訂正有価証券報告書-第103期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/07/03 16:59
【資料】
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【項目】
129項目

対処すべき課題

(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「核心的価値観(コアバリュー)」、「理念(フィロソフィ―)」、「存在意義(パーパス)」および「将来像(ビジョン)」から成る「東京貿易グループの経営軸」を据えて事業活動に取り組んでおります。具体的には、核心的価値観である全員経営の精神を拠り所にして、自由闊達な文化の下、全グループ社員がそれぞれの立場で経営に参画し、常に持続的な社会の発展に貢献し、お客様の成功に寄与し、社会から必要な存在と認められ、お客様から感謝されるグループになる、そんなグループで働く社員が幸せと誇りを感じられるグループになることを理念としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経営戦略の遂行にあたり、グループ資産の効率的活用と株主資本に対する収益性を重視し、それぞれROAとROEを重要な経営指標として掲げ、グループ経営を効率的に推進し、企業価値の最大化を目指してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
グループ経営体制下においては、現状の収益基盤を支える基盤事業に関しては、付加価値・競争力を高めて商権の堅持・拡大を進めるなどの深掘りを行っています。
また、新たな事業分野の探索・育成に向けて、引き続きM&A等も検討しつつ、事業拡大に向けた戦略投資、新規事業開発への取り組みを強化してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
第六次中期経営計画の二年目となる当連結会計年度においては、既存事業をベースに売上高・経常利益は前期比で増収増益となりましたが、引き続き「既存事業の深掘り」と新たな事業の柱となる「新規事業への取り組み」が重要な課題となっております。
エネルギー機械産業グループでは、主力のローディングアーム事業において、拡大する海外市場での事業拡大を目指し、技術・品質・価格における競争力強化、海外人材の育成・獲得などを推進しております。また、世界のエネルギー産業においては脱炭素社会の実現に向けたエネルギートランジションが進展していることから、顧客や社会のニーズを先取りし、トランジション期間を支えるインフラ設備に資する製品開発およびソリューションの提供に一層注力してまいります。
技術・自動車・情報産業グループでは、主要顧客の製造業においてデジタル技術を組み合わせたスマートマニュファクチャリングの実現が進んでおります。また、新市場と捉えている建設業界においてもICT活用による生産性向上が課題となっております。このようなデジタル技術による大変革が生じている中、今まで培ってきた測定デジタル技術と現場力をコアに、デジタルシステムインテグレータとしてのビジネスモデルを構築し、顧客のデジタル化を推進させるソリューションの提供(モノからコトへ)を目指しております。また、IoT関連ビジネスの新規事業開発にも注力してまいります。
医療・生活・科学産業グループでは、セキュリティ関連事業において、多様化する安全・安心のニーズに応えるため、ソリューション提案から施工・メンテナンスまでのトータルサービスを更に強化し、競争力を高めてまいります。また、より高い付加価値を顧客に提供するため、差別化したカメラ製品を拡充し、映像データやインカムによる音声データとAI画像解析システムであるTAS(TB-eye AI Solution)を活用した映像AIソリューションビジネスを積極的に展開してまいります。加えて、新たな収益基盤の確立を目指し、新規事業への取り組みにも引き続き注力してまいります。
資材・資源・鉄鋼産業グループでは、主力の耐火煉瓦事業において、サプライヤーが中国に集中しております。このため、昨今の台湾情勢等に鑑み不測の事態に備え、商品調達方法の多様化を含め様々なアングルから対応策を検討しております。また、新規取り組みとしてデジタル技術を駆使した耐火物の残厚測定を展開しておりますが、その技術の深掘りと横展開によって、お客様の課題に対するソリューションの提案を行うことで、製造現場のDX推進に貢献しております。鉄鋼事業に関しては、現状のトレーディングだけでは大きな成長を図ることが難しいため、M&Aや事業提携も検討しつつ、海外において鉄鋼製品の加工から供給までを担うといった事業化を構想してまいります。
全社(共通)グループでは、引き続きCVCの運用を通じて、グループ既存事業とのシナジー効果の発揮と新規事業の創出を目指してまいります。また当社内においても、新たに新規事業プロジェクトメンバーを配置し、既存事業にとらわれない新規事業の開発に取り組んでおります。加えて、経営戦略機能やDXなど当社のホールディングス機能の強化を図り、M&Aやアライアンスの積極的な活用も含めた、既存事業の拡大、隣接分野や成長分野への進出などグループ全体の成長を目指してまいります。
当社グループは、「全員経営の精神」を核心的価値観(コアバリュー)として掲げ、グループ各社が自立した企業活動を行いながら、グループ全体の存在感と競争力を相乗的に高めることにより、新しい価値を世の中に提供し続けるグループを目指してまいります。