有価証券報告書-第155期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 17:07
【資料】
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【項目】
165項目
② 戦略
当社グループは、中期経営計画「VISION2030」において、「サステナブルな低炭素社会への貢献」を重要な柱の一つとして掲げており、気候変動対応を経営戦略の一環として位置づけています。2025年度は、気候変動リスクへのレジリエンス強化と排出削減の両立を基本方針とし、再生可能エネルギーの導入、温室効果ガス排出量の削減、BCPの整備、Scope3算定準備等を進めました。
当社グループが認識する移行リスクとしては、炭素税・排出規制等の強化によるコスト増加、再生可能エネルギー調達要請の拡大と電力価格上昇、取引先からの脱炭素要請への未達に伴う競争力低下、サステナビリティ情報開示義務強化に伴う管理負担増加等があります。物理的リスクとしては、台風、豪雨、洪水等の異常気象の激甚化による事業拠点の操業停止や設備損壊、サプライチェーンの寸断、平均気温上昇や熱波に伴う労働環境悪化及び空調等ユーティリティコストの増加を想定しています。2025年度の主な取り組みとしては、本社及び国内営業所並びにグループ会社を対象に再生可能エネルギー由来電力の導入を推進し、国内電力消費量約8割の切替を完了しました。これにより、購入電力に起因するScope2排出量の削減に向けた基盤整備を大きく進展させました。今後は、Scope1・2の排出削減施策を継続するとともに、Scope3についても段階的に算定対象を拡大し、サプライチェーン全体を視野に入れた排出削減の検討を進めていきます。
②-1. シナリオ分析(1.5℃/4℃)
当社グループは、気候変動に伴う事業環境の変化が中長期的に当社の事業活動に与える影響を把握することを目的として、複数の気温上昇シナリオを用いた分析を実施しています。本シナリオ分析は、IEA及びIPCC等の外部シナリオを参照し、当社の事業特性を踏まえて整理しています。シナリオ分析においては、一定の外部環境上の仮定のもと、移行リスク、物理的リスク及び機会が、当社グループの事業運営、物流機能、サプライチェーン等に及ぼし得る影響の方向性を整理しています。具体的には、脱炭素政策の強化、エネルギー調達構造の変化、取引先からの脱炭素要請の高まり等、移行面の影響が相対的に大きく顕在化する1.5℃シナリオと、台風、豪雨、洪水等の異常気象の激甚化や気温上昇に伴う労働環境・物流網への影響等、物理面の影響が相対的に大きく顕在化する4℃シナリオを比較しています。今後は、シナリオ条件、時間軸及び財務影響の把握・検証を進めることにより、分析の高度化を図っていく方針です。
大区分小区分概要時間軸1.5℃4℃事業及び財務への影響
移行リスク政策・規制炭素税、排出規制、開示義務等の強化により、脱炭素対応コストや管理負担が増加するリスク。中期炭素関連コスト、情報開示対応コスト、内部管理工数の増加。
移行リスク市場・顧客取引先からの脱炭素要請や再エネ調達要請に十分対応できない場合、競争力低下や取引機会の逸失が生じるリスク。中期〜
長期
売上機会の逸失、既存取引の縮小、提案・営業対応コストの増加。
移行リスクエネルギー
調達
再生可能エネルギー調達需要の拡大や電力価格変動により、エネルギーコスト構造が変化するリスク。短期〜
中期
電力単価の上昇、調達契約見直しコストの発生。
物理リスク急性台風、豪雨、洪水等の異常気象の激甚化により、営業所・倉庫・物流網が被災し、操業停止や配送遅延が生じるリスク。短期〜
中期
営業停止、商品毀損、物流停滞、復旧費用の発生。
物理リスク慢性平均気温上昇や熱波の頻発により、労働環境の悪化や空調等ユーティリティコストの増加が生じるリスク。中期空調費等の増加、業務効率の低下、安全衛生対応コストの増加。
機会省エネ・再エネ再生可能エネルギー導入や省エネ活動の徹底により、エネルギーコスト削減とレジリエンス向上を図る機会。短期〜
中期
Scope2削減、将来的なコスト抑制、外部評価向上による企業価値向上。
機会環境配慮型製品・サービス市場ニーズの変化に対応し、環境配慮型の低炭素製品・サービスや資源循環型商材の提供を拡大する機会。中期〜
長期
新市場開拓、販売機会拡大、製品・サービス構成の高度化。
機会サプライチェーン管理高度化Scope3算定や取引先との連携を通じて、サプライチェーン全体の可視化と改善を進める機会。中期〜
長期
調達・物流の最適化、開示品質向上、取引先との関係強化。

*凡例:小:5億円以下 中:5億円以上10億円以下 大:10億円以上 時間軸の定義:短期=3年以内、中期=2030年まで、長期=2050年

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