有価証券報告書-第75期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 10:17
【資料】
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【項目】
157項目

研究開発活動

当社グループは、「顧客・パートナーと共に社会を豊かにする価値を提供し、社会課題を解決する企業」として、業種・業態の垣根を越え、さまざまな企業をつなぐビジネスエコシステムを創る中核となり、デジタルトランスフォーメーションを実現するプラットフォームの提供企業となること目指した中期経営計画「Foresight in sight® 2020」の初年度として、4つの注力領域を定め研究開発活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,958百万円であり、主な研究開発の内容は次のとおりです。なお、これらの成果は、各セグメントに共通することから、研究開発費のセグメント別の配賦は行っておりません。
(1)主なサービス・商品等の開発
①当連結会計年度に開発が完了し、商品リリース、サービス開始した開発案件
・地域金融機関向けに法人顧客コンシェルジュサービス「CoreBAETM(コアベイ)」を提供開始。「CoreBAE」は、地域金融機関が保有する取引データ・財務データを、AIを活用して分析し、新規優良顧客への有効なアプローチや取引先の本業支援に役立つ情報を提供するサービス。
・当社が運営する個人向け資産管理支援サービス「Fortune Pocket®」のアプリを刷新し提供を開始。操作性や機能、デザインなどの全面刷新により、「バランスシート」による資産状況の管理・更新・登録が直感的により簡単にできるようになった。また、「ライフプラン」の機能を追加し、将来のお金の計画を現在の資産状況と連携させて見通すことが可能となった。
・製薬業界でトップシェアとなっている医薬品承認情報管理ソリューション「OpenApproval® (オープンアプルーバル)」の知財を活用し、クラウドサービス「OpenTrusty®(オープントラスティ)承認情報履歴管理サービス」を開発、サービスの提供を開始。既に提供中の「OpenTrusty 申請書作成支援サービス」と併用すれば申請書の作成から管理までクラウド上でシームレスに対応可能となる。
②次年度以降の商品リリース、サービス開始に向けた開発案件
・信用金庫向け勘定系システムとして、業務アプリケーション/基盤/運用・ファシリティ環境の各サービスカテゴリに対して仕様を共通化した利用型サービスの開発に着手。
・社会課題のひとつである労働力不足に対し、サービスロボットを活用し従業員の業務を支援する取り組みを進めており、スーパーマーケットを中心としたリテール店舗において、人手により行われている棚チェック業務を代替する自律移動型業務代替AIロボットの共同研究開発を実施中。
(2)基盤となる技術や先端技術等の研究・開発
①当連結会計年度に研究開発が完了した案件
該当事項はありません。
②次年度以降も研究開発を継続する案件
・サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステム(CPS:Cyber-Physical System)の実現によって形成される未来社会に向けて、次世代の「安全」「判断」「生き方」を視点とする新技術の調査・研究。
・日常の当たり前を認識する能力(コモンセンスAI)、機械学習と言語学に基づく複合的な自然言語処理、発想や意思決定をサポートする技術の研究開発。
・仮想と現実の融合に関して、空間の認識および空間に情報を表現するための画像処理・画像認識を含むセンシング技術、直感的かつシンプルなインタフェース技術の研究開発。
・当社が培ってきたCAD・CG技術を発展させた、設計データと二次元画像・三次元点群データを利用した物体認識技術。
・想定困難な事故が発生するリスクの高まりを見据え、信頼性・安全性を検証するための多面的な特性である“トラストワージネス(Trustworthiness)”に着目した、新たな安全性分析手法の研究開発。
・データが不完全な(矛盾、曖昧さ、欠損を含む)場合であっても不合理な判断を引き起こさずに、適切な帰結を得ることができる新たな推論システムの研究開発。
・人の“思考”“動作”“心理”“身体”に基づいた、自らの可能性を知りより良い選択ができるための技術の研究開発。
・その他、量子コンピューターの本格的なビジネス利用に備えた、量子ソフトウェア開発における高水準プログラム言語とそれを用いた開発方法論やツールについての調査・研究。