有価証券報告書-第60期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社及び連結子会社は、「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージとして掲げ、製造業や建設・建築現場を含む幅広いモノづくり現場で必要とされる工具、作業用品、作業用消耗品、機器類などの“PRO TOOL”[間接資材]や約9万アイテムに及ぶプライベート・ブランド商品“TRUSCO”を自社開発商品として取り扱う卸売業としてモノづくり現場のお役に立つことを経営の基本方針としています。
モノづくり現場では、多様化する生産活動において間接資材を「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」調達することが効率的な生産活動につながるといったニーズがあります。この需要に的確にお応えするため、取扱アイテムの拡大や即納などの付加価値の高い物流システム、AIを活用したAI見積「即答名人」[見積自動化システム]などのサービス、商品データベースを含むデジタル機能を構築・強化することで存在価値を高め、モノづくり現場に貢献するよう努めています。
また、当社はプロツールサプライヤーとして、いつの時代も日本のモノづくりのお役に立ち続ける企業でありたいと考えています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざしのもと、事業を通じて社会価値と企業価値の両方を生み出すことで、社会課題の解決や持続可能な地域社会へ貢献することをサステナビリティの基本方針としています。
(2)目標とする経営指標
独創的な企業として存在価値を高めるために優先すべきは、数値目標ではなく、能力目標と考えており、どのような能力を持った企業になりたいのかという発想を重要視しています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざし、「問屋を極める、究める」という指針を念頭に、お客様や社会から必要とされる企業を目指します。
<ありたい姿(能力目標)>①2030年までに在庫100万アイテムを保有できる企業になりたい。
②1日24時間受注、1年365日出荷できる企業になりたい。
③欠品、誤受注、誤出荷のない企業になりたい。
④棚卸作業のない企業になりたい。
⑤問屋であってもユーザー様直送出荷をストレスなくできる企業になりたい。
⑥お見積りに瞬時にお応えできる企業になりたい。
⑦業界「最速」「最短」「最良」の納品を実現できる企業になりたい。
⑧可能な限り環境負担の小さい企業になりたい。
⑨リサイクル、リユース、リターナブルにも積極的な企業になりたい。
⑩日本のモノづくりを支えるプラットフォーマーになりたい。
⑪業界の常識、習慣、定説、定石を塗り替えることのできる企業になりたい。
<3か年経営計画>(単位:百万円)
<重要指標>能力目標を着実に達成するために、以下の重要指標を活用することで、企業価値の向上を図ります。
(3)今後の見通し
<業績予想>
(注)1 プライベート・ブランド商品の数値は個別業績です。
2 令和4年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しており、前期実績比は当会計基準等を前期実績に遡及適用した数値と比較して記載しています。
次連結会計年度における当社及び連結子会社の事業環境は、内需の緩やかな回復への期待感はあるものの、海外経済の見通しは厳しさを増しており、輸出企業を中心に業況改善には時間がかかる見通しです。また、物価上昇によるコストの増加や人手不足による人件費増加などの懸念から、先行きについて慎重とならざるを得ない状況です。
次連結会計年度においても、モノづくり現場で必要とされる少量多品種の商品ニーズに的確にお応えするために、必要な設備投資を継続します。物流設備の導入やシステム開発、適正な在庫拡充を継続することで、ファクトリールートや、eビジネスルートの売上高の更なる増加を見込んでいます。また、ホームセンタールートに関しても、売場の改善提案や、当社のサービスを提案することで、主力得意先様の商品納入権獲得を目指します。加えて、海外ルートでは引き続き子会社のTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION (THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAや海外部の諸外国向け販売において、EC企業向けの商品データ提供を加速させることで、既存得意先様の売上高の増加や新規得意先様の開拓を図ります。
販売費及び一般管理費につきましては、売上の拡大に伴う出荷量増による運賃及び荷造費の増加などを見込んでおり、合計396億50百万円を予想しています。
これらの施策を実行することで、様々な市場のニーズに対応できる体制の構築を進め、お客様の利便性向上を図り、事業戦略を強化することで、令和5年12月期は売上高・経常利益の増加を見込んでいます。
次連結会計年度の連結業績に関しては、売上高2,650億90百万円、経常利益159億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益109億20百万円、1株当たり当期純利益は165円60銭、年間配当金41円50銭を予想しています。
(4)会社の経営環境及び対処すべき課題
製造業を中心としたモノづくり現場において、少量多品種の商品ニーズは今後も高まることが予想されます。そのニーズにお応えするためには、ネット通販企業の台頭やAI、IoTといったIT関連が発展していく中で、継続して物流やデジタル分野への投資を強化していく必要があります。また商品、物流、販売、デジタル、人事を柱とした5つの経営戦略を着実に実施していくことが、企業価値拡大の最も重要な要素であると考えます。
①商品戦略
業界最大レベルの在庫(約56万アイテム)を更に拡大するために、海外ブランドを含めた取扱アイテム数をますます充実させるとともに、紙媒体である「トラスコ オレンジブック」の刷新を実行しました。ページ数を半減し、二次元コードによるWEB連携をすることにより、商品選定の利便性を向上しました。
データを商品領域の中心に据え、その拡充・活用・連携を推進し、データを通じてネット通販企業や大手ユーザー様との連携強化、業務プロセスの高速化・効率化、仕入先様との協業深化に取組み、“PRO TOOL” [間接資材]のプラットフォームとしての利便性向上を実現します。
②物流戦略
「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、最先端の物流設備を増強し、ユーザー様直送機能を強化することで、更なる納品スピードの向上を図ります。物流センター28か所及び全国に29か所ある在庫保有支店では、各地域の市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度の高い商品の在庫拡充や配送網を再整備し、即納体制の強化、物流コストの低減につなげることでお客様の利便性向上に努めます。また、マテハン設備とデジタルの双方を駆使し、競争力の源泉である在庫力を継続的に強化することで、お客様が必要とする“PRO TOOL”[間接資材]が「必ず見つかる、すぐ手に入る」を実現します。
③販売戦略
環境変化に柔軟に対応し、お客様のニーズに的確にお応えするため、リアルとデジタルを組み合わせてお客様との接点を増やし、課題を起点にした営業スタイルの変革を実施します。エネルギーや梱包資材などの資源消費削減につながる「荷合わせ・ユーザー様直送サービス」や、リユースサービスの強化につながる修理工房「直治郎」、究極の即納を実現する、置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」など環境負荷を軽減する取組みを強化するとともに、お客様に必要とされる商品の在庫化を推進することでサプライチェーンの効率化を実現します。
④デジタル戦略
サプライチェーン全体の利便性向上のため、業界共通のデータ基盤の構築からユーザー様への先回り納品まで、当社が接点を持つあらゆるシーンでデジタルによる変革を続けていきます。見積自動回答システム「即答名人」、売れ筋商品を自動で在庫化する「商品自動採用システム」、得意先様とのコミュニケーションツール「T-Rate(トレイト)」のほか、AIやロボット活用をはじめとするデジタル変革の一層の加速を図り、他社にマネできない圧倒的な利便性を提供します。加えてそれらを支えるセキュリティ環境を構築し、安心して利用いただけるシステム基盤づくりを継続して進めていきます。これらの活動が評価され、令和4年6月には経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」において、「DX銘柄2022」に選定されました。当社は令和2年に「DXグランプリ2020」を受賞し、3年連続で「DX銘柄」に選定されています。社内の業務改革やサプライチェーン全体の商習慣を変えていくことで今後も新たなサービスを構築していきます。
⑤人事戦略
独創的な発想で活躍できる人材を育てるため、部門を超えたジョブローテーションの実施と多様なコース選択や各種チャレンジ制度をハイブリッドに導入し、個人の能力を最大限に引き出しながら、長く安心して働ける環境を作っています。また、評価制度においては、上司だけでなく、周囲の人が相互に評価しあうオープンジャッジシステム(OJS=360度評価)が、人事考課や昇格などの人事処遇に至るまで運用されています。さらに、主体的なキャリア支援を行うことを目的に令和4年1月に人事部及びHRサポート課を新設し、自律的なキャリア形成の促進をサポートしています。従業員が長く安心して働ける環境づくりに加え、独自の人事制度を実行していくことで、一人ひとりの成長、そして会社の成長につなげます。
(1)会社の経営の基本方針
当社及び連結子会社は、「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージとして掲げ、製造業や建設・建築現場を含む幅広いモノづくり現場で必要とされる工具、作業用品、作業用消耗品、機器類などの“PRO TOOL”[間接資材]や約9万アイテムに及ぶプライベート・ブランド商品“TRUSCO”を自社開発商品として取り扱う卸売業としてモノづくり現場のお役に立つことを経営の基本方針としています。
モノづくり現場では、多様化する生産活動において間接資材を「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」調達することが効率的な生産活動につながるといったニーズがあります。この需要に的確にお応えするため、取扱アイテムの拡大や即納などの付加価値の高い物流システム、AIを活用したAI見積「即答名人」[見積自動化システム]などのサービス、商品データベースを含むデジタル機能を構築・強化することで存在価値を高め、モノづくり現場に貢献するよう努めています。
また、当社はプロツールサプライヤーとして、いつの時代も日本のモノづくりのお役に立ち続ける企業でありたいと考えています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざしのもと、事業を通じて社会価値と企業価値の両方を生み出すことで、社会課題の解決や持続可能な地域社会へ貢献することをサステナビリティの基本方針としています。
(2)目標とする経営指標
独創的な企業として存在価値を高めるために優先すべきは、数値目標ではなく、能力目標と考えており、どのような能力を持った企業になりたいのかという発想を重要視しています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざし、「問屋を極める、究める」という指針を念頭に、お客様や社会から必要とされる企業を目指します。
<ありたい姿(能力目標)>①2030年までに在庫100万アイテムを保有できる企業になりたい。
②1日24時間受注、1年365日出荷できる企業になりたい。
③欠品、誤受注、誤出荷のない企業になりたい。
④棚卸作業のない企業になりたい。
⑤問屋であってもユーザー様直送出荷をストレスなくできる企業になりたい。
⑥お見積りに瞬時にお応えできる企業になりたい。
⑦業界「最速」「最短」「最良」の納品を実現できる企業になりたい。
⑧可能な限り環境負担の小さい企業になりたい。
⑨リサイクル、リユース、リターナブルにも積極的な企業になりたい。
⑩日本のモノづくりを支えるプラットフォーマーになりたい。
⑪業界の常識、習慣、定説、定石を塗り替えることのできる企業になりたい。
<3か年経営計画>(単位:百万円)
| 第61期 令和5年12月期 | 第62期 令和6年12月期 | 第63期 令和7年12月期 | ||||
| 計画(連結) | 前連結会計年度比 | 計画(連結) | 前連結会計年度比 | 計画(連結) | 前連結会計年度比 | |
| 売上高 | 265,090 | +7.6% | 284,000 | +7.1% | 304,200 | +7.1% |
| ファクトリールート | 182,555 | +7.0% | 192,900 | +5.7% | 203,500 | +5.5% |
| eビジネスルート | 56,967 | +10.5% | 63,200 | +10.9% | 70,100 | +10.9% |
| ホームセンタールート | 23,014 | +3.8% | 25,000 | +8.6% | 27,200 | +8.8% |
| 海外ルート | 2,551 | +21.0% | 2,900 | +13.7% | 3,400 | +17.2% |
| 売上総利益 | 55,350 | +6.1% | 59,300 | +7.1% | 63,600 | +7.3% |
| 売上総利益率(%) | 20.9 | △0.3pt | 20.9 | ±0.0pt | 20.9 | ±0.0pt |
| 販売費及び一般管理費 | 39,650 | +5.8% | 41,500 | +4.7% | 43,500 | +4.8% |
| (内 減価償却費) | 6,397 | △4.1% | 6,115 | △4.4% | 5,239 | △14.3% |
| 営業利益 | 15,700 | +7.0% | 17,800 | +13.4% | 20,100 | +12.9% |
| 経常利益 | 15,970 | +6.0% | 18,200 | +14.0% | 20,500 | +12.6% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 10,920 | +2.8% | 12,417 | +13.7% | 13,987 | +12.6% |
| 1株当たり配当金 | 41円50銭 | +1円50銭 | 47円50銭 | +6円00銭 | 53円00銭 | +5円50銭 |
<重要指標>能力目標を着実に達成するために、以下の重要指標を活用することで、企業価値の向上を図ります。
| 項目 | 実績 | 目標 | ||
| 第60期 令和4年12月期 実績(連結) | 第61期 令和5年12月期 計画(連結) | 第62期 令和6年12月期 計画(連結) | 第63期 令和7年12月期 計画(連結) | |
| 見積自動化率(%) | 22.6 | 28.0 | 35.0 | 36.0 |
| WEB見積依頼率(%) | 46.0 | 50.0 | 57.0 | 58.0 |
| システム受注率(%) | 85.2 | 86.0 | 87.0 | 88.0 |
| トラスコ オレンジブック.Com 公開アイテム数 | 3,167,188 | 4,200,000 | 5,400,000 | 6,600,000 |
| 総仕入先数 | 3,272 | 3,470 | 3,670 | 3,870 |
| 内)海外仕入先数 | 329 | 350 | 370 | 390 |
| トラスコ オレンジブック 掲載メーカー数 | 2,152 | 2,320 | 2,490 | 2,660 |
| トラスコ オレンジブック 掲載アイテム数 | 374,000 | 374,000 | 374,000 | 374,000 |
| トラスコ デジタルオレンジブック 掲載アイテム数 | 374,000 | 444,000 | 514,000 | 584,000 |
| 在庫アイテム数 | 562,026 | 595,000 | 645,000 | 695,000 |
| 内)商品自動採用数 | 26,109 | 41,000 | 56,000 | 71,000 |
| PB商品開発・ブラッシュアップ数 | 0 | 1,000 | 1,000 | 1,000 |
| 在庫総個数 | 53,197,583 | 56,000,000 | 59,000,000 | 62,000,000 |
| 在庫金額(百万円) | 45,292 | 46,400 | 47,500 | 48,600 |
| 得意先法人数 | 5,575 | 5,630 | 5,680 | 5,730 |
| 得意先口座数 | 31,614 | 32,500 | 34,000 | 35,500 |
| オレンジコマース接続企業数 | 2,233 | 2,600 | 2,850 | 3,150 |
| MROストッカー導入企業数 | 775 | 1,000 | 1,500 | 2,000 |
| 販売個数 | 225,781,587 | 242,000,000 | 261,000,000 | 284,000,000 |
| ユーザー様直送個口数 | 3,556,388 | 4,400,000 | 5,300,000 | 6,300,000 |
| ユーザー様直送行数 | 4,374,725 | 5,400,000 | 6,500,000 | 7,700,000 |
| 入出荷1行当たり人件費(円) | 113 | 108 | 103 | 98 |
| 在庫出荷率(%) | 91.7 | 92.0 | 92.5 | 93.0 |
| 傭車配達便数 | 162 | 150 | 138 | 134 |
| 自社配達便数 | 116 | 124 | 138 | 142 |
| 自社配達便率(%) | 41.7 | 45.7 | 50.0 | 51.4 |
| 納品リードタイム | 20時間10分04秒 | - | - | - |
| CO2排出量(Scope1)(t-CO2) | 2,327 | - | - | - |
| CO2排出量(Scope2)(t-CO2) | 8,109 | - | - | - |
| 発電量(kWh) | 2,653,344 | - | - | - |
| 1人あたり月平均残業時間(時間) | 18.1 | 18.1 | - | - |
(3)今後の見通し
<業績予想>
| 令和4年12月期 (個別) | 令和4年12月期 (連結) | 令和5年12月期 (連結) | ||||
| 実績 | 前期 実績比 | 実績 | 当連結会計年度 予算比 | 予算 | 前連結会計年度 実績比 | |
| 売上高(百万円) | 245,899 | +8.6% | 246,453 | +1.2% | 265,090 | +7.6% |
| ファクトリールート | 170,606 | +5.1% | 170,606 | △0.7% | 182,555 | +7.0% |
| eビジネスルート | 51,576 | +16.2% | 51,576 | +3.0% | 56,967 | +10.5% |
| ホームセンタールート | 22,162 | +20.7% | 22,162 | +13.9% | 23,014 | +3.8% |
| 海外ルート | 1,554 | +23.5% | 2,108 | △2.6% | 2,551 | +21.0% |
| 営業利益(百万円) | 14,588 | +12.1% | 14,667 | +2.9% | 15,700 | +7.0% |
| 経常利益(百万円) | 15,028 | +10.7% | 15,065 | +3.2% | 15,970 | +6.0% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 10,595 | △8.9% | 10,626 | +6.7% | 10,920 | +2.8% |
| 1株当たり当期純利益 | 160円68銭 | △15円66銭 | 161円15銭 | +10円11銭 | 165円60銭 | +4円45銭 |
| 1株当たり年間配当金 | - | - | 40円00銭 | +2円00銭 | 41円50銭 | +1円50銭 |
| プライベート・ブランド商品 売上高(百万円) 構成比率(%) | 45,876 18.6% | +5.6% △0.4pt | 45,876 18.6% | △1.6% △0.5pt | 50,000 18.9% | +9.0% +0.3pt |
(注)1 プライベート・ブランド商品の数値は個別業績です。
2 令和4年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しており、前期実績比は当会計基準等を前期実績に遡及適用した数値と比較して記載しています。
次連結会計年度における当社及び連結子会社の事業環境は、内需の緩やかな回復への期待感はあるものの、海外経済の見通しは厳しさを増しており、輸出企業を中心に業況改善には時間がかかる見通しです。また、物価上昇によるコストの増加や人手不足による人件費増加などの懸念から、先行きについて慎重とならざるを得ない状況です。
次連結会計年度においても、モノづくり現場で必要とされる少量多品種の商品ニーズに的確にお応えするために、必要な設備投資を継続します。物流設備の導入やシステム開発、適正な在庫拡充を継続することで、ファクトリールートや、eビジネスルートの売上高の更なる増加を見込んでいます。また、ホームセンタールートに関しても、売場の改善提案や、当社のサービスを提案することで、主力得意先様の商品納入権獲得を目指します。加えて、海外ルートでは引き続き子会社のTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION (THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAや海外部の諸外国向け販売において、EC企業向けの商品データ提供を加速させることで、既存得意先様の売上高の増加や新規得意先様の開拓を図ります。
販売費及び一般管理費につきましては、売上の拡大に伴う出荷量増による運賃及び荷造費の増加などを見込んでおり、合計396億50百万円を予想しています。
これらの施策を実行することで、様々な市場のニーズに対応できる体制の構築を進め、お客様の利便性向上を図り、事業戦略を強化することで、令和5年12月期は売上高・経常利益の増加を見込んでいます。
次連結会計年度の連結業績に関しては、売上高2,650億90百万円、経常利益159億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益109億20百万円、1株当たり当期純利益は165円60銭、年間配当金41円50銭を予想しています。
(4)会社の経営環境及び対処すべき課題
製造業を中心としたモノづくり現場において、少量多品種の商品ニーズは今後も高まることが予想されます。そのニーズにお応えするためには、ネット通販企業の台頭やAI、IoTといったIT関連が発展していく中で、継続して物流やデジタル分野への投資を強化していく必要があります。また商品、物流、販売、デジタル、人事を柱とした5つの経営戦略を着実に実施していくことが、企業価値拡大の最も重要な要素であると考えます。
①商品戦略
業界最大レベルの在庫(約56万アイテム)を更に拡大するために、海外ブランドを含めた取扱アイテム数をますます充実させるとともに、紙媒体である「トラスコ オレンジブック」の刷新を実行しました。ページ数を半減し、二次元コードによるWEB連携をすることにより、商品選定の利便性を向上しました。
データを商品領域の中心に据え、その拡充・活用・連携を推進し、データを通じてネット通販企業や大手ユーザー様との連携強化、業務プロセスの高速化・効率化、仕入先様との協業深化に取組み、“PRO TOOL” [間接資材]のプラットフォームとしての利便性向上を実現します。
②物流戦略
「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、最先端の物流設備を増強し、ユーザー様直送機能を強化することで、更なる納品スピードの向上を図ります。物流センター28か所及び全国に29か所ある在庫保有支店では、各地域の市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度の高い商品の在庫拡充や配送網を再整備し、即納体制の強化、物流コストの低減につなげることでお客様の利便性向上に努めます。また、マテハン設備とデジタルの双方を駆使し、競争力の源泉である在庫力を継続的に強化することで、お客様が必要とする“PRO TOOL”[間接資材]が「必ず見つかる、すぐ手に入る」を実現します。
③販売戦略
環境変化に柔軟に対応し、お客様のニーズに的確にお応えするため、リアルとデジタルを組み合わせてお客様との接点を増やし、課題を起点にした営業スタイルの変革を実施します。エネルギーや梱包資材などの資源消費削減につながる「荷合わせ・ユーザー様直送サービス」や、リユースサービスの強化につながる修理工房「直治郎」、究極の即納を実現する、置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」など環境負荷を軽減する取組みを強化するとともに、お客様に必要とされる商品の在庫化を推進することでサプライチェーンの効率化を実現します。
④デジタル戦略
サプライチェーン全体の利便性向上のため、業界共通のデータ基盤の構築からユーザー様への先回り納品まで、当社が接点を持つあらゆるシーンでデジタルによる変革を続けていきます。見積自動回答システム「即答名人」、売れ筋商品を自動で在庫化する「商品自動採用システム」、得意先様とのコミュニケーションツール「T-Rate(トレイト)」のほか、AIやロボット活用をはじめとするデジタル変革の一層の加速を図り、他社にマネできない圧倒的な利便性を提供します。加えてそれらを支えるセキュリティ環境を構築し、安心して利用いただけるシステム基盤づくりを継続して進めていきます。これらの活動が評価され、令和4年6月には経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」において、「DX銘柄2022」に選定されました。当社は令和2年に「DXグランプリ2020」を受賞し、3年連続で「DX銘柄」に選定されています。社内の業務改革やサプライチェーン全体の商習慣を変えていくことで今後も新たなサービスを構築していきます。
⑤人事戦略
独創的な発想で活躍できる人材を育てるため、部門を超えたジョブローテーションの実施と多様なコース選択や各種チャレンジ制度をハイブリッドに導入し、個人の能力を最大限に引き出しながら、長く安心して働ける環境を作っています。また、評価制度においては、上司だけでなく、周囲の人が相互に評価しあうオープンジャッジシステム(OJS=360度評価)が、人事考課や昇格などの人事処遇に至るまで運用されています。さらに、主体的なキャリア支援を行うことを目的に令和4年1月に人事部及びHRサポート課を新設し、自律的なキャリア形成の促進をサポートしています。従業員が長く安心して働ける環境づくりに加え、独自の人事制度を実行していくことで、一人ひとりの成長、そして会社の成長につなげます。