有価証券報告書-第60期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/17 13:18
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【項目】
92項目

有報資料

(1)経営の基本方針
当社は1961年の創業以来、「社会とくらしのパートナー」として全国各地の地域に根ざし、石油製品、LPガス、電力、車を中心とした生活に欠かせないエネルギーやサービスをお届けしてまいりました。
社会やくらしの変化のスピードは速く、様々な分野において新しい時代へと動き始めています。こうした中、当社グループでは、過去の実績や成功体験に捉われることなく、劇的な変化にも柔軟に対応できる企業力を備えるため、「Moving!」をキーワードとした成長戦略を策定し、目標の実現に向けた取り組みを進めております。
当社グループが目指すのは、経営基盤の強化、事業領域の拡大、組織基盤の進化、人材戦略など様々な取り組みを、社会やくらしが求める新しい価値創造につなげ、お客様と共に生き、「なくてはならない存在」として広く社会に貢献していくことです。長年にわたり卸売事業を主軸として活動してきた当社グループは、今後、当社が関わるあらゆる事業の視点を最終消費者である地域生活者の方々へとシフトし、販売店やお取引先様と共にお客様のニーズに応える、生活者志向のエネルギー商社として歩んでまいります。
(2)経営環境及び中期経営計画の進捗と定量計画の修正
当社グループを取り巻く国内エネルギー業界におきましては、石油元売の統合、電力・ガスの小売全面自由化による異業種からの参入、業界の垣根を超えた連携、気候変動への世界的な環境意識の高まり等、取り巻く状況は大きく変化しております。また、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による、経済活動の停滞や投資減速、外出自粛が継続することによる個人消費の低迷等、先行きの不透明感は急速に増しております。
① 中期経営計画の概要
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1.計画名称:
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2.期間 :2カ年(2019年度~2020年度)
3.基本方針:~パイプを太く 新たな道具で 海の向こうへ~
『成長戦略の推進』
(ⅰ)収益基盤の維持・深化:グループシナジーの創出、顧客基盤の更なる活用
(ⅱ)海外・周辺分野の開拓:海外事業への積極投資と周辺事業のM&A
(ⅲ)新規事業の創出:環境関連ビジネス等の推進
『組織基盤の進化』
(ⅰ)グループ経営の強化:連結経営管理の高度化と実効性のあるガバナンス体制の構築
(ⅱ)成長を支える人材戦略:ダイバーシティの推進及びグローバル人材の育成
(ⅲ)イノベーションの推進:既存事業の効率化追求とデジタル技術活用
② 中期経営計画の進捗(具体的な取組)
1.「パイプを太く」 収益基盤の維持・深化
(ⅰ)横浜市新市庁舎への熱供給を開始
2020年2月、横浜市の新市庁舎完成と共に、当社子会社の東京都市サービス㈱は熱供給事業者として冷温水・電力の供給を開始しました。新市庁舎は、コージェネレーションの導入や未利用エネルギーの活用により「環境に最大限配慮した低炭素型の市庁舎」として注目されています。本事業は東京都市サービス㈱による19カ所目の新規熱供給地区として、当社グループの新たな収益基盤の一つとなりました。
(ⅱ)日産自動車と電気販売の協業を開始
当社と当社子会社の㈱エネクスライフサービスは、2019年6月、日産自動車㈱と電気販売について協業することを決定しました。当社子会社の日産大阪販売㈱では、2017年度より既に顧客向けに電気販売を開始しており、着実に実績を積み上げています。今後は、他の日産販売会社にも同様の事業を展開し、販売自動車とのコラボレーションメニューの提案も検討していく予定です。
2.「新たな道具で」 新規事業の創出
(ⅰ)GTL(※)燃料拡販に注力
アドブルーやリサイクルビーズなどこれまで当社グループで取り扱ってきた環境に優しい商材に加え、2019年度より、新たにGTL燃料(天然ガス由来のクリーンな軽油代替燃料)の販売を推進しています。GTL燃料は2019年10月に国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)に燃料として初めて登録されました。また自家消費用の燃料として初めて市(横浜市新市庁舎)にも採用されています。今後も更なる販売拡大を目指していきます。
(※)GTLとは、Gas To Liquidの略称。天然ガス由来の製品で、環境負荷の少ない、クリーンな軽油代替燃料。
(ⅱ)「伊藤忠エネクスアクセラレーター2019」プログラムを開始
新たなビジネス創出を目的に、当社は2019年8月、スタートアップコミュニティを運営するCreww㈱と、「伊藤忠エネクスアクセラレーター2019」の取組みを開始しました。様々な分野のスタートアップ企業54社からエントリーいただき、選考を重ね5社が実証実験に進んでいます。石油製品、ガス、電力販売等、既存の事業を通して培ってきた当社の強みを生かし、イノベーションの創出にチャレンジしています。
3.「海の向こうへ」 海外・周辺分野の開拓
(ⅰ)バンコクに駐在員事務所を開設
当社は、2019年12月にタイ及びその近隣諸国における太陽光発電、LPガス事業の情報収集・市場調査などを目的として、タイのバンコクに駐在員事務所を開設しました。更に2020年4月「ITCENEX Southeast Asia」、「ITC ENEX(Thailand)」の2社を設立しました。これまで当社グループが国内において培ってきた事業ノウハウを生かし、コスト面だけでなく、環境面や災害対策面での付加価値を提供していくことにより、今後も成長が見込まれる東南アジア各国での事業拡大を目指していきます。
(ⅱ)リライアンスエナジー沖縄が1号案件のESPサービスを開始
当社グループ会社の㈱リライアンスエナジー沖縄(※1)は、2019年6月に採用1号案件である「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」向けにエネルギーサービスプロバイダ(※2)としてのサービスを開始しました。このほか、大学や総合病院における採用も決まり、工事が進んでいます。今後もホテルや大型商業施設の開発が進む沖縄で、更なる事業拡大を目指していきます。
(※1)東京都市サービス㈱、沖縄電力㈱、大阪ガス㈱の合弁会社
(※2)エネルギーサービスプロバイダとはエネルギー供給設備の設計・調達・施工から運用・管理・メンテナンスまで一貫して担い、エネルギー利用の最適化を行うことです。
4.組織基盤の進化
(ⅰ)ダイバーシティの推進
2019年4月、当社グループのダイバーシティ推進を目的として「ダイバーシティ推進室」を設置しました。全国の社員に現状の問題点や現場の声をヒアリングしたうえで、諸制度の改定や環境整備を検討しています。また、当社としての取組みを整理し「ダイバーシティページ」としてホームページで公開しています。「最も大切な財産は“人”である」という創業当時からの考えに基づき、これまで以上に誰もが活躍できる会社を目指してまいります。
(ⅱ)グローバル人材の育成
当社は、2018年4月より新「海外就労研修制度」を開始しています。この取組みは若手社員を中心に、既存の事業領域に関わらず、語学力、異文化への対応力、地域文化・商慣習・市場・法律などを調査分析する力を養う目的で実施しています。2020年3月末には、2年間の就労を終えた研修生が帰国し、今後様々な分野において新たな視点で業務に取り組むこととなります。引き続き、中長期的な視点でグローバルな経営管理人材を育成することを目指します。
③ 中期経営計画の定量計画の修正
新型コロナウイルス感染症の影響による、需要の減少等を考慮し、以下のとおり、2020年5月15日に修正をしております。
2021年3月期当初計画2021年3月期修正後計画修正差異
当期純利益125億円110億円△15億円
ROE9.0%以上--
連結配当性向40%以上40%以上変更なし
実質営業キャッシュ・フロー200億円以上200億円以上変更なし
2年間累計投資額600億円430億円△170億円

当社業績に与える影響としましては、経済活動の低迷による産業向け燃料の需要減少及び外出自粛等によるガソリン需要の減少や自動車販売の減少により収益が減少することが見込まれるため、それらを修正後計画に反映しております。このような状況下においても、家庭向け燃料や電力販売及び物流向け燃料販売等においては堅調に推移することが見込まれるため、安定的な収益を確保してまいります。
セグメント別の当社株主に帰属する当期純利益及び増減要因は以下のとおりです。なお、以下のセグメント別の計画につきましては、2020年4月1日時点の組織にて組替しているため、公表数値から変更しております。
(単位:億円)
2021年3月期
当初計画
2021年3月期
修正後計画
当初計画比増減要因
ホームライフ事業3026△4家庭用LPガスは影響少ないものの、施設稼働自粛により産業・工業用の減少を想定。
カーライフ事業3628△8車販売の影響大。石油事業については、ガソリン需要が減少するも、物流用の軽油販売が堅調に推移し、影響は軽微と想定。
産業ビジネス事業24240産業向け燃料の需要減少が想定されるも、環境商材の販売増加により影響は軽微と想定。
電力・ユーティリティ事業3835△3電力販売の新規獲得遅延等による影響を想定。
その他△3△3△1-

詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載しております。
上記計画に記載されている数値は、当社が現在入手している情報及び、合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により計画数値と大きく異なる可能性があります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① ホームライフ事業
LPガス販売事業においては、お客さまとの関係を太く強固にしていくために、お客様目線でのサービスや商品を提供していく「ファーストワンマイルを極める」という考えを基本として、以前より進めてきた顧客ベネフィット施策の拡充に注力し、更なる顧客基盤の拡大を推進していきます。
また2019年7月に再編を行った産業ガス分野においては、上流から下流における商流機能の強化として、物流機能の強化、グループネットワークの活用による顧客基盤の拡大等、事業領域の深化、変革に努めてまいります。
海外事業においては、新たに開設したタイの駐在員事務所から、近隣各国をリサーチし、フィリピンでのLPガス事業に次ぐ今後の収益の柱を模索してまいります。
② カーライフ事業
CS(※)事業においては国内の石油製品需要が構造的に減退する中で、新たな価値・サービスを提供することでネットワークの維持を目指していきます。まずは2020年度より個人向けカーリースの提供を開始します。また防災対策など地域貢献も積極的に行ってまいります。
自動車関連事業においては、これまでCS関連事業において培ってきた顧客基盤や販売ノウハウ等の経営資源を活用することで、大阪カーライフグループ㈱を中心に更なる販売強化を図ってまいります。
また、ベトナムの大型商業施設でのカーライフ事業(洗車等)を展開予定です。国内で培った知見を活かし、海外での新たな基盤構築を目指します。
(※)CSとは、カーライフ・ステーションの略であり、当社が提案する複合サービス給油所です。
③ 産業ビジネス事業
産業燃料販売においては顧客基盤の維持、拡大の為、熱供給等新たなサービスの展開を図ります。その他事業においては、アスファルトや船舶燃料の販売、ターミナルなどの物流設備の有効活用により、地域の産業を支えていきます。また、環境関連商材としてGTL燃料、アドブルー(※)等の販売拡大、新たな事業領域への進出を積極的に進め、環境負荷低減、リサイクル等の環境事業の拡大も図ってまいります。
(※)アドブルー(AdBlue)とは、ディーゼル車の排気ガス中の窒素化合物(NOx)を無害化する「SCRシステム」に使われる高品位尿素水です。
④ 電力・ユーティリティ事業
電力小売り全面自由化から5年目を迎え、電力小売の競争は益々激しくなってきました。新電力の淘汰が進む中、デジタル新技術の採用と顧客基盤の活用により家庭用・低圧需要家向け電力販売事業を推進してまいります。
また、ESG投資・環境問題が重視される中、地球環境への貢献と持続可能な社会の実現を目指すために、開発投資した再生可能エネルギー発電設備等を安定的にエネクスインフラ投資法人に供給することを通じて、再生可能エネルギーの普及・拡大を推進してまいります。

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