有価証券報告書-第145期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、経済活動が正常化し、緩やかな景気の回復がみられたものの、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりや原材料費・エネルギー価格の高止まり、円安の進行により、先行きが不透明な状況が続きました。
工業分野では、自動車関連産業は車載用半導体不足が緩和され生産の正常化が進み、EVを中心に堅調な設備投資需要が続きました。建設・住宅分野では、公共・民間設備投資は堅調に推移したものの、戸建てを中心とした新設住宅着工戸数は引き続き弱含みで推移しました。
海外では、部品・資材の価格や人件費の上昇がみられましたが、米国やタイ、インド、インドネシアなどの東南アジア諸国の景気は緩やかな回復傾向となりました。一方、中国では景気回復の動きに足踏みがみられました。
このような状況の中、当社グループは創業360周年を迎える2026年のあるべき姿「ユアサビジョン360」の最終(3rd)ステージとして、2023年4月~2026年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画「Growing Together 2026」を推進しております。「風土改革」「DX推進」「サステナビリティ推進」をベースとしてビジネス変革を推進し、モノづくり、すまいづくり、環境づくり、まちづくりの分野において、「モノ売り」と「コト売り」の両面でマーケットアウト型のビジネスを展開することで、企業価値の向上を目指してまいります。
「風土改革」では、YUASA PRIDEプロジェクト(働きがい向上&人間尊重プロジェクト)を進め、社員のエンゲージメントを高め、「つなぐ」イノベーションで社会課題を解決できる人材の育成に取り組んでいます。また、総合力・チャレンジ・コミュニケーションを発揮できる環境づくりの一環として、新本社建設に向けた「統合拠点構築プロジェクト」を進めています。
「DX推進」では、データ活用基盤構築、DX人材育成、業務プロセス改革、イノベーション創出により、ビジネス変革を支えてまいります。
「サステナビリティ推進」では2026年3月までに当社グループのCO2排出量30%削減を目指すとともに、カーボンニュートラル推進ビジネスを加速させています。当社グループの取組みとしては、中部支社とグループ会社の富士クオリティハウス株式会社において、自家消費型太陽光発電設備を設置しました。また、2023年7月から9月までの期間に開催した「つなぐ グランドフェア2023」において会場の電気使用により排出されるCO2をカーボンオフセットするなどサステナブルな事業の推進に努めました。
成長戦略の推進として、ロボットや自動化設備の拡販に取り組み、当社が特許取得済みである自社開発の工作機械向け省エネ制御ソフト「GCCP」や製品検査の自動化・効率化を実現する『AI 外観検査装置 F[ai]ND OUT シリーズEX』の販売を推進しました。また、物流施設の狭小スペースに対応したピッキング用自動搬送システム「ツインピック」を共同で開発し、今後のシステム販売に向けて2024年5月以降、当社関東物流センターにて本システムの公開を予定しております。
海外戦略では、タイを中心とした地域戦略の強化に向け、南アジアブロックを新設しました。また、2024年3月に東南アジアに展開する機械商社HENKOグループの株式の取得を決議し、ASEAN地域の現地資本企業に対する工場設備販売を強化するとともに、2025年2月開催の『日本の文化とタイの文化を「つなぐ」』をテーマとした総合展示会「YUASA Grand Fair in Thailand」への取り組みなど、海外事業拡大に向けた体制を整備しました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、5,265億69百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。営業利益は147億23百万円(前連結会計年度比0.9%増)、経常利益は157億37百万円(前連結会計年度比2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億12百万円(前連結会計年度比17.2%増)となりました。
セグメント別の売上高の詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて197億71百万円増加し、2,909億89百万円となりました。これは新本社建設のために取得した土地等が314億20百万円、電子記録債権が81億81百万円増加した一方で、現金及び預金が103億47百万円、退職給付に係る資産が126億67百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて126億2百万円増加し、1,885億80百万円となりました。これは、電子記録債務が104億6百万円、長期借入金が29億10百万円増加した一方で、未払法人税等が23億24百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて71億69百万円増加し、1,024億9百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が56億45百万円、自己株式の消却により22億47百万円増加した一方で、退職給付に係る調整累計額が24億18百万円減少したことなどによります。この結果、自己資本比率は、35.0%(前連結会計年度末は34.9%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、420億44百万円となり、前連結会計年度末より103億51百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、240億94百万円(前連結会計年度比157億56百万円の収入増)となりました。これは主に、退職給付信託を一部解約したことにより退職給付に係る資産が減少し、資金の増加を106億72百万円、退職給付信託返還益を32億55百万円計上したことに加え、税金等調整前当期純利益169億95百万円、仕入債務の増加額87億6百万円を計上した一方、売上債権の増加額53億68百万円を計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、342億40百万円(前連結会計年度比313億94百万円の支出増)となりました。これは有形固定資産の取得による支出315億52百万円を計上したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、4億78百万円(前連結会計年度比64億12百万円の支出減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50億円を取得した一方、配当金の支払額35億28百万円、自己株式の取得による支出5億30百万円をそれぞれ計上したことなどによります。
④販売、仕入及び受注の実績
a.販売実績
b.仕入実績
仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
c.受注実績
受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識・検討内容
当連結会計年度の売上高は、5,265億69百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。営業利益は147億23百万円(前連結会計年度比0.9%増)、経常利益は157億37百万円(前連結会計年度比2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億12百万円(前連結会計年度比17.2%増)となりました。
《産業機器部門》
産業機器部門につきましては、EVを中心とした自動車関連産業の部品加工需要が伸長したことにより、年明け以降、主力の切削工具の販売が堅調に推移しました。
このような状況の中、カーボンニュートラルの実現に向けた省エネ商材の拡販、省人化・自動化を実現するスマートファクトリーの構築に向けたローカル5Gソリューションなどの提案に注力した結果、売上高は797億42百万円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。
《工業機械部門》
工業機械部門につきましては、EVを中心とした自動車関連産業に加え、第2四半期以降に航空機・防衛関連産業においても設備投資意欲の上昇がみられるとともに、米国や東南アジア諸国の景気は底堅く推移しましたが、中国での景気減速の影響により、国内、海外ともに厳しい販売状況となりました。一方、受注面においては、国内外市場ともに厳しい状況が続きましたが、第4四半期以降、半導体関連産業での大型案件など、ようやく受注環境に改善の兆しがみえてきました。
このような状況の中、セラミックスやガラスなどの脆性材加工に対応した加工環境ソリューション提案やロボット・AIを活用した自動化・省エネ提案に加え、海外においても工場全体のカーボンニュートラルなどモノづくり全般を見据えた提案の強化に努めた結果、売上高は1,183億1百万円(前連結会計年度比0.2%減)となりました。
《住設・管材・空調部門》
住設・管材・空調部門につきましては、戸建ての新設住宅着工戸数が弱含みで推移する中、マンションやリフォーム需要は堅調に推移し、住宅設備機器、管材商品は底堅い動きとなりました。また、エネルギー価格の高騰、カーボンニュートラルへの対応を見据えた需要の増加により省エネ対応の空調機器や再生可能エネルギー分野の機器販売も堅調に推移しました。
このような状況の中、首都圏や主要都市の再開発案件の増加や工場などの省エネ投資需要の高まりを受け、非住宅向けの管材商品・高効率空調機器などの販売が増加しました。また、カーボンニュートラル対応に向けた太陽光パネル・産業用蓄電池などのシステム提案とエンジニアリング機能の強化に努めた結果、売上高は1,976億88百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
《建築・エクステリア部門》
建築・エクステリア部門につきましては、首都圏を中心とした再開発案件やマンション・ホテルに加えて物流施設の建設が増加したことにより、建築金物やフェンスなどを中心としたエクステリア商材が堅調に推移しました。また、自然災害や交通事故などの対策商品を中心に公共設備投資も底堅さがみられました。
このような状況の中、水害対策ソリューションなどのレジリエンス製品やウォーカブルな街づくりに貢献する外構・エクステリア製品のパッケージ提案、歩行者保護対策としての防護柵・耐衝撃性車止め及び建築に係わる製作金物の拡販に注力した結果、売上高は544億4百万円(前連結会計年度比5.4%増)となりました。
《建設機械部門》
建設機械部門につきましては、インフラ整備、防災・減災工事などの公共工事とともに、民間設備投資も堅調に推移しました。一方、資材価格の高騰、建設業の働き方改革、建設技能者不足による工事遅延や建設機械の長納期化などの影響が引き続きみられました。
このような状況の中、建設現場のCO2見える化商品の拡販、建設・農業現場の安全施工のためのソリューション商品や海外輸入商品の販売を強化するとともに、行政機関に対して防災・減災・BCP関連商材の提案を推進しました。また中古建機・農機オークション事業をはじめ、コンテナハウス製造や建設機械の整備・レンタル機能の拡充に努めた結果、売上高は372億86百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりました。
《エネルギー部門》
エネルギー部門につきましては、低燃費車の普及によりガソリン需要が減少する中、政府による燃料油補助金が継続されたことなどにより、国内市況の安定化が図られました。
このような状況の中、東海地方を中心に展開するガソリンスタンド事業では、洗車、車検、コーティングなどの他、レンタカーやカーメンテナンス事業等のサービス強化に努めました。また、京浜地区における船舶用燃料の販売強化に取り組みました結果、売上高は191億64百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。
《その他》
その他部門につきましては、消費財事業では、調理家電や季節家電の新商品開発と拡販に注力しました。また、EC(電子商取引)事業におきましては、消費者ニーズに対応した商品ラインナップの拡充に努めました。木材事業では、輸入材・国産材ともに需要の低迷が長引く中、輸入材を用いた木枠梱包材などの非住宅製品の販売を強化しました。また、国産材においては、新規仕入先の開拓や販売ネットワークの構築に注力するとともに、PB商品開発に取り組みました。
この結果、売上高は199億81百万円(前連結会計年度比15.5%減)となりました。
当社グループは創業360周年を迎える2026年を見据えた「ユアサビジョン360」実現の第3ステージとして、2023年4月から2026年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画「Growing Together 2026」を推進しております。当連結会計年度の経営成績等を踏まえた、具体的な施策等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、中期経営計画に定める定量目標の進捗状況は下記のとおりであります。
(注)2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しておりますが、上記の売上高は「収益認識に関する会計基準」等を適用しない場合の売上高を記載しております。
③当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金、設備投資等の資金需要に対して、短期借入金及び自己資金を充当することを基本方針としております。
また、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・システムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の充実を図っております。
当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末より103億51百万円減少し、420億44百万円となっており、充分な流動性を確保していると考えております。
なお、将来当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合には借入金の増額も検討いたしますが、財務の健全性を維持しつつ、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することにより、1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、経済活動が正常化し、緩やかな景気の回復がみられたものの、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりや原材料費・エネルギー価格の高止まり、円安の進行により、先行きが不透明な状況が続きました。
工業分野では、自動車関連産業は車載用半導体不足が緩和され生産の正常化が進み、EVを中心に堅調な設備投資需要が続きました。建設・住宅分野では、公共・民間設備投資は堅調に推移したものの、戸建てを中心とした新設住宅着工戸数は引き続き弱含みで推移しました。
海外では、部品・資材の価格や人件費の上昇がみられましたが、米国やタイ、インド、インドネシアなどの東南アジア諸国の景気は緩やかな回復傾向となりました。一方、中国では景気回復の動きに足踏みがみられました。
このような状況の中、当社グループは創業360周年を迎える2026年のあるべき姿「ユアサビジョン360」の最終(3rd)ステージとして、2023年4月~2026年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画「Growing Together 2026」を推進しております。「風土改革」「DX推進」「サステナビリティ推進」をベースとしてビジネス変革を推進し、モノづくり、すまいづくり、環境づくり、まちづくりの分野において、「モノ売り」と「コト売り」の両面でマーケットアウト型のビジネスを展開することで、企業価値の向上を目指してまいります。
「風土改革」では、YUASA PRIDEプロジェクト(働きがい向上&人間尊重プロジェクト)を進め、社員のエンゲージメントを高め、「つなぐ」イノベーションで社会課題を解決できる人材の育成に取り組んでいます。また、総合力・チャレンジ・コミュニケーションを発揮できる環境づくりの一環として、新本社建設に向けた「統合拠点構築プロジェクト」を進めています。
「DX推進」では、データ活用基盤構築、DX人材育成、業務プロセス改革、イノベーション創出により、ビジネス変革を支えてまいります。
「サステナビリティ推進」では2026年3月までに当社グループのCO2排出量30%削減を目指すとともに、カーボンニュートラル推進ビジネスを加速させています。当社グループの取組みとしては、中部支社とグループ会社の富士クオリティハウス株式会社において、自家消費型太陽光発電設備を設置しました。また、2023年7月から9月までの期間に開催した「つなぐ グランドフェア2023」において会場の電気使用により排出されるCO2をカーボンオフセットするなどサステナブルな事業の推進に努めました。
成長戦略の推進として、ロボットや自動化設備の拡販に取り組み、当社が特許取得済みである自社開発の工作機械向け省エネ制御ソフト「GCCP」や製品検査の自動化・効率化を実現する『AI 外観検査装置 F[ai]ND OUT シリーズEX』の販売を推進しました。また、物流施設の狭小スペースに対応したピッキング用自動搬送システム「ツインピック」を共同で開発し、今後のシステム販売に向けて2024年5月以降、当社関東物流センターにて本システムの公開を予定しております。
海外戦略では、タイを中心とした地域戦略の強化に向け、南アジアブロックを新設しました。また、2024年3月に東南アジアに展開する機械商社HENKOグループの株式の取得を決議し、ASEAN地域の現地資本企業に対する工場設備販売を強化するとともに、2025年2月開催の『日本の文化とタイの文化を「つなぐ」』をテーマとした総合展示会「YUASA Grand Fair in Thailand」への取り組みなど、海外事業拡大に向けた体制を整備しました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、5,265億69百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。営業利益は147億23百万円(前連結会計年度比0.9%増)、経常利益は157億37百万円(前連結会計年度比2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億12百万円(前連結会計年度比17.2%増)となりました。
セグメント別の売上高の詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて197億71百万円増加し、2,909億89百万円となりました。これは新本社建設のために取得した土地等が314億20百万円、電子記録債権が81億81百万円増加した一方で、現金及び預金が103億47百万円、退職給付に係る資産が126億67百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて126億2百万円増加し、1,885億80百万円となりました。これは、電子記録債務が104億6百万円、長期借入金が29億10百万円増加した一方で、未払法人税等が23億24百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて71億69百万円増加し、1,024億9百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が56億45百万円、自己株式の消却により22億47百万円増加した一方で、退職給付に係る調整累計額が24億18百万円減少したことなどによります。この結果、自己資本比率は、35.0%(前連結会計年度末は34.9%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、420億44百万円となり、前連結会計年度末より103億51百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、240億94百万円(前連結会計年度比157億56百万円の収入増)となりました。これは主に、退職給付信託を一部解約したことにより退職給付に係る資産が減少し、資金の増加を106億72百万円、退職給付信託返還益を32億55百万円計上したことに加え、税金等調整前当期純利益169億95百万円、仕入債務の増加額87億6百万円を計上した一方、売上債権の増加額53億68百万円を計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、342億40百万円(前連結会計年度比313億94百万円の支出増)となりました。これは有形固定資産の取得による支出315億52百万円を計上したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、4億78百万円(前連結会計年度比64億12百万円の支出減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50億円を取得した一方、配当金の支払額35億28百万円、自己株式の取得による支出5億30百万円をそれぞれ計上したことなどによります。
④販売、仕入及び受注の実績
a.販売実績
| 期間 | 前連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 | 当連結会計年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 | ||||
| セグメントの名称 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) | 構成比率 (%) | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) | 構成比率 (%) |
| 産業機器 | 77,440 | 4.5 | 15.3 | 79,742 | 3.0 | 15.1 |
| 工業機械 | 118,515 | 15.9 | 23.5 | 118,301 | △0.2 | 22.5 |
| 住設・管材・空調 | 177,915 | 8.3 | 35.3 | 197,688 | 11.1 | 37.6 |
| 建築・エクステリア | 51,638 | 10.9 | 10.2 | 54,404 | 5.4 | 10.3 |
| 建設機械 | 36,533 | 9.0 | 7.2 | 37,286 | 2.1 | 7.1 |
| エネルギー | 19,109 | 1.2 | 3.8 | 19,164 | 0.3 | 3.6 |
| その他 | 23,654 | 2.1 | 4.7 | 19,981 | △15.5 | 3.8 |
| 合計 | 504,806 | 9.1 | 100.0 | 526,569 | 4.3 | 100.0 |
b.仕入実績
仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
c.受注実績
受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識・検討内容
当連結会計年度の売上高は、5,265億69百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。営業利益は147億23百万円(前連結会計年度比0.9%増)、経常利益は157億37百万円(前連結会計年度比2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億12百万円(前連結会計年度比17.2%増)となりました。
《産業機器部門》
産業機器部門につきましては、EVを中心とした自動車関連産業の部品加工需要が伸長したことにより、年明け以降、主力の切削工具の販売が堅調に推移しました。
このような状況の中、カーボンニュートラルの実現に向けた省エネ商材の拡販、省人化・自動化を実現するスマートファクトリーの構築に向けたローカル5Gソリューションなどの提案に注力した結果、売上高は797億42百万円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。
《工業機械部門》
工業機械部門につきましては、EVを中心とした自動車関連産業に加え、第2四半期以降に航空機・防衛関連産業においても設備投資意欲の上昇がみられるとともに、米国や東南アジア諸国の景気は底堅く推移しましたが、中国での景気減速の影響により、国内、海外ともに厳しい販売状況となりました。一方、受注面においては、国内外市場ともに厳しい状況が続きましたが、第4四半期以降、半導体関連産業での大型案件など、ようやく受注環境に改善の兆しがみえてきました。
このような状況の中、セラミックスやガラスなどの脆性材加工に対応した加工環境ソリューション提案やロボット・AIを活用した自動化・省エネ提案に加え、海外においても工場全体のカーボンニュートラルなどモノづくり全般を見据えた提案の強化に努めた結果、売上高は1,183億1百万円(前連結会計年度比0.2%減)となりました。
《住設・管材・空調部門》
住設・管材・空調部門につきましては、戸建ての新設住宅着工戸数が弱含みで推移する中、マンションやリフォーム需要は堅調に推移し、住宅設備機器、管材商品は底堅い動きとなりました。また、エネルギー価格の高騰、カーボンニュートラルへの対応を見据えた需要の増加により省エネ対応の空調機器や再生可能エネルギー分野の機器販売も堅調に推移しました。
このような状況の中、首都圏や主要都市の再開発案件の増加や工場などの省エネ投資需要の高まりを受け、非住宅向けの管材商品・高効率空調機器などの販売が増加しました。また、カーボンニュートラル対応に向けた太陽光パネル・産業用蓄電池などのシステム提案とエンジニアリング機能の強化に努めた結果、売上高は1,976億88百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
《建築・エクステリア部門》
建築・エクステリア部門につきましては、首都圏を中心とした再開発案件やマンション・ホテルに加えて物流施設の建設が増加したことにより、建築金物やフェンスなどを中心としたエクステリア商材が堅調に推移しました。また、自然災害や交通事故などの対策商品を中心に公共設備投資も底堅さがみられました。
このような状況の中、水害対策ソリューションなどのレジリエンス製品やウォーカブルな街づくりに貢献する外構・エクステリア製品のパッケージ提案、歩行者保護対策としての防護柵・耐衝撃性車止め及び建築に係わる製作金物の拡販に注力した結果、売上高は544億4百万円(前連結会計年度比5.4%増)となりました。
《建設機械部門》
建設機械部門につきましては、インフラ整備、防災・減災工事などの公共工事とともに、民間設備投資も堅調に推移しました。一方、資材価格の高騰、建設業の働き方改革、建設技能者不足による工事遅延や建設機械の長納期化などの影響が引き続きみられました。
このような状況の中、建設現場のCO2見える化商品の拡販、建設・農業現場の安全施工のためのソリューション商品や海外輸入商品の販売を強化するとともに、行政機関に対して防災・減災・BCP関連商材の提案を推進しました。また中古建機・農機オークション事業をはじめ、コンテナハウス製造や建設機械の整備・レンタル機能の拡充に努めた結果、売上高は372億86百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりました。
《エネルギー部門》
エネルギー部門につきましては、低燃費車の普及によりガソリン需要が減少する中、政府による燃料油補助金が継続されたことなどにより、国内市況の安定化が図られました。
このような状況の中、東海地方を中心に展開するガソリンスタンド事業では、洗車、車検、コーティングなどの他、レンタカーやカーメンテナンス事業等のサービス強化に努めました。また、京浜地区における船舶用燃料の販売強化に取り組みました結果、売上高は191億64百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。
《その他》
その他部門につきましては、消費財事業では、調理家電や季節家電の新商品開発と拡販に注力しました。また、EC(電子商取引)事業におきましては、消費者ニーズに対応した商品ラインナップの拡充に努めました。木材事業では、輸入材・国産材ともに需要の低迷が長引く中、輸入材を用いた木枠梱包材などの非住宅製品の販売を強化しました。また、国産材においては、新規仕入先の開拓や販売ネットワークの構築に注力するとともに、PB商品開発に取り組みました。
この結果、売上高は199億81百万円(前連結会計年度比15.5%減)となりました。
当社グループは創業360周年を迎える2026年を見据えた「ユアサビジョン360」実現の第3ステージとして、2023年4月から2026年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画「Growing Together 2026」を推進しております。当連結会計年度の経営成績等を踏まえた、具体的な施策等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、中期経営計画に定める定量目標の進捗状況は下記のとおりであります。
| 指標 | 2024年3月期実績 | 2026年3月期(目標) |
| 売上高 | 5,459億15百万円 | 6,000億円 |
| 経常利益 | 157億37百万円 | 200億円 |
| 経常利益率 | 2.9% | 3.3% |
(注)2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しておりますが、上記の売上高は「収益認識に関する会計基準」等を適用しない場合の売上高を記載しております。
③当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金、設備投資等の資金需要に対して、短期借入金及び自己資金を充当することを基本方針としております。
また、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・システムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の充実を図っております。
当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末より103億51百万円減少し、420億44百万円となっており、充分な流動性を確保していると考えております。
なお、将来当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合には借入金の増額も検討いたしますが、財務の健全性を維持しつつ、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することにより、1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。