成果は、以下のすべてを満たす場合に信頼性をもって見積ることができると判断しております。
・工事契約収益の合計額が、信頼性をもって測定することができる
・契約に関連した経済的便益がその企業に流入する可能性が高い
・契約の完了に要する工事契約原価と報告期間の期末日現在の契約の進捗度の両方が信頼性をもって測定することができる
・契約に帰属させることができる工事契約原価が、実際に発生した工事契約原価を従前の見積りと比較できるように、明確に識別でき、かつ、信頼性をもって測定することができる
工事契約の成果が信頼性をもって見積ることができない場合は、工事契約収益は発生した工事契約原価のうち回収される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
契約に関して工事契約総原価が工事契約総収益を超過する可能性が高い場合には、当該超過額は直ちに費用として認識しております。
収益の総額表示と純額表示
物品の販売又は役務の提供に関連する重要なリスク及び経済価値に対するエクスポージャーを有している取引は当事者本人として取引を行っているものと考え、取引の総額を収益として表示しております。物品の販売又は役務の提供に関連する重要なリスク及び経済価値に対するエクスポージャーを有していない取引は代理人として取引を行っているものと考え、取引により得られた対価の総額から第三者に対する支払額を差し引いた純額のみを収益として表示しております。
利息収益
経済的便益が当社及び連結子会社に流入する可能性が高く、収益の金額を信頼性をもって測定することができる場合に認識されます。利息収益は実効金利法により認識しております。
受取配当
配当を受ける株主の権利が確定したときに収益を認識しております。
(21)法人所得税等
当期税金
各報告期間の期末日の未払(未収)法人所得税は、税務当局に対する納付もしくは税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の測定においては、各報告期間の期末日における法定税率又は実質的法定税率を使用しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金は、その他の包括利益として認識しており、資本に直接認識される項目に関する当期税金は、資本として直接認識しております。当社及び連結子会社は、税務上の技術的な解釈に基づき、税務ポジションが税務当局による調査において認められる公算が大きい場合に、その財務諸表における影響を認識しております。
未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつ企業が純額により決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合には、未収法人所得税と未払法人所得税は相殺しております。
繰延税金
当社及び連結子会社は、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その測定に当たっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。
繰延税金負債は、以下を除く将来加算一時差異に対して認識しております。
・のれんの当初認識
・企業結合でなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来加算一時差異について、一時差異の解消時期をコントロールすることが可能であり、かつ当該一時差異が予測可能な将来に解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、企業結合でなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合を除き、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しております。
子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高く、かつ当該一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識しております。
一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性について、各報告期間の期末日で再検討し、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しております。未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日で再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は非流動資産又は非流動負債として表示しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する繰延税金はその他の包括利益に、資本に直接認識される項目に関する繰延税金は資本に直接認識しております。繰延税金資産と繰延税金負債は、企業が未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法律上強制力のある権利を有する場合、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しております。
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が未収法人所得税と未払法人所得税を純額により決済すること、または資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
(22)組替
連結財務諸表及び連結財務諸表に対する注記の表示方法を変更した場合には、比較情報を組替表示しております。
(23)基準書及び解釈指針の早期適用
当社及び連結子会社は、以下の基準を早期適用しております。
基準書及び解釈指針 | 概要 | |
IFRS第9号「金融商品」 (2013年11月改訂) | ヘッジ会計に関する改訂 |
(24)未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針は次の通りであります。
当社は2018年3月31日現在において以下の基準書及び解釈指針を適用しておりません。IFRS第9号「金融商品」(2014年7月改訂)及びIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用することによる当社及び連結子会社の連結財務諸表に与える重要な影響はない見込みです。IFRS第16号「リース」を適用することによる影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。なお、以下の基準書及び解釈指針の適用による累積的影響は適用開始日に認識する予定です。
また、IFRS第16号「リース」の適用による主な影響としては、従来の借手のオペレーティング・リースについて、連結財政状態計算書に使用権資産及びリース負債が認識されます。
基準書及び解釈指針 | 強制適用開始時期(以降開始事業年度) | 当社適用 開始時期 | 概要 | |
IFRS第9号「金融商品」 (2014年7月改訂) | 2018年1月1日 | 2019年3月期 | 減損会計、金融資産の分類及び測定に関する改訂 | |
IFRS第15号「顧客との契 約から生じる収益」 | 2018年1月1日 | 2019年3月期 | 収益認識に関する会計処理及び開示 | |
IFRS第16号「リース」 | 2019年1月1日 | 2020年3月期 | リース会計に関する改訂 |
4 棚卸資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の棚卸資産の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
商品・製品 | 720,591 | 788,069 |
原材料・仕掛品等 | 26,333 | 28,076 |
販売用不動産 | 20,441 | 18,876 |
合計 | 767,365 | 835,021 |
経常的に販売費用控除後の公正価値で計上している棚卸資産は、主に取引相手方または第三者から入手した相場価格に基づき評価され、マーケットアプローチに基づく観察可能なインプットを使用した価格モデルに基づき評価しており、レベル2に区分しております。また、その帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ174,148百万円及び255,126百万円であります。
当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
期中に費用認識された棚卸資産の金額は前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ6,371,215百万円及び6,372,458百万円であります。また、そのうち、評価損計上額は、それぞれ2,627百万円及び2,844百万円であります。
5 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は次の通りであります。
取得原価
土地 (百万円) | 建物及び構築物 (百万円) | 機械及び装置 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前連結会計年度期首 (平成28年4月1日現在) | 146,290 | 354,651 | 1,808,872 | 35,425 | 2,345,238 |
取得 | 395 | 12,021 | 76,717 | 34,769 | 123,902 |
処分 | △70,463 | △8,629 | △43,068 | △169 | △122,329 |
連結範囲の変更による減少 | - | △135 | △115,844 | - | △115,979 |
為替換算差額 | △397 | △1,106 | △11,385 | 85 | △12,803 |
その他 | 1,548 | 13,479 | 14,453 | △30,402 | △922 |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 77,373 | 370,281 | 1,729,745 | 39,708 | 2,217,107 |
取得 | 837 | 7,549 | 76,437 | 43,559 | 128,382 |
処分 | △2,383 | △28,622 | △39,992 | - | △70,997 |
連結範囲の変更による減少 | △965 | △1,501 | △33,203 | - | △35,669 |
為替換算差額 | △906 | △9,660 | △77,631 | △1,128 | △89,325 |
その他 | 1,704 | 17,566 | 18,250 | △53,778 | △16,258 |
当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | 75,660 | 355,613 | 1,673,606 | 28,361 | 2,133,240 |
減価償却累計額及び減損損失累計額
土地 (百万円) | 建物及び構築物 (百万円) | 機械及び装置 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前連結会計年度期首 (平成28年4月1日現在) | △5,632 | △166,208 | △971,954 | - | △1,143,794 |
減価償却費 | - | △16,437 | △80,165 | - | △96,602 |
減損損失 | △308 | △1,709 | △53,616 | △3 | △55,636 |
処分 | 1,667 | 4,029 | 17,732 | - | 23,428 |
連結範囲の変更による減少 | - | 48 | 11,147 | - | 11,195 |
為替換算差額 | △2 | 156 | 825 | - | 979 |
その他 | △84 | 30 | 11,769 | - | 11,715 |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | △4,359 | △180,091 | △1,064,262 | △3 | △1,248,715 |
減価償却費 | - | △14,253 | △90,702 | - | △104,955 |
減損損失 | △1,209 | △344 | △573 | - | △2,126 |
処分 | 841 | 26,421 | 32,198 | - | 59,460 |
連結範囲の変更による減少 | 256 | 558 | 11,057 | - | 11,871 |
為替換算差額 | 40 | 3,135 | 48,965 | - | 52,140 |
その他 | 122 | 1,085 | 3,367 | △10 | 4,564 |
当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | △4,309 | △163,489 | △1,059,950 | △13 | △1,227,761 |
帳簿価額
土地 (百万円) | 建物及び構築物 (百万円) | 機械及び装置 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 73,014 | 190,190 | 665,483 | 39,705 | 968,392 |
当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | 71,351 | 192,124 | 613,656 | 28,348 | 905,479 |
取得原価の増減のうちその他には、建設仮勘定から本勘定への振替を含んでおります。
有形固定資産の減価償却費は、連結包括利益計算書上、「商品の販売等に係る原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
当社及び一部の連結子会社は、施設、不動産、工場等について、将来予想キャッシュ・フローの低下等のため、回収可能価額に基づき前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ55,636百万円、2,126百万円の減損損失を計上しております。
オペレーティング・セグメント上、減損損失は、前連結会計年度において、主にエネルギー・金属に50,783百万円含まれております。
減損損失は、連結包括利益計算書上、「固定資産評価損」に含めております。
前連結会計年度における減損損失のうち重要なものは、米国メキシコ湾に所在する石油・ガス資産について埋蔵量の減少等に伴い、将来予想キャッシュ・フローの低下が見込まれたことによる減損損失47,495百万円であり、オペレーティング・セグメント上、エネルギー・金属に含まれております。これらの減損損失は、割引将来キャッシュ・フローに基づいた使用価値にて測定した回収可能価額により算出したものであり、回収可能価額の合計は67,619百万円であります。使用価値算定に用いた加重平均資本コストは8.0%であり、貨幣の時間価値及び固有のリスクに関する現在の市場評価を反映したものであります。使用価値算定に用いた割引将来キャッシュ・フローは、ブローカー等の外部機関が公表している長期価格等を参照して算定しております。
6 無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次の通りであります。
取得原価
資源に 関わる 権利等 (百万円) | 販売権及び顧客との 関係等 (百万円) | ソフトウェア (百万円) | のれん (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前連結会計年度期首 (平成28年4月1日現在) | 61,152 | 203,592 | 31,692 | 198,254 | 12,684 | 507,374 |
企業結合による取得 | - | 2,297 | 239 | 2,824 | 9 | 5,369 |
個別取得 | - | 120 | 10,252 | - | 148 | 10,520 |
処分 | - | - | △2,140 | - | △484 | △2,624 |
為替換算差額 | △383 | △1,868 | △215 | △1,752 | △373 | △4,591 |
その他 | - | △24,874 | 884 | △8,461 | △1,476 | △33,927 |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 60,769 | 179,267 | 40,712 | 190,865 | 10,508 | 482,121 |
企業結合による取得 | - | 18,635 | 38 | 13,675 | - | 32,348 |
個別取得 | - | 1,665 | 9,364 | - | 201 | 11,230 |
処分 | - | △43 | △3,470 | - | △2 | △3,515 |
為替換算差額 | △4,646 | △7,469 | △2 | △8,021 | △219 | △20,357 |
その他 | - | △2,357 | 398 | △7,497 | △1,870 | △11,326 |
当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | 56,123 | 189,698 | 47,040 | 189,022 | 8,618 | 490,501 |
償却累計額及び減損損失累計額
資源に 関わる 権利等 (百万円) | 販売権及び顧客との 関係等 (百万円) | ソフトウェア (百万円) | のれん (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前連結会計年度期首 (平成28年4月1日現在) | △57,114 | △38,072 | △17,347 | △55,276 | △4,292 | △172,101 |
償却費 | △212 | △9,230 | △4,423 | - | △656 | △14,521 |
減損損失 | △3,596 | △15 | △11 | △8,617 | △716 | △12,955 |
処分 | - | - | 1,908 | - | 476 | 2,384 |
為替換算差額 | 376 | 37 | 172 | △28 | 16 | 573 |
その他 | - | 2,417 | △393 | △286 | 2,095 | 3,833 |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | △60,546 | △44,863 | △20,094 | △64,207 | △3,077 | △192,787 |
償却費 | - | △9,083 | △5,480 | - | △511 | △15,074 |
減損損失 | △220 | △535 | △3 | △1,872 | - | △2,630 |
処分 | - | 19 | 3,065 | - | 2 | 3,086 |
為替換算差額 | 4,643 | 2,007 | 9 | 3,342 | 32 | 10,033 |
その他 | - | △75 | △222 | 120 | 631 | 454 |
当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | △56,123 | △52,530 | △22,725 | △62,617 | △2,923 | △196,918 |
帳簿価額
資源に 関わる 権利等 (百万円) | 販売権及び顧客との 関係等 (百万円) | ソフトウェア (百万円) | のれん (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 223 | 134,404 | 20,618 | 126,658 | 7,431 | 289,334 |
当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | 0 | 137,168 | 24,315 | 126,405 | 5,695 | 293,583 |
前連結会計年度における「販売権及び顧客との関係等」の取得原価の増減のうちその他には、連結範囲の変更による減少が△22,218百万円含まれております。「のれん」の取得原価の増減のうちその他には、連結範囲の変更による減少が△12,547百万円含まれております。
上記の無形資産のうち耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ48,237百万円及び51,718百万円であり、主なものは「販売権及び顧客との関係等」に含まれている商標権であります。事業期間が確定していない商標権は、事業が継続する限り基本的に存続するため、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、耐用年数を確定できない無形資産に分類しております。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額には、Gavilonの取得に伴い認識した商標権がそれぞれ、42,071百万円及び39,840百万円含まれております。
上記の無形資産のうち耐用年数を確定できる無形資産は耐用年数にわたって償却を行っておりますが、探査及び評価資産については、採掘の技術的可能性と経済的実行可能性とが立証可能となるまでは償却を行っておりません。なお、探査及び評価資産は、採掘の技術的可能性と経済的実行可能性とが立証可能となった段階で有形固定資産へ振替え、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により償却を行います。
耐用年数を確定できる無形資産のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における重要なものの帳簿価額は、「販売権及び顧客との関係等」に含まれる穀物・肥料のトレーディング及び流通事業に関連した顧客との関係に係る資産がそれぞれ、26,758百万円及び23,086百万円、携帯電話販売代理店事業等に関連した販売権及び顧客との関
係に係る資産がそれぞれ27,554百万円及び25,753百万円であります。なお、これらの資産は、4年~25年に亘り、定額法により償却を行います。
無形資産の償却費は、連結包括利益計算書上、「商品の販売等に係る原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
当社及び一部の連結子会社は、無形資産について、将来予想キャッシュ・フローの低下等のため、回収可能価額に基づき前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12,955百万円及び2,630百万円の減損損失を計上しております。
減損損失は、連結包括利益計算書上、「固定資産評価損」に含めております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における「のれん」の帳簿価額には、Gavilonに対するのれんがそれぞれ、70,155百万円及び66,434百万円含まれております。
当連結会計年度より、Gavilonにおける穀物事業及び北米において穀物事業を展開するColumbia Grainを、また、Gavilonにおける肥料事業及び北米において農業資材事業を展開するHelenaを、それぞれ一体事業運営・管理していることから、Gavilonにおける穀物事業とColumbia Grainを1つの資金生成単位グループとし、また、Gavilonにおける肥料事業とHelenaを1つの資金生成単位グループとしております。
従い、当連結会計年度より、Gavilonに対するのれんを各資金生成単位グループに再配分した上で、のれんの減損テストを実施しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、穀物事業資金生成単位グループ(以下、穀物CGUグループ)に対して配分された「のれん」の帳簿価額はそれぞれ、36,278百万円及び34,354百万円であり、オペレーティング・セグメント上、生活産業に含まれております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、農業資材事業資金生成単位グループ(以下、農業資材CGUグループ)に対して配分された「のれん」の帳簿価額はそれぞれ、33,877百万円及び32,080百万円であり、オペレーティング・セグメント上、素材に含まれております。
穀物CGUグループ及び農業資材CGUグループののれんの減損テストにおける回収可能価額は使用価値に基づいて算定しており、当該使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いて算定しております。
事業計画は、資金生成単位グループ毎に、マネジメントが実績に基づき想定した、取扱数量、価格、マージン等を主要な仮定とし、過去の経験を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しております。また、穀物CGUグループ及び農業資材CGUグループにおける事業計画は、マーケットコンディションを平均化するため、対象期間を10年間で策定しております。事業計画が対象としている期間を超える期間については、継続価値を算定しております。
継続価値を算定するために用いられた一定の成長率2%は、各CGUグループの属する市場及び米国における長期の平均成長率等を勘案して決定しております。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における使用価値算定に用いた加重平均資本コストは、それぞれ、8.1%及び8.5%であり、貨幣の時間価値及び固有のリスクに関する現在の市場評価を反映したものであります。
7 引当金
当連結会計年度における、引当金の増減は次の通りであります。
資産除去債務 (百万円) | その他の引当金 (百万円) | 合計 (百万円) | |
期首残高 | 73,984 | 14,180 | 88,164 |
期中増加額 | 4,210 | 15,188 | 19,398 |
期中減少額 | △5,143 | △2,961 | △8,104 |
割引計算による利息費用 | 677 | 22 | 699 |
その他 | △3,727 | △356 | △4,083 |
期末残高 | 70,001 | 26,073 | 96,074 |
「その他」には、為替変動による増減等が含まれております。
資産除去債務は、主に石油・ガスの資源開発事業に従事する連結子会社における資源開発設備の撤去に係る費用等に関するものであります。設備の撤去に係る支出は、当該資産除去債務の当初認識後、通常10年以上経過した後に支出されると見込まれております。
その他の引当金には、訴訟損失引当金や不利な契約等の負債性の引当金が含まれております。
なお、資産除去債務及びその他の引当金は、連結財政状態計算書上、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含めております。
8 リース
貸手側
当社及び一部の連結子会社は、ファイナンス・リースに該当する取引として、機械及び装置等の賃貸を行っております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在におけるファイナンス・リース契約に係るリース投資未回収総額及び受取最低リース料総額の現在価値は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |||
リース投資 未回収総額 | 受取最低 リース料総額 の現在価値 | リース投資 未回収総額 | 受取最低 リース料総額 の現在価値 | |
1年以内 | 7,297 | 6,811 | 3,160 | 2,925 |
1年超5年以内 | 20,284 | 17,641 | 18,723 | 16,568 |
5年超 | 1,954 | 1,575 | 59 | 2 |
合計 | 29,535 | 26,027 | 21,942 | 19,495 |
控除:未稼得金融収益 | 3,505 | 2,446 | ||
正味リース投資未回収額 | 26,030 | 19,496 | ||
控除:無保証残存価値の現在価値 | 3 | 1 | ||
受取最低リース料総額の現在価値 | 26,027 | 19,495 |
また、当社及び一部の連結子会社は、オペレーティング・リースに該当する取引として、機械及び装置等の賃貸を行っております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における解約不能オペレーティング・リース契約に係る受取最低リース料総額は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
1年以内 | 27,127 | 26,117 |
1年超5年以内 | 74,782 | 65,117 |
5年超 | 25,377 | 16,082 |
合計 | 127,286 | 107,316 |
借手側
当社及び一部の連結子会社は、ファイナンス・リースに該当する取引として、機械及び装置等の賃借を行っております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の正味帳簿価額はそれぞれ、27,109百万円及び24,279百万円であり、連結財政状態計算書上、主に「有形固定資産」に含めております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在におけるファイナンス・リース契約に係る支払最低リース料総額及びその現在価値は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |||
支払最低 リース料 総額 | 支払最低 リース料総額 の現在価値 | 支払最低 リース料 総額 | 支払最低 リース料総額 の現在価値 | |
1年以内 | 5,370 | 4,874 | 8,506 | 8,040 |
1年超5年以内 | 23,709 | 22,827 | 16,668 | 15,901 |
5年超 | 1,537 | 1,147 | 1,944 | 1,716 |
合計 | 30,616 | 28,848 | 27,118 | 25,657 |
控除:利子相当額 | 1,768 | 1,461 | ||
支払最低リース料総額の現在価値 | 28,848 | 25,657 |
また、当社及び一部の連結子会社は、オペレーティング・リースに該当する取引として、機械及び装置、建物及び構築物等の賃借を行っております。これらのリースに係る前連結会計年度及び当連結会計年度における支払リース料はそれぞれ、51,299百万円及び54,854百万円であります。このうち、それぞれ3,081百万円及び5,380百万円にはサービスに対する支払が含まれております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における解約不能オペレーティング・リース契約に係る支払最低リース料総額は次の通りであります。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における解約不能な転貸リースに係る受取最低リース料99,882百万円及び89,045百万円は控除されておりません。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
1年以内 | 41,492 | 42,872 |
1年超5年以内 | 89,753 | 82,300 |
5年超 | 78,696 | 67,271 |
合計 | 209,941 | 192,443 |
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における上記支払最低リース料総額のうち、それぞれ6,725百万円及び10,021百万円にはサービスに対する支払が含まれております。
9 従業員給付
(1)退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランスプラン又はその他の確定給付型企業年金制度を設けており、ほぼ全ての従業員が対象となっております。また、当社及び一部の連結子会社は、退職年金制度に加え、退職時に一時金を給付する退職一時金制度を併せて設けております。これらの制度における給付額は、従業員の勤続年数や給与水準等に基づき算定されております。
確定給付企業年金法等において、当社には年金給付を行う丸紅企業年金基金への掛金の拠出等の義務が課されております。基金の理事には法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣の処分、丸紅企業年金基金の規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実に、積立金の管理及び運用に関する業務を遂行する忠実義務等の責任が課されております。また、理事に対しては、第三者の利益を図ることを目的とした資産管理契約の締結の禁止が規定されるとともに、利益相反行為の禁止等の行為準則が明確化されております。
制度は当社より法的に独立した丸紅企業年金基金によって運営されております。代議員会は、雇用主側から選出された代表者(選定代議員)及び従業員側から選出された代表者(互選代議員)が同一人数にて構成し、代議員会の議長(理事長)は雇用主側から選出されます。
代議員会の議事は出席者の過半数で決しますが、可否同数の場合は、議長である理事長が決する権限を有しております。ただし、特に重要な事項に関する議事については、上記を超える多数で決することと規定しております。
投資方針等の重要な事項の決定権限は全て代議員会が有しております。実際の資産運用は、投資委託契約に基づき運用受託機関が行い、代議員会による個別の運用銘柄等の指示は、法令により禁止されております。
当社には、丸紅企業年金基金に対する掛金の拠出が要求され、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されております。当社は将来にわたり丸紅企業年金基金が定める掛金の拠出義務を負っておりますが、同拠出に加え、任意に退職給付信託に積立てを行っております。
退職一時金制度については、当社が直接受給者への支給義務を負っております。積立に関する法的要請はありませんが、当社が任意に退職給付信託に積み立てた制度資産が存在します。
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社及び一部の連結子会社の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値に係る変動は次の通りであります。
項目 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) |
確定給付負債の純額の期首残高 | 91,316 | 82,759 |
確定給付制度債務の現在価値に係る変動: | ||
期首残高 | 329,323 | 332,170 |
当期勤務費用 | 12,211 | 12,445 |
過去勤務費用 | △1,307 | 104 |
利息費用 | 4,514 | 5,143 |
再測定 | 9,271 | 2,630 |
為替変動による影響 | △1,705 | △3,381 |
従業員拠出額 | 356 | 256 |
年金等給付額 | △19,845 | △18,051 |
新規連結/連結除外等 | △648 | 2 |
期末残高 | 332,170 | 331,318 |
制度資産の公正価値に係る変動: | ||
期首残高 | 238,007 | 249,411 |
利息収益 | 3,293 | 3,931 |
再測定 | 14,786 | 10,870 |
為替変動による影響 | △1,287 | △2,134 |
従業員拠出額 | 356 | 256 |
会社拠出額 | 12,568 | 6,334 |
年金等給付額 | △16,759 | △15,390 |
新規連結/連結除外等 | △1,553 | - |
期末残高 | 249,411 | 253,278 |
確定給付負債の純額の期末残高 | 82,759 | 78,040 |
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いられた主要な数理計算上の仮定は次の通りであります。
項目 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) |
割引率(%) | 0.8 | 0.8 |
昇給率(%) | 5.0 | 4.7 |
感応度分析は期末日において合理的に推測し得る仮定の変動に基づき行われております。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
仮に割引率が0.5%下落し、その他の仮定に変動がない場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務はそれぞれ15,556百万円及び15,040百万円増加します。昇給率については将来の変動を見込んでおりません。
前連結会計年度末における制度資産の項目毎の公正価値は次の通りであります。
制度資産の項目 | 活発な市場における 公表市場価格があるもの (百万円) | 活発な市場における 公表市場価格がないもの (百万円) | 合計 (百万円) |
現金及び現金同等物 | 19,346 | - | 19,346 |
株式(国内) | 39,788 | - | 39,788 |
合同運用信託(株式) | 1,596 | 65,384 | 66,980 |
円建債券 | - | 8,369 | 8,369 |
外貨建債券 | 2,505 | 7,118 | 9,623 |
合同運用信託(公社債) | - | 82,909 | 82,909 |
生保一般勘定 | - | 16,368 | 16,368 |
その他 | 2,318 | 3,710 | 6,028 |
制度資産合計 | 65,553 | 183,858 | 249,411 |
当連結会計年度末における制度資産の項目毎の公正価値は次の通りであります。
制度資産の項目 | 活発な市場における 公表市場価格があるもの (百万円) | 活発な市場における 公表市場価格がないもの (百万円) | 合計 (百万円) |
現金及び現金同等物 | 75,096 | - | 75,096 |
株式(国内) | 36,568 | - | 36,568 |
合同運用信託(株式) | 1,610 | 35,609 | 37,219 |
円建債券 | - | 2,655 | 2,655 |
外貨建債券 | 2,713 | 9,129 | 11,842 |
合同運用信託(公社債) | - | 67,820 | 67,820 |
生保一般勘定 | - | 16,741 | 16,741 |
その他 | 2,367 | 2,970 | 5,337 |
制度資産合計 | 118,354 | 134,924 | 253,278 |
丸紅企業年金基金における資産の運用にあたっては、将来にわたり年金及び一時金の給付を確実に行うために必要な収益を長期的に確保することを目的としております。そのための投資方針は、各資産のリスク・リターンの特性を分析し、各資産間の相関を考慮した上で分散投資を図ることを基本としております。
具体的には、株式・公社債等の各種の資産を効率的に組み合わせた政策アセットミックスを策定し、それに沿ってマネージャーストラクチャーを構築並びに運用受託機関を選定し投資を実行しております。運用受託機関の選定にあたっては、経営理念・経営内容、運用方針及び運用スタイル、情報収集体制・意思決定プロセス等運用管理体制、法令遵守体制、受託機関及び運用担当者の年金運用における経験・実績等を勘案しております。
当連結会計年度末における制度資産に関する運用分類毎の目標投資比率は、株式、公社債及びその他について、それぞれ30%、60%、10%となっております。
また、運用受託機関を通じて行われる各資産の投資については、以下の通りであります。
主に証券取引所に上場されている株式については、投資対象企業の経営内容について精査し、業種、銘柄等を考慮した上で適切な分散投資を行っております。国債、公債、社債については、発行体、格付け、利率、償還日等の発行条件を精査して、適切な分散投資を行っております。合同運用信託については、株式及び公社債と同様の投資方針で行っております。生命保険会社が扱う団体年金の一般勘定である生保一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されております。外国銘柄への投資については、政治・経済の安定性、決済システム及び税制等の市場特性を精査し、適切に投資対象国及び通貨を選定しております。
なお、キャッシュバランスプランにおいては、制度資産の運用成績と年金給付額は一部連動する関係にあります。
丸紅企業年金基金における年金積立は、税法上の損金算入限度額、制度資産の積立状態、数理計算等の様々な要因を考慮の上行われます。制度資産への拠出は、既に提供された役務に対する給付に加え、将来提供される部分に対する給付を賄うことも意図しております。
確定給付企業年金法の規定に従い、丸紅企業年金基金の規約においては将来にわたり財政の均衡を保つことができるように5年毎に事業年度末日を基準日として掛金の額の再計算を行うことが規定されております。
再計算では、掛金に係る基礎率(予定利率、予定死亡率、予定脱退率、予定昇給指数、予定新規加入者数等)を見直し、掛金の妥当性を再検証しております。
これに加えて当社では、確定給付制度債務の積立不足額を積み立て、年金積立状態の健全性を維持するために市場性のある株式又は現金を退職給付信託に拠出する場合があります。
平成30年度において、約9,200百万円を掛金として制度資産へ拠出する予定です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションはそれぞれ14.6年及び14.4年であります。
(2)従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結包括利益計算書上、「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計金額は、それぞれ283,349百万円及び303,328百万円であります。
10 その他の損益
連結包括利益計算書における「その他の損益」は、前連結会計年度において、その他の収益73,600百万円とその他の費用27,666百万円の純額となっており、また、当連結会計年度において、その他の収益26,497百万円とその他の費用61,560百万円の純額となっております。
「その他の損益」の主な内容は以下の通りです。
前連結会計年度
「その他の損益」に含まれる為替差損益(純額)は、13,496百万円(為替差益)であります。なお、当該為替差損益は、ヘッジ目的のデリバティブ損益と概ね相殺されております。
また、大分県における太陽光発電事業を譲渡したことに伴い、譲渡益として22,387百万円を認識しております。
当連結会計年度
「その他の損益」に含まれる為替差損益(純額)は、4,824百万円(為替差益)であります。
また、海外インフラ案件における損失を認識しております。
11 法人所得税
当社は連結納税制度を適用しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された法人所得税の総額は、次の各対象項目に振分けて計上されております。
項目 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) |
当期税金 | △53,615 | △24,109 |
繰延税金 | 9,130 | △14,320 |
合計 | △44,485 | △38,429 |
当社は主に、法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計
年度及び当連結会計年度における法定実効税率は、約31.0%であります。ただし、海外子会社についてはその所在地における一般的な税率をもって計算しております。
米国税制改正法「Tax Cuts and Jobs Act」が平成29年12月22日(米国東部時間)の大統領署名を以って成立し、連邦法人所得税率の35.0%から21.0%への引下げ等が行われることとなりました。これに伴い、米国の連結子会社の平成30年1月1日以降に解消が見込まれる一時差異等については、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率を変更しております。この税率変更等により、当連結会計年度の法人所得税が2,842百万円減少(益)しております。
法定実効税率と、連結包括利益計算書上の法人所得税の実効税率との調整は、次の通りであります。
項目 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
法定実効税率(%) | 31.0 | 31.0 |
課税所得計算上加減算されない損益による影響(%) | △1.6 | △3.3 |
海外連結子会社における税率の差異(%) | 2.1 | △0.3 |
持分法による投資損益及び連結子会社の利益剰余金等に係る税効果(%) | △17.4 | △12.0 |
繰延税金資産の回収可能性の判断による影響(%) | 2.6 | 4.1 |
その他(%) | 5.5 | △4.4 |
連結包括利益計算書上の法人所得税の実効税率(%) | 22.2 | 15.1 |
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は次の通りであります。
項目 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) |
期首残高(繰延税金資産-純額) | △6,504 | △17,414 |
当期利益における認識額 | 9,130 | △14,320 |
その他の包括利益における認識額 | △22,578 | △14,174 |
連結範囲の異動等による増減額 | 2,538 | △4,803 |
期末残高(繰延税金資産-純額) | △17,414 | △50,711 |
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は次の通りであります。
項目 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) |
繰延税金資産 | ||
貸倒引当金等 | 2,950 | 2,660 |
棚卸資産 | 718 | 684 |
有形固定資産及び投資不動産 | 18,926 | 12,257 |
退職後給付 | 27,563 | 24,429 |
未実現利益 | 936 | 2,624 |
繰越欠損金 | 150,825 | 106,218 |
その他 | 42,055 | 32,642 |
小計 | 243,973 | 181,514 |
繰延税金負債 | ||
有形固定資産及び投資不動産 | 114,836 | 81,546 |
有価証券及びその他の投資 | 28,922 | 29,082 |
無形資産 | 32,329 | 26,276 |
未分配利益 | 51,457 | 52,964 |
その他 | 33,843 | 42,357 |
小計 | 261,387 | 232,225 |
繰延税金資産-純額 | △17,414 | △50,711 |
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次の通りであります。
項目 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) |
繰延税金資産 | 88,216 | 45,233 |
繰延税金負債 | 105,630 | 95,944 |
繰延税金資産-純額 | △17,414 | △50,711 |
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金資産が認識されていない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額はそれぞれ、733,604百万円及び759,507百万円であります。このうち、失効期限別の繰越欠損金額は次の通りであります。
失効期限 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) |
1年以内 | 10,457 | 6,177 |
1年超5年以内 | 40,394 | 36,927 |
5年超 | 75,139 | 35,539 |
無期限 | 39,641 | 37,483 |
合計 | 165,631 | 116,126 |
前連結会計年度又は当連結会計年度において、損失を計上しており、かつ繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している一部の子会社について、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金資産をそれぞれ100,122百万円及び64,113百万円を認識しております。これは各社のマネジメントが繰越欠損金及び将来減算一時差異を控除可能な課税所得の発生可能性を、タックスプランニングの機会等に基づき慎重に評価した結果、繰延税金資産を認識したものです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金負債が認識されていない、子会社及び関連会社に対する投資並びにジョイント・ベンチャーに対する持分に係る一時差異の総合計額はそれぞれ、776,091百万円及び840,005百万円であります。なお、認識されていない繰延税金負債の金額の算定は実務的ではありません。
12 関連会社及びジョイント・ベンチャー
前連結会計年度
持分法を適用している関連会社に対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、1,001,351百万円及び72,649百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額71,494百万円、その他の包括利益の持分取込額1,155百万円であります。
持分法を適用しているジョイント・ベンチャーに対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、754,601百万円及び53,269百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額43,231百万円、その他の包括利益の持分取込額10,038百万円であります。
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーの損失に対する未認識の持分は、それぞれ6,612百万円(期中減少額1,926百万円)及び8,942百万円(期中減少額5,258百万円)であります。
一部の関連会社及びジョイント・ベンチャーにおいて、プロジェクト・ファイナンスによる資金調達が行われており、預金について使用制限が付されております。
当連結会計年度
持分法を適用している関連会社に対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、994,926百万円及び100,344百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額99,815百万円、その他の包括利益の持分取込額529百万円であります。
持分法を適用しているジョイント・ベンチャーに対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額及び包括利益の持分取込額はそれぞれ、769,243百万円及び49,816百万円であります。包括利益の持分取込額の内訳は、当期利益の持分取込額48,688百万円、その他の包括利益の持分取込額1,128百万円であります。
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーの損失に対する未認識の持分は、それぞれ11,572百万円(期中増加額4,960百万円)及び2,558百万円(期中減少額6,384百万円)であります。
一部の関連会社及びジョイント・ベンチャーにおいて、プロジェクト・ファイナンスによる資金調達が行われており、預金について使用制限が付されております。
13 金融商品及び関連する開示
(1)資本管理方針
当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針として、銀行をはじめとした金融機関からの間接調達と、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接調達を実施しております。当社及び連結子会社は、経営環境の変化にも耐えうる強固な収益基盤と磐石な財務基盤を確立し、持続的成長を達成するために、ネットD/Eレシオ(注1)、リスクアセット(注2)等の指標を資本管理に用いて、財務体質の強化を図っております。
(注)1 ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債/資本合計。なお、ネット有利子負債は、社債及び借入金
(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物、定期預金を差し引いて算出しております。
2 当社の定義するリスクアセットとは、Value at Risk手法による連結ベースでの保有資産価値の最大損 失額のことであり、連結子会社の保有する資産も含めたグループ全体の資産について、国、産業、顧客 の信用格付、回収予定期日、といったエクスポージャーごとのリスク属性を基に、相関を考慮したコン ピュータシミュレーションを行っております。
当社グループは、平成28年4月からスタートした3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」において、平成30年度末にネットD/Eレシオを1.3倍程度とすることを目標としておりましたが、平成29年5月9日に公表した「中期経営計画 GC2018の修正」において、財務基盤の更なる強化、及び事業戦略の進化を基本方針として、平成30年度末のネットD/Eレシオの目標を1.0倍程度に修正しております。ネットD/Eレシオについては、目標とする経営指標として、マネジメントは定期的にモニタリングしております。
なお、当社及び連結子会社が適用を受ける重要な資本の規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2)財務上のリスク管理方針
当社及び連結子会社は、日本を含む様々な国において営業活動を展開しているため、以下に挙げる金利リスク、為替リスク、信用リスク、商品価格リスク、流動性リスク及び株価変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、定期的なモニタリングを通じてこれらのリスクを評価しております。上記リスク軽減のため、リスクに対して一部若しくは全部のヘッジを行っている取引については、ヘッジ会計適用の有無に関わらず、同一のリスク管理方針のもとに管理を行っております。原則、ヘッジ対象とヘッジ手段の基礎数値は同一であり、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係が成立しております。また、ヘッジ比率は原則として一対一としており、ヘッジ対象のリスクを概ね減殺しております。
① 金利リスクの管理
当社及び連結子会社は、一部を除いて変動金利で資金調達しているため、金利が上昇すると支払利息が増加します。一方、変動金利の資金調達の相当の部分は金利の影響を転嫁できる営業債権及び貸付金等に見合っています。また、固定資産や投資等の非金利感応資産についても、取扱収益・受取配当金の増加により、収益の増加が見込まれます。よって、金利リスクは完全に回避できないものの、業績に与える影響は一定程度抑制される資産・負債の構成となっております。
そのうえで、当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、固定資産や投資等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジション残高とし、市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等を活用することで、金利リスクの軽減を図っております。
金利の感応度
以下の表は、その他全ての変数が一定であることを前提として、金利が1%上昇した場合における当社及び連結子会社の税引前利益への影響を示しております。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
税引前利益への影響 | △13,596 | △12,881 |
② 為替リスクの管理
当社及び連結子会社は、様々な通貨で取引を行っており、外貨建ての営業活動及び在外営業活動体に対する純投資に関連する為替変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、営業活動から生じる外貨建債権・債務、外貨建確定契約及び外貨建予定取引のキャッシュ・フローの変動リスク、外貨建債権・債務及び外貨建確定契約の公正価値の変動リスク及び在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジするため、為替予約、外貨建ての社債及び借入金等により為替変動リスクの軽減を図っております。
為替の感応度
以下の表は、その他全ての変数が一定であることを前提として、米ドル及び豪州ドルに対して日本円が1円円高となった場合における当社及び連結子会社の税引前利益及び資本への影響を示しております。また、その他全ての変数が一定であることを前提として、米ドル及び豪州ドルに対して日本円が1円円安となった場合における当社及び連結子会社の税引前利益及び資本への影響は、以下の表と同額で反対の影響があります。米ドル及び豪州ドル以外のその他全ての通貨の為替変動リスクに重要性はありません。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
<米ドル> | ||
税引前利益への影響 | 279 | 49 |
在外営業活動体の換算差額への影響(税引前) | △5,951 | △12,113 |
<豪州ドル> | ||
税引前利益への影響 | 38 | 48 |
在外営業活動体の換算差額への影響(税引前) | △1,807 | △1,913 |
③ 信用リスクの管理
当社及び連結子会社は、輸出、輸入、国内及び外国間の各取引において、工業製品、農産物、消費財等、あらゆる分野にわたる商品を取り扱っており、その事業活動は、世界のあらゆる地域での資源開発、商品企画、事業投資から生産、物流、市場開拓まで、多岐にわたっております。従って、取引先あるいは投資先について重大な信用リスクの集中はありません。また、当社及び連結子会社は必要に応じて担保を要求しております。
当社及び連結子会社の金融資産の減損後の帳簿価額は、担保等の信用補完を考慮に入れない、信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
④ 商品価格リスクの管理
当社及び連結子会社は、石油及びガス、石炭、アルミ、銅、農産物等の商品価格の変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、売りと買いのマッチングや、先物、先渡、スワップ、オプション等の商品デリバティブ等により商品価格の変動リスクの軽減を図っております。なお、一部の商品デリバティブについては、予め決められた限度・損失限度枠内においてトレーディング目的で取引を実施しております。
商品価格の感応度
当社及び連結子会社が期末日において保有する棚卸資産、売買契約に係る商品価格の変動リスクは、商品デリバティブ等により概ね減殺されております。
なお、トレーディング目的の商品デリバティブの公正価値の変動による影響に重要性はありません。
⑤ 流動性リスクの管理
当社及び連結子会社は、金融市場の混乱等によって保有資産の市場流動性が著しく低下する等、流動性リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、適切な現金及び預金等の残高を維持するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関との間のコミットメントラインの設定により、十分な流動性を確保しております。
当社及び連結子会社のデリバティブの流動性分析は下表の通りであります。なお、他の契約と純額決済されるデリバティブについても総額で表示しております。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | |||
1年以内 (百万円) | 1年超 (百万円) | 1年以内 (百万円) | 1年超 (百万円) | |
収入 | ||||
金利 | 6,290 | 24,426 | 5,731 | 19,388 |
外貨 | 10,758 | 1,830 | 7,057 | 1,023 |
商品 | 66,908 | 15,758 | 92,081 | 6,895 |
その他 | - | - | - | 1,265 |
支出(△) | ||||
金利 | △15 | △825 | △55 | △1,926 |
外貨 | △25,275 | △1,097 | △6,485 | △2,277 |
商品 | △57,747 | △4,006 | △81,797 | △3,043 |
その他 | - | 0 | - | △445 |
非デリバティブ金融負債の流動性分析は(3)金融商品の公正価値を参照ください。
⑥ 株価変動リスクの管理
当社及び連結子会社は、主に取引先との関係強化を目的として資本性金融資産(株式)を保有しているため、株価変動の影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は定期的に保有株式の見直しを実施し、保有意義の薄れた株式を売却することによって、株価変動リスクの軽減を図っております。
株価変動リスクの感応度
活発な市場のある資本性金融資産(株式)について、期末日の公表価格が一律5%下落した場合の当社及び連結子会社のその他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額への影響額(税引前)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末でそれぞれ、△9,261百万円及び△8,712百万円であります。
(3)金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融商品の公正価値の見積りは入手しうる市場情報又は他の適切な評価方法によっております。
当社及び連結子会社は金融商品の公正価値の開示に際し以下の方法と仮定を使用しております。
現金及び現金同等物、定期預金:
現金及び現金同等物、定期預金は償却原価にて測定しており、その連結財政状態計算書上の帳簿価額は、満期までの期間が短期であるため概ね公正価値であります。
有価証券及びその他の投資:
活発な市場のある有価証券の公正価値は、期末日の公表価格に基づいて測定しております。
活発な市場のない資本性金融資産及びFVTPLの金融資産に分類される負債性金融資産の公正価値は、割引将来キャッシュ・フロー、第三者による鑑定評価及びその他の評価方法により測定しております。
償却原価で測定されている負債性金融資産の公正価値は、同一の残存期間で同程度の信用格付を有する負債性金融資産に適用される期末日の市場金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
営業債権及び貸付金、営業債務:
営業債権及び貸付金、営業債務の公正価値は、主に同一の残存期間で同程度の信用格付を有する営業債権及び貸付金、営業債務に適用される期末日の金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
社債及び借入金:
社債及び借入金の公正価値は、同じ償還期限を有する類似の借入契約に適用される期末日の金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
その他の金融資産及びその他の金融負債:
その他の金融資産及びその他の金融負債はデリバティブ資産及びデリバティブ負債並びに非デリバティブ資産及び非デリバティブ負債により構成されております。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額は公正価値であります。
非デリバティブ資産は主に取引先に対するその他の債権で構成されており、FVTPLの金融資産を除いて償却原価にて測定しております。
非デリバティブ負債は主に取引先に対するその他の債務、認識の中止の要件を満たさずに譲渡した営業債権及び貸付金の対価に係る債務で構成されており、償却原価にて測定しております。
償却原価で測定されている非デリバティブ資産及び非デリバティブ負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額は概ね公正価値であります。
金利スワップ契約:
金利スワップ契約の公正価値は、同じ残存期間を有する類似のスワップ契約に適用される期末日のスワップ金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
為替予約:
為替予約の公正価値は、期末日の公表価格をもって見積っております。
商品先物・先渡等:
商品先物・先渡等の公正価値は、期末日の公表価格をもって見積っております。
② 営業債権及び貸付金
営業債権及び貸付金の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
受取手形 | 74,228 | 70,425 |
売掛金 | 1,215,018 | 1,312,735 |
貸付金 | 144,874 | 120,283 |
貸倒引当金 | △35,767 | △49,392 |
合計 | 1,398,353 | 1,454,051 |
FVTPLの営業債権及び貸付金は、当社の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性に基づいて、FVTPLで事後測定するものとして分類されたものであり、それを除く営業債権及び貸付金は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるFVTPLの営業債権及び貸付金はそれぞれ43,482百万円及び49,974百万円です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における償却原価にて測定する営業債権及び貸付金の公正価値はそれぞれ1,355,261百万円及び1,404,106百万円であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における金融資産の認識の中止の要件を満たさずに譲渡し、譲渡資産の全部の認識を継続する営業債権及び貸付金については、それぞれ129,871百万円及び107,373百万円を「営業債権及び貸付金」に含めて表示しており、譲渡により入金した金額61,378百万円及び59,233百万円をそれぞれ「その他の金融負債」に含めて表示しております。これらの営業債権及び貸付金は、手形の振出人や債務者が支払不履行となった場合に、当社及び連結子会社に支払義務が遡求されることから、当社及び連結子会社が譲渡資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持していると判定されたものであります。
上記のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において譲受人が譲渡資産のみに遡求権を有している営業債権及び貸付金はそれぞれ90,757百万円及び89,453百万円であり、関連する負債の帳簿価額はそれぞれ22,285百万円及び41,321百万円であります。これらの帳簿価額は概ね公正価値であります。
また、譲渡した営業債権及び貸付金の中には、債務者が支払不履行となった場合に当社及び連結子会社に支払義務が部分的に遡求されること、及び、当社及び連結子会社が当該営業債権及び貸付金への支配を保持していると判定されることから、継続関与の範囲で資産の認識を継続しているものがあります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当該営業債権及び貸付金の譲渡前の帳簿価額はそれぞれ854百万円及び419百万円であり、当社及び連結子会社が認識し続けている継続関与資産及び関連する負債の帳簿価額は同額でそれぞれ140百万円及び73百万円であります。
貸倒引当金の期中の増減は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
期首残高 | 39,882 | 35,767 |
当期繰入額 | 4,191 | 20,041 |
目的使用額 | △13,386 | △2,972 |
その他 | 5,080 | △3,444 |
期末残高 | 35,767 | 49,392 |
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、減損していると評価されている営業債権及び貸付金はそれぞれ34,738百万円及び46,946百万円であり、これに対して設定した貸倒引当金はそれぞれ27,711百万円及び38,664百万円です。営業債権及び貸付金の帳簿価額と貸倒引当金との差額については担保等による回収が可能であると判断しております。
当社及び連結子会社は、債権管理方針として、決済期日から90日を超えた金融債権を期日超過債権として管理・牽制を強化しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、決済期日を超えているが減損していない営業債権及び貸付金の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
90日以内 | 42,761 | 49,443 |
90日超 | 20,581 | 20,063 |
合計 | 63,342 | 69,506 |
③ 有価証券及びその他の投資
有価証券及びその他の投資の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
有価証券 | ||
償却原価 | 10,075 | 0 |
合計 | 10,075 | 0 |
その他の投資 | ||
FVTPL | 2,832 | 4,601 |
FVTOCI | 328,901 | 315,091 |
償却原価 | 2,708 | 2,936 |
合計 | 334,441 | 322,628 |
FVTPLの負債性のその他の投資は、当社の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性に基づいて、FVTPLで事後測定するものとして分類されたものであります。
FVTPLのその他の投資は、前連結会計年度末において、主にファンドへの出資等であり、当連結会計年度末において、主に公社債等であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における償却原価で測定される有価証券及びその他の投資の帳簿価額は概ね公正価値であります。
当社及び一部の連結子会社が保有する公正価値で測定される資本性のその他の投資のうち、主として取引関係の維持、強化を目的として保有する投資については、FVTOCIで事後測定するものとして分類されたものであります。当該FVTOCIのその他の投資は主に普通株式であり、公正価値の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
活発な市場あり | 185,210 | 174,230 |
活発な市場なし | 143,691 | 140,861 |
合計 | 328,901 | 315,091 |
活発な市場があるその他の投資の主な銘柄は次の通りであります。
銘柄 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) |
山崎製パン | 18,700 | 18,030 |
日清製粉グループ本社 | 10,439 | 13,254 |
国際石油開発帝石 | 10,167 | 12,225 |
イオン | 9,061 | 8,602 |
第一生命ホールディングス | 8,735 | 8,498 |
オカモト | 8,588 | 7,874 |
ゴ-ルドウイン | 2,812 | 6,134 |
サッポロホールディングス | 4,964 | 5,113 |
榮成紙業 | 3,705 | 4,569 |
東京海上ホールディングス | 4,281 | 4,316 |
活発な市場のないその他の投資は、資源関連分野並びに素材、機械及び生活産業関連分野等における投資により構成されております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の資源関連分野における投資はそれぞれ77,413百万円、79,354百万円であり、その他の分野における投資はそれぞれ66,278百万円、61,507百万円であります。
FVTOCIのその他の投資について、前連結会計年度中に認識された受取配当金は17,301百万円で、そのうち前連結会計年度末において保有している投資に係る受取配当金は16,563百万円であります。当連結会計年度中に認識された受取配当金は21,254百万円で、そのうち当連結会計年度末において保有している投資に係る受取配当金は20,731百万円であります。
FVTOCIのその他の投資に係る資本の部のその他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額については、連結会計年度中に認識の中止を行ったもの及び取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではないもの等に係る部分を利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度中及び当連結会計年度中の振替額(税引後)はそれぞれ、328百万円(損失)及び7,593百万円(損失)であります。
事業戦略の見直し等により処分したFVTOCIのその他の投資は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
認識の中止の日現在の公正価値 | 25,768 | 26,357 |
認識の中止の日現在の累積利得又は損失 | △2,094 | △12,992 |
認識の中止を行った投資に係る受取配当金 | 738 | 523 |
④ 営業債務
営業債務の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
支払手形 | 258,254 | 307,604 |
買掛金 | 1,003,182 | 1,083,131 |
合計 | 1,261,436 | 1,390,735 |
営業債務は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債務の帳簿価額は概ね公正価値であります。
営業債務の契約満期別の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
1年以内 | 1,243,087 | 1,374,022 |
1年超 | 18,349 | 16,713 |
⑤ 社債及び借入金
社債及び借入金の帳簿価額の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
社債 | 376,404 | 325,364 |
借入金 | 2,429,734 | 2,217,340 |
合計 | 2,806,138 | 2,542,704 |
社債及び借入金は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における社債及び借入金の公正価値はそれぞれ、2,806,133百万円及び2,542,717百万円であり、レベル3に区分しております。
社債及び借入金の契約満期別の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
1年以内 | 680,008 | 652,211 |
1年超5年以内 | 1,258,369 | 1,313,033 |
5年超 | 1,017,340 | 717,655 |
社債及び借入金の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
無担保円建社債(利率0.23%~2.55%、最終償還 期限平成49年) | 358,000 | 318,000 |
豪ドル建社債 | 9,442 | - |
短期借入金(利率は主に0.00%~2.64%) | 222,733 | 276,723 |
長期借入金(利率は主に0.00%~12.00%、最終返済期限平成45年) | 2,207,001 | 1,940,617 |
(うち、1年以内に期限の到来する長期借入金) | (340,835) | (284,938) |
その他 | 8,962 | 7,364 |
合計 | 2,806,138 | 2,542,704 |
(注)利率、最終償還期限及び最終返済期限は当連結会計年度末のものを表示しております。
⑥ 金融損益
金融損益の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
受取利息 | ||
償却原価で測定される金融資産 | 16,213 | 13,526 |
合計 | 16,213 | 13,526 |
支払利息 | ||
償却原価で測定される金融負債 | △36,887 | △38,441 |
その他 | 3,569 | 3,493 |
合計 | △33,318 | △34,948 |
受取配当金 | ||
FVTPLの金融資産 | 211 | 0 |
FVTOCIの金融資産 | 17,301 | 21,254 |
合計 | 17,512 | 21,254 |
有価証券損益 | ||
FVTPLの金融資産 | △255 | 1,080 |
その他 | 11,257 | 24,067 |
合計 | 11,002 | 25,147 |
支払利息のその他には主にデリバティブに係る損益が含まれております。
有価証券損益のその他には主に関連会社及びジョイント・ベンチャーの売却に係る損益及び減損損失、子会社の支配喪失に伴う損益が含まれております。前連結会計年度及び当連結会計年度における子会社の売却等に伴う連結除外による損益はそれぞれ9,165百万円(利益)及び5,350百万円(利益)であります。そのうち、従前の子会社に対して保有している残余投資を支配喪失日現在の公正価値で測定したことによる損益は前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ3,814百万円(損失)及び1,483百万円(利益)であります。
当連結会計年度の有価証券損益のその他として、英国洋上風力発電事業の売却に伴う売却益11,177百万円を認識しております。
⑦ 公正価値の測定
当社及び連結子会社は、特定の資産及び負債を公正価値で測定しております。公正価値の測定のために使われるインプットは、市場における観察可能性に応じて以下の3つのレベルに区分されております。
レベル1:測定日において当社及び連結子会社がアクセス可能な、同一の資産又は負債に関する活発な市場における(無調整の)相場価格
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外の、直接又は間接的に観察可能な、資産又は負債に関するインプット
レベル3:資産又は負債に関する観察不能なインプット
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、当社及び連結子会社が経常的に公正価値で測定している資産及び負債は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | |||||||
レベル1 (百万円) | レベル2 (百万円) | レベル3 (百万円) | 合計 (百万円) | レベル1 (百万円) | レベル2 (百万円) | レベル3 (百万円) | 合計 (百万円) | |
資産 純損益を通じて公正価値測定された非デリバティブ金融資産 営業債権及び貸付金 その他の投資(資本性) その他の投資(負債性) その他の金融資産 その他の包括利益を通じて公正価値測定された非デリバティブ金融資産 その他の投資 デリバティブ取引 金利取引 為替取引 商品取引 その他 | - - - - 185,210 - - 9,795 - | 31,939 - - - - 28,823 12,563 52,194 - | 11,543 106 2,726 12,882 143,691 - - 1,006 - | 43,482 106 2,726 12,882 328,901 28,823 12,563 62,995 - | - - - - 174,230 - - 1,779 - | 49,974 - - - - 22,872 8,080 65,438 - | - 10 4,591 13,152 140,861 - - 1,470 1,265 | 49,974 10 4,591 13,152 315,091 22,872 8,080 68,687 1,265 |
負債(△) デリバティブ取引 金利取引 為替取引 商品取引 その他 | - - △6,611 - | △497 △26,347 △35,123 - | - - △348 0 | △497 △26,347 △42,082 0 | - - △3,875 - | △602 △8,762 △50,135 - | - - △541 △445 | △602 △8,762 △54,551 △445 |
レベル1に区分されているその他の投資は、主に活発な市場のある資本性証券であり、デリバティブ取引は商品に係るデリバティブ取引であります。これらは活発な市場における無調整の相場価格によって評価しております。
レベル2に区分されている営業債権及び貸付金は将来の市場価格で決済される営業債権であります。デリバティブ取引は主に金利スワップ、為替予約及び商品に係るデリバティブ取引であります。これらはレベル1には属さない、活発ではない市場における同一資産の相場価格、あるいは活発な市場における類似資産又は類似負債に基づき評価され、商品取引所の相場価格、外国為替相場及び金利等の観察可能なインプットを使用して、主にマーケットアプローチで評価しております。
レベル3に区分されたその他の投資は主に活発な市場のない資本性証券であり、デリバティブ取引は主に商品に係るデリバティブ取引であります。これらは、活発な市場における類似資産又は類似負債がない、または極端な流動性の低下等により相場価格が歪められている等の理由で観察可能なインプットが使用できないため、合理的に入手可能なインプットや多くの市場参加者が合理的だとして採用しているインプット等によって、主にインカムアプローチで評価しております。
経常的に公正価値で評価される資産及び負債のうち、レベル3に区分された投資の公正価値の測定に関する重要な観察不能なインプットは割引率であります。公正価値は割引率の上昇(低下)により減少(増加)することとなります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社及び連結子会社が公正価値の測定に使用している割引率はそれぞれ、6.5%から11.7%及び7.0%から11.6%となっております。
当社及び連結子会社は、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期連結会計期間末に認識することとしております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の重要な振替はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社及び連結子会社が経常的に公正価値で測定しているレベル3の資産及び負債の増減は次の通りであります。
前連結会計年度
純損益を通じて公正価値測定された 非デリバティブ金融資産 | その他の包括利益を通じて公正価値測定された非デリバティブ金融資産 | デリバティブ取引 | ||||
営業債権 及び貸付金 (百万円) | その他の 投資 (百万円) | その他の 金融資産 (百万円) | その他の 投資 (百万円) | 商品取引 (百万円) | その他 (百万円) | |
期首残高 (資産/負債(△)) | 11,627 | 5,650 | 12,526 | 149,029 | 1,355 | △100 |
純損益 | △33 | △236 | 4,913 | - | 2,291 | 69 |
その他の包括利益 | - | - | - | △6,095 | - | - |
購入 | - | 229 | - | 339 | - | 27 |
売却/償還 | - | △1,273 | △4,538 | △7,727 | - | - |
決済 | - | - | - | - | △2,955 | - |
振替 | - | △1,500 | - | 3,482 | △2 | - |
連結範囲の異動による影響 | - | - | - | △26 | - | - |
レベル3へ(から)の振替 | - | - | - | - | - | - |
その他 | △51 | △38 | △19 | 4,689 | △31 | 4 |
前連結会計年度末残高 (資産/負債(△)) | 11,543 | 2,832 | 12,882 | 143,691 | 658 | 0 |
前連結会計年度末に保有する資産及び負債に係る前連結会計年度の損益 | △33 | △236 | 4,913 | - | 637 | 96 |
当連結会計年度
純損益を通じて公正価値測定された 非デリバティブ金融資産 | その他の包括利益を通じて公正価値測定された非デリバティブ金融資産 | デリバティブ取引 | ||||
営業債権 及び貸付金 (百万円) | その他の 投資 (百万円) | その他の 金融資産 (百万円) | その他の 投資 (百万円) | 商品取引 (百万円) | その他 (百万円) | |
期首残高 (資産/負債(△)) | 11,543 | 2,832 | 12,882 | 143,691 | 658 | 0 |
純損益 | △307 | 1,015 | 6,710 | - | 2,358 | △586 |
その他の包括利益 | - | - | - | 6,032 | - | - |
購入 | - | 357 | 164 | 938 | - | 1,386 |
売却/償還 | △11,170 | △2,123 | △5,879 | △3,472 | - | - |
決済 | - | - | - | - | △2,186 | - |
振替 | - | 2,555 | - | △1,970 | △283 | - |
連結範囲の異動による影響 | - | - | - | △257 | - | - |
レベル3へ(から)の振替 | - | - | - | - | - | - |
その他 | △66 | △35 | △725 | △4,101 | 382 | 20 |
当連結会計年度末残高 (資産/負債(△)) | - | 4,601 | 13,152 | 140,861 | 929 | 820 |
当連結会計年度末に保有する資産及び負債に係る当連結会計年度の損益 | - | 1,061 | 6,874 | - | 960 | △586 |
連結包括利益計算書上、上記の資産及び負債に係る損益について、営業債権及び貸付金に係る損益は「その他の損益」に、その他の投資に係る損益は「有価証券損益」に、その他の金融資産に係る損益は主に「商品の販売等に係る収益」に、デリバティブ取引に係る損益は主に「商品の販売等に係る原価」又は「その他の損益」に含まれております。
また、上記のその他は主に連結包括利益計算書上の「在外営業活動体の換算差額」であります。
レベル3に区分されている資産、負債については当社で定めた公正価値測定の評価方針及び手続きに従い、担当部署が、対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。また、必要に応じて適切な第三者評価機関から鑑定評価等を入手しております。公正価値測定の結果は、担当部署から独立したコーポレートスタッフグループがレビューしております。
レベル3に区分されている資産のうち、「その他の包括利益を通じて公正価値測定されたその他の投資」の評価に使用されているインプットを代替的な仮定に変更した場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においては、著しい公正価値の変動はありません。
(4)金融資産及び金融負債の相殺
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品及び強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
認識した金融資産の総額 金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺している金額 連結財政状態計算書上に表示されている純額 強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金額 純額 | 140,048 △50,104 | 132,224 △36,962 |
89,944 △54,998 | 95,262 △65,183 | |
34,946 | 30,079 |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
認識した金融負債の総額 金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺している金額 連結財政状態計算書上に表示されている純額 強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金額 純額 | 136,422 △50,104 | 139,803 △36,962 |
86,318 △54,998 | 102,841 △65,183 | |
31,320 | 37,658 |
金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品に関する相殺の権利は通常、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなる等の特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものであります。
(5)デリバティブ取引及びヘッジ活動
公正価値ヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、公正価値ヘッジとして主に棚卸資産及び商品売買の確定契約に係る公正価値の変動リスクをヘッジするための商品先物・先渡、及び固定利付資産・負債に係る固定金利を変動化するための金利スワップを指定しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。また、ヘッジ会計の中止による影響金額及び確定契約がヘッジ対象として不適格となったことにより純損益として認識した金額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、キャッシュ・フロー・ヘッジとして主に外貨建債権・債務、外貨建確定契約及び外貨建予定取引のキャッシュ・フローを固定化するための為替予約、変動利付資産・負債に係る変動金利を固定化するための金利スワップ、及び商品売買の予定取引に係るキャッシュ・フローを固定化するための商品先物・先渡を指定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。また、ヘッジ会計の中止による影響金額及び予定取引の発生が見込まれなくなったために、キャッシュ・フロー・ヘッジの評価差額から純損益に再分類した金額に重要性はありません。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジするため、主に外貨建ての社債及び借入金、為替予約を利用しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における、当社及び一部の連結子会社の、ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係るヘッジ種類別の帳簿価額は次の通りであります。
区分 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | 連結財政状 態計算書上 の表示科目 | ||
資産 | 負債(△) | 資産 | 負債(△) | ||
公正価値ヘッジ | (注)1 | ||||
金利取引 | 28,807 | △371 | 22,864 | △532 | |
為替取引 | - | - | - | - | |
商品取引 | 1,777 | △1,147 | 2,994 | △1,873 | |
合計-公正価値ヘッジ | 30,584 | △1,518 | 25,858 | △2,405 | |
キャッシュ・フロー・ヘッジ | (注)2 | ||||
金利取引 | 16 | △92 | 8 | △70 | |
為替取引 | 3,551 | △10,513 | 884 | △8,036 | |
商品取引 | 13,554 | △3,723 | 6,262 | △2,040 | |
合計-キャッシュ・フロー・ヘッジ | 17,121 | △14,328 | 7,154 | △10,146 | |
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ | 1,127 | △320,726 | 4,555 | △276,947 | (注)3 |
ヘッジ会計を適用している金融商品合計 | 48,832 | △336,572 | 37,567 | △289,498 |
(注)1 「その他の金融資産」、「その他の非流動金融資産」、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」
2 「その他の金融資産」、「その他の非流動金融資産」、「営業債務」、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」
3 「その他の金融資産」、「社債及び借入金」及び「その他の金融負債」
上記以外に、ヘッジ会計を適用していないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、55,647百万円及び39,817百万円、63,337百万円及び53,536百万円であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、主なヘッジ手段の想定元本及び平均価格は次の通りであります。
前連結会計年度末
区分 | 内容 | 種類 | 想定元本及び 平均価格 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | 合計 |
公正価値ヘッジ | 大豆の先物契約・ 先渡契約 | 買建 | 想定元本(MT) | 8,021,144 | - | - | 8,021,144 |
平均価格(米ドル/MT) | 374.35 | - | - | 374.35 | |||
売建 | 想定元本(MT) | 7,022,224 | - | - | 7,022,224 | ||
平均価格(米ドル/MT) | 378.23 | - | - | 378.23 | |||
固定金利を変動化する金利スワップ | - | 想定元本(百万円) | 83,642 | 421,600 | 260,010 | 765,252 | |
キャッシュ・フロー・ヘッジ | 米ドルの為替予約 | 輸出 | 想定元本(百万米ドル) | 157 | 0 | - | 157 |
平均価格(円/米ドル) | 111.88 | 113.96 | - | 111.89 | |||
輸入 | 想定元本(百万米ドル) | 1,048 | 189 | 40 | 1,277 | ||
平均価格(円/米ドル) | 110.74 | 106.66 | 97.98 | 109.65 | |||
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ | 米ドルの 為替予約・借入金 | 輸出 | 想定元本(百万米ドル) | 161 | 1,665 | 749 | 2,575 |
平均価格(円/米ドル) | 99.59 | 99.69 | 109.46 | 102.53 | |||
米ドルの レンジフォワード | - | 想定元本(百万米ドル) | 5,000 | - | - | 5,000 | |
平均価格(円/米ドル) | 101.97 | - | - | 101.97 |
公正価値ヘッジにおける固定金利を変動化する金利スワップの主な条件は、固定受取金利が0.1%~2.0%に対して、変動支払金利が全銀協日本円TIBOR(3ヵ月物及び6ヵ月物)となっております。
当連結会計年度末
区分 | 内容 | 種類 | 想定元本及び 平均価格 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | 合計 |
公正価値ヘッジ | 大豆の先物契約・ 先渡契約 | 買建 | 想定元本(MT) | 4,539,544 | - | - | 4,539,544 |
平均価格(米ドル/MT) | 378.82 | - | - | 378.82 | |||
売建 | 想定元本(MT) | 4,342,072 | - | - | 4,342,072 | ||
平均価格(米ドル/MT) | 378.16 | - | - | 378.16 | |||
固定金利を変動化する金利スワップ | - | 想定元本(百万円) | 84,600 | 446,500 | 221,524 | 752,624 | |
キャッシュ・フロー・ヘッジ | 米ドルの為替予約 | 輸出 | 想定元本(百万米ドル) | 140 | - | - | 140 |
平均価格(円/米ドル) | 107.42 | - | - | 107.42 | |||
輸入 | 想定元本(百万米ドル) | 1,098 | 153 | 185 | 1,436 | ||
平均価格(円/米ドル) | 108.09 | 104.68 | 85.20 | 104.78 | |||
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ | 米ドルの借入金 | - | 想定元本(百万米ドル) | 1,329 | 880 | 395 | 2,604 |
平均価格(円/米ドル) | 98.09 | 106.20 | 107.56 | 102.26 | |||
米ドルの レンジフォワード | - | 想定元本(百万米ドル) | 5,000 | - | - | 5,000 | |
平均価格(円/米ドル) | 109.11 | - | - | 109.11 |
公正価値ヘッジにおける固定金利を変動化する金利スワップの主な条件は、固定受取金利が0.1%~2.0%に対して、変動支払金利が全銀協日本円TIBOR(3ヵ月物及び6ヵ月物)となっております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、当社及び一部の連結子会社の、公正価値ヘッジに分類されるヘッジ対象の帳簿価額及び公正価値ヘッジ調整の累計額は次の通りであります。
前連結会計年度末
帳簿価額 (百万円) | うち、公正価値ヘッジ 調整の累計額 (百万円) | 連結財政状態計算書上の 主な表示科目 | |||
資産 | 負債(△) | 資産 | 負債(△) | ||
金利取引 | - | △909,830 | - | △28,578 | (注)1 |
為替取引 | 3 | - | 3 | - | (注)2 |
商品取引 | 45,896 | △48,280 | 45,868 | △48,277 | (注)3 |
当連結会計年度末
帳簿価額 (百万円) | うち、公正価値ヘッジ 調整の累計額 (百万円) | 連結財政状態計算書上の 主な表示科目 | |||
資産 | 負債(△) | 資産 | 負債(△) | ||
金利取引 | - | △890,994 | - | △22,370 | (注)1 |
為替取引 | 3 | - | 3 | - | (注)2 |
商品取引 | 38,656 | △40,401 | 36,365 | △39,926 | (注)3 |
(注)1 「社債及び借入金」
2 「その他の金融資産」
3 「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」
前連結会計年度及び当連結会計年度における、当社及び一部の連結子会社の、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結包括利益計算書上、その他の包括利益に計上された金額(税効果考慮前)は次の通りであります。
前連結会計年度
その他の包括利益 発生額 (百万円) | その他の包括利益 から当期利益への 組替修正額 (百万円) | 組替修正額の連結 包括利益計算書上 の主な表示科目 | |
キャッシュ・フロー・ヘッジ | |||
金利取引 | 298 | 1,116 | 支払利息 |
為替取引 | 1,447 | △3,669 | その他の損益 |
商品取引 | 9,589 | △2,690 | 商品の販売等に係る原価 |
合計-キャッシュ・フロー・ヘッジ | 11,334 | △5,243 | |
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ | △7,564 | △882 | その他の損益及び有価証券損益 |
当連結会計年度
その他の包括利益 発生額 (百万円) | その他の包括利益 から当期利益への 組替修正額 (百万円) | 組替修正額の連結 包括利益計算書上 の主な表示科目 | |
キャッシュ・フロー・ヘッジ | |||
金利取引 | 0 | 94 | 支払利息 |
為替取引 | 1,651 | 1,171 | その他の損益 |
商品取引 | △8,312 | △219 | 商品の販売等に係る原価 |
合計-キャッシュ・フロー・ヘッジ | △6,661 | 1,046 | |
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ | 6,184 | 1,536 | その他の損益及び有価証券損益 |
前連結会計年度及び当連結会計年度における、純額ポジションのヘッジについて、連結包括利益計算書上、個別の科目に認識したヘッジ損益に重要性はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結財政状態計算書上、その他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳は次の通りであります。
前連結会計年度
キャッシュ・フロー・ヘッジ (百万円) | 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ (百万円) | |||
金利取引 | 為替取引 | 商品取引 | 為替取引 | |
期首残高 | △38,984 | △17,529 | △3,145 | △188,482 |
当期発生額 | △3,838 | 5,428 | 7,336 | △5,128 |
当期利益への組替修正額 | 9,440 | △2,159 | △2,153 | △990 |
非金融資産等への振替 | - | 4,982 | - | - |
期末残高 | △33,382 | △9,278 | 2,038 | △194,600 |
当連結会計年度
キャッシュ・フロー・ヘッジ (百万円) | 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ (百万円) | |||
金利取引 | 為替取引 | 商品取引 | 為替取引 | |
期首残高 | △33,382 | △9,278 | 2,038 | △194,600 |
当期発生額 | △2,802 | △548 | △5,470 | 5,781 |
当期利益への組替修正額 | 8,187 | 727 | △552 | 1,508 |
非金融資産等への振替 | - | △1,194 | - | - |
期末残高 | △27,997 | △10,293 | △3,984 | △187,311 |
当期利益への組替修正額の主な内容は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによる組替修正であります。
ヘッジ手段のオプションの時間的価値及びヘッジ手段に含まれる先物要素、外貨ベーシス・スプレッドを除いてヘッジ指定をしている場合における、これらのヘッジ手段から除いた金額に重要性はありません。
連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」及び「その他の非流動金融資産」に含まれるデリバティブ資産は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、61,210百万円及び43,171百万円、70,882百万円及び30,022百万円であります。
なお、「その他の金融資産」及び「その他の非流動金融資産」に含まれる非デリバティブ資産には、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、FVTPLの金融資産がそれぞれ12,882百万円及び13,152百万円含まれております。
連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」に含まれるデリバティブ負債は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、65,993百万円及び2,933百万円、59,597百万円及び4,763百万円であります。
14 差入担保資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、次の資産を借入契約等の担保として供しております。
項目 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) |
現金及び現金同等物・定期預金 | 1,043 | 941 |
営業債権及び貸付金 | 24,069 | 68 |
棚卸資産 | 14,898 | 49,879 |
持分法で会計処理される投資 | 32,756 | 27,861 |
有形固定資産(減価償却累計額控除後) | 61,856 | 37,856 |
その他 | 13,807 | 24,656 |
合計 | 148,429 | 141,261 |
当社及び連結子会社は、標準的な借入契約等において通常の慣習的な条件に基づき担保を差入れております。
上記の他、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、支払手形に含まれる引受輸入手形には、輸入担保荷物保管証が差入れられております。
輸入担保荷物保管証の標準的な約款では、輸入担保荷物の売却代金を引受輸入手形の未決済残高に充当するために、銀行に払込むこととなっております。しかし、当社及び連結子会社は手形期日に引受輸入手形の決済を実行しております。当社及び連結子会社の取引量が膨大であることから、輸入担保荷物保管証の対象となっている棚卸資産及び売却代金の総額を確定することは実務的ではありません。
わが国では、通常、銀行から要求された場合、借入に対し、担保を提供しなければなりません。また、担保の提供の有無にかかわらず、銀行には預金を期日到来分の貸付金と相殺する権利があり、さらに、債務不履行あるいはその他の特約事項が発生した場合には、預金をすべての貸付金と相殺する権利があります。当社及び連結子会社は、かかる権利を行使されたことはありません。
15 1株当たり当期利益
基本的及び希薄化後1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益の計算は次の通りであります。
項目 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
分子項目(百万円) 親会社の所有者に帰属する当期利益 基本的1株当たり親会社の株主に帰属する 当期利益の計算に使用する利益調整額 親会社の株主に帰属しない金額 基本的1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益の 計算に使用する当期利益 希薄化後1株当たり親会社の株主に帰属する 当期利益の計算に使用する利益調整額 新株予約権に係る調整 希薄化後1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益の 計算に使用する当期利益 | 155,350 2,499 152,851 △0 152,851 | 211,259 4,000 207,259 △1 207,258 |
分母項目(株) 基本的1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益の 計算に使用する普通株式の加重平均株式数 希薄化効果の影響 新株予約権に係る調整 希薄化後1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益の 計算に使用する普通株式の加重平均株式数 | 1,735,357,836 331,454 1,735,689,289 | 1,735,359,061 849,138 1,736,208,198 |
1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益(円) 基本的 希薄化後 | 88.08 88.06 | 119.43 119.37 |
16 その他の資本の構成要素及びその他の包括利益
その他の資本の構成要素の各項目の増減は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
その他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額 | ||
期首残高 | 43,066 | 54,606 |
期中増減 | 11,212 | 20,397 |
利益剰余金への振替 | 328 | 7,593 |
期末残高 | 54,606 | 82,596 |
在外営業活動体の換算差額 | ||
期首残高 | 193,608 | 165,310 |
期中増減 | △28,298 | △89,057 |
期末残高 | 165,310 | 76,253 |
キャッシュ・フロー・ヘッジの評価差額 | ||
期首残高 | △59,658 | △40,622 |
期中増減 | 14,054 | △458 |
非金融資産等への振替 | 4,982 | △1,194 |
期末残高 | △40,622 | △42,274 |
確定給付制度に係る再測定 | ||
期首残高 | - | - |
期中増減 | 1,131 | 3,530 |
利益剰余金への振替 | △1,131 | △3,530 |
期末残高 | - | - |
その他の資本の構成要素 | ||
期首残高 | 177,016 | 179,294 |
期中増減 | △1,901 | △65,588 |
利益剰余金への振替 | △803 | 4,063 |
非金融資産等への振替 | 4,982 | △1,194 |
期末残高 | 179,294 | 116,575 |
非支配持分を含むその他の包括利益の各項目と、それらに係る税効果額は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||||
税効果考慮前 (百万円) | 税効果額 (百万円) | 税効果考慮後 (百万円) | 税効果考慮前 (百万円) | 税効果額 (百万円) | 税効果考慮後 (百万円) | |
その他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額 | ||||||
当期発生額 | 17,400 | △5,953 | 11,447 | 28,662 | △8,098 | 20,564 |
期中増減額 | 17,400 | △5,953 | 11,447 | 28,662 | △8,098 | 20,564 |
在外営業活動体の換算差額 | ||||||
当期発生額 | △27,960 | △641 | △28,601 | △93,467 | △111 | △93,578 |
当期利益への組替修正額 | △1,492 | 79 | △1,413 | 4,494 | △231 | 4,263 |
期中増減額 | △29,452 | △562 | △30,014 | △88,973 | △342 | △89,315 |
キャッシュ・フロー・ヘッジの評価差額 | ||||||
当期発生額 | 11,997 | △2,998 | 8,999 | △12,462 | 3,650 | △8,812 |
当期利益への組替修正額 | 4,057 | 1,092 | 5,149 | 9,195 | △814 | 8,381 |
期中増減額 | 16,054 | △1,906 | 14,148 | △3,267 | 2,836 | △431 |
確定給付制度に係る再測定 | ||||||
当期発生額 | 4,333 | △3,191 | 1,142 | 7,473 | △3,860 | 3,613 |
期中増減額 | 4,333 | △3,191 | 1,142 | 7,473 | △3,860 | 3,613 |
その他の包括利益 | 8,335 | △11,612 | △3,277 | △56,105 | △9,464 | △65,569 |
17 キャッシュ・フロー情報
キャッシュ・フローの補足情報は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
キャッシュ・フローを伴わない投資活動及び財務活動 | ||
交換等による資産の取得 | ||
取得した資産の公正価値 | 7,261 | - |
交換等に供した資産の帳簿価額 | 5,459 | - |
財務活動から生じた負債及び資産の変動の主な内容は次の通りであります。
当連結会計年度
社債及び借入金 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
財務活動から生じた負債及び資産の変動 (△は負債の減少) | |||
財務キャッシュ・フローによる変動 | △189,508 | △26,094 | △215,602 |
子会社又は他の事業に対する支配の獲得 又は喪失により生じた変動 | △14,424 | △3,639 | △18,063 |
外国為替レートの変動の影響 | △57,714 | △5,630 | △63,344 |
公正価値の変動 | △6,651 | 6,823 | 172 |
18 セグメント情報
(1)オペレーティング・セグメント情報
当社及び連結子会社は、業績評価及び資源配分の意思決定のためのセグメント(オペレーティング・セグメント)として、商品及びサービスの特性に応じて区分したセグメントを採用しております。各セグメントは、種々の産業に関連して、国内及び海外において、原材料、生産財を含む広範囲な工業製品、消費財の購入、販売、市場開拓等を行っており、これらの営業活動は、金融、保険、その他の役務提供を伴っております。当社はこれらの事業を、オペレーティング・セグメントとして5の商品別セグメントに分類しております。
各セグメントの主な取引内容は以下の通りであります。
生活産業 | : | 国内及び海外において、食料分野では、飼料穀物、大豆、小麦、砂糖、加工食品・飲料及びその原料、業務用食材、農水畜産物等、食に係る商品の製造事業や売買を行っております。ライフスタイル分野では、衣料・フットウェア・タイヤ・生活用品・スポーツ用品等、消費者のライフスタイルに係る商品を幅広く取り扱い、商品の企画・製造・輸入・卸売/小売販売から事業投資まで様々な事業を展開しております。情報分野では、システムインテグレーション事業、データ通信ネットワーク事業、モバイル端末販売事業等、物流分野では、フォワーディング事業及び物流センター事業等、保険分野では、保険仲介業、再保険事業等、金融・不動産投資分野では、アセットマネジメント・プロパティマネジメント事業、ファンド運営等、不動産開発分野では、マンション開発事業、再開発事業等、幅広い分野に取り組み、多様なサービスを提供しております。 |
素材 | : | 国内及び海外において、化学品分野では、石油化学品等の川上から電子材料、機能化学品の川下に至るまで多種多様の製品を取り扱っております。中国、米州、中東、東南アジアを重要地域として位置付け、事業投資とトレードの両面でバランスの良いビジネス展開を図っております。また、農業化学品分野では米国、英国や他地域の農業資材販売事業と、農薬、肥料、肥料原料のグローバルなトレードビジネスを展開し、当社農業ビジネスの一層の収益拡大を目指しております。紙パルプ分野では、製紙原料・洋紙・板紙等の製造・販売、植林事業への参画及び住宅資材の販売を行っております。 |
エネルギー・金属 | : | 国内及び海外において、エネルギー分野では、石油・ガス等多岐にわたるエネルギー関連の商材について、資源開発を中心とした川上からガソリンスタンドに至る川下まであらゆる段階で事業参画しております。金属分野では、鉄鋼、非鉄軽金属の原料資源の海外における開発事業を行っております。また、非鉄軽金属の製造・加工・販売及び鉄鋼、非鉄軽金属の原料資源の売買、並びに鋼板、鋼管、特殊鋼等の鉄鋼製品全般の生産・加工・販売事業等を行っております。 |
電力・プラント | : | 国内及び海外において、発電事業・送変電事業を含む各種電力事業、エネルギー関連インフラ事業、海水淡水化・上下水道事業、交通・インフラシステム事業及び産業プラントの各分野での開発・投資・運営・資産運転維持管理に加え、関連機器の納入及び工事請負を行っております。 |
輸送機 | : | 国内及び海外において、航空機・防衛関連機器・自動車・建設機械・農業機械・工作機械・環境設備・産業機械等の輸送関連機械の輸出入、並びにこれら輸送機及び関連機械を取り扱う、卸売・小売・販売金融・リース事業・製品開発・各種サービス事業等の分野への投融資を幅広く行っております。また、各種貨物船・タンカー・LNG船等の取引・保有・運航事業を行っております。 |
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるオペレーティング・セグメント情報は、次の通りであります。
前連結会計年度
生活産業 (百万円) | 素材 (百万円) | エネルギー・金属 (百万円) | 電力・プラント (百万円) | |
収益 | ||||
対外部収益 | 4,060,765 | 1,810,376 | 660,576 | 235,958 |
セグメント間内部収益 | 7,593 | 630 | 260 | 636 |
合計 | 4,068,358 | 1,811,006 | 660,836 | 236,594 |
売上総利益 | 272,129 | 185,219 | 26,155 | 45,279 |
持分法による投資損益 | 14,034 | 2,436 | 19,429 | 61,097 |
親会社の所有者に帰属する 当期利益又は損失(△) | 58,729 | 30,646 | △6,240 | 56,508 |
セグメントに対応する資産 | 1,765,541 | 1,120,223 | 1,691,231 | 1,117,558 |
輸送機 (百万円) | その他 (百万円) | 連結 (百万円) | |
収益 | |||
対外部収益 | 358,931 | 2,199 | 7,128,805 |
セグメント間内部収益 | 2,406 | △11,525 | - |
合計 | 361,337 | △9,326 | 7,128,805 |
売上総利益 | 93,316 | △8,218 | 613,880 |
持分法による投資損益 | 18,211 | △482 | 114,725 |
親会社の所有者に帰属する 当期利益又は損失(△) | 28,615 | △12,908 | 155,350 |
セグメントに対応する資産 | 797,380 | 404,800 | 6,896,733 |
当連結会計年度
生活産業 (百万円) | 素材 (百万円) | エネルギー・金属 (百万円) | 電力・プラント (百万円) | |
収益 | ||||
対外部収益 | 4,421,374 | 1,752,066 | 705,217 | 225,256 |
セグメント間内部収益 | 5,356 | 1,374 | 311 | 527 |
合計 | 4,426,730 | 1,753,440 | 705,528 | 225,783 |
売上総利益 | 271,649 | 203,219 | 58,016 | 41,910 |
持分法による投資損益 | 14,336 | 3,801 | 38,582 | 64,989 |
親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 73,529 | 41,868 | 21,936 | 39,614 |
セグメントに対応する資産 | 1,941,822 | 1,180,020 | 1,613,397 | 1,120,314 |
輸送機 (百万円) | その他 (百万円) | 連結 (百万円) | |
収益 | |||
対外部収益 | 432,317 | 4,107 | 7,540,337 |
セグメント間内部収益 | 3,281 | △10,849 | - |
合計 | 435,598 | △6,742 | 7,540,337 |
売上総利益 | 110,184 | △7,741 | 677,237 |
持分法による投資損益 | 26,583 | 212 | 148,503 |
親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 36,138 | △1,826 | 211,259 |
セグメントに対応する資産 | 722,153 | 299,411 | 6,877,117 |
(注)1 当連結会計年度より、オペレーティング・セグメント情報に「収益」を表示しております。
2 当連結会計年度より、「生活産業」の一部を「素材」に、また、「その他」の一部を「生活産業」に編入しております。
3 上記に伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。
4 セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
5 「その他」の「親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△)」には、特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない本部経費等の損益、セグメント間の内部取引消去が含まれております。また、「その他」の「セグメントに対応する資産」には、全社目的のために保有され、特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない資金調達に関連した現金及び現金同等物等の資産、セグメント間の内部取引消去に関する資産が含まれております。
(2)地域別情報
地域別情報は、収益の発生原因となる資産の所在する地域により区分しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における地域別情報は、次の通りであります。
対外部収益
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
日本 | 3,811,051 | 3,806,312 |
米国 | 2,404,209 | 2,572,199 |
シンガポール | 239,376 | 285,108 |
その他 | 674,169 | 876,718 |
合計 | 7,128,805 | 7,540,337 |
(注)特定の顧客への収益の集中はありません。
非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)
前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | |
米国 | 638,976 | 613,642 |
日本 | 261,569 | 267,328 |
英国 | 152,481 | 135,240 |
その他 | 251,143 | 237,840 |
合計 | 1,304,169 | 1,254,050 |
19 資本金及び剰余金
当社の授権株式及び発行済株式は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
株式の種類 | 普通株式 | 普通株式 |
授権株式数 | 4,300,000,000株 | 4,300,000,000株 |
発行済株式数 | ||
期首 | 1,737,940,900株 | 1,737,940,900株 |
期中増減 | - | - |
期末 | 1,737,940,900株 | 1,737,940,900株 |
(注)1 普通株式は無額面であります。
2 当社の発行済株式数は全額払込済みであります。
自己株式、子会社及び関連会社保有の当社株式は次の通りであります。
所有者の氏名又は名称 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) | ||
所有株式数 (株) | 所有株式残高 (百万円) | 所有株式数 (株) | 所有株式残高 (百万円) | |
丸紅株式会社 | 2,398,261 | 1,347 | 2,406,660 | 1,354 |
子会社及び関連会社 | 189,677 | 27 | 177,659 | 25 |
合計 | 2,587,938 | 1,374 | 2,548,319 | 1,379 |
会社法では、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、その他資本剰余金とその他利益剰余金の配当金額の10分の1をそれぞれ資本準備金と利益準備金として積み立てなければなりません。
20 その他資本性金融商品
財務基盤の更なる強化を図るため、平成28年8月に永久劣後特約付ローン(以下、本ローン)により国内金融機関から資金調達を実行しております。
本ローンはIFRS上、資本性金融商品に分類されるため、「資本」区分において243,589百万円(取引費用6,411百万円控除後)を「その他資本性金融商品」に計上しております。
なお、当連結会計年度末における、本ローンの経過利息のうち、支払が確定していないため、その他資本性金融商品の所有者に対する分配として認識していない金額は、479百万円であります。
本ローンの概要
① 資金調達総額 | 2,500億円(トランシェA 1,000億円、トランシェB 1,500億円) |
② 最終弁済期限 | 確定期限の定めなし。 ただし、トランシェAについては、平成33年8月16日及び以降の利払日に、トランシェBについては、平成35年8月16日及び以降の利払日に、当社の事前通知により、期限前弁済が可能。 |
③ 利息に関する制限 | 当社は事前通知により任意に利息の支払いを停止し、繰り延べることが可能。ただし、普通株式への配当等が生じた場合には、当該任意停止利息及びそれに伴う追加利息の支払いについて、実行可能な合理的な努力を行う。 |
④ 劣後条項 | 契約に定める劣後事由(清算等)が発生した場合、本ローンの弁済順位は全ての上位債権者に劣後する。 |
⑤ 適用利率 | トランシェAについては、平成38年8月の利払日以降に0.25%、平成53年8月の利払日以降、さらに0.75%ステップアップする。 トランシェBについては、平成38年8月の利払日以降に0.25%、平成55年8月の利払日以降、さらに0.75%ステップアップする。 |
21 配当
普通株主への分配として認識された普通株式に関する配当額は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
期末配当(1株当たり配当額) | 18,223(10円50銭) | 23,430(13円50銭) |
中間配当(1株当たり配当額) | 16,488(9円50銭) | 21,694(12円50銭) |
取締役会で決議されたが当該連結会計年度中に普通株主への分配として認識されていない普通株式に関する配当額は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
期末配当(1株当たり配当額) | 23,430(13円50銭) | 32,107(18円50銭) |
22 株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対してストックオプション制度を採用しております。当該制度の下では、新株予約権1個当たり普通株式100株が付与対象者に付与されます。新株予約権の権利行使時の払込金額は1株当たり1円であります。
新株予約権の権利行使期間は割当日の翌日から33年の間で、割当日の翌日から3年を経過する日又は当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日のうちいずれか早い日以降から行使することができます。なお、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10年間経過した場合、新株予約権を行使することができなくなり、当該時点において未行使の新株予約権を放棄したものとみなされます。
ストックオプションの状況は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
株式数 (株) | 加重平均行使価格 (円) | 株式数 (株) | 加重平均行使価格 (円) | |
期首未行使残高 | - | - | 472,400 | 1 |
権利付与 | 472,400 | 1 | 532,300 | 1 |
権利失効 | - | - | - | - |
権利行使 | - | - | - | - |
権利消滅 | - | - | - | - |
期末未行使残高 | 472,400 | 1 | 1,004,700 | 1 |
期末行使可能残高 | - | - | 40,900 | 1 |
当連結会計年度末における未行使ストックオプションの行使価格の範囲及び加重平均残存契約年数は、それぞれ1円及び31.8年であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社のストックオプション制度に基づき発行されたストックオプ
ションの各測定日における加重平均公正価値はそれぞれ419円及び671円であります。
ストックオプションの公正価値はブラックショールズモデルにより算出しております。なお、予想ボラティリティは予想残存期間に対応する期間の過去の株価を基に算出しております。公正価値の算定における前提条件は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
平成29年4月17日割当分 | 平成29年7月10日割当分 | ||
測定日における株価(円) | 478 | 655 | 740 |
行使価格(円) | 1 | 1 | 1 |
予想ボラティリティ(%) | 28.6 | 29.6 | 29.9 |
予想残存期間(年) | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
予想配当率(%) | 4.4 | 3.1 | 3.1 |
リスクフリー金利(%) | △0.4 | △0.2 | △0.1 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において計上された株式報酬に基づく費用はそれぞれ180百万円及び348百万円であります。
23 関連当事者取引
連結財務諸表には、次の表に挙げられる子会社の財務諸表が含まれております。
当連結会計年度末
会社名 | 主な事業内容 | 所在地 | 持分(%) |
MXモバイリング株式会社 | 携帯電話及び関連商品等の販売 | 東京都江東区 | 100.00 |
株式会社山星屋 | 量販店、CVS等への菓子等卸売業 | 大阪市中央区 | 75.62 |
丸紅エネルギー株式会社 | 石油製品等の販売、油槽所・ 給油所等の管理・賃貸 | 東京都千代田区 | 66.60 |
日清丸紅飼料株式会社 | 飼料の製造・販売 | 東京都中央区 | 60.00 |
Axia Power Holdings B.V. | 海外電力資産持株会社 | Amsterdam Netherlands | 100.00 |
Gavilon Agriculture Investment, Inc. | Gavilonグループ(穀物・肥料等の集荷・販売業)の統括会社 | Nebraska U.S.A. | 100.00 |
Helena Agri-Enterprises, LLC | 農業資材の販売及び各種サービスの提供 | Tennessee U.S.A. | 100.00 |
Marubeni Coal Pty. Ltd. | 豪州における石炭事業への投資 | Brisbane Australia | 100.00 |
Marubeni LP Holding B.V. | チリにおける銅事業への投資 | Amsterdam Netherlands | 100.00 |
Marubeni Oil & Gas (USA) LLC | 米国メキシコ湾における原油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売 | Texas U.S.A. | 100.00 |
なお、上記以外に、266社の連結子会社の財務諸表が含まれております。
当社の取締役及び監査役への報酬等の総額は次の通りであります。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | |
現金報酬 | 540 | 574 |
株式報酬型ストックオプション | 54 | 98 |
合計 | 594 | 672 |
主要な関連当事者に対する当社及び連結子会社の債権残高及び債務残高は次の通りであります。
前連結会計年度末
債権残高 (百万円) | 債務残高 (百万円) | |
関連会社 | 133,796 | 26,362 |
ジョイント・ベンチャー | 29,907 | 14,314 |
当連結会計年度末
債権残高 (百万円) | 債務残高 (百万円) | |
関連会社 | 121,340 | 34,911 |
ジョイント・ベンチャー | 21,521 | 23,063 |
主要な関連当事者に対する当社及び連結子会社の収益及び仕入高は次の通りであります。
前連結会計年度
仕入高 (百万円) | 収益 (百万円) | |
関連会社 | 110,643 | 78,158 |
ジョイント・ベンチャー | 69,677 | 67,266 |
当連結会計年度
仕入高 (百万円) | 収益 (百万円) | |
関連会社 | 108,712 | 91,715 |
ジョイント・ベンチャー | 81,983 | 69,555 |
24 約定及び偶発負債
当社及び一部の連結子会社は、化学品関連、金属関連、機械関連等の様々な商品に関して固定価格又は変動価格による長期購入契約を締結しております。通常、これらの購入契約に対し、見合いとなる販売契約を締結しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における長期購入契約の残高はそれぞれ、約662,000百万円及び約714,000百万円であります。
また、当社及び一部の連結子会社の前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における未履行投融資残高はそれぞれ、約224,000百万円及び約182,000百万円であり、そのうち有形固定資産及び無形資産に関する資本的支出の金額はそれぞれ、約2,000百万円及び約31,000百万円、ジョイント・ベンチャーに関するコミットメントの金額はそれぞれ、約53,000百万円及び約46,000百万円であります。
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における保証総額は、それぞれ357,619百万円及び260,973百万円であり、このうち関連会社及びジョイント・ベンチャーに係る金額は、それぞれ294,394百万円及び192,551百万円であります。当該保証総額(要求払い保証総額)は、履行可能性の程度にかかわらず、保証を履行すべき事象が発生した際に要求される契約上の想定しうる将来最大支払額を表示しております。
従って、当該保証総額は通常、保証に基づく偶発損失とは関係なく、これを大幅に上回るものであります。また、これらの保証契約の中には、当社及び一部の連結子会社が第三者による再保証等を受けているものもあります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における、第三者による再保証等の金額は、それぞれ25,353百万円及び5,934百万円であり、このうち関連会社及びジョイント・ベンチャーに係る金額は、それぞれ21,074百万円及び3,302百万円であります。
当社では、保証を差入れるに当たり、被保証者について、財務諸表等の情報に基づき事前審査を行った上で、その信用力に応じた信用度ランクを付与し、適正な信用限度の設定や必要な保全措置を講じることにより、保証履行リスクの管理を実施しております。
当連結会計年度末現在において、連結財務諸表に対し重大な影響を及ぼす保証の履行を行う可能性は僅かと見込んでおり、損失が見込まれるものに対しては所要の引当金を計上しております。
当社グループは、全世界的な規模で営業活動を行っており、日本及びそれ以外の地域の諸監督機関の指導監督の下に活動しております。この様な営業活動は、リスクを伴うこともあり、時として提訴されたり、クレーム等を受けることもあります。
当社は、平成23年3月17日付でインドネシア最高裁判所(以下、最高裁)において当社が勝訴した訴訟(以下、旧訴訟※)と同一の請求内容である、損害賠償請求等を求める南ジャカルタ訴訟及びグヌンスギ訴訟(併せて以下、現訴訟)について、第一審及び第二審での一部敗訴を受け最高裁に上告しておりましたが、南ジャカルタ訴訟については平成29年5月17日に、グヌンスギ訴訟については平成29年9月14日に、それぞれ最高裁判決を受領しました。
※当社がインドネシアの企業グループであるSugar Groupに属するPT. Indolampung Perkasa及びPT. Sweet Indolampungに対して債権を保有し、支払の督促を行っていたところ、当該債務者2社を含むSugar Group企業(PT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram、PT. Indolampung Distillery及びPT. Garuda Pancaarta)が債権者である当社を被告に含めて当社債権・担保の無効確認及び損害賠償の請求を行ったもの。
南ジャカルタ訴訟の最高裁判決内容の要旨は以下の通りです。
南ジャカルタ訴訟:
被告6名のうち当社及び丸紅欧州会社を含む被告4名が連帯して原告5社(インドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram、PT. Indolampung Distillery及びPT. Garuda Pancaarta)に対して合計2億5千万米ドルの損害賠償金を支払うことを命じるもの。
グヌンスギ訴訟の最高裁判決内容の要旨は以下の通りです。
グヌンスギ訴訟:
被告7名のうち当社を含む被告5名が連帯して原告4社(インドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram及びPT. Indolampung Distillery)に対して合計2億5千万米ドルの損害賠償金を支払うことを命じるもの。
現訴訟は、旧訴訟と同一内容の請求に関して、Sugar Groupが再び当社らを提訴したものであり、上記の判決内容は、Sugar Groupの主張を棄却した旧訴訟での最高裁自身の判決と矛盾するものであると考えられます。そのため、当社は、インドネシア最高裁判所法に基づき、南ジャカルタ訴訟については平成29年10月24日に、またグヌンスギ訴訟については平成30年2月6日に、それぞれ最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立てました。
当社は、司法審査(再審理)の結果、当該判決が無効になる可能性が高いと判断しているため、当連結会計年度末現在においては、南ジャカルタ訴訟及びグヌンスギ訴訟に対する訴訟損失引当金は認識しておりません。
当連結会計年度末において、上記の他、海外インフラ案件における損害賠償や債権回収に関する未解決の訴訟等がありますが、損失処理を行っている一部案件を除き、結果を現時点で予測することは不可能です。なお、これらに係る詳細な開示は、訴訟等に重要な影響を及ぼす可能性があるため、行わないこととしております。
25 ストラクチャード・エンティティ
当社及び一部の連結子会社は、ストラクチャード・エンティティに対して投資または融資等により関与しております。そのうち、連結していないストラクチャード・エンティティは融資及びリース事業等を目的としており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における総資産額はそれぞれ、391,400百万円及び264,580百万円であります。当該ストラクチャード・エンティティは、主として銀行借入により資金調達を行っております。
連結していないストラクチャード・エンティティに対する関与に関連して、連結財政状態計算書上に認識した資産・負債の帳簿価額及び最大エクスポージャーは次の通りであります。
区分 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日現在) (百万円) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日現在) (百万円) | ||||
資産帳簿価額 | 8,031 | 374 | ||||
負債帳簿価額 | 15,043 | 15,211 | ||||
最大エクスポージャー | 110,196 | 92,979 |
資産帳簿価額の主な内訳は前連結会計年度末は「長期営業債権及び長期貸付金」であり、当連結会計年度末は「持分法で会計処理される投資」であります。負債帳簿価額の主な内訳は「長期営業債務」であります。資産帳簿価額及び負債帳簿価額の合計と最大エクスポージャーとの差異は、主にリース契約であります。
なお、最大エクスポージャーはストラクチャード・エンティティが保有する資産の価値の下落及びリース契約から発生する可能性のある損失の最大の金額であり、ストラクチャード・エンティティに関与することにより見込まれる損失の金額を意味するものではありません。
26 後発事象
当社は、次の通り社債を発行しました。
<第1回米ドル建て無担保社債>
① 発行総額 | 5億米ドル |
② 利率 | 年3.75% |
③ 発行価格 | 額面の99.612% |
④ 払込期日 | 平成30年4月17日 |
⑤ 償還期限 | 平成35年4月17日 |
⑥ 償還方法 | 満期一括償還 |
⑦ 資金の使途 | 一般運転資金に充当する予定 |
27 連結財務諸表の承認
平成30年6月22日に、連結財務諸表は当社取締役会により承認されております。