有価証券報告書-第68期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:26
【資料】
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費に弱さが見られるものの、企業収益や雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調が続く状況で推移しましたが、国内経済を取り巻く労働力不足への懸念や地政学リスクの高まり及び海外経済の不確実性など、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループの貴金属関連事業においては、貴金属原料の確保、化成品等の製品販売及び産業廃棄物処理受託の拡大に鋭意取り組むとともに、国内においては、平成28年9月に岐阜県関市に土地及び建物等を取得し生産二拠点化を進め、海外においては、第1四半期より本格稼働を開始したベトナム現地法人の製錬工場も加えて、積極的拡大を進めてまいりました。また、食品関連事業においては、顧客ニーズを捉えた商品の開拓と提供に鋭意取り組み、国内はもとより、海外拠点の活用も含めた積極的な営業活動を推進し、販売量の拡大に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は163,054百万円(前連結会計年度比0.6%増)、営業利益は2,960百万円(同5.3%減)となりました。営業外損益での持分法利益等により、経常利益は3,459百万円(同8.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,454百万円(同4.6%減)となりました。
セグメント別の営業概況は以下のとおりであります。
① 貴金属関連事業
当事業の主力顧客である半導体・電子部品業界は、スマートフォンや自動車等の市場動向に左右され、年度前半は総じて生産状況が減少傾向でありましたが、年度後半には回復の兆しが見られる状況となりました。このような状況の中で、貴金属リサイクルの取扱量は年度後半から増加に転じ、貴金属製品の販売量も増加しましたが、産業廃棄物処理の取扱量及び電子材料等の販売量は減少し、銀を除いた販売価格の下落もあり、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
これらの結果、当該事業の売上高は102,219百万円(前連結会計年度比1.9%減)、営業利益は1,856百万円(同20.9%減)となりました。
② 食品関連事業
当事業を取り巻く状況は、食品製造業の生産状況において加工食品の輸出増加などにより緩やかな上昇傾向にあるものの、個人消費の弱さから国内市場に大きな伸長は見られず、厳しい事業環境が続いております。このような状況の中で、すりみの販売数量が減少し、販売価格は全体的に下落しましたが、すりみを除く水産品、畜産品及び農産品の販売数量が増加し、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
これらの結果、当該事業の売上高は60,898百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業利益は1,104百万円(同42.1%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は6,784百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,740百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加した資金は811百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加による資金の増加と、持分法による投資利益、売上債権の増加、たな卸資産の増加、法人税等の支払いによる資金の減少の差引によるものです。なお、前連結会計年度の8,593百万円の資金の増加に比べ7,782百万円減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動に使用した資金は1,813百万円となりました。これは主として工場設備の新設・更新等の有形固定資産取得及びソフトウェア等の無形資産取得によるものです。なお、前連結会計年度の1,421百万円の支出に比べ392百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により減少した資金は1,597百万円となりました。これは主に借入金の減少と配当金の支払いによるものです。なお、前連結会計年度の3,274百万円の資金の減少に比べ1,677百万円の増加となりました。