有価証券報告書-第142期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 13:22
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大にともない、大きな影響を受けました。感染症拡大の防止策が講じられるなか、一部の製造業を中心に経済活動の緩やかな回復がみられたものの、足元では変異株の感染拡大による緊急事態宣言の再発令など景気の先行きに不透明な状況が続き、厳しい状況で推移しました。
工業分野では、半導体や自動車関連などの分野で持ち直しの動きがみられましたが、設備投資意欲は依然として慎重さがみられました。一方、建設・住宅分野では、新設住宅着工戸数が減少するなど弱い動きが継続しましたが、公共設備投資をはじめ住宅リフォームや管材・空調分野は堅調に推移しました。
海外においては、新型コロナウイルス感染症拡大の世界的な影響はあるものの、米国・中国などで景気の回復が進み、アジアにおいても設備投資需要は緩やかな持ち直しに向かいました。
このような状況の中、当社グループは2026年の創業360周年を見据えた長期目標「ユアサビジョン360」実現の第2ステージとして、中期経営計画「Growing Together 2023」をスタートさせました。
「総合力」「チャレンジ」「コミュニケーション」をキーワードにした「成長事業戦略」「コア事業戦略」「経営基盤の強化」を柱に、「業界トップレベルの収益構造を持つ『つなぐ 複合専門商社グループ』への成長を目指して諸施策を実行するとともに、「ESG」「SDGs」に向けた取り組みを強化いたしました。
「成長事業戦略」では、モノづくり分野でのAI実装において豊富な経験を有するconnectome.design株式会社との資本・業務提携により自動化・省人化需要の取り込みを加速させました。また、自社開発した感染症対策除菌液噴霧ロボットや協働運搬ロボットの実証実験を開始するとともに、スマート農業においても自律多機能型ロボットの開発及びサービスの提供を行う株式会社DONKEYを共同出資にて設立し、市場投入に向けた取り組みを始めました。
「コア事業戦略」では、2020年10月に株式会社丸建サービス及び丸建商事株式会社、2020年12月には中川金属株式会社及び永井産業株式会社の4社を連結子会社化し、建設と工業分野における機能強化を図りました。また、当社主催によるニューノーマルな展示会「YUASA Growing フェア」を2020年11月に関東、2021年3月に関西でそれぞれ開催し、リアルとバーチャルを融合させた新たなプロモーション活動を実施し、今後のニューノーマルを見据えたプロモーション形式を提案いたしました。
新型コロナウイルス感染症対策としては、「感染低減ハウス」の開発や、当社ECサイトを活用した感染症対策商品の提案活動などを積極的に行いました。また、Webを活用したマンション管理会社・工事会社・居住者を「つなぐ」業界初となる全工種対応型予約管理システム「ITENE(イテネ)」の提供を開始いたしました。
「経営基盤の強化」として、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を目的に、2021年2月に持分法適用関連会社株式会社シーエーシーナレッジ(現ユアサシステムソリューションズ株式会社 2021年4月1日付で商号変更)を連結子会社化し、グループネットワーク基盤の共有化とデータ活用に向けた取り組みを開始いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12.0%減の4,321億85百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が89億83百万円(前連結会計年度比24.3%減)、経常利益は100億11百万円(前連結会計年度比21.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億30百万円(前連結会計年度比22.6%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は8.1%(前連結会計年度は11.4%)となりました。
セグメント別の売上高の詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて4億16百万円増加し、2,374億87百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が43億43百万円、土地が12億14百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が87億47百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて87億97百万円減少し、1,472億45百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が249億43百万円減少した一方で、電子記録債務が153億89百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて92億13百万円増加し、902億42百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が44億79百万円、その他有価証券評価差額金が18億19百万円それぞれ増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は、37.7%(前連結会計年度末は34.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、419億47百万円となり、前連結会計年度末より12億99百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、59億82百万円(前連結会計年度比69億87百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益104億75百万円及び売上債権の減少額96億63百万円を計上した一方、仕入債務の減少額108億50百万円及び法人税等の支払額を47億39百万円計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、35億9百万円(前連結会計年度比6億65百万円の支出増)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出23億24百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12億16百万円を計上したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、37億13百万円(前連結会計年度比2億3百万円の支出増)となりました。これは主に配当金の支払額24億50百万円及び長期借入金の返済額13億6百万円を計上したことなどによります。
④販売、仕入及び受注の実績
a.販売実績
期間前連結会計年度
自 2019年4月1日
至 2020年3月31日
当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
セグメントの名称金額
(百万円)
前年同期比
(%)
構成比率
(%)
金額
(百万円)
前年同期比
(%)
構成比率
(%)
産業機器70,056△4.114.361,520△12.214.2
工業機械122,426△6.224.982,723△32.419.1
住設・管材・空調162,4196.833.0158,970△2.136.8
建築・エクステリア58,2593.611.956,624△2.813.1
建設機械37,2758.57.636,102△3.18.4
エネルギー20,584△12.24.215,555△24.43.6
その他20,328△14.94.120,6871.84.8
合計491,348△0.5100.0432,185△12.0100.0

(注) 販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
c.受注実績
受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12.0%減の4,321億85百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が89億83百万円(前連結会計年度比24.3%減)、経常利益は100億11百万円(前連結会計年度比21.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億30百万円(前連結会計年度比22.6%減)となりました。自己資本当期純利益率(RОE)は8.1%(前連結会計年度は11.4%)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
《産業機器部門》
産業機器部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により工場稼働率の低下がみられたものの、5G(第5世代移動通信システム)を中心に半導体関連の需要が拡大するとともに、自動車関連産業も年末にかけ生産が持ち直し、切削工具、測定器具、制御機器などの需要が緩やかに回復しました。また、食品関連産業も底堅さを維持し、物流関連機器などの需要が堅調に推移しました。
このような状況の中、当社ECサイト「Growing Navi」によるキャンペーンや物流拠点の統合・拡張による即納体制の強化などロジスティクス機能の向上に努めました。また、工場向けセキュリティ商品など新商品の拡販、コンプレッサや発電機、制御関連機器などの環境・省エネ、安全に配慮した取扱商品の拡充、物流関連機器、ロボット装置、工作機械周辺機器の販売強化に注力いたしました結果、売上高は615億20百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
《工業機械部門》
工業機械部門につきましては、国内では、5Gなどの半導体関連機器向けの機械需要に回復がみられましたが、全般的に設備投資には慎重な動きがみられました。また、堅調に推移していた自動車関連産業でも年明けからの半導体の供給不足による生産遅延が影響し、関連設備の販売が減少しました。海外では、中国、ベトナムの自動車部品の一部で需要回復の兆しはありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から新規設備投資の回復が遅れる中、現地資本企業への営業活動を強化し受注拡大に努めました。
このような状況の中、ロボットシステムをはじめとした省人化・自動化提案、各種補助金を活用した老朽化設備の更新、競争力強化のための高精度加工機、感染症対策設備の販売に注力いたしましたものの、売上高は827億23百万円(前連結会計年度比32.4%減)となりました。
《住設・管材・空調部門》
住設・管材・空調部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により工事の遅延などがみられたものの、企業の設備投資の再開による空調・管材機器の新規需要や、テレワークによる在宅時間の増加を背景に住宅リフォーム市場などが持ち直し、住宅設備機器の更新需要に回復がみられました。また、再生可能エネルギー分野では自家消費向け及びFIT(固定価格買取制度)期間満了後を見据えた蓄電池関連機器の需要は堅調に推移しました。
このような状況の中、バルブ・ポンプなどの非住宅分野の商品や省エネ性能の高い空調機器の販売を強化するとともに、感染症対策商品の拡販にも注力いたしました。また、再生可能エネルギー関連商品においては、蓄電池・パワーコンディショナなどの周辺機器や余剰電力買取スキームを付与した新商材の拡販に取り組むとともに、太陽光発電システム保守点検認証(JET PV O&M認証)を取得し、エンジニアリング機能強化に努めました結果、売上高は1,589億70百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
《建築・エクステリア部門》
建築・エクステリア部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、首都圏を中心に工事の遅延や、再開発事業の見直しにより景観エクステリア商材を中心に新規需要の減少がみられました。一方、国土強靭化基本計画に沿った、自然災害対策や交通事故防止対策などの公共設備投資は底堅く推移しました。また、ライフスタイルの変化により物置や宅配ボックスのニーズが高まり、販売が増加しました。
このような状況の中、冠水センサー付きボラード(車止め)、止水板や転倒リスクのあるコンクリート塀に代わるアルミフェンスなどを共同開発するなど自然災害対策商品、レジリエンス製品の拡販に注力いたしました結果、売上高は566億24百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
《建設機械部門》
建設機械部門につきましては、建設技能者不足などによる工事の遅延や民間設備投資の見直しの影響など一部で需要は低迷したものの、インフラ整備、災害復旧、防災・減災工事など公共工事は堅調に推移し、レンタル会社の建設機械需要や土木系商材の需要も底堅い動きとなりました。
このような状況の中、国土強靭化基本計画に沿った、工事現場の安全対策を重視した取扱商品の拡充や、当社主力のレンタル会社向けの小型建設機械、土木仮設資材などの販売を強化いたしました。また、グループネットワークの拡充による総合力強化に努めるとともに、中古建機オークション事業の販売拡大にも注力いたしました結果、売上高は361億2百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。
《エネルギー部門》
エネルギー部門につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりガソリンなどの石油製品需要や販売価格は低迷したものの、期末にかけ、緩やかな回復基調がみられました。
このような状況の中、東海地方を中心に展開しているガソリンスタンド事業では、タイヤ・車検・コーティングなどのカーケアサービスの強化に加え、サービスステーションや大型洗車機のリニューアルによる販売強化に注力いたしましたものの、売上高は155億55百万円(前連結会計年度比24.4%減)となりました。
《その他》
その他部門につきましては、消費財事業では、在宅時間の増加により生活家電を中心に売上が順調に推移しました。特に、感染症対策への意識の高まりをうけ、加湿器などの売上が増加しました。また、新商品の拡販などECサイト事業の拡大に努めました。木材事業では、生産国における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により輸入量が減少するとともに、米国・中国の需要拡大による価格の上昇や、コンテナ不足による輸送費の高騰・入荷遅れなどにより、厳しい販売状況となりました。
この結果、その他の部門の売上高は206億87百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。
当社グループは創業360周年を迎える2026年を見据えた「ユアサビジョン360」実現の第2ステージとして、2020年4月から2023年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画「Growing Together 2023」をスタートさせました。当連結会計年度の経営成績等を踏まえた、具体的な施策等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、中期経営計画に定める定量目標の進捗状況は下記のとおりであります。
指標2021年3月期2023年3月期(目標)2026年3月期(目標)
売上高4,321億85百万円5,450億円6,000億円
経常利益100億11百万円164億円200億円
経常利益率2.3%3.0%3.3%

(注)2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用いたしますが、上記目標値における売上高は「収益認識に関する会計基準」等を適用しない場合の売上高を記載しております。
③当社グループの資本財源及び資金の流動性
当社グループの資本財源及び資金の流動性については、運転資金、設備投資等の資金需要に対して、短期借入金及び自己資金を充当することを基本方針としております。
また、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・システムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の充実を図っております。
当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末より12億99百万円減少し、419億47百万円となっており、充分な流動性を確保していると考えております。
なお、将来当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合には借入金の増額も検討いたしますが、財務の健全性を維持しつつ、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することにより、1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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