有価証券報告書-第74期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 14:38
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169項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、2030年に目指す姿の実現に向け、2025年4月に策定した中期経営計画「Hakuto 2028」を推進しております。当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化する中、エレクトロニクスとケミカルの2つの事業領域、そして商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド企業として、顧客優位で価値の向上に取り組み、中長期的な成長拡大と企業価値の向上を目指してまいります。
(事業環境)
当社グループが主力事業を展開しているエレクトロニクス業界は、生成AI関連投資やデータセンター向け投資の拡大を背景に、先端半導体及びその周辺領域を中心として引き続き高い成長が見込まれております。また、代替エネルギーや電力インフラ、水や空気などの環境対策領域においても新たなビジネス機会が広がっております。一方で、車載関連や産業機器向けをはじめとするその他の分野では需要回復になお濃淡があり、AI関連分野の好調さとそれ以外の分野との二極化が進む中で、既存技術や価値の陳腐化が進行しております。加えて、半導体を巡る供給体制や政策動向の変化もあり、当業界で求められる商社の役割・機能が変化し、その存在意義が改めて問われております。
(当社グループのビジョン)
当社グループのビジョンは、「顧客の進化を加速させるイネーブラーとしてかけがえのない存在になる」です。当社グループは、下記3つの「H」を念頭に、これまで培ってきた技術力や知見に加え、顧客課題に応じてモノ、サービス、技術、情報を組み合わせた複合的な価値提供を行うことで、顧客の事業成功・事業成長を支える存在としての役割を拡大し、ビジョンの実現を目指してまいります。
[High-Value]
顧客を進化させる価値提供
[High-Technology]
最先端技術を追求し、技術、情報を知見として提供する構想力・発想力
[Humanity]
人のこころを熱量で動かす
(当社グループの役割)
当社グループは、エレクトロニクスとケミカルの2つの事業領域において、商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド企業として、多様な顧客ニーズに対応してまいりました。また、独立系専門商社として、仕入先及び顧客の双方に対して自由度の高い関係性を構築してきたことに加え、技術サポートや自社製品・サービスの提供を通じて、顧客との接点拡大に取り組んでまいりました。顧客を取り巻く環境は、事業ポートフォリオの変革、新たな競合の出現、環境・品質基準の高度化などにより、より複雑化しております。当社グループは、こうした変化に対応し、顧客課題の把握とその解決に向けて社内外のリソースを組み合わせ、複合的かつ最適な価値を提供してまいります。
(事業戦略)
顧客課題に応じた提供価値の複合化と新規創出は、当社グループの重要な事業戦略であると認識しております。そのため、M&Aや資本提携を通じて新たな価値を獲得し、注力事業及び周辺領域をさらに深掘りするとともに、既存事業とのシナジー創出を図ってまいります。また、新規事業開発に特化した「ビジネスインキュベーションセンター」を設置し、全社視点での事業・ソリューション開発を推進しております。加えて、海外市場における事業基盤の拡充にも取り組み、顧客の商品開発やバリューチェーン強化に貢献してまいります。
(経営目標)
当社グループは、2026年2月に連結子会社化したRabyte Pte. Ltd.及びRabyte Edge Pvt. Ltd.の損益寄与に加え、AIデータセンター関連の設備投資活発化に伴う先端半導体パッケージ基板向け製造装置案件の増加等、これまでの本計画における事業戦略の進捗を踏まえ、2029年3月期における定量目標を見直しており、見直し後の定量目標は以下のとおりです。なお、両社の連結子会社化により、今後のれん償却費の増加が見込まれることから、見直し後の計画においては、連結EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を指標として追加しております。
当初計画修正計画*ご参考
2026年3月期実績
2029年3月期2029年3月期
連結売上高2,500億円以上2,800~3,000億円1,811億円
連結EBITDA115億円以上135~155億円78億円
連結営業利益率4%以上4%以上3.4%
ROE10%以上10%以上7.5%
株主還元配当性向65~75%、
加えて下限値DOE5%(*)
配当性向65~75%、
加えて下限値DOE5%(*)
75.1%
成長施策の粗利益貢献率30%30%

*DOE=純資産配当率
(人材に関する取り組み)
当社グループは、中期経営計画「Hakuto 2028」において、「イネーブラーを体現する人材の確保と育成」を基盤強化戦略の一つに掲げております。ビジョンの実現に向け、求める人材像を「Think(考える力)」「Drive(推進する力)」「Refine(磨く力)」の3つの要件で再定義し、多様な人材の獲得、社員一人ひとりの成長支援、新たな組織文化の醸成に取り組んでおります。具体的には、エンジニア人材及びDX人材の採用・育成、ラーニングプラットフォーム「伯東の学びの場」による自律的な学びの支援、女性活躍及び管理職登用の支援、エンゲージメント向上に向けた施策等に取り組んでまいります。
(株主還元方針)
当社グループでは、資本収益性の向上を経営上及び財務上の重要課題と位置付けております。本計画期間中は、成長投資と株主還元のバランスを重視しつつ、安定的な株主還元を目指してまいります。具体的には、配当性向65~75%に加え、純資産配当率(DOE)5%の配当下限値を設定いたします。
本計画の着実な遂行により、当社グループならではの提供価値を追求し、顧客からかけがえのない存在として揺るぎない信頼を確立してまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、各事業における技術の進化による新たな競合の出現、既存技術や価値の陳腐化の進行、並びに顧客ニーズの高度化・多様化に伴う専門商社に求められる役割・機能の変化を、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。当連結会計年度においては、生成AI関連投資やデータセンター向け需要の拡大を背景とした成長機会が継続する一方、車載関連や産業機器向けをはじめとするその他の分野では需要回復になお濃淡があり、事業環境は分野ごとに異なる動きで推移いたしました。このような状況のもと、中期経営計画「Hakuto 2028」においては、顧客課題に応じて商品・製品とソリューションを組み合わせた複合的な価値提供と、それを支える事業ポートフォリオの拡充を重要な取り組みとしております。中期経営計画の2年目となる2026年度は、重点市場への経営資源の集中、各事業の収益性と資本効率を意識した経営の徹底、新規事業及び海外事業の拡大に向けた実行力の強化、並びに人的資本経営及びDX推進を通じた経営基盤の強化に取り組むことが重要であると考えております。
各事業セグメントにおける優先的に対処すべき事業上の課題、並びに財務上の課題は以下の通りであります。
(電子部品事業)
電子部品事業は、当社グループにおいて最大の売上規模を有する事業であります。生成AI関連投資やデータセンター向け需要の拡大などを背景に成長機会が見込まれる一方、車載関連分野ではEV関連需要の伸びの鈍化や顧客投資計画の見直し、産業機器分野では需要回復の遅れなど、不透明な事業環境が続いております。また、既存技術や商流のコモディティ化、他メーカーへの置き換えの進行などにより、従来型の販売活動のみでは差別化が難しくなっております。
したがって、同事業における対処の方向性は、顧客及び業界への理解を深め、製品の提供に加えて、顧客の求める情報や技術支援を含めた提案を行うことにより、ソリューション提供企業としての存在価値を高めていくことであります。さらに、重点市場における拡販、既存仕入先との取引深耕、新規仕入先及び新規商材の開拓を進めるとともに、評価・設計支援、品質サポート及び技術サポート体制の強化に取り組んでまいります。また、財務面においては、利益率及び在庫回転期間を意識した管理の高度化を通じて、収益性と資本効率の両立を図ってまいります。
(電子・電気機器事業)
電子・電気機器事業は、当社グループにおいて比較的高収益な事業であります。AI関連需要の拡大を背景に、先端半導体及び次世代パッケージング関連分野における高付加価値な製造装置への需要が高まる一方、需要の変動や急拡大に対応するための生産能力、技術人材、納期対応力及び導入後の保守・サービス体制の確保・強化が課題となっております。また、顧客ニーズの高度化・多様化が進む中、製品販売に加えて、付加価値の高い提案や、導入後を含めた技術サポート体制の強化が重要となっております。
したがって、同事業における対処の方向性は、メーカー機能を活かした自社ソリューションの強化、新規商材によるポートフォリオ拡充、及びエンジニアリング事業の高度化を進めることであります。さらに、スマートエンジニアリングの推進、アフターサービスや保守を含めた提供価値の拡充、人材育成及び営業機能の高度化に取り組むことにより、商社機能とメーカー機能の双方を強化し、高付加価値な事業基盤の構築を進めてまいります。
(ケミカル事業)
ケミカル事業は、当社グループにおける特色あるメーカー事業でありますが、既存の主力市場である石油・石油化学関連及び紙・パルプ関連の需要構造は中長期的に変化しており、成長市場へのシフトが重要な課題となっております。また、環境規制の強化や顧客ニーズの高度化に対応し、製品の提供に加えて、技術支援や分析機能を活かした付加価値の提供が求められております。
したがって、同事業における対処の方向性は、環境・電子産業及びライフサイエンスの各領域における新規事業の創出を進めるとともに、規制強化に対応した技術開発、分析機能等を活かした提供価値の拡充に取り組むことであります。さらに、既存事業においては、販売価格の適正化、原価低減、製品配合及びラインアップの最適化を進めることにより、収益基盤の強化を図ってまいります。
[参考]:過去5期のセグメントごとの売上高、及びセグメント利益(金額単位:百万円)
決算期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
電子部品事業売上高
セグメント利益
157,119
3,682
197,818
10,462
144,287
5,929
142,961
5,239
140,274
3,933
電子・電気
機器事業
売上高
セグメント利益
21,609
2,104
22,717
1,665
26,547
1,777
27,241
2,498
25,300
2,083
ケミカル事業売上高
セグメント利益
12,300
1,337
12,615
849
10,788
35
10,789
△9
11,156
625

海外事業においては、中華圏で地域特性を踏まえた事業体制の強化を図るとともに、ASEAN諸国及びインド等の成長市場で市場開拓を進め、商材・技術・サービスを組み合わせた提案を通じて事業拡大を図ってまいります。
(財務上の課題)
当社グループにおいては、資本コストや株価を意識した経営の重要性を踏まえ、資本効率の改善を優先的に対処すべき課題と認識しております。具体的には、事業別ROICマネジメントを実践し、事業別に定めたKPIの達成に向けた重要施策を推進するとともに、運転資本、特に棚卸資産の効率化や政策保有株式の縮減を進めることで、投下資本の適正化を図ってまいります。さらに、これらにより創出したキャッシュを新規事業やM&Aを含む成長投資に適切に配分するとともに、安定的な株主還元とのバランスを図りながら、キャピタルアロケーションの最適化を進め、資本収益性の改善を通じて中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

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