有価証券報告書-第141期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦などによる世界経済の不透明感が一層強まる中、消費税増税や相次ぐ自然災害により景況感も悪化いたしました。さらには、年明けからの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、経済環境は極めて厳しい状況となりました。
建設・住宅分野では、新設住宅着工戸数は減少しましたが、都市部における再開発事業などの民間設備投資、国土強靭化計画による公共設備投資は引き続き堅調に推移しました。一方、工業分野では、世界経済の急激な減速により設備投資には一層慎重な動きがみられ、受注環境は低調に推移しました。
海外では、インド・ベトナム・インドネシアなどのアジア新興国において第3四半期までは緩やかな回復がみられました。一方、第4四半期からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、中国をはじめ各国の設備投資に急激な落ち込みがみられました。
このような状況の中、当期は3カ年の中期経営計画「Growing Together 2020」の最終年度として、「コア事業の機能強化」「成長事業の再強化」「経営基盤の強化」を基本方針に、「総合力の発揮」と「モノ売り」から「コト売り」に向けた諸施策に取り組みました。
「コア事業の機能強化」では、地域ブロック制を導入し、タテ(商品戦略)とヨコ(地域戦略)での営業力強化や総合力発揮によるワンストップでのソリューション提供に注力するとともに、コーディネート機能の強化を図りました。機能強化の一環として、組立式仮設ハウス(コンテナハウス)の製造・販売を行う富士クオリティハウス株式会社と神奈川県下を中心にリフォーム工事を請負う株式会社高千穂の2社を子会社化いたしました。また、中部圏のロジスティクス機能強化を目的とし、中部物流センターを移転拡張いたしました。
「成長事業の再強化」では、グローバル成長を目指す「海外事業」、「ロボ(AI)&IoT事業」や電子商取引拡大に対応する「新流通事業」、「環境・エネルギーソリューション事業」、「レジリエンス&セキュリティ事業」の5分野を成長事業として、育成・強化に取り組みました。2019年12月にはモノづくりの現場における熟練技術者の技を継承・拡張する、「匠の技AI工場」開発を目指し、AIベンチャー企業と業務提携を行い、取組みを加速いたしました。また、次なる成長事業の発掘・育成のために農業、介護・医療分野への新市場開拓に向けた諸施策に取り組みました。
「経営基盤の強化」では、挑戦する企業風土の再醸成のため、新たな人事評価制度の導入や人材育成に取り組むとともに、生産性向上と業務の効率化に向けITを活用した「働き方改革」を推進いたしました。また、健康経営を推進するとともに、子育てサポートにも注力いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.5%減の4,913億48百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が118億71百万円(前連結会計年度比5.2%減)、経常利益は128億4百万円(前連結会計年度比4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億50百万円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は11.4%(前連結会計年度は12.2%)となりました。
セグメント別の売上高は以下のとおりであります。
産業機器部門におきましては、食品関連産業を中心に国内の工場稼働率が底堅さを維持したものの、第2四半期以降、自動車関連産業の急激な減速や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、前連結会計年度比29億87百万円減収(前連結会計年度比4.1%減)の700億56百万円となりました。工業機械部門につきましては、国内では、設備投資意欲に慎重さがみれる中、年明け以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、厳しい受注環境となりました。海外でも同様の動きがみられたものの、インド、インドネシア、台湾では日系企業を中心に計画的な設備投資需要があり、前連結会計年度比81億29百万円減収(前連結会計年度比6.2%減)の1,224億26百万円となりました。
住設・管材・空調部門は、住宅分野での機器販売が減少した一方、非住宅分野の空調機器等が好調に推移しました結果、前連結会計年度比103億13百万円増収(前連結会計年度比6.8%増)の1,624億19百万円となりました。建築・エクステリア部門は、都市部を中心とした再開発事業などが堅調に推移し、景観エクステリア需要や社会インフラ関連資材の販売が伸長いたしました結果、前連結会計年度比20億26百万円増収(前連結会計年度比3.6%増)の582億59百万円となりました。建設機械部門は、公共工事や再開発事業による小型建設機械需要が堅調に推移し、前連結会計年度比29億19百万円増収(前連結会計年度比8.5%増)の372億75百万円となりました。一方、エネルギー部門は、石油元売業者の再編や低燃費車の普及など市場環境の大きな変化や暖冬の影響などにより、前連結会計年度比28億50百万円減収(前連結会計年度比12.2%減)の205億84百万円となりました。
その他部門につきましては、消費財事業は8.1%の減収、木材事業も27.3%の減収となり、その他部門で前連結会計年度比35億70百万円減収(前連結会計年度比14.9%減)の203億28百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて106億76百万円減少し、2,370億71百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が160億93百万円減少した一方で、のれんが15億34百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて145億86百万円減少し、1,560億42百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が146億2百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて39億9百万円増加し、810億28百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が56億14百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が12億円減少したことなどによります。この結果、自己資本比率は、34.0%(前連結会計年度末は30.9%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、432億46百万円となり、前連結会計年度末より66億20百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、129億70百万円(前連結会計年度比85億82百万円の収入増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益132億47百万円及び売上債権の減少額174億9百万円を計上した一方、仕入債務の減少額158億43百万円及び法人税等の支払額を46億83百万円計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、28億43百万円(前連結会計年度比19億70百万円の支出増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出24億89百万円及び有形固定資産の取得による支出18億7百万円を計上したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、35億9百万円(前連結会計年度比3億27百万円の支出増)となりました。これは主に配当金の支払額33億36百万円を計上したことなどによります。
④販売、仕入及び受注の実績
a.販売実績
(注) 販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
c.受注実績
受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.5%減の4,913億48百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が118億71百万円(前連結会計年度比5.2%減)、経常利益は128億4百万円(前連結会計年度比4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億50百万円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は11.4%(前連結会計年度は12.2%)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
《産業機器部門》
産業機器部門につきましては、食品関連産業を中心に工場稼働率は引き続き底堅さを維持し、自動化・省力化機器、切削工具、測定器具、制御機器などの需要は堅調に推移しました。一方、第2四半期以降、好調を維持していた自動車関連産業の需要に急減速がみられたとともに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより半導体やスマートフォン関連産業においても厳しい状況で推移しました。
このような状況の中、当社ECサイト「Growing Navi」に対応した在庫アイテムの拡充、ロジスティクス機能強化による物流サービスの向上や工場向けセキュリティ商品など新商品の拡販に取り組みました。また、コンプレッサや発電機、制御関連機器などの環境・省エネ、安全に配慮した取扱商品の拡充、物流関連機器、ロボット装置、工作機械周辺機器の販売強化に注力いたしました結果、売上高は700億56百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
《工業機械部門》
工業機械部門につきましては、国内では、自動車関連事業における設備投資意欲に慎重さがみられる中、年明けからの世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、検収・納入の遅れ、海外への出荷制限や一部でキャンセルが発生するなど、半導体・電機・建設機械をはじめ様々な業種で、一層先行きの不透明感が増し、厳しい受注環境となりました。一方、5G(第5世代移動通信システム)関連の半導体製造や医療用検査機器向けの工作機械需要は増加いたしました。海外においても同様の影響がみられましたが、インド、インドネシア、台湾では日系企業を中心に計画的な設備投資需要がありました。
このような状況の中、無人化・省力化を図るシステム商品やロボットの拡販に加えて、各種補助金活用による新技術・新商品の提案を行い、工場設備全般の受注に注力いたしました。また、引き続き、東南アジアを中心に現地資本企業の新規開拓に取り組みました結果、売上高は1,224億26百万円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。
《住設・管材・空調部門》
住設・管材・空調部門につきましては、新設住宅着工戸数の減少や消費税増税の反動などの影響がみられるなか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるサプライチェーンの停滞も加わり、住宅分野での機器販売が減少しました。一方、非住宅分野の空調機器につきましては、東京オリンピック・パラリンピック関連の新築及びリニューアル物件の納入がピークを迎え堅調に推移しました。また、新エネルギー関連商品においては、FIT(固定価格買取制度)関連の需要には陰りがあるものの、自家消費向けおよびFIT期間満了後を見据えた蓄電池関連機器の需要が堅調に推移しました。
このような状況の中、バルブ・ポンプなどの非住宅分野の商品や省エネ性能の高い空調機器の販売に注力いたしました。また、新エネルギー関連商品においては、蓄電池・パワーコンディショナなどの周辺機器や余剰電力買取スキームを付与した新商材の拡販に取り組みました結果、売上高は1,624億19百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。
《建築・エクステリア部門》
建築・エクステリア部門につきましては、都市部を中心とした再開発事業などのビル・マンション・ホテル、公共建築物向けの金属建材需要や商業・物流施設向けの景観エクステリア需要は堅調に推移しました。また、災害復旧・復興需要や防災・減災需要により、フェンス・ガードレールなどの社会インフラ関連商材の販売に伸長がみられました。一方、東京オリンピック・パラリンピック施設向けの需要には一服感がみられました。
このような状況の中、国土強靭化基本計画に沿った、ブロック塀倒壊問題に対するフェンスへの掛替工事提案、耐震・免震材などのレジリエンス製品の拡販に加え、宅配ボックスの販売にも注力いたしました結果、売上高は582億59百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。
《建設機械部門》
建設機械部門につきましては、インフラ整備、災害復旧・復興工事などの公共工事や都市部を中心とした再開発事業により建設機械需要は伸長しましたが、第3四半期以降、自然災害の影響により一部商品に部品供給が途絶えたことによる納期遅延がみられました。また、年明けからは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による商品供給の遅れや河川・道路の公共工事が一時中止、延期となるなど不透明感がみられましたものの、当社主力のレンタル業者向け小型建設機械の設備投資需要は堅調に推移しました。
このような状況の中、国内では国土強靭化基本計画に対応した取扱商品の拡充や、ミニショベル、ローラーなどの土木・舗装機械、屋内作業向け高所作業車、小型機器などの拡販に努めるとともに、海外向けオークション事業の販売拡大に注力いたしました。海外では、東南アジア向けに油圧ショベル、高所作業車などの販売に注力いたしました結果、売上高は372億75百万円(前連結会計年度比8.5%増)となりました。
《エネルギー部門》
エネルギー部門につきましては、石油元売事業者の再編の影響による市場環境の変化や、低燃費車の普及などにより石油製品の需要の減少が続きました。また、小売事業では台風等の自然災害や暖冬の影響を受け、ガソリン・灯油の販売量が減少しました。
このような状況の中、小売事業では、東海地方を中心に展開しているガソリンスタンドにおいて、ガソリンや軽油などの拡販に加え、タイヤ・車検・コーティングなどのカーケアサービスの強化に努めるとともに、卸売事業では一般石油製品・潤滑油の新規販売先の開拓や新しい規制に対応した船舶用燃料の拡販に注力いたしましたものの需要低迷が続き、売上高は205億84百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
《その他》
その他部門につきましては、消費財事業では、冬物季節家電の販売が暖冬などの影響を受け低調に推移しましたが、生活家電を中心に新商品を投入するとともに、ECサイト事業拡大に努めました。木材事業では、フロア関連資材と住宅用輸入製材の販売は堅調に推移しました。一方、輸入合板及び梱包材は、産地におけるコスト上昇と国内市場の荷動きの停滞に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による納期遅延や先行きへの警戒感から、厳しい販売状況となりました。
この結果、その他の部門の売上高は203億28百万円(前連結会計年度比14.9%減)となりました。
当社グループは創業360周年を迎える2026年を見据えた「ユアサビジョン360」実現の第2ステージとして、2020年4月から2023年3月までの3カ年を対象とする新中期経営計画「Growing Together 2023」をスタートいたしました。当連結会計年度の経営成績等を踏まえた、具体的な施策等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、中期経営計画に定める定量目標の進捗状況は下記のとおりであります。
③当社グループの資本財源及び資金の流動性
当社グループの資本財源及び資金の流動性については、運転資金、設備投資等の資金需要に対して、短期借入金及び自己資金を充当することを基本方針としております。
また、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・システムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の充実を図っております。
当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末より66億20百万円増加し、432億46百万円となっており、充分な流動性を確保していると考えております。
なお、将来当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合には借入金の増額も検討いたしますが、財務の健全性を維持しつつ、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することにより、1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、 これらの見積りには特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦などによる世界経済の不透明感が一層強まる中、消費税増税や相次ぐ自然災害により景況感も悪化いたしました。さらには、年明けからの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、経済環境は極めて厳しい状況となりました。
建設・住宅分野では、新設住宅着工戸数は減少しましたが、都市部における再開発事業などの民間設備投資、国土強靭化計画による公共設備投資は引き続き堅調に推移しました。一方、工業分野では、世界経済の急激な減速により設備投資には一層慎重な動きがみられ、受注環境は低調に推移しました。
海外では、インド・ベトナム・インドネシアなどのアジア新興国において第3四半期までは緩やかな回復がみられました。一方、第4四半期からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、中国をはじめ各国の設備投資に急激な落ち込みがみられました。
このような状況の中、当期は3カ年の中期経営計画「Growing Together 2020」の最終年度として、「コア事業の機能強化」「成長事業の再強化」「経営基盤の強化」を基本方針に、「総合力の発揮」と「モノ売り」から「コト売り」に向けた諸施策に取り組みました。
「コア事業の機能強化」では、地域ブロック制を導入し、タテ(商品戦略)とヨコ(地域戦略)での営業力強化や総合力発揮によるワンストップでのソリューション提供に注力するとともに、コーディネート機能の強化を図りました。機能強化の一環として、組立式仮設ハウス(コンテナハウス)の製造・販売を行う富士クオリティハウス株式会社と神奈川県下を中心にリフォーム工事を請負う株式会社高千穂の2社を子会社化いたしました。また、中部圏のロジスティクス機能強化を目的とし、中部物流センターを移転拡張いたしました。
「成長事業の再強化」では、グローバル成長を目指す「海外事業」、「ロボ(AI)&IoT事業」や電子商取引拡大に対応する「新流通事業」、「環境・エネルギーソリューション事業」、「レジリエンス&セキュリティ事業」の5分野を成長事業として、育成・強化に取り組みました。2019年12月にはモノづくりの現場における熟練技術者の技を継承・拡張する、「匠の技AI工場」開発を目指し、AIベンチャー企業と業務提携を行い、取組みを加速いたしました。また、次なる成長事業の発掘・育成のために農業、介護・医療分野への新市場開拓に向けた諸施策に取り組みました。
「経営基盤の強化」では、挑戦する企業風土の再醸成のため、新たな人事評価制度の導入や人材育成に取り組むとともに、生産性向上と業務の効率化に向けITを活用した「働き方改革」を推進いたしました。また、健康経営を推進するとともに、子育てサポートにも注力いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.5%減の4,913億48百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が118億71百万円(前連結会計年度比5.2%減)、経常利益は128億4百万円(前連結会計年度比4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億50百万円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は11.4%(前連結会計年度は12.2%)となりました。
セグメント別の売上高は以下のとおりであります。
産業機器部門におきましては、食品関連産業を中心に国内の工場稼働率が底堅さを維持したものの、第2四半期以降、自動車関連産業の急激な減速や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、前連結会計年度比29億87百万円減収(前連結会計年度比4.1%減)の700億56百万円となりました。工業機械部門につきましては、国内では、設備投資意欲に慎重さがみれる中、年明け以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、厳しい受注環境となりました。海外でも同様の動きがみられたものの、インド、インドネシア、台湾では日系企業を中心に計画的な設備投資需要があり、前連結会計年度比81億29百万円減収(前連結会計年度比6.2%減)の1,224億26百万円となりました。
住設・管材・空調部門は、住宅分野での機器販売が減少した一方、非住宅分野の空調機器等が好調に推移しました結果、前連結会計年度比103億13百万円増収(前連結会計年度比6.8%増)の1,624億19百万円となりました。建築・エクステリア部門は、都市部を中心とした再開発事業などが堅調に推移し、景観エクステリア需要や社会インフラ関連資材の販売が伸長いたしました結果、前連結会計年度比20億26百万円増収(前連結会計年度比3.6%増)の582億59百万円となりました。建設機械部門は、公共工事や再開発事業による小型建設機械需要が堅調に推移し、前連結会計年度比29億19百万円増収(前連結会計年度比8.5%増)の372億75百万円となりました。一方、エネルギー部門は、石油元売業者の再編や低燃費車の普及など市場環境の大きな変化や暖冬の影響などにより、前連結会計年度比28億50百万円減収(前連結会計年度比12.2%減)の205億84百万円となりました。
その他部門につきましては、消費財事業は8.1%の減収、木材事業も27.3%の減収となり、その他部門で前連結会計年度比35億70百万円減収(前連結会計年度比14.9%減)の203億28百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて106億76百万円減少し、2,370億71百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が160億93百万円減少した一方で、のれんが15億34百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて145億86百万円減少し、1,560億42百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が146億2百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて39億9百万円増加し、810億28百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が56億14百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が12億円減少したことなどによります。この結果、自己資本比率は、34.0%(前連結会計年度末は30.9%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、432億46百万円となり、前連結会計年度末より66億20百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、129億70百万円(前連結会計年度比85億82百万円の収入増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益132億47百万円及び売上債権の減少額174億9百万円を計上した一方、仕入債務の減少額158億43百万円及び法人税等の支払額を46億83百万円計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、28億43百万円(前連結会計年度比19億70百万円の支出増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出24億89百万円及び有形固定資産の取得による支出18億7百万円を計上したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、35億9百万円(前連結会計年度比3億27百万円の支出増)となりました。これは主に配当金の支払額33億36百万円を計上したことなどによります。
④販売、仕入及び受注の実績
a.販売実績
| 期間 | 前連結会計年度 自 2018年4月1日 至 2019年3月31日 | 当連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 | ||||
| セグメントの名称 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) | 構成比率 (%) | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) | 構成比率 (%) |
| 産業機器 | 73,043 | 3.7 | 14.8 | 70,056 | △4.1 | 14.3 |
| 工業機械 | 130,555 | 13.7 | 26.4 | 122,426 | △6.2 | 24.9 |
| 住設・管材・空調 | 152,105 | 5.0 | 30.8 | 162,419 | 6.8 | 33.0 |
| 建築・エクステリア | 56,233 | 8.9 | 11.4 | 58,259 | 3.6 | 11.9 |
| 建設機械 | 34,355 | 3.0 | 7.0 | 37,275 | 8.5 | 7.6 |
| エネルギー | 23,435 | △8.2 | 4.7 | 20,584 | △12.2 | 4.2 |
| その他 | 23,898 | 13.1 | 4.9 | 20,328 | △14.9 | 4.1 |
| 合計 | 493,627 | 6.9 | 100.0 | 491,348 | △0.5 | 100.0 |
(注) 販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
c.受注実績
受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.5%減の4,913億48百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が118億71百万円(前連結会計年度比5.2%減)、経常利益は128億4百万円(前連結会計年度比4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億50百万円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は11.4%(前連結会計年度は12.2%)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
《産業機器部門》
産業機器部門につきましては、食品関連産業を中心に工場稼働率は引き続き底堅さを維持し、自動化・省力化機器、切削工具、測定器具、制御機器などの需要は堅調に推移しました。一方、第2四半期以降、好調を維持していた自動車関連産業の需要に急減速がみられたとともに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより半導体やスマートフォン関連産業においても厳しい状況で推移しました。
このような状況の中、当社ECサイト「Growing Navi」に対応した在庫アイテムの拡充、ロジスティクス機能強化による物流サービスの向上や工場向けセキュリティ商品など新商品の拡販に取り組みました。また、コンプレッサや発電機、制御関連機器などの環境・省エネ、安全に配慮した取扱商品の拡充、物流関連機器、ロボット装置、工作機械周辺機器の販売強化に注力いたしました結果、売上高は700億56百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
《工業機械部門》
工業機械部門につきましては、国内では、自動車関連事業における設備投資意欲に慎重さがみられる中、年明けからの世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、検収・納入の遅れ、海外への出荷制限や一部でキャンセルが発生するなど、半導体・電機・建設機械をはじめ様々な業種で、一層先行きの不透明感が増し、厳しい受注環境となりました。一方、5G(第5世代移動通信システム)関連の半導体製造や医療用検査機器向けの工作機械需要は増加いたしました。海外においても同様の影響がみられましたが、インド、インドネシア、台湾では日系企業を中心に計画的な設備投資需要がありました。
このような状況の中、無人化・省力化を図るシステム商品やロボットの拡販に加えて、各種補助金活用による新技術・新商品の提案を行い、工場設備全般の受注に注力いたしました。また、引き続き、東南アジアを中心に現地資本企業の新規開拓に取り組みました結果、売上高は1,224億26百万円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。
《住設・管材・空調部門》
住設・管材・空調部門につきましては、新設住宅着工戸数の減少や消費税増税の反動などの影響がみられるなか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるサプライチェーンの停滞も加わり、住宅分野での機器販売が減少しました。一方、非住宅分野の空調機器につきましては、東京オリンピック・パラリンピック関連の新築及びリニューアル物件の納入がピークを迎え堅調に推移しました。また、新エネルギー関連商品においては、FIT(固定価格買取制度)関連の需要には陰りがあるものの、自家消費向けおよびFIT期間満了後を見据えた蓄電池関連機器の需要が堅調に推移しました。
このような状況の中、バルブ・ポンプなどの非住宅分野の商品や省エネ性能の高い空調機器の販売に注力いたしました。また、新エネルギー関連商品においては、蓄電池・パワーコンディショナなどの周辺機器や余剰電力買取スキームを付与した新商材の拡販に取り組みました結果、売上高は1,624億19百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。
《建築・エクステリア部門》
建築・エクステリア部門につきましては、都市部を中心とした再開発事業などのビル・マンション・ホテル、公共建築物向けの金属建材需要や商業・物流施設向けの景観エクステリア需要は堅調に推移しました。また、災害復旧・復興需要や防災・減災需要により、フェンス・ガードレールなどの社会インフラ関連商材の販売に伸長がみられました。一方、東京オリンピック・パラリンピック施設向けの需要には一服感がみられました。
このような状況の中、国土強靭化基本計画に沿った、ブロック塀倒壊問題に対するフェンスへの掛替工事提案、耐震・免震材などのレジリエンス製品の拡販に加え、宅配ボックスの販売にも注力いたしました結果、売上高は582億59百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。
《建設機械部門》
建設機械部門につきましては、インフラ整備、災害復旧・復興工事などの公共工事や都市部を中心とした再開発事業により建設機械需要は伸長しましたが、第3四半期以降、自然災害の影響により一部商品に部品供給が途絶えたことによる納期遅延がみられました。また、年明けからは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による商品供給の遅れや河川・道路の公共工事が一時中止、延期となるなど不透明感がみられましたものの、当社主力のレンタル業者向け小型建設機械の設備投資需要は堅調に推移しました。
このような状況の中、国内では国土強靭化基本計画に対応した取扱商品の拡充や、ミニショベル、ローラーなどの土木・舗装機械、屋内作業向け高所作業車、小型機器などの拡販に努めるとともに、海外向けオークション事業の販売拡大に注力いたしました。海外では、東南アジア向けに油圧ショベル、高所作業車などの販売に注力いたしました結果、売上高は372億75百万円(前連結会計年度比8.5%増)となりました。
《エネルギー部門》
エネルギー部門につきましては、石油元売事業者の再編の影響による市場環境の変化や、低燃費車の普及などにより石油製品の需要の減少が続きました。また、小売事業では台風等の自然災害や暖冬の影響を受け、ガソリン・灯油の販売量が減少しました。
このような状況の中、小売事業では、東海地方を中心に展開しているガソリンスタンドにおいて、ガソリンや軽油などの拡販に加え、タイヤ・車検・コーティングなどのカーケアサービスの強化に努めるとともに、卸売事業では一般石油製品・潤滑油の新規販売先の開拓や新しい規制に対応した船舶用燃料の拡販に注力いたしましたものの需要低迷が続き、売上高は205億84百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
《その他》
その他部門につきましては、消費財事業では、冬物季節家電の販売が暖冬などの影響を受け低調に推移しましたが、生活家電を中心に新商品を投入するとともに、ECサイト事業拡大に努めました。木材事業では、フロア関連資材と住宅用輸入製材の販売は堅調に推移しました。一方、輸入合板及び梱包材は、産地におけるコスト上昇と国内市場の荷動きの停滞に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による納期遅延や先行きへの警戒感から、厳しい販売状況となりました。
この結果、その他の部門の売上高は203億28百万円(前連結会計年度比14.9%減)となりました。
当社グループは創業360周年を迎える2026年を見据えた「ユアサビジョン360」実現の第2ステージとして、2020年4月から2023年3月までの3カ年を対象とする新中期経営計画「Growing Together 2023」をスタートいたしました。当連結会計年度の経営成績等を踏まえた、具体的な施策等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、中期経営計画に定める定量目標の進捗状況は下記のとおりであります。
| 指標 | 2020年3月期 | 2023年3月期(目標) | 2026年3月期(目標) |
| 売上高 | 4,913億48百万円 | 5,450億円 | 6,000億円 |
| 経常利益 | 128億4百万円 | 164億円 | 200億円 |
| 経常利益率 | 2.6% | 3.0% | 3.3% |
③当社グループの資本財源及び資金の流動性
当社グループの資本財源及び資金の流動性については、運転資金、設備投資等の資金需要に対して、短期借入金及び自己資金を充当することを基本方針としております。
また、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・システムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の充実を図っております。
当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末より66億20百万円増加し、432億46百万円となっており、充分な流動性を確保していると考えております。
なお、将来当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合には借入金の増額も検討いたしますが、財務の健全性を維持しつつ、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することにより、1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、 これらの見積りには特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。