有価証券報告書-第158期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/19 11:57
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の概況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化による地政学上のリスクに加え、インフレ圧力による影響が継続する中、米国では関税コストの価格転嫁やエネルギー価格の上昇が物価を押し上げ、個人消費の重石となる中、雇用環境の悪化も相まって景気減速への懸念が高まりました。一方、東南アジアでは、米国に対する駆け込み輸出の増加などにより景気の持ち直し傾向が継続していたものの、米国通商政策によるマイナスの影響や、中東情勢の緊迫化に伴う原油供給の減少などから、経済全体への悪影響が懸念され、中国では、米国に対する輸出の減少が経済全体に影響を及ぼす中、政府主導の設備投資は拡大を続けるものの、高い若年失業率や長引く不動産市場の低迷などにより景気減速傾向が続きました。
わが国経済は、設備投資が堅調を維持するとともに、インバウンド需要も下支えとなり、緩やかな景気回復が続きました。一方で、原材料費の高止まりや長期的な円安基調の影響も受けた輸入コストの上昇に加えて、人件費や物流コストも増加が続く中、米国通商政策の動向や中東情勢の緊迫化が景気の押し下げ要因となる懸念も高まるなど、依然として不透明な状況が継続しました。
当社グループにおきましては、2027年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」を策定し、本中期経営計画の3年間累計の連結経常利益55億円以上を目標として掲げており、競争力のある事業ポートフォリオの組成により安定した収益を確保するとともに、総資産の効率的運用により自己資本比率をさらに向上させつつ、資本コストを上回る収益性の維持に取組んでおります。なお、電子関連のコンデンサ事業において長年にわたる損失計上を打開する目途が立たないことから、事業継続は困難であるとの判断に至り、2026年4月に事業撤退を決定しました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、すべてのセグメントにおいて増加したことにより、43,267百万円(前連結会計年度比7.7%増)となりました。
利益面では、増収により営業利益は1,645百万円(前連結会計年度比18.8%増)、経常利益は1,725百万円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。また、特別損失にコンデンサ事業撤退に伴う事業整理損などを計上した一方、特別利益に政策保有株式一部縮減による投資有価証券売却益に加え、前年度と同様に不動産売却に伴う固定資産売却益を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,346百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

食品関連
食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、インバウンドの拡大を含め、外食産業をはじめ幅広い業態において食品需要に回復の動きが継続しているものの、物流コストや人手不足対策としての人件費上昇などのコストアップ要因が依然として継続していることで、物価高騰による消費動向への影響が懸念されました。
このような状況の中、当社グループの冷凍食品分野では、強みである品質管理体制を活かした医療老健施設向けなど品質管理要求の高いルートへの販売に引き続き注力するとともに、幅広い業態からの需要を取込むべく生産から物流管理にわたるサプライチェーンの安定化をさらに推進しました。その結果、原料高による消費低迷が継続した冷凍水産加工品の販売量は前年度を下回りましたが、冷凍野菜・冷凍調理品は人手不足に対応した自然解凍品や簡便化商品などが伸長したことにより全体を補完し、総販売量は前年度を上回り、売上は増加しました。利益面でも、年間を通じて為替変動はありましたが、柔軟な価格調整を実施したことで、安定した利益率を維持し利益は増加しました。
農産分野では、円安基調による市場の仕入姿勢の慎重化に加え、主力のカシューナッツをはじめとしたナッツ類の価格上昇基調が継続する中でも、市場ニーズを的確に捉え販売機会の獲得を増やしたことで、売上・利益ともに大幅に増加しました。
その結果、食品関連の売上高は34,870百万円(前連結会計年度比8.9%増)、セグメント利益は2,148百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。
物資関連
輸出事業を取り巻く環境は、引き続き円安基調が価格競争力を下支えした一方で、米国通商政策や中国経済の減速傾向が影響し、総じて足踏み状態が続きました。輸出数量は業種・地域によりばらつきが見られ、中東情勢緊迫化の影響もあり、自動車関連を中心に不透明感が強まりました。
このような状況の中、当社グループの機械機器・金属製品分野では、建設機械の取扱いは増加したものの、北米向けハードウエアや試験機器の取扱いが減少したことで、売上・利益ともに減少しました。
海外防災関連分野では、新規現地調査案件を開始したことにより、売上・利益ともに大幅に増加しました。
国内における住宅建設関連においては、集合住宅の着工件数が減少している中、当社グループの建築金物・資材分野では近畿圏での販売が減少し、売上・利益ともに減少しました。
生活用品分野でも、オーラルケア商品の販売は伸長しましたが、その他の商品が低調に推移し、売上・利益ともに減少しました。
その結果、物資関連の売上高は3,894百万円(前連結会計年度比2.2%増)、セグメント利益は461百万円(前連結会計年度比5.4%増)となりました。
電子関連
電子部品業界は、AI用途をはじめとする高付加価値領域での回復基調が続き、また全体としても在庫調整が概ね一巡し需要と供給のバランスが回復傾向にあるものの、米国通商政策や中国経済の減速傾向を背景に産業分野や車載分野では依然として軟調な動きが継続し、民生分野でも需要の回復は緩やかなものにとどまりました。
このような状況の中、当社グループのセンサ機器分野では、湿度センサが民生・車載用途で減少したものの、民生用途のホコリセンサ、産業用途の粒子計測機器ともに堅調に推移したことで売上・利益ともに増加しました。
計測・試験機器分野では、輸送や梱包に係る各種試験機の販売が増加し、注力している吸収分光式水分計測機器の販売も順調に推移しました。
コンデンサ分野では、照明用途や産業機器用途が堅調に推移し、低調であった前年度と比べると売上は増加しましたが、利益面では依然として厳しい状況が続きました。
その結果、電子関連の売上高は3,892百万円(前連結会計年度比3.5%増)、セグメント利益は306百万円(前連結会計年度比26.0%増)となりました。
事業開発関連
社会課題の解決やサステナブルな社会の実現を目指した新規事業や新たなビジネスモデルの開発について、専任の部署が鋭意調査・研究を推進するとともに、将来性が見込まれる事業の発展に取組んでおります。
育成事業としてのアパレル通販分野では、テレビショッピング向けに取扱う複数のブランドのデザインや品質が消費者から広く支持され、売上は堅調に推移しました。一方で、在庫の適正化を図るため値下げ販売を実施したことにより利益率が低下し、経費も増加したことで利益は減少しました。
同じく育成中の食品輸出分野では、新たな地域への展開を進める一方で、主力である香港の食品市場において需要の回復が鈍化している中、販売競争は激化しており、香港向けの菓子類などの輸出が減少しました。
その結果、事業開発関連の売上高は609百万円(前連結会計年度比7.2%増)、セグメント利益は56百万円の損失(前連結会計年度は5百万円の損失)となりました。
※ セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に 基づいております。
② 財政状態の概況
当連結会計年度末の資産は29,434百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,871百万円の増加となりました。これは投資有価証券が売却はあったものの時価の上昇に伴い1,374百万円、棚卸資産が362百万円増加したことなどによるものであります。
また、負債は18,575百万円であり、前連結会計年度末に比べて202百万円の減少となりました。これは繰延税金負債が705百万円、事業整理損失引当金が166百万円、未払法人税等が153百万円増加した一方で、長短借入金が1,327百万円減少したことなどによるものであります。
純資産は10,859百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,074百万円の増加となりました。これは利益剰余金が配当金の支払いはあったものの親会社株主に帰属する当期純利益の計上により994百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額が1,061百万円増加したことなどによるものであります。
③ キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,223百万円の収入(前連結会計年度比561百万円の収入増)となりました。これは、棚卸資産の増加377百万円および法人税等の支払額303百万円に加え、投資有価証券売却益519百万円などによる減少もあった一方で、税金等調整前当期純利益2,079百万円および減価償却費296百万円などにより増加したことによるものであります。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、681百万円の収入(前連結会計年度比687百万円の収入増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出130百万円などにより減少した一方で、投資有価証券の売却による収入684百万円および有形固定資産の売却による収入193百万円により増加したことによるものであります。
一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,727百万円の支出(前連結会計年度比716百万円の支出増)となりました。これは、長短借入金の純減額1,327百万円および配当金の支払額351百万円などにより減少したことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は171百万円増加(前連結会計年度は313百万円の減少)し1,318百万円となりました。
④ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前連結会計年度比
(%)
電子関連3,511100.3
合計3,511100.3

(注) 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比
(%)
受注残高(百万円)前連結会計年度比
(%)
電子関連3,50099.2563105.1
合計3,50099.2563105.1

c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比
(%)
食品関連34,870108.9
物資関連3,894102.2
電子関連3,892103.5
事業開発関連609107.2
合計43,267107.7

(注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
2 セグメント間の内部売上高は控除しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりでありますが、当連結会計年度におきましては、売上高は食品関連では冷凍食品分野で冷凍野菜・冷凍調理品が好調で販売量が伸長し、農産分野も好調に推移したことに加え、物資関連で海外防災関連分野の新たな現地調査案件が開始したことや、電子関連のセンサ機器分野と計測・試験機器分野が堅調に推移したことなどで増収となり、利益面も増収に伴う売上総利益の増加により販売費・人件費が増加したものの増益となりました。当社グループでは、2027年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」における目標である3年間累計の連結経常利益55億円以上について、引き続き本目標の変更は行わず、本中期経営計画の最終年度となる2027年3月期を目標数値に最大限迫ることを目指す1年間と位置付けたうえで、引き続き競争力のある事業ポートフォリオの組成により安定した収益を確保してまいります。
財政状態につきましては、主に食品関連において、棚卸資産が今後の売上拡大に向けた積み増しや仕入コスト上昇により増加したことなどで、総資産は増加しました。この要因による運転資金の増加に伴う資金需要はありましたが、利益計上に加え投資有価証券や固定資産の売却などにより有利子負債を大幅に圧縮したことで負債は減少しました。一方、純資産は利益計上に加え、その他有価証券評価差額金などの増加により大幅に増加したことで、連結自己資本比率は前連結会計年度から5.0ポイント上昇し36.9%となりました。引き続き安定した収益確保や総資産の効率的運用により自己資本比率をさらに向上させつつ、資本コストを上回る収益性を維持してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。資本の財源および資金の流動性につきましては、主に食品関連における運転資金の増加に伴う資金需要はあったものの、利益計上に加え、投資有価証券や固定資産の売却を行ったことなどにより、有利子負債の削減を進めました。次連結会計年度においては、例年実施している更新等に係る設備投資は減価償却費の範囲内で行うことを原則としつつ、今後の収益拡大に向けた設備投資は行うものの、全体としては利益計上などによるフリーキャッシュ・フローの確保および有利子負債の削減に取組んでまいります。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、当社グループとして重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、回収可能性があると判断した将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。また回収可能性については、次期経営計画に基づき将来の課税所得を見積もっております。
なお、当連結会計年度の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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