有価証券報告書-第42期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 11:41
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、新興国経済の減速、英国のEU離脱問題や米国の政権交代など、不安定な国際情勢のなか為替が乱高下するなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当カラオケ業界におきましては、ナイト市場は依然として漸減傾向で推移しておりますが、カラオケボックス市場では、大手事業者間の競争激化の動きはあったものの、緩やかながら増加傾向が継続しております。また、成長が期待されるエルダー市場の堅調な拡大による下支えもあり、市場規模は横ばいで推移しております。
この様ななか、各事業におきまして諸施策を実施した結果、当連結会計年度の売上高は、カラオケ・飲食店舗事業及びその他事業が増収となったものの、業務用カラオケ事業及び音楽ソフト事業が減収となったことから、140,640百万円(前年同期比0.5%減)となりました。利益面におきましては、業務用カラオケ事業及びカラオケ・飲食店舗事業の増益が寄与したことから、営業利益は20,694百万円(同4.1%増)となりました。経常利益は保有資産のポートフォリオを見直したことにより営業外収益が増加したことから、22,539百万円(同6.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、為替変動の影響を受け時価が著しく下落した外国債の評価損や、コンテンツ制作部門の新ビル移転に伴う関連費用等を特別損失に計上したことにより11,115百万円(同11.8%減)となりました。なお、営業利益及び経常利益は過去最高となっております。
(百万円)
前期当期対前期増減増減率
売 上 高141,310140,640△669△0.5%
営 業 利 益19,88620,6948084.1%
経 常 利 益21,12722,5391,4116.7%
親会社株主に帰属する当期純利益12,59911,115△1,483△11.8%

セグメントの業績は、次のとおりであります。
(業務用カラオケ)
当事業におきましては、前期発売の「 LIVE DAM STADIUM 」が引き続き市場での高い評価を得ていることに加え、昨年10月にはナイト市場向け新商品「 Cyber DAM HD 」及びエルダー市場向け新商品「 FREE DAM HD 」の2機種を発売し、商品ラインアップの強化と拡販に注力いたしました。その結果、機器賃貸件数及びDAM稼働台数は順調に増加いたしました。また、成長分野として注力しているエルダー市場においては、民間介護施設等での導入に加え、自治体の各種施設等での導入も着実に伸長しております。
以上の結果、前期発売した新商品の初期需要が一巡した影響により、売上高は前年同期比2.2%の減少となりましたが、利益面におきましては、昨年発生しました「平成28年熊本地震」に伴う復旧支援費用に加え、営業資産の買取りコストなどの一時費用が増加したものの、安定的な収益基盤として注力している機器賃貸及び情報提供料収入の増加と販売費等の低減が奏功し、営業利益は前年同期比5.1%の増加となりました。
(百万円)
前期当期対前期増減増減率
売 上 高68,55767,076△1,480△2.2%
営 業 利 益14,14514,8607145.1%


(カラオケ・飲食店舗)
当事業におけるカラオケルームにおきましては、大手事業者間の競争が激化するなか、引き続き既存店の活性化や従業員教育の強化に取組み、顧客満足度の向上による収益基盤の強化に努めました。飲食店舗におきましては、ブランド変更等により既存店の強化に努めるほか、カラオケルームのリソースを活かした新業態店舗等の出店を展開いたしました。また、昨年11月には顧客のインセンティブを高めた予約サイトを立ち上げるなど、集客力の向上に注力いたしました。
以上の結果、カラオケルームの既存店が昨年の夏場以降から回復基調で推移するなか、最大の商戦期である12月及び第4四半期にその兆候がより鮮明となり、売上高は前年同期比0.8%の増加となり、営業利益は前年同期比5.3%の増加となりました。
(百万円)
前期当期対前期増減増減率
売 上 高56,75957,2274680.8%
営 業 利 益7,1587,5363785.3%

(音楽ソフト)
当事業におきましては、当社グループが強みとする演歌作品の主力アーティストである「三山ひろし」や「水森かおり」に加え、芸道55周年を迎えた「北島三郎」などの作品が貢献いたしました。また、J-POPアーティストである「浜田麻里」や「BAND-MAID」などの作品が収益に貢献したものの、当事業環境は依然厳しい状況で推移いたしました。
以上の結果、売上高が前年同期比3.4%減少したことにより、営業利益は前年同期比89.0%の減少となりました。
(百万円)
前期当期対前期増減増減率
売 上 高9,0278,718△308△3.4%
営 業 利 益18920△168△89.0%

(その他)
当事業におきましては、BGM放送事業において光回線を活用したBGM放送サービス「スターデジオ光」とコンシューマー向けストリーミングカラオケサービスの拡販に努めるほか、不動産賃貸、パーキング事業などが堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は不動産賃貸収入やパーキング事業収入等の増加により前年同期比9.4%増加したものの、パーキング事業等の初期投資などの増加により、営業利益は前年同期比6.0%の減少となりました。
(百万円)
前期当期対前期増減増減率
売 上 高6,9667,6186519.4%
営 業 利 益1,5171,426△90△6.0%


(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9,007百万円増加し、61,254百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純利益が17,723百万円、減価償却実施額が16,187百万円、投資有価証券評価損が3,365百万円及び法人税等の支払額が6,885百万円等により、前連結会計年度に比べ5,975百万円増加し、33,076百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得による支出が16,831百万円、無形固定資産の取得による支出が3,592百万円、映像使用許諾権の取得による支出が1,764百万円及び投資有価証券の売却による収入が6,135百万円等により前連結会計年度に比べ11,103百万円減少し、16,331百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、配当金の支払額が6,214百万円、自己株式の取得による支出が2,166百万円、長期借入金の返済による支出が2,467百万円及び長期借入れによる収入が2,385百万円等により、前連結会計年度に比べ1,247百万円増加し、8,546百万円となりました。