有価証券報告書-第37期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/22 14:29
【資料】
PDFをみる
【項目】
125項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、1984年の創立以来、社名に表す「イメージ(画像)」に強いこだわりを持ちながら、各々の時代において最先端の製品やサービスを社会に提供してまいりましたが、抜本的な経営改革を目指す事業戦略として、企業理念も「人の健康、国の安心・安全の分野において、画像を通じてお客様の迅速かつ的確な意思決定、意思伝達を支援し、社会コスト削減に貢献してまいります」から「人の健康と地球環境の分野において、IT医療と再生可能エネルギーおよび環境事業を通じ、健康な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります」とし、新たな事業領域への積極的な投資により、健康と環境を創造する企業へと変革して参ります。
(2)事業戦略の骨子
第一に、既存のヘルスケア事業分野での選択と集中による事業再構築や新規事業とのシナジー効果による高い付加価値サービスの提供を目指しております。
第二に、ヘルスケア事業領域の新規事業として「クラウド型オーダリング電子カルテ事業/再生医療関連事業/遠隔医療相談グローバルサービス事業」、新たな事業領域となる再生可能エネルギー事業として「太陽光発電事業/風力発電事業/バイオマス発電事業」、環境事業として「バイオプラスティック事業/除染事業」等の成長戦略の柱となる事業分野への積極的投資を行い、地方創生にも積極的に貢献して参ります。
第三に、M&A・業務提携による外部リソースの積極的な取り込みによる既存事業での新たな付加価値の創出および事業優位性の向上、新規事業ではスピーディーな事業運営の展開を図って参ります。
(3)目標とする経営指標
当社におきましては、売上高と営業利益の継続的な拡大及びROEの向上を目標としております。
(4)中長期的な経営改革
当社を取り巻く環境が刻々と変化していく状況の中、上記ミッションを達成するために、以下の5つを経営方針の改革として推進してまいります。
① 長期にわたる業績低迷に決別し「攻めの経営」を敢行する
② 新規事業の創出による収益基盤の早期確立を目指す
③ M&A・業務提携により外部リソースを積極的に取り込む
④ 既存事業の再構築及び新たな付加価値の創出を図る
⑤ 結果にこだわる経営姿勢で定量目標を達成する
(5)経営環境
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う世界経済の急減速、インバウンド需要の急減、外出自粛による内国需要の急減を受けて大幅に悪化しており、一部では内需の持ち直しや世界経済の底入れに伴い改善傾向にあるものの、今後の先行きに関しては、新型コロナウイルス第二波の恐れが景況感を下押しし、更に悪化する可能性も見込まれる為、企業の景気や業績の先行きに対する見方は慎重化している状況にあります。
当社を取り巻く事業環境といたしましては、主要分野であるヘルスケア領域において、政府の成長戦略で掲げる新しい社会「Society5.0」の実現に向けた医療・介護分野での具体的戦略において「リアルタイムの自動健康診断などでの健康促進や病気を早期発見すること」、「生理・医療データの共有によりどこでも最適な治療を受けること」が挙げられており、また、新設される予定のデジタル庁の医療分野構想においても「オンライン診療の原則解禁」等も発表されており、当社主要販売商品であるクラウド型電子カルテ、医療用画像管理システムはまさに現在の政府施策に合致した商品であり、追い風の状況にあります。
一方、地球環境ソリューション領域において、国土交通省は、土木測量分野等の生産性を飛躍的に高める目的で「i-Construction」を推進し、やはりICTが戦略の中心に置かれておりますが、とくにUAV(小型無人航空機)に大きな役割を担わせる戦略となっております。再生エネルギー事業は、政府が進める温暖化ガス2050年実質ゼロを目指すことにより再生可能エネルギーの主電源化が益々期待されております。
(6)成長を支える財務戦略
当社は積極的に資金調達を行い事業推進してまいりますが、新型コロナウイルス感染症により、経済環境の先行きが不透明な状況の中、今後、事業環境はもちろん、資金の調達環境も大きく変わるリスクが考えられます。そのため、安定的な資金が確保できるエクイティによる調達は当社にとって引き続き重要な資金調達手段であるものと位置付けております。新株の発行を含め自己資本の充実に努めつつ、有益な運用と事業展開を推し進めることが資本政策の要諦と考えております。
(7)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 安定利益確保の体制構築
② キャッシュ・フロー経営の徹底と財務体質の強化
③ 新規事業の創出による収益基盤の早期確立
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、当社財政状態及び経営成績へ多大な影響を及ぼしました。2021年9月期にかけてもこの影響は続くものと推測されますが、収束期間の予測は困難ではあるものの、感染症拡大を抑えつつ経済活動を再開する流れとなっており、2021年9月期以降の当社財政状態及び経営成績は、2020年9月期ほどの影響を受けることはないと予想しております。
新型コロナイルスの感染拡大に伴い、経済活動の制限によりマーケットが悪化し、対面での営業活動が制限され仕入および販売活動が滞る状況が発生しております。感染拡大の防止と経済活動の両立を模索するなど、徐々に正常化に向かう動きが見られるものの、感染の再拡大等により人の動きが再び制限される可能性を排除できないことから、既に運用を開始しているWEB会議システムを活用した商談や調整作業等に加え、人や物が動けない状況が長期化する場合でも正常に事業を継続できる体制を検討してまいります。
また、ヘルスケアソリューション事業においては、クラウド型電子カルテ、医療用画像管理システム等の商品力及び新規顧客の獲得を強化しつつ、クラウド型電子カルテの技術を採用した新型コロナウイルス検査運用システム、遠隔医療相談グローバル事業等、感染症防止対策を踏まえた事業推進に積極的に取り組んでおります。
さらに、当社では事業継続のため、従業員に感染症対策について教育を行う他、リモートで各種業務を行える体制構築や従業員個別の事情に応じて感染リスクを抑えた勤務を認めるなど、感染状況に応じて柔軟な対応を行っております。