有価証券報告書-第58期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社及び連結子会社は、「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージとして掲げ、製造業や建設・建築現場を含む幅広いモノづくり現場で必要とされる工具、作業用品、作業用消耗品、機器類などの“PRO TOOL”(間接資材)や約67,700アイテムに及ぶプライベート・ブランド商品“TRUSCO”を自社開発商品として取り扱う卸売業としてモノづくり現場のお役に立つことを経営の基本方針としています。
モノづくり現場では、多様化する生産活動において我々の取り扱う間接資材を「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」調達することが効率的な生産活動につながるといったニーズがあります。この需要に的確にお応えするため、取扱アイテムの拡大や付加価値の高い物流システムやAIを活用したAI見積「即答名人」(見積自動化システム)などの新たなサービス、商品データベースを含むデジタル機能を構築・強化することで存在価値を高め、モノづくり現場に貢献するよう努めています。
また、「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざしのもと、働きやすい環境づくり、社会への貢献、公正な事業慣行、消費者課題の解決、情報開示とコミュニケーション、人権・組織・コーポレートガバナンス、環境への配慮を重要課題と捉え企業の社会的責任を果たします。
(2)目標とする経営指標
当社が独創的な企業として存在価値を高めるために優先すべきは、数値目標ではなく、能力目標であると考えています。どのような能力を持った企業になりたいのかという発想を重要視しています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざし、「問屋を極める、究める」という指針を念頭に、お客様や社会から必要とされる企業を目指します。
<能力目標>①在庫50万アイテムの保有
工場や建築現場で働くユーザー様に必要とされるモノの扱いを増やし続けることでお客様の利便性が向上し、新たな分野が開拓できるため、「売るモノを探すこと」が最も重要です。また、在庫アイテムの拡充を進めることで、商品を取り寄せるための業務作業を簡素化し、残業時間が減少するなど、業務の生産性向上につながっています。売るモノを探すことは、全社員一丸となって進めていくべき重要施策となります。
②ユーザー直送システムの完備
ネット通販企業の得意先様のみならず、既存のファクトリールートやホームセンタールートの得意先様でも配送人員の不足や短納期の需要、得意先様の店舗や物流倉庫に在庫することのできない商品の増加により、今後は卸売業が保有すべき機能としてユーザー直送機能は絶対条件になると考えます。今回の新型コロナウイルス感染症拡大のような、人々の接触を減らすための施策が必要な場合や、省人化・自動化を実現するためにも必要不可欠な機能となり、人に依存しない物流機能を確立していきます。
③365日受注・出荷体制の実現
「がんばれ!!日本のモノづくり」の企業メッセージのもと、お客様の即納の要望に対して迅速にお応えするため、災害時なども含め、如何なる時においても商品供給を果たすことのできる事業基盤を構築していくことが重要です。
<重要指標>能力目標を着実に達成するために、以下の重要指標を活用することで、企業価値の向上を図ります。
(3)今後の見通し
<業績予想>
(注)1.令和2年12月期(個別)の親会社株主に帰属する当期純利益は個別業績のため当期純利益となります。
2.プライベート・ブランド商品の数値は個別業績になります。
3.令和3年12月期(連結)の予算は、令和3年3月15日付で公表しました「業績予想の修正及び配当予想の修正に関するお知らせ」の数値を記載しています。
次連結会計年度における当社及び連結子会社の事業環境は、以前から続く米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症拡大の不透明感があるものの、自動車産業を中心に生産が再開するなど、停滞している経済活動は徐々に再開に向かうことで景況感は低調ながらも持ち直していくことが見込まれます。
次連結会計年度の連結業績につきましては、設備投資計画の見直しを行い、不急の設備投資を先送りする一方で、モノづくり現場で必要とされる少量多品種の商品ニーズに的確にお応えするために、必要な設備投資を継続します。物流設備の導入やシステム開発、在庫拡充の適正化を継続することで、ファクトリールートを中心とした売上高の拡大やEC市場の急速な成長に伴うeビジネスルートのさらなる売上高の拡大を見込んでいます。また、ホームセンタールートに関しても、建築現場などで働くユーザー様をターゲットとしたプロショップを中心に、売場の改善提案を継続し、得意先様の店頭にない商品も当社の約44万アイテムに及ぶ在庫を活用することで、ユーザー様が店頭で受け取ることが可能なサービスを促進するなど、店舗への来客数の増加や当社への帳合変更につなげます。海外ルートでは、引き続き子会社のTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAにおいて、継続してブランド力のあるメーカー様の商品PRを行い、市場のニーズに即した在庫拡充を進めることで売上高の拡大を図ります。
販売費及び一般管理費につきましては、プラネット南関東の建替え(令和2年8月稼働)や各物流センターへの物流設備の導入、システム投資の強化などによる減価償却費の増加を予定しています。しかしながら、大型の設備投資が一巡したことに加え、プラネット南関東の建替工事期間中に賃借していた倉庫の解約などに伴う借地借家料の減少、株主優待制度廃止による広告宣伝費の減少、業務のデジタル化を進め残業代を減少したことによる従業員給与の抑制など、令和2年12月期と同水準にて推移することが見込まれます。
これらの施策を実行することで、様々な市場のニーズに対応できる体制の構築を進め、お客様の利便性向上を図り、売上高の拡大に向けた事業戦略を強化することで令和3年12月期は増収増益を見込んでいます。
次連結会計年度の連結業績予想に関しては、売上高2,275億20百万円、経常利益138億20百万円、親会社株主に帰属する当期純利益95億20百万円、1株当たり当期純利益は144円37銭、年間配当金36円50銭を予想しています。
(4)会社の経営環境及び対処すべき課題
製造業を中心としたモノづくり現場において、少量多品種の商品ニーズは今後も高まることが予想されます。そのニーズにお応えするためには、継続して物流やデジタル分野への投資を強化していく必要があります。また商品、物流、販売、デジタル、人事を柱とした5つの経営戦略を着実に実施していくことが、企業価値拡大の最も重要な 要素であると考えます。
①商品戦略
業界最大レベルの在庫(約44万アイテム)をさらに拡大するために、海外ブランドを含めた取扱アイテム数をさらに充実させるとともに、紙媒体である「トラスコ オレンジブック」とデジタル媒体の「トラスコ オレンジブック.Com」の検索性を高めることで、商品供給力を高め、ひいてはお客様の利便性を高めます。
モノづくり現場に必要な“PRO TOOL” (間接資材)を中心に取扱メーカー及び商品の拡大を継続し、令和5年12月末までに在庫アイテム数50万アイテムに向けた整備を行います。また、機能性が高くオリジナリティを追求したプライベート・ブランド商品の開発や日本の市場では希少価値の高い海外ブランド商品の販売権獲得を強化するために、ドイツ駐在所(デュッセルドルフ)を設置し、国内の仕入先様強化のために、東京・大阪には商品部をそれぞれ設置しています。新商品データベースとなる「Sterra(ステラ)」の商品情報を充実させるために、仕入先様との連携を強化し、検索性と取扱アイテム数の拡充スピードを高め、商品供給力の更なる強化を行います。
②物流戦略
「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、物流設備を増強し、在庫を拡充し、ユーザー直送機能を強化することで、さらなる納品スピードの向上を図ります。
物流センター26か所(ストックセンター9か所含む)及び全国に30か所ある在庫保有支店では、各地域の市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度の高い商品の在庫拡充や配送網を見直し、即納体制の強化、物流コストの低減につなげることでお客様の利便性向上に努めます。旧物流センター及び旧支店の社屋や土地をストックセンターとし、プラネット物流センターのバックヤードとして有効活用しています。各地域の営業・物流を統括して戦略を立案する組織を軸に、社屋の増築及びマテハン機器の導入による自動化・省人化を加速させることで出荷効率の向上を図ります。また、ユーザー直送システムの完備に向けた設備を増強していきます。
③販売戦略
新たなビジネススタイルを確立するために、AI見積「即答名人」(見積自動化システム)をはじめとした最先端のデジタル技術を駆使することで、お客様のビジネスチャンスの拡大につなげていきます。
「トラスコ オレンジブック」及び「トラスコ オレンジブック.Com」の活用による市場の拡大とワンストップでの商品調達が可能な仕組みを構築し、約250万アイテムに及ぶ取扱アイテム数や約44万アイテムの在庫を最大限活用することで、あらゆる市場の取引先様との関係強化を図ります。また、ビジネススタイル変革の一つとして得意先様とのコミュニケーションを向上させるために、リアルタイムに配送状況の確認可能な機能などを有したスマートフォンアプリ「T-Rate」(トレイト)と、オンライン通話アプリを組み合わせたサービスTRUSCO いつでもつながる「フェイスフォン」やAI見積「即答名人」(見積自動化システム)などを導入しています。さらに、新たなサービスとして、ユーザー様の工場に常備品の保管場所「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となり、ユーザー様の利便性向上につなげます。
④デジタル戦略
業界最高の利便性提供を目指して、AIの導入など今後も継続して積極的な投資を行い、デジタル技術を活かして新たなサービスを構築していきます。
令和2年1月より、基幹システムのリニューアルを実施し、AI見積「即答名人」(見積自動化システム)や「売れ筋商品の自動在庫化」、得意先様からの見積依頼等のアナログ主体の業務をデジタル化するための仕入先様との業務連携サイト「POLARIO」などを中心とした業務効率の向上により、得意先様、仕入先様とのデジタル連携を強化、双方のユーザビリティを追及することで、より円滑な商取引を実施します。また、自然言語(口語)による商品絞込みツール「トラスコ AIオレンジレスキュー」の活用を促進することで、検索性を向上させます。さらに、ユーザー様の工場に常備品の保管場所「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となるサービスの導入を加速させ、ユーザー直送機能の完備などを進めるとともに、事業継続におけるリスクを軽減するためにシステムセキュリティの強化を継続します。従来の事業活動に加え、これらの活動が評価され、令和2年8月に経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄2020」において、応募総数535社の中から35社が「DX銘柄2020」に選定され、その中で当社は「DXグランプリ2020」を受賞しました。社内の業務改革やサプライチェーン全体の商習慣を変えていくことで今後も新たなサービスを構築していきます。
⑤人事戦略
あらゆる仕事に順応できる多角的な人材を育てるため、部門を超えたジョブローテーションを実施し、個々の仕事の質を高めるとともに、長く安心して働ける環境を作っています。
企業には従業員が「所帯が持てる」「貯金ができる」「税金が払える」給料を支払う義務があることを踏まえ、従業員にとって働きがいのある企業づくりを行っていきます。人事戦略は「チャンス&フェア」の考えに基づき、個々の独創力を鍛えます。評価制度においては、上司だけでなく、周囲の人が相互に評価しあうオープンジャッジシステム(OJS=360度評価)が人事考課や昇格などの人事処遇に至るまで運用されています。在庫拡充の強化や1年365日受注・出荷を実現していくことで人員の適正化や業務の平準化を図り、一層の業務効率向上にもつなげていきます。従業員が長く安心して働ける環境づくりのために、独自の人事制度を実行していくことで、一人ひとりの成長、そして会社の成長につなげます。
(1)会社の経営の基本方針
当社及び連結子会社は、「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージとして掲げ、製造業や建設・建築現場を含む幅広いモノづくり現場で必要とされる工具、作業用品、作業用消耗品、機器類などの“PRO TOOL”(間接資材)や約67,700アイテムに及ぶプライベート・ブランド商品“TRUSCO”を自社開発商品として取り扱う卸売業としてモノづくり現場のお役に立つことを経営の基本方針としています。
モノづくり現場では、多様化する生産活動において我々の取り扱う間接資材を「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」調達することが効率的な生産活動につながるといったニーズがあります。この需要に的確にお応えするため、取扱アイテムの拡大や付加価値の高い物流システムやAIを活用したAI見積「即答名人」(見積自動化システム)などの新たなサービス、商品データベースを含むデジタル機能を構築・強化することで存在価値を高め、モノづくり現場に貢献するよう努めています。
また、「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざしのもと、働きやすい環境づくり、社会への貢献、公正な事業慣行、消費者課題の解決、情報開示とコミュニケーション、人権・組織・コーポレートガバナンス、環境への配慮を重要課題と捉え企業の社会的責任を果たします。
(2)目標とする経営指標
当社が独創的な企業として存在価値を高めるために優先すべきは、数値目標ではなく、能力目標であると考えています。どのような能力を持った企業になりたいのかという発想を重要視しています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざし、「問屋を極める、究める」という指針を念頭に、お客様や社会から必要とされる企業を目指します。
<能力目標>①在庫50万アイテムの保有
工場や建築現場で働くユーザー様に必要とされるモノの扱いを増やし続けることでお客様の利便性が向上し、新たな分野が開拓できるため、「売るモノを探すこと」が最も重要です。また、在庫アイテムの拡充を進めることで、商品を取り寄せるための業務作業を簡素化し、残業時間が減少するなど、業務の生産性向上につながっています。売るモノを探すことは、全社員一丸となって進めていくべき重要施策となります。
②ユーザー直送システムの完備
ネット通販企業の得意先様のみならず、既存のファクトリールートやホームセンタールートの得意先様でも配送人員の不足や短納期の需要、得意先様の店舗や物流倉庫に在庫することのできない商品の増加により、今後は卸売業が保有すべき機能としてユーザー直送機能は絶対条件になると考えます。今回の新型コロナウイルス感染症拡大のような、人々の接触を減らすための施策が必要な場合や、省人化・自動化を実現するためにも必要不可欠な機能となり、人に依存しない物流機能を確立していきます。
③365日受注・出荷体制の実現
「がんばれ!!日本のモノづくり」の企業メッセージのもと、お客様の即納の要望に対して迅速にお応えするため、災害時なども含め、如何なる時においても商品供給を果たすことのできる事業基盤を構築していくことが重要です。
<重要指標>能力目標を着実に達成するために、以下の重要指標を活用することで、企業価値の向上を図ります。
| 項目 | 実績 | 目標 | ||
| 第58期 令和2年12月期 実績(連結) | 第59期 令和3年12月期 計画(連結) | 第60期 令和4年12月期 計画(連結) | 第61期 令和5年12月期 計画(連結) | |
| トラスコ オレンジブック.Com 公開アイテム数 | 2,337,220 | 2,800,000 | 3,400,000 | 4,000,000 |
| PB商品 アイテム数(総アイテム数) | 67,700 | 79,000 | 90,000 | 100,000 |
| 総仕入先数 | 2,652 | 2,750 | 2,860 | 2,970 |
| 内)国内仕入先数 | 2,440 | 2,500 | 2,560 | 2,620 |
| 内)海外仕入先数 | 212 | 250 | 300 | 350 |
| 在庫アイテム数 | 442,436 | 468,400 | 494,400 | 520,000 |
| 在庫総個数 | 45,174,506 | - | - | - |
| 在庫ヒット率(%) | 91.0 | 91.5 | 92.0 | 92.5 |
| 自社配達便率 | 40.7 | 47.1 | 53.3 | 57.0 |
| ユーザー直送行数 | 2,658,514 | 3,040,000 | 3,500,000 | 4,030,000 |
| 見積自動化率(%) | 8.1 | 22.0 | 25.0 | 29.0 |
| システム受注率(%) | 83.9 | 86.0 | 87.0 | 88.0 |
| 一人当たり 月平均残業時間 | 14.9 | 14.9 | - | - |
(3)今後の見通し
<業績予想>
| 令和2年12月期 (個別) | 令和2年12月期 (連結) | 令和3年12月期 (連結) | ||||
| 実績 | 前期 実績比 | 実績 | 当連結会計年度 予算比 | 予算 | 前連結会計年度 実績比 | |
| 売上高(百万円) | 213,205 | △3.2% | 213,404 | +0.7% | 227,520 | +6.6% |
| ファクトリールート | 156,765 | △7.8% | 156,765 | +0.7% | 164,355 | +4.8% |
| eビジネスルート | 38,417 | +11.4% | 38,417 | +0.4% | 43,744 | +13.9% |
| ホームセンタールート | 16,992 | +15.6% | 16,992 | +1.2% | 17,700 | +4.2% |
| 海外ルート | 1,030 | △9.4% | 1,228 | +0.7% | 1,720 | +40.0% |
| 営業利益(百万円) | 11,102 | △20.2% | 11,017 | △0.3% | 13,170 | +19.5% |
| 経常利益(百万円) | 11,635 | △18.7% | 11,559 | +1.3% | 13,820 | +19.6% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 8,085 | △16.8% | 8,007 | +2.0% | 9,520 | +18.9% |
| 1株当たり当期純利益 | 122円62銭 | △24円70銭 | 121円43銭 | +2円39銭 | 144円37銭 | +22円94銭 |
| 1株当たり年間配当金 | - | - | 30円50銭 | +50銭 | 36円50銭 | +6円00銭 |
| プライベート・ブランド商品 売上高(百万円) 構成比率(%) | 41,302 19.4% | △5.9% △0.5pt | 41,302 19.4% | △1.1% △0.3pt | 44,000 19.3% | +6.5% △0.1pt |
(注)1.令和2年12月期(個別)の親会社株主に帰属する当期純利益は個別業績のため当期純利益となります。
2.プライベート・ブランド商品の数値は個別業績になります。
3.令和3年12月期(連結)の予算は、令和3年3月15日付で公表しました「業績予想の修正及び配当予想の修正に関するお知らせ」の数値を記載しています。
次連結会計年度における当社及び連結子会社の事業環境は、以前から続く米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症拡大の不透明感があるものの、自動車産業を中心に生産が再開するなど、停滞している経済活動は徐々に再開に向かうことで景況感は低調ながらも持ち直していくことが見込まれます。
次連結会計年度の連結業績につきましては、設備投資計画の見直しを行い、不急の設備投資を先送りする一方で、モノづくり現場で必要とされる少量多品種の商品ニーズに的確にお応えするために、必要な設備投資を継続します。物流設備の導入やシステム開発、在庫拡充の適正化を継続することで、ファクトリールートを中心とした売上高の拡大やEC市場の急速な成長に伴うeビジネスルートのさらなる売上高の拡大を見込んでいます。また、ホームセンタールートに関しても、建築現場などで働くユーザー様をターゲットとしたプロショップを中心に、売場の改善提案を継続し、得意先様の店頭にない商品も当社の約44万アイテムに及ぶ在庫を活用することで、ユーザー様が店頭で受け取ることが可能なサービスを促進するなど、店舗への来客数の増加や当社への帳合変更につなげます。海外ルートでは、引き続き子会社のTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAにおいて、継続してブランド力のあるメーカー様の商品PRを行い、市場のニーズに即した在庫拡充を進めることで売上高の拡大を図ります。
販売費及び一般管理費につきましては、プラネット南関東の建替え(令和2年8月稼働)や各物流センターへの物流設備の導入、システム投資の強化などによる減価償却費の増加を予定しています。しかしながら、大型の設備投資が一巡したことに加え、プラネット南関東の建替工事期間中に賃借していた倉庫の解約などに伴う借地借家料の減少、株主優待制度廃止による広告宣伝費の減少、業務のデジタル化を進め残業代を減少したことによる従業員給与の抑制など、令和2年12月期と同水準にて推移することが見込まれます。
これらの施策を実行することで、様々な市場のニーズに対応できる体制の構築を進め、お客様の利便性向上を図り、売上高の拡大に向けた事業戦略を強化することで令和3年12月期は増収増益を見込んでいます。
次連結会計年度の連結業績予想に関しては、売上高2,275億20百万円、経常利益138億20百万円、親会社株主に帰属する当期純利益95億20百万円、1株当たり当期純利益は144円37銭、年間配当金36円50銭を予想しています。
(4)会社の経営環境及び対処すべき課題
製造業を中心としたモノづくり現場において、少量多品種の商品ニーズは今後も高まることが予想されます。そのニーズにお応えするためには、継続して物流やデジタル分野への投資を強化していく必要があります。また商品、物流、販売、デジタル、人事を柱とした5つの経営戦略を着実に実施していくことが、企業価値拡大の最も重要な 要素であると考えます。
①商品戦略
業界最大レベルの在庫(約44万アイテム)をさらに拡大するために、海外ブランドを含めた取扱アイテム数をさらに充実させるとともに、紙媒体である「トラスコ オレンジブック」とデジタル媒体の「トラスコ オレンジブック.Com」の検索性を高めることで、商品供給力を高め、ひいてはお客様の利便性を高めます。
モノづくり現場に必要な“PRO TOOL” (間接資材)を中心に取扱メーカー及び商品の拡大を継続し、令和5年12月末までに在庫アイテム数50万アイテムに向けた整備を行います。また、機能性が高くオリジナリティを追求したプライベート・ブランド商品の開発や日本の市場では希少価値の高い海外ブランド商品の販売権獲得を強化するために、ドイツ駐在所(デュッセルドルフ)を設置し、国内の仕入先様強化のために、東京・大阪には商品部をそれぞれ設置しています。新商品データベースとなる「Sterra(ステラ)」の商品情報を充実させるために、仕入先様との連携を強化し、検索性と取扱アイテム数の拡充スピードを高め、商品供給力の更なる強化を行います。
②物流戦略
「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、物流設備を増強し、在庫を拡充し、ユーザー直送機能を強化することで、さらなる納品スピードの向上を図ります。
物流センター26か所(ストックセンター9か所含む)及び全国に30か所ある在庫保有支店では、各地域の市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度の高い商品の在庫拡充や配送網を見直し、即納体制の強化、物流コストの低減につなげることでお客様の利便性向上に努めます。旧物流センター及び旧支店の社屋や土地をストックセンターとし、プラネット物流センターのバックヤードとして有効活用しています。各地域の営業・物流を統括して戦略を立案する組織を軸に、社屋の増築及びマテハン機器の導入による自動化・省人化を加速させることで出荷効率の向上を図ります。また、ユーザー直送システムの完備に向けた設備を増強していきます。
③販売戦略
新たなビジネススタイルを確立するために、AI見積「即答名人」(見積自動化システム)をはじめとした最先端のデジタル技術を駆使することで、お客様のビジネスチャンスの拡大につなげていきます。
「トラスコ オレンジブック」及び「トラスコ オレンジブック.Com」の活用による市場の拡大とワンストップでの商品調達が可能な仕組みを構築し、約250万アイテムに及ぶ取扱アイテム数や約44万アイテムの在庫を最大限活用することで、あらゆる市場の取引先様との関係強化を図ります。また、ビジネススタイル変革の一つとして得意先様とのコミュニケーションを向上させるために、リアルタイムに配送状況の確認可能な機能などを有したスマートフォンアプリ「T-Rate」(トレイト)と、オンライン通話アプリを組み合わせたサービスTRUSCO いつでもつながる「フェイスフォン」やAI見積「即答名人」(見積自動化システム)などを導入しています。さらに、新たなサービスとして、ユーザー様の工場に常備品の保管場所「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となり、ユーザー様の利便性向上につなげます。
④デジタル戦略
業界最高の利便性提供を目指して、AIの導入など今後も継続して積極的な投資を行い、デジタル技術を活かして新たなサービスを構築していきます。
令和2年1月より、基幹システムのリニューアルを実施し、AI見積「即答名人」(見積自動化システム)や「売れ筋商品の自動在庫化」、得意先様からの見積依頼等のアナログ主体の業務をデジタル化するための仕入先様との業務連携サイト「POLARIO」などを中心とした業務効率の向上により、得意先様、仕入先様とのデジタル連携を強化、双方のユーザビリティを追及することで、より円滑な商取引を実施します。また、自然言語(口語)による商品絞込みツール「トラスコ AIオレンジレスキュー」の活用を促進することで、検索性を向上させます。さらに、ユーザー様の工場に常備品の保管場所「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となるサービスの導入を加速させ、ユーザー直送機能の完備などを進めるとともに、事業継続におけるリスクを軽減するためにシステムセキュリティの強化を継続します。従来の事業活動に加え、これらの活動が評価され、令和2年8月に経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄2020」において、応募総数535社の中から35社が「DX銘柄2020」に選定され、その中で当社は「DXグランプリ2020」を受賞しました。社内の業務改革やサプライチェーン全体の商習慣を変えていくことで今後も新たなサービスを構築していきます。
⑤人事戦略
あらゆる仕事に順応できる多角的な人材を育てるため、部門を超えたジョブローテーションを実施し、個々の仕事の質を高めるとともに、長く安心して働ける環境を作っています。
企業には従業員が「所帯が持てる」「貯金ができる」「税金が払える」給料を支払う義務があることを踏まえ、従業員にとって働きがいのある企業づくりを行っていきます。人事戦略は「チャンス&フェア」の考えに基づき、個々の独創力を鍛えます。評価制度においては、上司だけでなく、周囲の人が相互に評価しあうオープンジャッジシステム(OJS=360度評価)が人事考課や昇格などの人事処遇に至るまで運用されています。在庫拡充の強化や1年365日受注・出荷を実現していくことで人員の適正化や業務の平準化を図り、一層の業務効率向上にもつなげていきます。従業員が長く安心して働ける環境づくりのために、独自の人事制度を実行していくことで、一人ひとりの成長、そして会社の成長につなげます。