有価証券報告書-第57期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/28 14:30
【資料】
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【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社の経営理念である「ウェッズの永遠のテーマ、それはCHALLENGEです。私達は人と車の未来に向けて、常に新しく価値ある商品を創造し社会に貢献します。」を念頭に置き、「私達は、お客様最優先の営業方針と会社・株主・社員三位一体の取り組みにより、会社の繁栄と安定を追求して、株主利益の向上と社員のライフプラン充実に努めます。」を経営方針としております。
当社は、1969年に我国で初めてホイールを市販市場へ商品投入したいわばカスタム・ホイールの草分けでもありますが、かかる基本方針の下に「顧客と株主の皆様から信頼を戴き、社員が豊かさや夢を追求する会社」、そして「カー用品卸売業界で存在感のある会社」になることを経営目標に掲げて努力をいたします。
(2)中長期的な会社の経営戦略等
当社グループにおける、主な各社の中長期経営戦略は次のとおりです。
[Ⅰ]㈱ウェッズの中長期戦略
①ウェッズ・ブランド構築
高中級アルミホイール販売戦略においては、商品ブランドイメージと企業認知度の両輪を高める事が重要であると考えます。新型コロナ感染症の影響により、東京・大阪の2大カスタムカーイベントへの2年連続不参加となり新商品などのアピール活動が出来ませんでしたが、従来の紙媒体重視からHPやSNS、動画などへシフトでの活性化を図り、モータースポーツ活動を筆頭に各種イベントへの積極的参加、各カテゴリーでの付加価値商品の開発による幅広いブランド力の構築を進めて参ります。また、当社グループはウェッズとスーパースターの2ブランドで商品の開発力を強化して市場シェアーを高めるように取り組んで参ります。
②ウェッズ・ルネッサンス活動
当社は、営業の会社として(ア)社員が明るく元気でよく働き、お客様最優先の営業方針が行き届く会社、(イ)自動車用品アフターマーケットにおいて売上高・利益が業界ダントツの会社を目指しております。鍵は社員のモチベーションアップであり、ウェッズ・ルネッサンス活動により会社活性化と営業力強化対策を推進しています。
③ウェッズ営業力強化及びシステム構築
当社は、コア事業(ホイール・用品の卸売業)の拡大を目指しており、営業力強化として更なる革新性・創造性・柔軟性・整合性が持てる企業風土への変革を目指しています。また過年度に開発完了しましたWEB受注システムにおいては、利用頻度を上げていただくためのフェーズに移行しています。お客様の利便性向上のため使用状況のフィードバックを行い、また、内務者の業務効率向上の為に開示商品群を追加し利用率を高める改良を進めて、営業力とシステム力の強化により更に効率のよい体制を目指して参ります。
弊社の基幹システムは稼働して14年が経過し、営業所内務者の業務効率化をサポートするためシステム改善を進めております。将来は、営業力とシステム力の強化により更に効率の良い体制を目指して参ります。
[Ⅱ]㈱バーデンの中長期戦略
①自動車用品小売事業の収益力改善
㈱バーデンでは、カー用品とカーメンテナンスの専門店「ジェームス」を4店舗と、より多くの顧客に向けたネット販売を運営しております。
ジェームス4店舗では、クルマのトータルアドバイザーとして、お客様への最適な提案と安全な技術の提供を通じて、豊かなモビリティーライフを実現し、今後の自動車用品小売市場で勝ち残っていくために、
(1)安定した収益基盤の確立、(2)魅力ある店舗運営、(3)バーデンらしさの訴求、の3つのビジョンの実現に向けて取り組んで参ります。
ネット販売部門では、近年の消費者購買行動の変化に対応し、今後さらなる売上増加を目指すために、
(1)運営体制の強化、(2)PB商品開発含めた取扱商品の拡充、(3)販売チャンネルの拡大、の3つのビジョンの実現に向けて取り組んで参ります。
②福祉事業の採算性の改善と入居の促進
㈱バーデンが運営する福祉施設グレイシャスビラ安城は、常に敬愛の念を抱き、「安心」「安全」「安穏」をご提供する「おもてなし」の心を持ち、日々の運営にあたっております。
今後、少子高齢化が益々進み、福祉業界自体の変化も想定される中、また近年はコロナ禍における感染防止対策に最大限の注意を払いながらの運営が必要な環境下で事業を継続していくために、施設の運営規模と弐番館の活用方法、新たな収入源の拡大を常に検討し、安定した収益基盤を構築して参ります。
また、そのための介護職員の確保と育成・教育、入居者数の確保については、継続的な課題として取り組んでおります。
[Ⅲ]㈱スーパースターの中長期戦略
①高級品アルミホイール生産基盤の強化
㈱スーパースターは高級品の2ピース、3ピースホイールの販売事業を営む㈱ウェッズ100%出資の子会社です。2006年4月の営業開始から16年間が経過したものの、高級品市場の低迷により収益力が好転せず対策として販売基盤の強化に取り組んでおります。現在は㈱ウェッズがスーパースターオリジナル商品の総販売代理店となり販売部門を㈱ウェッズと統合いたしました。㈱スーパースターは製造に特化することにより経営効率を高めることといたしました。今後は品質管理・生産管理の徹底、仕掛品在庫の圧縮、環境安全対策の推進等に取り組んでおり、社員のモチベーションアップにより課題を推進して参ります。
[Ⅳ]㈱ロジックスの中長期戦略
①物流事業の競争力強化及び物流基盤構築
㈱ロジックスは、愛知県を基点に北海道、東北、関東、中部、山陽、九州の各エリアに計15箇所の物流拠点を配置し、物流競争力強化と経営目標達成に向けた取り組みを推進しています。しかし、昨今海上輸送コンテナ確保の困難さや価格高騰、国内トラック輸送サービス低下(輸送不可・配送日数の長期化)等から発生する課題が顕在化してきました。当社はこれらの課題に対応すべく顧客と協力し、より効率的で総費用を低減できる物流再構築の取組みを進めています。今後も引き続き国内拠点と輸送網の最適化や情報システムの整備を継続し、自社の更なる競争力向上と顧客の物流総費用低減を推進して参ります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、目標とする経営指標を連結経常利益率に絞って、5%以上を維持、継続することを目標として、引き続きチャレンジして参りたいと存じます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、自動車用品アフターマーケットの成熟化や競争激化等に対応すべく体制強化に取り組んでおりますが、当社及び連結子会社が対処すべき課題は次のとおりです。
①自動車関連卸売事業における高中級アルミホイール商品開発力の強化
当社の高中級アルミホイールは、“クレンツェ”を筆頭にマーベリック、ウェッズスポーツ、レオニスなど主力ブランド商品で数多くのロングヒットを生み、市場で安定的な評価を得て来ましたが、近年はマーケットの縮小成熟化による影響で商品戦略の見直しが必要となりました。
新たな取組みとして市場動向の各ブランドの直面している問題点を見直して積極的な改廃や、新たな商品作りでの積極的なリリースが出来るように取組むことで、更なる商品力向上を目的とした再強化を図り付加価値のある商品作りを目指して参ります。
②自動車関連卸売事業における営業力強化及びシステム構築
当社は、今後の競争に勝ち抜くための決め手は営業力とシステム力と考えております。営業力は伝統的な強みを持っていますが、更にお客様とのコミュニケーションを深め信頼を得ていきます。基幹システムは稼働して14年が経過し利便性の向上を目指し日々改良を進めています。
また過年度に開発完了しましたWEB受注システムにおいては、利用頻度を上げていただくためのフェーズに移行しています。お客様の利便性向上のため使用状況のフィードバックを行い、また、内務者の業務効率向上の為に開示商品群を追加し利用率を高める改良を進めています。また昨今のサイバー攻撃への防御対応も推進し、営業力とシステム力の強化により更に効率のよい体制を目指して参ります。
③自動車関連卸売事業における商品管理の強化
当社主力商品のアルミホイールは、流行や嗜好性が高く販売競争や季節変動等により過剰在庫が生まれやすい問題点を抱えています。
数年来商品管理の在り方を見直し方針管理の徹底に取り組み過剰在庫の一掃を進めておりました。しかし販売の増減の対処法を更に強化するため、販売部・経理部・業務部の連携を深め、商品アイテム、サイズアイテムの見直し、発注ロットの最小化の交渉を進め、今後も、降雪状況に左右されない販売・生産・適正在庫を目指して参ります。
④自動車関連卸売事業における高級アルミホイール製造販売の拡充
連結子会社㈱スーパースターは、当社グループの自動車関連卸売事業における高級アルミホイールの商品供給力強化のために、製造に特化し生産効率の改善に努めて参ります。
⑤自動車関連小売事業の収益改善
連結子会社㈱バーデンは、自動車用品小売事業を戦略部門に掲げ、カー用品とカーメンテナンスの専門店「ジェームス」を4店舗運営しております。
コロナウイルス感染症影響もある中で、事業全体としての収益は向上いたしましたが、2店舗において収益が悪化したため、減損損失を計上いたしました。収益改善のために、タイヤ・オイル・バッテリーなど、メンテナンスサービスや車検といった収益性の高い部門を中心に、積極的に販売強化を行って参ります。
カー用品店として、お客様の安全・安心なカーライフを楽しんでいただくために、高い知識と確かな技術力、充実した品揃え、見て触れて体感できる売り場、親切で分かりやすい応対ができるスタッフ、待ち時間も快適に過ごしていただける待合いサロンなど、お客様の立場に立った店舗づくりも目指して参ります。
また、より多くの顧客に向けたネット販売においても、実店舗でのニーズを基に、幅広く魅力的な商品を提案することで、さらなる収益拡大に努めて参ります。
⑥福祉事業の収益改善
連結子会社㈱バーデンでは、複合福祉施設“グレイシャスビラ安城”を2005年に開業いたしました。その後、運営規模を拡大し入居者の増加と効率化を進めてまいりましたが、介護職員の不足などにより新規入居者の受入れが進まず、一時期業績が悪化しましたが、2019年から運営方法の見直しを行い、入居者にはより住みやすく、職員にはより働きやすい施設を目指し、現在も改革を進めております。従来からの有料老人ホーム・訪問介護事業・通所介護事業・障害者支援事業に加え、2021年12月から訪問看護事業も立ち上げ、自社での運営領域を広げる事で、徐々にではありますが収益改善も進んでおります。
併せて、当施設は昨今のコロナウイルス感染症による入居者への感染対策を最重要課題として取り組んでおり、現在も施設内感染者0(ゼロ)を継続しております。
⑦輸出売上高の確保
当社は、国内市場の成熟化が進んでおり、現在の輸出先は、北米・東南アジア向けを中心に限定的な販路・金額にとどまっています。また、新型コロナウイルス感染症による影響が長引いて、渡航不可、イベント中止、などで営業活動が制約され、更には海外輸送問題も伴い先行き不透明な状況が続く環境ではありますが、Web会議を主とした情報交換を積極的に行い各国代理店や国内エージェントとコミュニケーションを高めて海外市場にマッチした品揃えやSNS、動画配信など活用したプロモーションを強化して、営業活動不足を補い、更なる輸出の拡大に努め、輸出売上高を確保し世界市場への拡販を目指して参ります。
⑧物流事業の倉庫運用、輸配送の効率化と拠点網の最適化
連結子会社㈱ロジックスは、日本国内9箇所の自社運営倉庫及び9箇所の外注倉庫を管理・運営し、当社商品や自動車用部品等について高効率・高品質な物流サービスを提供すべく、物流企画・管理・改善活動に取り組んでおります。しかしながら、近年トラックドライバー不足による路線便の減便、庫内作業者などの人員不足、更には新型コロナウィルス感染症・半導体不足による顧客の稼働停止への対応が課題となっています。これらの課題を解決すべく、当社商品について日本国内の物流拠点や輸送の再編、輸入製品の一貫最適物流の検討、また自動車用部品について昨年度に開設した愛知県の自社倉庫を軸に稼働停止にフレキシブルに対応する稼働体制・輸配送サービスの構築・提供に取り組んでいます。
⑨携帯電話代理店事業の収益改善
連結子会社㈱バーデンでは、2003年の会社設立時より山形県において、携帯電話代理店事業を行っております。事業開始以来、地域のお客様から愛される店舗を目指し、順調に業績を上げて参りました。
しかし、昨今のコロナウイルス感染症もあり、来店客数の減少、オンラインでの購入増加、低価格ブランドの台頭による台あたり収益の減少、キャリアからの報奨金の減少等により業績が悪化したため、2021年11月に1店舗を譲渡し、今回2店舗の減損損失を計上いたしました。
今後は、人員配置の見直し、外部イベント強化、周辺機器販売強化、お客様への最適プランやサービスの提案など、店舗運営方法を見直すことでの収益改善、またキャリア評価を上げる事での報奨金の更なる獲得により、収益拡大を目指して参ります。
⑩内部統制の仕組みの改善・強化
当社並びに連結子会社㈱バーデンにおいて、本年5月に公表しました通り従業員による不正行為が発覚しました。
本件での調査等を通じ、再発防止に向け仕組み・運用面、システム面、人事・組織面など様々な観点より対策を検討し、順次対応を進めております。それらの取り組みを通じ、また更に改善していくことで、内部統制全体の仕組みを強化してまいります。