訂正有価証券報告書-第67期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/08/26 11:27
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社は、1954年(昭和29年)の設立以来「技術革新」をコンセプトとし、事業活動を通して社会に貢献したいとする経営理念のもと、つねに患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)や医療現場の課題などのユーザーニーズに応える製品開発を推進しております。
製品競争力・市場シェアともに世界トップを目指し、「地産地消」のコンセプトのもと、グローバルに事業展開を行っております。
当社グループは、医療現場におけるニーズ、シーズを積極的に捉えながら、現場の要望に応える商品開発を行いつつ、製造工程の改善によって製品の生産能力を高め、品質の安定とコスト競争力のある製品を提供することによってグローバル市場でシェアを獲得し、販売を拡大することを基本戦略としてまいりました。また、医療、医薬、医薬用包装材料(ファーマパッケージング)の3事業にまたがる当社内の独自技術やその他の経営資源を有効に活用して、ユーザー目線に立ったより安全性の高い、価値ある製品の開発に取り組んでおります。
ますます先行きが見えないこの激動の時代においても、製品競争力、市場シェアともに世界トップを目指し、「地産地消」のコンセプトのもとにグローバルで存在感のある企業グループへと発展してまいります。
医療関連事業におきましては、主力のダイアライザ(人工腎臓)を中心とする透析関連製品に加え、注射・輸液関連製品、経腸栄養関連製品、検査関連製品、バスキュラー関連製品、心臓外科(CVS)関連製品などの領域において品揃えの充実と新規販路開拓を強力に推し進め、シェア拡大を図ります。また、医療従事者の働き方改革や、オンライン診療、オンライン服薬指導に役立てるシステムの提案を通じて地域医療に貢献してまいります。後発医薬品については、厚生労働省より「2020年9月までに後発医薬品の使用割合を80%とし、できるだけ早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」と定められ、2019年度第3四半期で数量シェアは77.1%となりました。引き続き需要は拡大するとみられ、また今後は安定供給、品質確保などの観点から先発医薬品から後発医薬品への切替も進んでくるものとみられます。当社としましてはアクションプログラムに定められております「品質確保、安定供給、情報提供」に真摯に取り組み、大学・基幹病院、調剤グループなど各種販路の拡大と重点卸との関係強化にも引き続き注力するとともに医療機器営業との連携による地域医療連携にも貢献できるよう取り組んでまいります。
海外販売におきましては、各地域において質の高い商品と医療サービスの提供が今後の成長の要であり、以下の施策により実現をはかります。先ず、自社直販網の拡大を継続し、サービスと管理の強化を行ってまいります。次に、中南米を中心に新興国にて引き続き自社透析センターの設置を加速いたします。さらにトレーニングセンターの世界各国への設置を進めることで、今後も地域に根ざした最適な治療環境、医療技術のトレーニングの場を提供してまいります。最後に、透析液メーカーや透析装置メンテナンスサービス会社等、当社主力商品である透析分野の企業買収を積極的に行うことで、透析関連商品の品揃えを拡げ、当社グループの強みであるパッケージ販売をより強化してまいります。このように今後も顧客目線で顧客サービス充実を徹底し、ニプロのブランド力を高めてさらなる販売拡大に努めてまいります。
再生医療関連では、再生医療等製品「ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞(販売名:ステミラック®注)」の販売を拡大するため、投与施設となる医療機関との連携を進めるとともに、製造体制の強化を図ってまいります。投与施設の順次拡大と生産能力の向上を図るため、引き続き安定供給と医療機関および医師との緊密な連絡等に取り組むとともに、製造プロセスの改善と新たな製造施設の建設・稼動に向けた体制整備等を推進してまいります。
医薬関連事業の製造受託部門におきましては、海外先進国向けにも対応しうる生産・品質保証体制を整備するとともに、既存工場や新規に取得した製造拠点においてさらなる生産能力の拡充を図り、国内トップクラスの医薬品受託製造企業グループとして事業拡大に努めてまいります。さらに海外における生産拠点を最大限活用することで、安定供給能力とコスト競争力を向上させるとともに、世界に向けた医薬品の供給を確実なものとします。また、当社ならではの医薬品包装容器・医薬品調整・投与デバイスとのコラボレーションによる医療従事者、患者さまの目線に立った安全性・利便性が高い医薬品を開発、提供してまいります。
ファーマパッケージング事業におきましては、バイオ医薬品を始めとした高品質容器に対する需要増に対応するほか、高付加価値品の供給を通じた医薬品メーカーや医療従事者のニーズ充足に努めてまいります。併せて、グローバル市場の成長が見込まれる中、安定供給に向けた生産体制の整備を加速するとともに市場カバー率の拡大に注力いたします。
また、商品開発グループおよび営業グループ間の連携をさらに強化し、ユーザーニーズにスピーディかつきめ細やかに対応出来る体制作りを推進してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社は、2030年度に売上高1兆円の企業グループとなることを目標に掲げておりますが、そのためにユーザーニーズに即した製品開発により競合他社との差別化をはかり、売上高成長率7%以上を維持することと製品力による営業利益率の向上を目指します。そのうえで一定水準の成長投資を維持しながらキャッシュ・フローの改善により債務償還年数の圧縮と自己資本比率の向上を実現してまいります。なお、中期経営計画における主要KPIは次のとおりであります。
成長性売上高成長率 年平均7.0%以上
収益性営業利益率 9.0%以上
財務健全性純有利子負債/EBITDA 4倍台
資産効率ROE 14.0%

また、2030年度連結売上高1兆円を達成するために、当社グループが実施すべきと考えることは、次のとおりであります。
経営方針激動の時代にめげず、ユーザーニーズに応え、製品競争力・市場シェアともに世界トップを目指し、グローバルで地産地消の考えを推し進める
重点課題①意欲のある人にチャンスを与える社風を守る
②最終ユーザー目線で判断することを最優先とする
③三方(ユーザー、社会、自社)良しの考え方を堅持する
④全従業員がPDCAの各ステップに関する情報を共有し、意欲を持ってPDCAサイクルを回すことができるようにする
⑤組織の長が理論と現実のギャップを理解し、それを部下が理解できるように指導を行える会社とする
強化項目①日本市場において地域医療貢献度No.1メーカーへの挑戦
②ダイアライザで世界各国シェアトップ
③バスキュラー製品における世界市場展開と国内市場の新分野進出
④医薬品受託事業における海外市場への展開
⑤ファーマパッケージング事業における高付加価値製品の開発と製造原価の削減
⑥細胞医薬品事業の強化
⑦新規事業シーズ育成

当社グループは引き続きユーザー目線にたっての新商品、新技術の開発を進め、技術革新により社会貢献を志向する事業展開を継続し、医療関連、医薬関連およびファーマパッケージングの各事業において着実に成長を図り、目標達成を目指してまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
医療関連事業におきましては、メディカル営業部門では、輸液関連製品、糖尿病関連製品、透析関連製品、バスキュラー関連製品、SD関連製品の各々におきまして、医療の安全、安心に配慮した設計と、環境への負荷を低減する製品開発に努め、医療従事者の方々や患者さま、そして地球環境にも優しい製品開発に取り組み、多様化する市場ニーズ・シーズに応えられる製品を積極的に市場展開、販売強化を行い業績の拡大に取り組んでまいります。また、医薬営業部門では、毎年の薬価改定でジェネリック医薬品業界はもちろん、製薬業界全体が非常に厳しい経営環境となることが予想される中、総合メディカル企業として在宅医療、地域医療連携をはじめ医療現場のニーズに応えながら医薬品卸と一層の連携強化を図り、さらなるニプロブランドの向上に努めてまいります。また、グローバル市場においては、経済成長による生活環境の改善や医学・医療の進歩に伴う人口構造の変化等により、旧来の感染症中心の疾病構造から、生活習慣病などの都市型疾患へと変遷しており、特に一部の新興国においてはそうした傾向が顕著です。その結果、特に人口の多い国や地域おいては医療インフラの整備や医療従事者の確保が充分ではないという状況が散見されます。当社グループではグローバルヘルスにおけるCSRの観点からも、そのような地域における医療インフラの充実や医療従事者の育成にも貢献しながら、本業であるメーカーとしての製品供給責任を十分に果たすため、今後も全世界で製品生産能力の増強を継続的かつ積極的に行ってまいります。特にダイアライザを代表とする透析関連製品に関しましては、こうした背景から今後も旺盛な需要が継続する見通しで、それらを充足する生産能力増強は急務であると認識し具体的な立案を進めております。
再生医療関連では、再生医療等製品「ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞(販売名:ステミラック®注)」の量産体制の構築が課題となっております。無菌製造の確実性を高めるとともに生産効率を向上させるべく新規製造システムを早期に立ち上げ、治療ニーズに応える供給体制の整備とともに、コストダウンを図ってまいります。また、ステミラック®注は条件及び期限付承認であることから、製造販売後承認条件評価としての使用成績比較調査を確実に実施してまいります。
医薬関連事業におきましては、品質のさらなる向上、全剤形の生産能力の拡充による安定供給体制の整備、品質に対する信頼性の確保と製造コストの抜本的な削減について継続して取り組んでまいります。また、製品のグローバル市場への供給を見据え、米国や欧州の医薬品品質基準を充足する開発・品質保証体制についてソフト面、ハード面においての整備を進めてまいります。さらに、原料資材の調達については、カントリーリスクも考慮した安定供給を確保するための対策に取り組んでまいります。
ファーマパッケージング事業におきましては、M&Aに伴うのれんや商品競争力向上に向けた設備投資に係る償却費等の負担が大きいことから、製造コストの削減が継続的なテーマとして挙げられます。引き続きカメラ検査機の各製造拠点への導入を進め、自動化・省人化を進めるほか、製造要件や品質基準等に係るベスト・プラクティスを製造拠点や今後の新規設備投資に活用することで、生産性の向上に取り組んでまいります。その他、新商品の開発面では、顧客やユーザーが抱えるシーズを商品に具現化し販売するまでのサイクルの短縮、販売面では新規市場開拓に備えた営業部門の強化に加え、商品全般を熟知した技術営業人材の確保および育成が急務となっております。
また、各事業において継続的な投資を遅滞なく実現するためにも、財務体質の改善はひとつの大きな課題と認識しております。今後はより多様な資金調達手法や資本政策、あるいは地域統括会社の活用による効率的な資金管理により健全な財務体質への改善を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルスによる影響に関しては、現状のような受診自粛や外来診療抑制、などの状況が継続すれば、相応の影響は出ることになりますが、一方で特需その他の相反する要因もあり、実際に収束する時期も不透明で予測は困難であります。一方、グローバル市場におきましては都市封鎖の影響により、すでに海外工場における増産
計画の遅延、物流の制限等の影響もでております。
今後の世界経済は、引き続き新型コロナウイルスの収束が読めない状況であり、収束後の状況も不透明なままでありますが、各国が自国優先に向かうこれまでの流れは継続すると思われます。このような状況下においても、当社グループは「地産地消」のコンセプトのもとに、グローバルな展開は継続し、ユーザー目線にたった新商品、新技術の開発を進め、技術革新によって社会に貢献するという理念を堅持して世界シェアトップを目指してまいります。

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