有価証券報告書-第99期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
<コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方>当社グループの役員、社員は、社是「正・新・和」及び丸紅行動憲章に掲げられた精神に則り、法令や社内規則を遵守するとともに、企業倫理・経営理念に適った企業活動を行い、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。
また、当社は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制等について、取締役会にて「内部統制の基本方針」を以下のとおり決議しております。
① 社是・経営理念
「内部統制の基本方針」に記載のとおりであります。
② 丸紅行動憲章
丸紅は、公正なる競争を通じて利潤を追求する企業体であると同時に、世界経済の発展に貢献し、社会にとって価値のある企業であることを目指します。これを踏まえて、以下の6項目を行動の基本原則とします。
(a)公正、透明な企業活動の徹底
法律を遵守し、公正な取引を励行する。
内外の政治や行政との健全な関係を保ち、自由競争による営業活動を徹底する。
反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で臨む。
(b)グローバル・ネットワーク企業としての発展
各国、各地域の文化を尊重し、企業活動を通じて地域経済の繁栄に貢献していく。
グローバルに理解が得られる経営システムを通じて、各地域社会と調和のとれた発展を目指す。
(c)新しい価値の創造
市場や産業の変化に対応するだけでなく、変化を自ら創造し、市場や顧客に対して新しい商品やサービスを提供していく。
既存の常識や枠組みにとらわれることなく、常に新たな可能性にチャレンジする。
(d)個性の尊重と独創性の発揮
一人一人の個性を尊重し、独創性が存分に発揮できる、自由で活力のある企業風土を醸成する。
自己管理の下、自らが課題達成に向けて主体的に行動する。
(e)コーポレート・ガバナンスの推進
株主や社会に対して積極的な情報開示を行い、経営の透明度を高める。
経営の改善等に係る提案を尊重し、株主や社会に対してオープンな経営を目指す。
(f)社会貢献や地球環境への積極的な関与
国際社会における企業市民としての責任を自覚し、積極的な社会貢献活動を行う。
環境問題に心を配り、健全な地球環境を子孫に継承する。
③ ステークホルダーについて
当社グループは、世界のさまざまなステークホルダーに支えられて事業を行っております。ステークホルダーの期待・関心及び当社が環境・社会に及ぼす影響を踏まえて、ステークホルダーの意見に常に耳を傾け、ともに考え歩みを進めていくことが重要であると認識しております。当社グループのステークホルダーに対する考え方は以下のとおりであります。
(a)顧客・取引先
顧客・取引先から信用される企業を目指し、安全性に十分配慮のうえ、社会的に有用な商品・サービスを開発・提供し、誠実な対応を通じて、満足度の向上、信頼の獲得に常時取り組みます。
(b)株主・投資家
事業環境の変化に対応し安定的な収益を確保するだけでなく、環境及び社会分野においても企業価値の向上に努め、企業情報を積極的かつ公正に開示することで、株主の期待に応えます。
(c)地域社会
地域社会の一員として共生を図り、事業を展開する地域に暮らす人々の生活向上や地域産業の発展、青少年をはじめとした現地の雇用機会創出とジェンダーや障がい者雇用等多様性とインクルージョンに配慮した雇用等を通じて豊かな地域社会創造に貢献します。海外においては、地域の法令・文化・慣習を尊重し、現地の発展に貢献する経営に努めます。また、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体とは、断固として対決します。
(d)社員
当社グループ社員一人ひとりの価値観・人生設計を尊重します。また、あらゆる差別を撤廃し、誰もが快適に働ける職場環境を整備します。
<コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況>① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況
(a)会社の機関の内容
当社の会社の機関の内容は、以下のとおりであります。
(ⅰ)取締役会
取締役会は取締役10名(うち社外取締役6名。男性8名・女性2名)をもって構成し、当社の経営方針その他重要事項を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督しております。なお、経営と執行をより明確に分離するため、原則として代表権・業務執行権限を有さない会長が取締役会の議長を務めております。構成員の氏名については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
(ⅱ)監査役会
監査役会は監査役5名(うち社外監査役3名)をもって構成し、常勤監査役の木田俊昭が議長を務めております。当社は監査役制度を採用しており、各監査役は、監査役会で策定された監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査を通じて、取締役の職務執行を監査しております。構成員の氏名については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
(ⅲ)経営会議
経営会議は、社長の諮問機関として設置され、社長を含む代表取締役3名、専務執行役員3名、常務執行役員3名、執行役員1名をもって構成し、経営に関する方針及び全社的重要事項を審議しております。
(ⅳ)本部長会
本部長会は、社長、社長の指名する執行役員及び本部長をもって構成し、予算・決算・資金計画に関する事項、その他業務執行に関する事項を審議しております。
(ⅴ)執行役員会
執行役員会は、執行役員40名(うち3名が取締役を兼務)をもって構成し、情報連絡並びに決算報告、内部監査報告等業務執行に係る事項の報告を行っております。
また、取締役会の諮問機関として、以下の委員会を設置しております。
● 指名委員会(随時開催)
指名委員会は、独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっている。同委員会は、取締役、監査役候補者の選任案、次期社長選任案、並びに社長が策定・運用する後継者計画(必要な資質・要件、後継者候補群、育成計画を含む)について審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関である。
当事業年度は6回開催し、全ての回において全委員が出席した。
<当事業年度における主な審議内容>・取締役・監査役候補者
・後継者育成計画
なお、本報告書提出日現在の指名委員会の構成は以下のとおりであります。
● ガバナンス・報酬委員会(随時開催)
ガバナンス・報酬委員会は、独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっている。同委員会は、取締役・執行役員の報酬決定方針や報酬水準の妥当性を審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関である。また、取締役会の構成や運営等、取締役会全体に関する評価・レビューや、これに準ずる重要なコーポレート・ガバナンス事項を審議し、取締役会に報告する。
当事業年度は7回開催し、全ての回において全委員が出席した。
<当事業年度における主な審議内容>・取締役・執行役員の報酬
・報酬制度
・取締役会の実効性評価
・役員情報の開示の充実
なお、本報告書提出日現在のガバナンス・報酬委員会の構成は以下のとおりであります。
更に、業務執行及び内部統制等に係る重要な事項に対応するため、社長直轄の組織として各種委員会を設置しております。主な委員会とその役割は以下のとおりであります。
● 投融資委員会(原則週1回開催、当事業年度は22回開催)
稟議案件の審議を行う。投融資委員会委員長は、委員会の審議を経て経営会議体に付議すべき案件を決定する。
● コンプライアンス委員会(原則年4回開催、その他随時開催、当事業年度は4回開催)
当社グループにおけるコンプライアンス体制の構築・維持・管理及びコンプライアンスについての研修をはじめとする啓発活動を行う。
● サステナビリティ推進委員会(原則年1回開催、その他随時開催、当事業年度は3回開催)
事業領域全般からESG(環境価値、社会価値、ガバナンス)視点も考慮した「マテリアリティ」の特定・見直し、並びにESG対応を含むサステナビリティに関する討議・取締役会への報告を行う。
● 内部統制委員会(随時開催、当事業年度は2回開催)
会社法上の内部統制の基本方針の構築・運用状況の確認並びに見直し・改正案の作成、金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制の体制整備・運用・有効性評価並びに内部統制報告書案の作成等を行う。
● 開示委員会(随時開催、当事業年度は11回開催)
開示に関する原則・基本方針案の策定、法定開示・適時開示に関する社内体制の構築・整備、及び法定開示・適時開示に関する重要性・妥当性の判断を行う。
また、会社の機関、委員会の当事業年度における開催状況は以下のとおりであります。
当事業年度は、取締役会を16回開催し、菊池監査役の1回欠席を除き、全取締役及び全監査役が在任中に開催された全ての取締役会に出席しました。取締役会では当社の業務執行を決定するとともに、取締役の業務執行状況を監督するため、取締役より定期的に報告を受けました。主な審議事項は以下のとおりであります。
・ガバナンス向上に向けた対応方針(取締役会付議基準の見直し、事業投資における組織能力の向上等)
・投融資案件(ICT領域における当社グループ会社の再編等)
・決算、財務関連事項(自己株式の取得等)
・役員報酬
・取締役会の実効性評価、内部統制関連事項 等
監査役会は、17回開催され、監査方針及び監査計画を策定し、監査結果を報告しました。各監査役は、監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査をとおして、取締役の職務遂行を監査しました。
経営会議を31回開催し、経営に関する方針及び全社的重要事項を審議・決定しました。
その他、本部長会は3回、執行役員会は3回開催しました。
(b)当社の企業統治の体制

(c)現在のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
当社は、多岐にわたるビジネスをグローバルに展開しており、経営における「意思決定の迅速性・効率性」及び「適正な監督機能」を確保するべく、現在のガバナンス体制を社内取締役及び社外取締役で構成される取締役会を置く監査役設置会社としており、以下の(ⅰ)と(ⅱ)のとおり有効に機能していると判断されることから、現在のガバナンス体制を継続して採用します。
(ⅰ)意思決定の迅速性・効率性
当社の多角的な事業活動に精通した執行役員を兼務している取締役を置くことにより、意思決定の迅速性・効率性を確保しております。
(ⅱ)適正な監督機能
取締役会構成員の過半数の社外取締役候補者の選任、監査役室の設置、監査役と監査部及び会計監査人との連携、社外取締役及び社外監査役に対して取締役会付議事項の事前説明を同一機会に実施する等の諸施策を講じることにより、適正な監督機能を確保しております。
(d)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨定款に定めております。
(e)剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
(f)自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により、自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものであります。
(g)取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定に基づき、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)がその任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。これは取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
(h)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
(i)責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役との間で、当該取締役及び監査役がその任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任を会社法第425条第1項各号の合計額に限定する(ただし、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときに限る)旨の契約を締結しております。
(j)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社の取締役、監査役及び執行役員(以下「役員等」という。)を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を締結しております。当該保険契約では、被保険者が役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含みます。)に起因して保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る法律上の損害賠償金や訴訟費用等が補填されることとなり、被保険者の全ての保険料を当社が全額負担することとしております。ただし、被保険者による贈収賄等の犯罪行為や意図的な違法行為、権限逸脱行為等に起因する損害については補填されない等の免責事由があります。
(k)補償契約の内容の概要
当社は、取締役及び監査役との間で、会社法第430条の2第1項の規定に基づき、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償する旨の契約を締結しております。
(l)内部統制システムの整備の状況
当社グループは、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全等の目的を達成するため、内部統制の整備・運用を継続的に実践し有効に機能させる社長直轄組織として、内部統制委員会を設置しております。同委員会では、会社法上の内部統制の基本方針の構築・運用状況の確認並びに見直し・改正案の作成、金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制の体制整備・運用・有効性評価並びに内部統制報告書案の作成等を行っております。
内部統制の有効性評価の結果、当事業年度末日において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であることを確認しております。
一方、当社グループはコンプライアンスを社会に対する経営の最重要の責務と位置付け、当社グループの役員及び社員の一人一人がコンプライアンスを確実に実践することを支援・指導する組織として、社長直轄のコンプライアンス委員会を設置しております。同委員会は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを委員長とし、委員長が選任するグループコンプライアンス・オフィサー及びコーポレートスタッフグループ各部長を委員として構成されます。同委員会のもと、コンプライアンス・マニュアルを制定するとともに、全役員・社員が上記マニュアルの宣誓(毎年実施)を行っております。また、研修をはじめとする啓発活動、実施状況のモニタリング、問題発生時の調査と対応、内部通報窓口対応等を通じ、国内外連結子会社を含む当社グループのコンプライアンス体制の構築・維持・管理を推進しております。コンプライアンス上問題がある行為を知った場合の報告は、原則、職制ラインを通じて行うものとしておりますが、職制ラインが機能しない場合に備え、内部通報制度として以下のコンプライアンス相談窓口を設置しております。
(ⅰ)相談“ホッ”とライン(コンプライアンス委員会ライン及び社外弁護士ライン)
当社グループ役員・社員向けのコンプライアンス全般に係る相談窓口
(ⅱ)Marubeni Anti–Corruption Hotline
当社グループ及びビジネスパートナー向けの贈収賄等の重大犯罪に特化したコンプライアンス相談窓口
上記の体制により、コンプライアンス委員会を主体とする啓発活動を通じて、社員一人一人の意識を高めるとともに、海外事業所や関係会社を含めたグループ全体でのコンプライアンス体制を強化しております。
(m)取締役会の実効性評価
当社は2016年度以降、取締役会の実効性評価を毎年度実施しており、分析評価の結果特定された課題の改善策に継続的に取り組むことで、取締役会の実効性の向上に努めております。
当社取締役会は、監督機能を一層強化することを目的として、当事業年度の取締役会における社外取締役比率を過半数としました。そうしたなかで、当事業年度の取締役会の実効性評価は、監督機能の高度化と中長期的な企業価値の向上に向けて、「当社の現状や特徴を踏まえた丸紅らしいガバナンス体制」に関する取締役会全体での議論に向けた契機とすることをコンセプトとして実施しました。
(ⅰ)評価の枠組み・手法
評価対象
取締役会(指名委員会/ガバナンス・報酬委員会を含む)
評価プロセス
全ての取締役及び監査役によるアンケート及びインタビューの回答内容を分析のうえ、ガバナンス・報酬委員会にて当該分析結果に対する評価・レビューを行い、取締役会において審議を実施
評価項目
・取締役会の役割
・取締役会の構成
・取締役会における議論
・委員会の活用
・ステークホルダーへの説明責任
外部専門機関の活用
当事業年度も引き続き第三者機関を活用し、事前の資料査閲やアンケート・インタビューの回答を踏まえた上で分析評価を実施
(ⅱ)評価結果の概要
概要
上記のプロセスを経て、当社取締役会は適切に機能し、実効性が確保されていることが確認されました。
特に、議長による的確な議事運営により、取締役による発言の喚起や意見の収斂、提起された課題に対するフォロー等が適時適切に行われ、健全に取締役会が運営されている点や、社外取締役含め取締役会の議論が活発に行えている点、重要案件に関して適切な事前説明・事後報告を行う体制・プロセスが十分に機能している点が、評価されました。
2021年度に実施した取締役会実効性評価において確認された課題への対応状況
・取締役会における外部環境変化やリスク等に係る認識共有と重要な経営課題に対する審議の充実
取締役会以外の場も活用し、外部環境変化、エネルギーセキュリティーへの対応、国際情勢等に関する議論を実施しました。アンケート・インタビューにおいても、本項目に対する評価は2021年度と比べて改善しています。
また、取締役会の監督機能の更なる強化に向けて、取締役会付議事項を見直すことで執行側への権限委譲を行い、取締役会の上程議題について、より重要な経営課題に焦点を当てる取組みを実施しました。本項目は「当事業年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針」に記載のとおり、更なる取組みを継続していきます。
・人的資本に関する経営資源配分や人財戦略に係る方針等の議論
中期経営戦略「GC2024」人財戦略の進捗についての監督や、取締役会以外の場も活用し人財戦略の方向性等に関する議論を実施しました。本項目も、「当事業年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針」に記載のとおり、当社取締役会でのグループ全体の視点からの審議・監督の在り方を検討するに際し、グループ全体の人的資本に対して当社取締役会が果たすべき監督の在り方について、検討を継続していきます。
・社外取締役の一層の活用に向けた支援体制の充実
従来の情報提供・支援体制に加えて、執行幹部との対話・意見交換の場の提供等により、社外取締役が遺憾なくその役割・責務を全うするための支援体制を充実させました。
アンケート・インタビューにおいても、本項目は高い評価を得ております。
当事業年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針
・監督機能の高度化に向けた取締役会の目指す方向性に関する議論の深化
監督機能の更なる高度化に向けて、当社グループの在り姿や中期経営戦略「GC2024」に照らした取締役会の将来的な方向性や監督の在り方等に関する議論をより深化させることが重要であると考えております。
取締役会以外の場等も活用し、取締役会メンバーでこれらについて議論する場を設ける等、「当社の現状や特徴を踏まえた丸紅らしいガバナンス体制」の構築に向けた議論を継続的に実施していきます。
・議題選定プロセス及びグループ経営上の重要テーマに係る監督の在り方の検討
監督機能を重視する役割に応じて取締役会の上程議題を選定するとともに、グループ経営上の重要テーマ(グループガバナンスや人的資本関連等)に関して、グループ全体の視点から監督を強化していく必要があると考えております。
取締役会の議題選定にあたっては、社外取締役を含めた取締役会の意向を反映すること、また、中期経営戦略「GC2024」のレビュー等を通じて、グループ経営の観点で審議すべきテーマに対する監督に努めていきます。
当社は、今回の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、引き続き取締役会の実効性の維持・向上に取組み、中長期的な企業価値向上を追求していきます。
② リスク管理体制の整備の状況
当社グループは、経営に重要な影響を及ぼすリスクの管理を以下のような体制で推進しております。
重要な事業投資等の個別案件については、稟議制度に基づいて、投融資委員会での審議の後、経営会議に付議され、社長が決裁を行っております。加えて、取締役会の承認が必要なものは取締役会に付議のうえ、承認を取得しております。
投資実施後のフォローは主管営業本部が行い、重要案件については、投融資委員会、経営会議及び取締役会に対して現状報告が定期的に行われ、意思決定に反映されております。
一方、当社グループ全般を見渡すマクロの視点からは統合リスク管理を実施しており、当社グループが抱える連結ベースのエクスポージャーについて、各資産項目のリスク特性に応じた想定最大損失率を乗じて最大下落リスク額(リスクアセット)を計量し、自らの体力である資本の範囲内に収めることを基本方針としております。
また、レピュテーションリスク、情報セキュリティリスク等の定量化が困難なリスクについては、前項「① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況」の「(a)会社の機関の内容」及び「(l)内部統制システムの整備の状況」に記載のとおり、リスク管理体制を整えております。
リスク管理体制の模式図は以下のとおりであります。

<コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方>当社グループの役員、社員は、社是「正・新・和」及び丸紅行動憲章に掲げられた精神に則り、法令や社内規則を遵守するとともに、企業倫理・経営理念に適った企業活動を行い、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。
また、当社は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制等について、取締役会にて「内部統制の基本方針」を以下のとおり決議しております。
| 内部統制の基本方針 丸紅株式会社(以下「丸紅」という。)は、社是及び経営理念※に適った企業活動を通じ、企業価値の増大を図るとともに、安定的かつ持続的なグループ企業基盤を構築するため、会社法及び会社法施行規則に基づき、以下のとおり、丸紅の業務並びに丸紅及び丸紅グループ各社(丸紅の連結子会社及び丸紅が実質的に子会社と同等とみなす会社をいう。以下同じ)からなる企業集団(以下「丸紅グループ」という。)の業務の適正を確保するための体制に関する基本方針(以下「内部統制の基本方針」という。)を整備する。丸紅は、社会の変化に対応し、内部統制の基本方針を常に見直すことにより、より適正かつ効率的な体制を実現するものとする。 ※社 是 :「正」(公正にして明朗なること) 「新」(進取積極的にして創意工夫を図ること) 「和」(互いに人格を尊重し親和協力すること) 経 営 理 念 :「丸紅は、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指します。」 1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 (1)コーポレート・ガバナンス 1-取締役及び取締役会 取締役会は、法令・定款等に則り、経営の重要事項を決定し、取締役の業務執行を監督する。執行と監督との分離を明確にする趣旨で、取締役会の議長は、原則として代表権及び業務執行権限を有さない取締役会長が務めることとする。業務執行取締役は、取締役会が決定する業務担当に基づき、法令・定款等に則り、業務を執行し、3ヵ月に一度以上業務執行状況を取締役会に報告する。また、経営責任を明確にするとともに経営環境の変化に対応して最適な経営体制を機動的に構築するため、取締役の任期は1年とする。丸紅は、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保するため、社外取締役を選任する。丸紅は、執行役員制を採用し、業務執行の効率化を図るとともに、グループCEO・CDIOが会社の全般的経営に参画し、会社の経営方針を体して担当営業本部に対する指導・監督・支援・管理を行う体制とする。 2-監査役及び監査役会 監査役は、法令の定める権限を行使するとともに、監査部及び会計監査人と連携して、「監査役会規則」及び「監査役監査基準」に則り、取締役の職務執行を監査する。 (2)コンプライアンス 1-コンプライアンス体制 丸紅は、役員(取締役及び執行役員。以下同じ)及び社員がコンプライアンスに適った企業活動を実践するため、丸紅行動憲章、コンプライアンス・マニュアルほか丸紅グループ共通の行動規範を定める。その目的達成のため、コンプライアンス委員会をはじめとした各種委員会を設置し、諸施策を講じる。 2-内部通報制度 コンプライアンス上問題のある行為を知ったとき、何らかの理由で職制ラインが機能しない場合に備え、丸紅グループ全体のコンプライアンスの報告・相談窓口として、以下を設置する。 (a)相談“ホッ”とライン(コンプライアンス委員会ライン及び社外弁護士ライン) 丸紅グループ向けのコンプライアンス全般に係る相談窓口 (b)Marubeni Anti-Corruption Hotline 丸紅グループ及びビジネスパートナー向けの贈収賄等の重大犯罪に特化したコンプライアンス相談窓口 |
| 3-反社会的勢力との関係遮断 丸紅は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断する。 (3)内部監査 業務執行者の職務執行の妥当性及びコンプライアンスの状況につき調査するため、社長直轄の組織として監査部を設置し、監査部による内部監査及び監査部の支援・協力・助言による丸紅の全社レベルでの自己点検を実施する。内部監査の結果は定期的に取締役会に報告されるものとする。 (4)懲戒処分 役員・社員の職務の執行により法令違反等が生じた場合、役員については取締役会の諮問機関であるガバナンス・報酬委員会(社外役員が過半数のメンバーで構成される)、社員については賞罰審査委員会に諮ったうえで、諸規程等に則り、厳正な処分を行う。 2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 (1)情報の保存及び管理並びに情報流出防止 丸紅は、役員及び社員の職務の執行に係る情報に関し、情報資産管理規程に基づき、保存対象情報資産、保存期間及び情報管理責任者を定め、情報の保存及び管理並びに情報流出防止体制を整備する。 (2)情報の閲覧 役員及び監査役は、常時、これらの情報資産を閲覧できるものとする。 3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制 (1)職務権限の原則 役員及び各職位にある社員は、取締役会決議及び職務権限規程に基づき、その職務の遂行に必要な権限を付与されるとともに、その範囲内で職務の執行に伴うリスクを管理し、結果について責任を負う。 (2)稟議制度 重要な投資等の個別案件については、職務権限規程及び稟議規程に基づき、投融資委員会での審議後、経営会議に付議され、社長の決裁を得る。ただし、当該規程で定める特例に該当する場合は、その定めによる。更に、法令・定款及び案件の重要度に応じ、取締役会の承認を取得する。新規事業等の重要案件については、その進捗状況に関して経営会議への定期報告を義務付け、個別リスク管理を強化する。 (3)リスク評価 信用リスク、カントリーリスク、市場リスク、為替・金利変動リスク、投資リスク等に対しては、リスクごとの管理方針や諸規程の下でリスク管理を実施する。また、グループ全体のエクスポージャーに対するリスク量を把握するため統合リスク管理を継続して実施する。定量化が困難なレピュテーションリスク、情報セキュリティリスク等の定性リスクについては、コンプライアンス体制の強化等によりリスク管理を実施する。 (4)危機管理 自然災害、テロ・暴動、感染症の蔓延、東京本社の機能不全等重大事態が発生した場合に備え、初動対応計画・事業継続計画を策定し、重大事態発生時には当該計画に基づき、社長を本部長とする緊急対策本部を設置し、損害・損失等を最小限にとどめるための具体策を迅速に決定・実行する。 4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 (1)経営方針、経営戦略及び経営計画 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するため、経営方針、経営戦略及び経営計画等丸紅グループの全役員・社員が共有する目標を定め、その浸透を図るとともに、目標達成に向けて役員・社員各自が実施すべき具体的な目標を定める。 (2)経営会議 職務の執行が効率的に行われることを確保するため、経営会議を設置し、経営に関する最高方針及び全社的重要事項について審議する。 |
| (3)営業グループ及びコーポレートスタッフグループ 丸紅は、グループCEO・CDIO、及び本部長への権限委譲を行うことで、内外における所管商品に関する迅速な意思決定が可能な体制とする。更に、コーポレートスタッフグループが各専門分野において営業グループを管理・牽制・支援することで、職務の執行が効率的に行われる体制とする。 (4)職務権限・責任の明確化 取締役会において役員の担当を決定するとともに、諸規程において各役員・社員の役割分担、権限、責任及び意思決定のルールを明確に定める。 5.企業集団における業務の適正を確保するための体制 (1)丸紅グループ運営体制 丸紅は、経営方針に沿って、丸紅グループ全体の内部統制を充実させ、業績の向上及び経営の発展を図るため、丸紅グループ各社の経営実態の把握、指導及び監督を行う責任者、丸紅グループ会社の経営体制に係る指針、丸紅グループ各社の取締役等の職務執行に係る事項の丸紅への適切な報告に関する体制、丸紅グループ各社の損失の危険の適切な管理に関する体制、丸紅グループ各社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制及び丸紅グループ各社の法令等遵守を確保するための体制等、必要な体制を定める。丸紅グループ各社は、経営上の重要事項に関し丸紅の意見を徴し、丸紅への報告を行う。 (2)コンプライアンス コンプライアンス委員会ほか各種委員会は、丸紅グループ会社のコンプライアンス活動の支援及び指導を行う。相談“ホッ”とライン及びMarubeni Anti-Corruption Hotlineは、全ての丸紅グループ役員・社員が利用できることとする。 (3)財務報告及び資産保全の適正性確保のための体制整備 丸紅グループは、内部統制委員会の活動等を通じて、連結財務諸表等の財務報告について、信頼性を確保するためのシステム及び継続的にモニタリングするために必要な体制及び丸紅グループ各社が有する資産の取得・保管・処分が適正になされるために必要な体制を整備する。また、開示委員会を設置し、適時適正な情報開示を行うために必要な体制を整備する。 (4)監査 監査部は丸紅グループ各社に対し監査を実施し、取締役会に報告する。監査役及び会計監査人は、独立して丸紅グループ各社に対して監査又は会計監査を行うものとする。 6.監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項並びにその使用人の取締役からの独立性に関する事項 (1)監査役室の設置 監査役室を設置し、監査役の職務を補助する専任の人員を配置する。 (2)監査役室員の人事 監査役室の人事(異動、評価、懲戒等)を行う場合は、人事担当役員は、事前に監査役の意見を徴し、同意を得たうえで決定する。 7.取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他監査役への報告に関する体制 (1)監査役による重要会議への出席 監査役は、取締役会に出席し、取締役から、業務執行の状況その他重要事項の報告を受けるほか、経営会議その他重要な会議に出席する。 (2)役員・社員による監査役への報告 社長は、定期的に監査役とのミーティングを開催し、業務の執行状況について報告し、意見交換を行う。その他の取締役、グループCEO・CDIO、本部長及びコーポレートスタッフグループ部長は、毎年監査役に対し、業務執行状況報告を行う。役員は、丸紅に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査役に報告を行う。丸紅は、丸紅グループ各社の取締役・監査役及び使用人等又はこれらの者から報告を受けた者が直接又は間接的に丸紅の監査役に重要な報告を行うための体制を整備する。上記にかかわらず監査役は必要に応じ、いつでも役員・社員に報告を求めることができる。丸紅は、監査役に報告を行った者が当該報告をしたことを理由として丸紅又は丸紅グループ各社において不利な取扱いを受けないことを確保するための体制を整備する。 |
| 8.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 (1)監査部、会計監査人及び丸紅グループ監査役との連携 監査役は、監査部及び会計監査人より、それぞれ監査計画を事前に受領するとともに、定例会議を開催し、監査方針及び監査結果報告に係る意見交換を行う。監査役は、グループ監査役連絡会を通じて丸紅グループ各社の監査役と連携を図り、各社の内部統制の構築及び運用の状況について相互情報交換を行う。 (2)外部専門家の起用 監査役が必要と認めるときは、弁護士、公認会計士その他の外部アドバイザーを任用することができる。 (3)監査費用 丸紅は、監査役からの求めに応じ、所定の手続に基づき、前記外部専門家の費用その他監査役の職務の執行について生ずる費用を負担するものとし、このために予算を設ける。 |
① 社是・経営理念
「内部統制の基本方針」に記載のとおりであります。
② 丸紅行動憲章
丸紅は、公正なる競争を通じて利潤を追求する企業体であると同時に、世界経済の発展に貢献し、社会にとって価値のある企業であることを目指します。これを踏まえて、以下の6項目を行動の基本原則とします。
(a)公正、透明な企業活動の徹底
法律を遵守し、公正な取引を励行する。
内外の政治や行政との健全な関係を保ち、自由競争による営業活動を徹底する。
反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で臨む。
(b)グローバル・ネットワーク企業としての発展
各国、各地域の文化を尊重し、企業活動を通じて地域経済の繁栄に貢献していく。
グローバルに理解が得られる経営システムを通じて、各地域社会と調和のとれた発展を目指す。
(c)新しい価値の創造
市場や産業の変化に対応するだけでなく、変化を自ら創造し、市場や顧客に対して新しい商品やサービスを提供していく。
既存の常識や枠組みにとらわれることなく、常に新たな可能性にチャレンジする。
(d)個性の尊重と独創性の発揮
一人一人の個性を尊重し、独創性が存分に発揮できる、自由で活力のある企業風土を醸成する。
自己管理の下、自らが課題達成に向けて主体的に行動する。
(e)コーポレート・ガバナンスの推進
株主や社会に対して積極的な情報開示を行い、経営の透明度を高める。
経営の改善等に係る提案を尊重し、株主や社会に対してオープンな経営を目指す。
(f)社会貢献や地球環境への積極的な関与
国際社会における企業市民としての責任を自覚し、積極的な社会貢献活動を行う。
環境問題に心を配り、健全な地球環境を子孫に継承する。
③ ステークホルダーについて
当社グループは、世界のさまざまなステークホルダーに支えられて事業を行っております。ステークホルダーの期待・関心及び当社が環境・社会に及ぼす影響を踏まえて、ステークホルダーの意見に常に耳を傾け、ともに考え歩みを進めていくことが重要であると認識しております。当社グループのステークホルダーに対する考え方は以下のとおりであります。
(a)顧客・取引先
顧客・取引先から信用される企業を目指し、安全性に十分配慮のうえ、社会的に有用な商品・サービスを開発・提供し、誠実な対応を通じて、満足度の向上、信頼の獲得に常時取り組みます。
(b)株主・投資家
事業環境の変化に対応し安定的な収益を確保するだけでなく、環境及び社会分野においても企業価値の向上に努め、企業情報を積極的かつ公正に開示することで、株主の期待に応えます。
(c)地域社会
地域社会の一員として共生を図り、事業を展開する地域に暮らす人々の生活向上や地域産業の発展、青少年をはじめとした現地の雇用機会創出とジェンダーや障がい者雇用等多様性とインクルージョンに配慮した雇用等を通じて豊かな地域社会創造に貢献します。海外においては、地域の法令・文化・慣習を尊重し、現地の発展に貢献する経営に努めます。また、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体とは、断固として対決します。
(d)社員
当社グループ社員一人ひとりの価値観・人生設計を尊重します。また、あらゆる差別を撤廃し、誰もが快適に働ける職場環境を整備します。
<コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況>① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況
(a)会社の機関の内容
当社の会社の機関の内容は、以下のとおりであります。
(ⅰ)取締役会
取締役会は取締役10名(うち社外取締役6名。男性8名・女性2名)をもって構成し、当社の経営方針その他重要事項を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督しております。なお、経営と執行をより明確に分離するため、原則として代表権・業務執行権限を有さない会長が取締役会の議長を務めております。構成員の氏名については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
(ⅱ)監査役会
監査役会は監査役5名(うち社外監査役3名)をもって構成し、常勤監査役の木田俊昭が議長を務めております。当社は監査役制度を採用しており、各監査役は、監査役会で策定された監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査を通じて、取締役の職務執行を監査しております。構成員の氏名については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
(ⅲ)経営会議
経営会議は、社長の諮問機関として設置され、社長を含む代表取締役3名、専務執行役員3名、常務執行役員3名、執行役員1名をもって構成し、経営に関する方針及び全社的重要事項を審議しております。
(ⅳ)本部長会
本部長会は、社長、社長の指名する執行役員及び本部長をもって構成し、予算・決算・資金計画に関する事項、その他業務執行に関する事項を審議しております。
(ⅴ)執行役員会
執行役員会は、執行役員40名(うち3名が取締役を兼務)をもって構成し、情報連絡並びに決算報告、内部監査報告等業務執行に係る事項の報告を行っております。
また、取締役会の諮問機関として、以下の委員会を設置しております。
● 指名委員会(随時開催)
指名委員会は、独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっている。同委員会は、取締役、監査役候補者の選任案、次期社長選任案、並びに社長が策定・運用する後継者計画(必要な資質・要件、後継者候補群、育成計画を含む)について審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関である。
当事業年度は6回開催し、全ての回において全委員が出席した。
<当事業年度における主な審議内容>・取締役・監査役候補者
・後継者育成計画
なお、本報告書提出日現在の指名委員会の構成は以下のとおりであります。
| <委員の構成> | |||
| 委 員 長 | : | 翁 百 合 | 社外取締役 |
| 委 員 | : | 柿 木 真 澄 | 代表取締役社長 |
| 石 塚 茂 樹 | 社外取締役 | ||
| 波多野 睦子 | 社外取締役 | ||
● ガバナンス・報酬委員会(随時開催)
ガバナンス・報酬委員会は、独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっている。同委員会は、取締役・執行役員の報酬決定方針や報酬水準の妥当性を審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関である。また、取締役会の構成や運営等、取締役会全体に関する評価・レビューや、これに準ずる重要なコーポレート・ガバナンス事項を審議し、取締役会に報告する。
当事業年度は7回開催し、全ての回において全委員が出席した。
<当事業年度における主な審議内容>・取締役・執行役員の報酬
・報酬制度
・取締役会の実効性評価
・役員情報の開示の充実
なお、本報告書提出日現在のガバナンス・報酬委員会の構成は以下のとおりであります。
| <委員の構成> | |||
| 委 員 長 | : | 高 橋 恭 平 | 社外取締役 |
| 委 員 | : | 柿 木 真 澄 | 代表取締役社長 |
| 寺 川 彰 | 代表取締役副社長執行役員 | ||
| 木 寺 昌 人 | 社外取締役 | ||
| 安 藤 久 佳 | 社外取締役 | ||
| 米 田 壯 | 社外監査役 | ||
更に、業務執行及び内部統制等に係る重要な事項に対応するため、社長直轄の組織として各種委員会を設置しております。主な委員会とその役割は以下のとおりであります。
● 投融資委員会(原則週1回開催、当事業年度は22回開催)
稟議案件の審議を行う。投融資委員会委員長は、委員会の審議を経て経営会議体に付議すべき案件を決定する。
● コンプライアンス委員会(原則年4回開催、その他随時開催、当事業年度は4回開催)
当社グループにおけるコンプライアンス体制の構築・維持・管理及びコンプライアンスについての研修をはじめとする啓発活動を行う。
● サステナビリティ推進委員会(原則年1回開催、その他随時開催、当事業年度は3回開催)
事業領域全般からESG(環境価値、社会価値、ガバナンス)視点も考慮した「マテリアリティ」の特定・見直し、並びにESG対応を含むサステナビリティに関する討議・取締役会への報告を行う。
● 内部統制委員会(随時開催、当事業年度は2回開催)
会社法上の内部統制の基本方針の構築・運用状況の確認並びに見直し・改正案の作成、金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制の体制整備・運用・有効性評価並びに内部統制報告書案の作成等を行う。
● 開示委員会(随時開催、当事業年度は11回開催)
開示に関する原則・基本方針案の策定、法定開示・適時開示に関する社内体制の構築・整備、及び法定開示・適時開示に関する重要性・妥当性の判断を行う。
また、会社の機関、委員会の当事業年度における開催状況は以下のとおりであります。
当事業年度は、取締役会を16回開催し、菊池監査役の1回欠席を除き、全取締役及び全監査役が在任中に開催された全ての取締役会に出席しました。取締役会では当社の業務執行を決定するとともに、取締役の業務執行状況を監督するため、取締役より定期的に報告を受けました。主な審議事項は以下のとおりであります。
・ガバナンス向上に向けた対応方針(取締役会付議基準の見直し、事業投資における組織能力の向上等)
・投融資案件(ICT領域における当社グループ会社の再編等)
・決算、財務関連事項(自己株式の取得等)
・役員報酬
・取締役会の実効性評価、内部統制関連事項 等
監査役会は、17回開催され、監査方針及び監査計画を策定し、監査結果を報告しました。各監査役は、監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査をとおして、取締役の職務遂行を監査しました。
経営会議を31回開催し、経営に関する方針及び全社的重要事項を審議・決定しました。
その他、本部長会は3回、執行役員会は3回開催しました。
(b)当社の企業統治の体制

(c)現在のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
当社は、多岐にわたるビジネスをグローバルに展開しており、経営における「意思決定の迅速性・効率性」及び「適正な監督機能」を確保するべく、現在のガバナンス体制を社内取締役及び社外取締役で構成される取締役会を置く監査役設置会社としており、以下の(ⅰ)と(ⅱ)のとおり有効に機能していると判断されることから、現在のガバナンス体制を継続して採用します。
(ⅰ)意思決定の迅速性・効率性
当社の多角的な事業活動に精通した執行役員を兼務している取締役を置くことにより、意思決定の迅速性・効率性を確保しております。
(ⅱ)適正な監督機能
取締役会構成員の過半数の社外取締役候補者の選任、監査役室の設置、監査役と監査部及び会計監査人との連携、社外取締役及び社外監査役に対して取締役会付議事項の事前説明を同一機会に実施する等の諸施策を講じることにより、適正な監督機能を確保しております。
(d)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨定款に定めております。
(e)剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
(f)自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により、自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものであります。
(g)取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定に基づき、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)がその任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。これは取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
(h)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
(i)責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役との間で、当該取締役及び監査役がその任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任を会社法第425条第1項各号の合計額に限定する(ただし、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときに限る)旨の契約を締結しております。
(j)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社の取締役、監査役及び執行役員(以下「役員等」という。)を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を締結しております。当該保険契約では、被保険者が役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含みます。)に起因して保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る法律上の損害賠償金や訴訟費用等が補填されることとなり、被保険者の全ての保険料を当社が全額負担することとしております。ただし、被保険者による贈収賄等の犯罪行為や意図的な違法行為、権限逸脱行為等に起因する損害については補填されない等の免責事由があります。
(k)補償契約の内容の概要
当社は、取締役及び監査役との間で、会社法第430条の2第1項の規定に基づき、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償する旨の契約を締結しております。
(l)内部統制システムの整備の状況
当社グループは、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全等の目的を達成するため、内部統制の整備・運用を継続的に実践し有効に機能させる社長直轄組織として、内部統制委員会を設置しております。同委員会では、会社法上の内部統制の基本方針の構築・運用状況の確認並びに見直し・改正案の作成、金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制の体制整備・運用・有効性評価並びに内部統制報告書案の作成等を行っております。
内部統制の有効性評価の結果、当事業年度末日において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であることを確認しております。
一方、当社グループはコンプライアンスを社会に対する経営の最重要の責務と位置付け、当社グループの役員及び社員の一人一人がコンプライアンスを確実に実践することを支援・指導する組織として、社長直轄のコンプライアンス委員会を設置しております。同委員会は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを委員長とし、委員長が選任するグループコンプライアンス・オフィサー及びコーポレートスタッフグループ各部長を委員として構成されます。同委員会のもと、コンプライアンス・マニュアルを制定するとともに、全役員・社員が上記マニュアルの宣誓(毎年実施)を行っております。また、研修をはじめとする啓発活動、実施状況のモニタリング、問題発生時の調査と対応、内部通報窓口対応等を通じ、国内外連結子会社を含む当社グループのコンプライアンス体制の構築・維持・管理を推進しております。コンプライアンス上問題がある行為を知った場合の報告は、原則、職制ラインを通じて行うものとしておりますが、職制ラインが機能しない場合に備え、内部通報制度として以下のコンプライアンス相談窓口を設置しております。
(ⅰ)相談“ホッ”とライン(コンプライアンス委員会ライン及び社外弁護士ライン)
当社グループ役員・社員向けのコンプライアンス全般に係る相談窓口
(ⅱ)Marubeni Anti–Corruption Hotline
当社グループ及びビジネスパートナー向けの贈収賄等の重大犯罪に特化したコンプライアンス相談窓口
上記の体制により、コンプライアンス委員会を主体とする啓発活動を通じて、社員一人一人の意識を高めるとともに、海外事業所や関係会社を含めたグループ全体でのコンプライアンス体制を強化しております。
(m)取締役会の実効性評価
当社は2016年度以降、取締役会の実効性評価を毎年度実施しており、分析評価の結果特定された課題の改善策に継続的に取り組むことで、取締役会の実効性の向上に努めております。
当社取締役会は、監督機能を一層強化することを目的として、当事業年度の取締役会における社外取締役比率を過半数としました。そうしたなかで、当事業年度の取締役会の実効性評価は、監督機能の高度化と中長期的な企業価値の向上に向けて、「当社の現状や特徴を踏まえた丸紅らしいガバナンス体制」に関する取締役会全体での議論に向けた契機とすることをコンセプトとして実施しました。
(ⅰ)評価の枠組み・手法
評価対象
取締役会(指名委員会/ガバナンス・報酬委員会を含む)
評価プロセス
全ての取締役及び監査役によるアンケート及びインタビューの回答内容を分析のうえ、ガバナンス・報酬委員会にて当該分析結果に対する評価・レビューを行い、取締役会において審議を実施
評価項目
・取締役会の役割
・取締役会の構成
・取締役会における議論
・委員会の活用
・ステークホルダーへの説明責任
外部専門機関の活用
当事業年度も引き続き第三者機関を活用し、事前の資料査閲やアンケート・インタビューの回答を踏まえた上で分析評価を実施
(ⅱ)評価結果の概要
概要
上記のプロセスを経て、当社取締役会は適切に機能し、実効性が確保されていることが確認されました。
特に、議長による的確な議事運営により、取締役による発言の喚起や意見の収斂、提起された課題に対するフォロー等が適時適切に行われ、健全に取締役会が運営されている点や、社外取締役含め取締役会の議論が活発に行えている点、重要案件に関して適切な事前説明・事後報告を行う体制・プロセスが十分に機能している点が、評価されました。
2021年度に実施した取締役会実効性評価において確認された課題への対応状況
・取締役会における外部環境変化やリスク等に係る認識共有と重要な経営課題に対する審議の充実
取締役会以外の場も活用し、外部環境変化、エネルギーセキュリティーへの対応、国際情勢等に関する議論を実施しました。アンケート・インタビューにおいても、本項目に対する評価は2021年度と比べて改善しています。
また、取締役会の監督機能の更なる強化に向けて、取締役会付議事項を見直すことで執行側への権限委譲を行い、取締役会の上程議題について、より重要な経営課題に焦点を当てる取組みを実施しました。本項目は「当事業年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針」に記載のとおり、更なる取組みを継続していきます。
・人的資本に関する経営資源配分や人財戦略に係る方針等の議論
中期経営戦略「GC2024」人財戦略の進捗についての監督や、取締役会以外の場も活用し人財戦略の方向性等に関する議論を実施しました。本項目も、「当事業年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針」に記載のとおり、当社取締役会でのグループ全体の視点からの審議・監督の在り方を検討するに際し、グループ全体の人的資本に対して当社取締役会が果たすべき監督の在り方について、検討を継続していきます。
・社外取締役の一層の活用に向けた支援体制の充実
従来の情報提供・支援体制に加えて、執行幹部との対話・意見交換の場の提供等により、社外取締役が遺憾なくその役割・責務を全うするための支援体制を充実させました。
アンケート・インタビューにおいても、本項目は高い評価を得ております。
当事業年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針
・監督機能の高度化に向けた取締役会の目指す方向性に関する議論の深化
監督機能の更なる高度化に向けて、当社グループの在り姿や中期経営戦略「GC2024」に照らした取締役会の将来的な方向性や監督の在り方等に関する議論をより深化させることが重要であると考えております。
取締役会以外の場等も活用し、取締役会メンバーでこれらについて議論する場を設ける等、「当社の現状や特徴を踏まえた丸紅らしいガバナンス体制」の構築に向けた議論を継続的に実施していきます。
・議題選定プロセス及びグループ経営上の重要テーマに係る監督の在り方の検討
監督機能を重視する役割に応じて取締役会の上程議題を選定するとともに、グループ経営上の重要テーマ(グループガバナンスや人的資本関連等)に関して、グループ全体の視点から監督を強化していく必要があると考えております。
取締役会の議題選定にあたっては、社外取締役を含めた取締役会の意向を反映すること、また、中期経営戦略「GC2024」のレビュー等を通じて、グループ経営の観点で審議すべきテーマに対する監督に努めていきます。
当社は、今回の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、引き続き取締役会の実効性の維持・向上に取組み、中長期的な企業価値向上を追求していきます。
② リスク管理体制の整備の状況
当社グループは、経営に重要な影響を及ぼすリスクの管理を以下のような体制で推進しております。
重要な事業投資等の個別案件については、稟議制度に基づいて、投融資委員会での審議の後、経営会議に付議され、社長が決裁を行っております。加えて、取締役会の承認が必要なものは取締役会に付議のうえ、承認を取得しております。
投資実施後のフォローは主管営業本部が行い、重要案件については、投融資委員会、経営会議及び取締役会に対して現状報告が定期的に行われ、意思決定に反映されております。
一方、当社グループ全般を見渡すマクロの視点からは統合リスク管理を実施しており、当社グループが抱える連結ベースのエクスポージャーについて、各資産項目のリスク特性に応じた想定最大損失率を乗じて最大下落リスク額(リスクアセット)を計量し、自らの体力である資本の範囲内に収めることを基本方針としております。
また、レピュテーションリスク、情報セキュリティリスク等の定量化が困難なリスクについては、前項「① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況」の「(a)会社の機関の内容」及び「(l)内部統制システムの整備の状況」に記載のとおり、リスク管理体制を整えております。
リスク管理体制の模式図は以下のとおりであります。
