有価証券報告書-第41期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)

【提出】
2018/05/22 13:04
【資料】
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【項目】
99項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における国内経済につきましては、世界経済の回復を背景とした企業業績の拡大が続いており、雇用・所得環境の改善により景気は緩やかな回復基調で推移しているものの、米国の政策動向や東アジア・中東における地政学的リスク等の不安定要素に伴う国内景気の下振れ懸念があり、先行きは不透明な状況が続いております。
国内衣料品販売につきましては、モノに対する節約志向は依然根強く残っているものの、個人消費に持ち直しの動きも見られ、自分が体験する楽しさに価値が見合っていれば、コト体験を通してモノを求める消費者が増えてきており、中間層による節約志向から選別消費へのシフトが顕著に見られております。
このような状況の中で当グループは、店頭から生産現場までを結んだ情報システム網を活用し、製造・販売を一体化した自己完結型の国内生産体制の強みを生かしながら、多様に変化する顧客ニーズに、機敏かつ柔軟に対応できるように尽力して参りました。
当連結会計年度におきましては、春夏物商戦において、これまでにない肌触りを体験して頂くためのプレミアムタイツの展開を強化したことや、吸水速乾性に優れ常に清涼感を体感頂けるカバーソックスの展開など、新素材・新機能を持つ商品の展開に注力して参りました。秋冬物商戦におきましては、例年に比べて早い時期から気温が低く推移したことや、季節感に応じた商品対応を迅速に行い、品揃えを厳選した専門店の立て直しを進めた結果、プレミアムタイツや定番商品、ウール素材商品などが好調に動き、売上高は堅調に推移しました。
出退店状況におきましては、フランチャイズチェーン店3店舗、直営店3店舗の新規出店と、フランチャイズチェーン店6店舗、直営店9店舗の退店により、当連結会計年度末における店舗数は、フランチャイズチェーン店98店舗、直営店177店舗(海外4店舗を含む)、合計275店舗となりました。
連結子会社におきましては、Tabio France S.A.S.における欧州事業基盤の安定化を最優先事項として取り組むと共に、タビオ奈良株式会社では、商品品質検査や検査検品体制の強化、商品の入出庫業務の改善等に向けた取組みを行って参りました。
利益面におきましては、特別損失として当社の連結子会社であったTabio Europe Limitedの清算完了に伴う関係会社清算損40百万円、直営店の移転・リニューアル及び不採算直営店の内装・什器等にかかる減損損失102百万円をそれぞれ計上致しました。また、繰延税金資産の回収可能性を検証した結果、資産除去債務に係る繰延税金資産91百万円を取り崩し、法人税等調整額(税金費用)として計上致しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、16,386百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は470百万円(前年同期比3.9%減)、経常利益は493百万円(前年同期比1.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は110百万円(前年同期比52.8%減)となりました。
・事業部門別の業績は、次の通りであります。
a.靴下屋関連部門
当グループの主力部門である「靴下屋関連部門」では、中高生からファミリー層に至るお客様に向けて、地域・出店場所に応じた品揃えと、ご来店頂き易い店舗を念頭においた『靴下屋』を核として、ブランド構築に努めて参りました。
当部門では、品揃えを厳選し自社の強みを発揮できる素材や技術力を生かした商品企画を進めると共に、コト消費に焦点を当てたライフスタイル型ショップの展開を進めるなど、時代に適合した専門店の確立を進めて参りました。また、下期からは店頭のオムニチャネル化を本格的に始動させており、通販アプリや客注システムを活用しながら、お客様1人1人のニーズに合ったサービスの提供や利便性の追求に尽力して参りました。
以上の結果、「靴下屋関連部門」の売上高は、13,315百万円(前年同期比2.6%増)となりました。なお、フランチャイズチェーン店3店舗、直営店1店舗の新規出店とフランチャイズチェーン店6店舗、直営店5店舗の退店により、当連結会計年度末における「靴下屋関連部門」の店舗数は、フランチャイズチェーン店98店舗、直営店119店舗、合計217店舗となりました。
b.ショセット関連部門
「ショセット関連部門」では、百貨店やファッションビル等、ハイセンスな立地への出店に特化し、品質や感度の高い商品を展開する『タビオ』と、上質で品格があり、こだわりを持った紳士靴下の提案を行う『タビオ・メン』などの紳士靴下専門店のブランド構築を進めて参りました。
「ショセット事業」では、「GINZA SIX」等で代表される高感度立地での『タビオ』店舗の確立を推進していくと共に、働く大人の女性に向けた付加価値の高い商品の企画・提案や健康関連商品の展開を行うことにより、エリア戦略を意識し『靴下屋』との差別化を図った店舗展開を行って参りました。また、「紳士靴下事業」では、メンズ単独店におけるストアブランドの確立や、『靴下屋』『タビオ』における複合店でのメンズ売場の強化を図ると共に、定番商品の強化や新商品のラインナップの拡充を図ることにより、お客様の購買意欲の喚起とブランド認知度の向上に向けた取り組みを進めて参りました。
以上の結果、「ショセット関連部門」の売上高は、2,727百万円(前年同期比7.2%増)となりました。なお、直営店2店舗の新規出店と直営店4店舗の退店により、当連結会計年度末における「ショセット関連部門」の店舗数は、直営店54店舗となりました。
c.その他の部門
「海外関連部門」では、日本本部と現地スタッフとの連携強化を通じてイギリス支店における現地営業力の強化と経営の効率化を図って行くと共に、フランスの販売子会社Tabio France S.A.S.における既存店舗の強化と欧州事業の安定した収益基盤の確立に尽力して参りました。また、10月に北米向けのEC事業を立ち上げており、SNS等による販促を活用しながら、メイド・イン・ジャパンとしての靴下認知度の向上に向けてテスト販売を開始致しました。
この結果、「その他の部門」の売上高は、343百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
(注) セグメント情報について
当グループは、靴下に関する事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
なお、セグメントに代えて、事業部門等に関連付けて記載しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、期首に比べ118百万円増加し、当連結会計年度末には、3,161百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費362百万円、税金等調整前当期純利益で338百万円、減損損失で102百万円の増加があったこと等により、857百万円(前年同期比156百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出138百万円、有形固定資産の取得による支出47百万円の減少があったこと等により、△181百万円(前年同期比34百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出292百万円、配当金の支払額205百万円の減少があったこと等により、△563百万円(前年同期比582百万円の減少)となりました。