有価証券報告書-第149期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/23 16:48
【資料】
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【項目】
156項目
1.経営理念
誠実(Sincerity)に生き
情熱(Passion)を持って仕事をし
親切(Kindness)な対応ができる
企業人の集団
2.経営方針
(1)「持続する収益力」の維持・強化
①最重要経営指標は売上高営業利益率(連結)であると捉え、4.5%を目標にします(当期は4.4%です)。
②本年(2020年)はSPK創立103年目にあたり、これまでの100年の感謝を次の100年の未来の力につなぎ、環境適応企業として進化してまいります。
③ぶれることのないSPK理念経営の下、役員・社員全員が危機感を共有し、一体感をもって難局に立ち向かいます。
④あくまでも本業で勝ち抜くために、人材の育成と商品開発・販路の深掘に徹します。
(2)「高配当」を持続させる
①当社の企業目的は「豊かに永続する」ことです。100年を越える社歴への畏敬とすべてのステークホルダーへの感謝の気持ちを念頭に、この企業目的を達成すべく「理念経営」を実践し、中長期的視野に立って配当政策を実施いたしております。
②「増配の継続」を目標に経営にあたっております。当期(2019年度)末配当は4円増配して、38円配当をしました。通期では5円増配の72円配当になりました。過去の増配実績は下記のとおりです。
年 度9798990001020304050607080910111213141516171819
配当(円)1516212628303234374043474951535557596163656772

③次期(2020年度)の配当につきましては、開示が可能になった段階で速やかに公表いたします。なお、配当性向については、50%以内とすることを基本方針とします。
(3)経営の先進性の追求
①当社の経営理念に基づくコーポレート・ガバナンスを維持・強化し、健全性・透明性を高めることを常に念頭に置き、経営にあたっております。
②取締役の任期を1年とすると共に、既に役員退職金制度を廃止し、緊張感を持って職務にあたっております。
③監査役は社外監査役を過半数の2名にしております。かつ、コンプライアンス(法令遵守)経営を意識して、公認会計士と弁護士が就任しております。
④2020年6月23日開催の第149回定時株主総会での承認を経て、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。取締役会において議決権のある監査等委員である取締役を置くことにより、取締役会の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスのより一層の充実と経営のさらなる効率化を図ってまいります。
3.経営環境
当社グループの経営環境は、米中貿易摩擦による海外経済の下振れ懸念や、新型コロナウィルスの感染拡大の影響から国内外の景気は減速を余儀なくされようとしていることから、当社の事業領域である自動車アフターマーケット市場や建機・産業車輌市場においても厳しい環境が予想されます。
しかしながら、当社グループは100年を超える歴史を有しており、その中で培ってきた下記のような経営資源や競合他社にはない競争優位を活用し、当該経営環境を乗り越えてまいります。
その経営資源や競争優位ですが、国内営業本部では全国1,000社の自動車部品商を通じ、メーカー・モデルを問わず、あらゆる国産車・輸入車を対象に、補修部品・用品を供給しており、そのために、札幌から沖縄まで全国19箇所の営業拠点を配置し、国産だけでも3万点を超える部品の在庫品揃えをもって、お客様の要望には即時に応えられる体制を整えています。また、輸入車部品に関しては大阪・東京のグローバルアフターマーケットセンターを軸に、海外調達部品の流通を行なっています。
また、日々変貌するアフターマーケットの環境に適応し、市場に新たな付加価値をもたらすために、商品開発に特に積極的に取り組んでいます。開発は機能部品を中核に据えつつも、付加価値の高い電子部品や、車載コンピューター診断機等、整備市場の発展に不可欠な製品・システムも合わせて販売しております。
海外営業本部では世界の日本車市場に向けて自動車部品の輸出を行っております。創業以来培った自動車整備・補修部品販売のノウハウを生かし、80か国・350社以上の顧客に高品質な製品・サービスの提供しています。また、シンガポール・マレーシア・タイ・中国広州・オランダ・米国に現地法人を構え、より地域に密着したサポートや商品開発を積極的に推進し、多様な市場ニーズへの対応を実現しています。
カーメーカーの生産拠点のグローバル化に伴い、世界の日本車市場は拡大の一途をたどっておりますが、この時代の変化に適応すべく、独自のグローバルネットワークを生かして更なるサービス向上に邁進しています。
工機営業本部は建設車輌をはじめ、フォークリフト、トラクター等の産業車輌を生産する大手製造メーカー向けに組付け用の部品・部材を供給しています。
主たる取扱商品は、各種ランプ商品、多機能スイッチ類や樹脂部品、各種電装品、フィルター関連部品等、幅広い商品群を備え、新販路の拡大に加え提案営業の実践による成果とともに当社オリジナル商品の品揃えも充実させつつあります。
お取引様のグローバル展開に歩調を合わせ、海外部品調達比率を増やしながら、一方では北米をはじめ中国での製造拠点向けに直貿による納入を推進し、グローバル営業展開によるSPK新時代に向けての規模拡大に躍進中です。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響につきましては、次項「4 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」、および「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
4.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各セグメントで次の影響が出ております。
国内営業本部においては、先行きの不透明感に起因する消費マインドの低下により、車検部品の交換率の低下や、嗜好性が高いカスタマイズパーツの買い控えの傾向が見られます。
海外営業本部は海外約80ヵ国と取引をしておりますが、その内の半数以上の40カ国において、2020年3月下旬から4月中旬の期間、当該政府より外出禁止令、活動制限令、緊急事態宣言等が出され、取引先の営業活動に多大な影響を及ぼしています。その結果、当社にも影響が出始めており、今後受注減少による売上減少が懸念されます。
工機営業本部では、取引している多くの国・地域の顧客車両メーカーや部品仕入先の工場で、車両および部品の生産を一時的に停止しているか、または今後そのような措置が講じられる事があり、業績悪化に繋がる恐れがあります。
このような状況下における当社グループの課題は、自動車補修部品の供給というライフラインを守ることであり、新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な中での財務上の課題は手元流動性と経営の安定性を高めることです。そのため当社では、2020年5月に邦銀5行と当座貸越契約を締結し、合計25億円の資金調達枠を確保しております。
5.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいて重要と位置付ける経営指標は、売上高営業利益率であると捉え、4.5%を目標としております。当連結会計年度の売上高営業利益率は4.4%(前年同期比0.1ポイント減少)でした。引き続き、これらの指標が改善されるよう取り組んでまいります。