有価証券報告書-第82期(2025/04/01-2026/03/31)
② 戦略
気候変動や生物多様性を含む環境課題への対応は、当社グループの企業価値創出において、中長期にわたり多様な影響を与える可能性のある重要な経営課題です。このため、不確実な状況変化に対応できる戦略と柔軟性を持つことが必要であることから、「環境長期ビジョン2050」「Vision2030」を策定し、環境経営の強化に継続的に取り組んでおります。
「経営方針(2024-2026)」では、ゼロエミッション社会の実現をはじめ、地域経済の活性化やサプライチェーン改革など、環境および社会の双方に資する価値創出を目指しております。コア事業戦略においては、DXによる業務効率化等の直接的な機能提供に加え、エネルギー効率化や資源の有効活用を通じた環境負荷低減の効果も期待されています。また、成長事業戦略においては、環境課題の解決に向けた新たなサービスの開発、各種業務提携、官民連携による実証への参加を継続的に推進しております。これらの活動が評価され、2025年度には、国際的な環境情報開示を推進する非営利団体CDPが実施する気候変動調査において、最高評価である「Aリスト」企業に選定されております。
このような状況のもと、2021年度より環境貢献委員会の活動の一環として全社横断型のプロジェクトを立ち上げ、気候関連シナリオ分析によるビジネス機会とリスクの抽出およびインパクト評価を継続して実施しております。
なお、2025年度のシナリオ分析の概要及びインパクト評価において特定した気候関連リスクと機会は次の通りです。
シナリオ分析の実施要件
表1(気候関連リスク)
※単年度の財務インパクトを試算。区分:大:10億円以上、中:1億円以上、小:1億円未満
表2(気候関連機会)
※財務影響額(営業利益)大:10億円以上、中:1億円以上10億円未満、小:1億円未満、-:金額未定
気候変動や生物多様性を含む環境課題への対応は、当社グループの企業価値創出において、中長期にわたり多様な影響を与える可能性のある重要な経営課題です。このため、不確実な状況変化に対応できる戦略と柔軟性を持つことが必要であることから、「環境長期ビジョン2050」「Vision2030」を策定し、環境経営の強化に継続的に取り組んでおります。
「経営方針(2024-2026)」では、ゼロエミッション社会の実現をはじめ、地域経済の活性化やサプライチェーン改革など、環境および社会の双方に資する価値創出を目指しております。コア事業戦略においては、DXによる業務効率化等の直接的な機能提供に加え、エネルギー効率化や資源の有効活用を通じた環境負荷低減の効果も期待されています。また、成長事業戦略においては、環境課題の解決に向けた新たなサービスの開発、各種業務提携、官民連携による実証への参加を継続的に推進しております。これらの活動が評価され、2025年度には、国際的な環境情報開示を推進する非営利団体CDPが実施する気候変動調査において、最高評価である「Aリスト」企業に選定されております。
このような状況のもと、2021年度より環境貢献委員会の活動の一環として全社横断型のプロジェクトを立ち上げ、気候関連シナリオ分析によるビジネス機会とリスクの抽出およびインパクト評価を継続して実施しております。
なお、2025年度のシナリオ分析の概要及びインパクト評価において特定した気候関連リスクと機会は次の通りです。
シナリオ分析の実施要件
| 目的 | 気候変動が将来の環境、社会、経済にもたらす変化と当社グループのビジネスモデルや事業活動への影響を把握し、関連リスクの低減とビジネス機会の最大化を図ることで、中長期的な企業価値の向上を目指す。 |
| 範囲 | BIPROGY株式会社、および連結対象31社 |
| 時間軸 | 短期:1~3年 中期:4~10年 長期:10年超 |
| 使用シナリオ | ① 1.5℃シナリオ(1.5℃~2℃未満シナリオを使用) IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)を使用し、2℃未満シナリオIEA Sustainable Development Scenario(SDS)等の近似のシナリオで補完 ② 4℃シナリオ(3℃~4℃シナリオを使用) 4℃シナリオIPCC RCP8.5およびIEA Stated Policies Scenario(STEPS)を使用 |
表1(気候関連リスク)
| リスク の種類 | 潜在的財務影響 | 主な要因 | 想定財務インパクト (上段:1.5℃、下段:4℃) | リスク低減に向けた対応 と主な施策 | ||
| 中期 (2030年) | 長期 (2050年) | |||||
| 移行リスク | 政策/規制リスク | 費用(直接費または間接費)の増加 | 将来的な炭素税率の上昇に伴うGHG排出に対する直接的な操業費用の増加 | 中 | 小 | ■低炭素事業活動 ・バリューチェーンにおけるGHG排出量の削減 ・再生可能エネルギーへの転換と調達手段の多様化の推進 ・バリューチェーンエンゲージメントの推進 |
| 小 | 小 | |||||
| エネルギー政策等による電源構成の変化や電力・燃料価格の変動による全社操業費用の増加 | 小 | 小 | ||||
| 小 | 小 | |||||
| 再生可能エネルギー調達量の増加に伴う調達費用の増加 | 小 | 小 | ||||
| 小 | 小 | |||||
| 電動車(EV)への転換に伴う設備投資費用の増加 | 小 | 小 | ||||
| 小 | 小 | |||||
| 技術リスク | 進化する低炭素技術への対応の遅れによる技術力、サービス開発力の低下 | 進化する低炭素技術への対応の遅れによる技術力、サービス開発力の低下 | 小 | 小 | ■社会の低炭素化に資する技術開発 ・開発投資 ・人財育成 ・各種実証事業参画 | |
| 小 | 小 | |||||
| 市場リスク | 製品およびサービスの需要低下に伴う売上減少による収益性の低下 | 顧客行動の変化に伴う市場環境の変化を、自社の事業戦略に適切に反映できない場合の競争力低下 | 中 | 中 | ■顧客ニーズの変化に対応したサービスの提供 ・気候変動緩和や適応に資する環境貢献型サービスの提供 ・環境貢献に資する業務提携の推進 ・顧客エンゲージメントの推進 | |
| 小 | 小 | |||||
| 評判リスク | 資本へのアクセス減少に伴う資本コストの増加 | 低炭素経済への移行に伴う資本市場環境の変化や情報開示要請への対応の遅れによる企業評価の低下 | 中 | 中 | ■信頼される気候関連情報の開示 ・TCFD、TNFD提言への取り組み ・開示情報の質と量の充実 ・投資家との建設的対話の推進 | |
| 小 | 小 | |||||
| リスク の種類 | 潜在的財務影響 | 主な要因 | 想定財務インパクト (上段:1.5℃、下段:4℃) | リスク低減に向けた対応 と主な施策 | ||
| 中期 (2030年) | 長期 (2050年) | |||||
| 物理的リスク | 急性リスク | 生産能力低下に伴う減収、費用(直接費または間接費)の増加 | 激甚風水災による自社拠点の設備被災及び操業停止に伴う売上の喪失と復旧費用の発生 | 小 | 小 | ■事業レジリエンス向上に資する施策の推進 ・事業継続計画(BCP)の強化および継続的な見直し・改善 ・テレワークを含む、多様な働き方の整備と継続的な見直し・改善 |
| 小 | 小 | |||||
| 激甚風水災によるオフショア開発拠点の被災による作業見直しや追加費用の発生 | 中 | 中 | ||||
| 中 | 中 | |||||
| サプライチェーンの寸断による作業見直しや代替要員調達の追加費用の発生 | 中 | 中 | ||||
| 中 | 中 | |||||
| 慢性リスク | 生産能力低下に伴う減収、費用(直接費または間接費)の増加 | 気候変動影響による従業員の疾病増加 | 中 | 中 | ■気候変動適応に資する施策の推進 ・健康経営の推進 ・テレワークを含む、多様な働き方の整備と継続的な見直し・改善 ・データセンター選定を含むグリーン調達の更なる推進 | |
| 中 | 中 | |||||
| 気温上昇に伴う冷却需要の増加による空調費用の増加 | 小 | 小 | ||||
| 小 | 小 | |||||
※単年度の財務インパクトを試算。区分:大:10億円以上、中:1億円以上、小:1億円未満
表2(気候関連機会)
| 機会 分類 | 注力領域 | 機会の要素 | 主要な気候関連機会 | シナリオ | 財務影響額 | ||
| 中期 | 長期 | ||||||
| (2030年) | (2050年) | ||||||
| 市 場 機 会 | 製 品 ・ サ | ビ ス | エネルギー | エネルギー効率・省エネ関連技術の進歩 | ●エネルギー効率の最適化、エネルギーリソースの監視・制御・最適化に関するサービス提供などによる収益増加 | 1.5℃ | 中 | 大 |
| 炭素賦課金の導入 | ●環境価値証書活用、炭素会計および脱炭素エネルギートレーサビリティの連動に関するサービス提供などによる収益増加 | 4℃ | |||||
| モビリティ | 企業における気候変動への対応強化 | ●より高度な輸送計画、運行・設備管理、生産最適化関連システムの提供などによる収益増加 | 1.5℃ | 中 | - | ||
| ●環境貢献度の可視化に関するサービス提供などによる収益増加 | 1.5℃ | ||||||
| 生活者における気候変動への関心向上 | ●乗り物がインフラや生活とシームレスに繋がるサービスの提供などによる収益増加 | 1.5℃ | |||||
| 気象パターンの変化 | ●遠隔監視、画像解析などのソリューション提供などによる収益増加 | 4℃ | |||||
| ファイナンシャル | 製品とサービス | ●金融機関におけるシステムの共同利用の需要が更に高まることなどによるビジネスの収益増加 | 1.5℃ | 大 | - | ||
| 事業活動の多角化の可能性 | ●金融機関店舗の統廃合が進み、非対面チャネルの重要度が高まることなどによるビジネスの収益増加 | 1.5℃ | |||||
| ●サステナブルファイナンスやそれに付随したコンサルティングサービスの支援などによる売上増 | 1.5℃ | ||||||
| 機会 分類 | 注力領域 | 機会の要素 | 主要な気候関連機会 | シナリオ | 財務影響額 | ||
| 中期 | 長期 | ||||||
| (2030年) | (2050年) | ||||||
| 市 場 機 会 | 製 品 ・ サ | ビ ス | リテール | 製品とサービス | ●消費者が望む購買チャネル、柔軟な受け取り方法が求められ、OMOプラットフォームサービスなどの収益増 | 1.5℃ | 中 | 大 |
| 消費者の嗜好の変化 | ●実店舗からオンラインへのシフト促進、ECサイトでのビジネス機会の拡大 | 4℃ | |||||
| OTインフラ | 製品とサービス | ●生産設備の過熱・故障増加に伴う状態監視システムの導入、温度管理・冷却設備の増強などによる収益増 | 1.5℃ | 大 | - | ||
| ●調達先多様化・物流マルチパス化、サプライチェーンのリアルタイム監視と変更オペレーションシステムの開発導入が加速することなどによる収益増 | 1.5℃ | ||||||
| 成長事業 | 製品とサービス | ●災害予測・緊急対応AIシステムのニーズ拡大 | 4℃ | 中 | 大 | ||
| 事業活動の多角化の可能性他 | ●GHG算定結果に対する認証・証跡へのニーズの高まり、ESG管理ソリューションの活用や派生するIT利用シーンの拡大などによるビジネスの収益増加 | 1.5℃ | |||||
| 製品とサービス | ●ERP製品へのCO2、電力使用量等のモニタリング機能のアドオンによるビジネス拡大などによる収益増加 | 1.5℃ | |||||
※財務影響額(営業利益)大:10億円以上、中:1億円以上10億円未満、小:1億円未満、-:金額未定