有価証券報告書-第37期(平成25年3月1日-平成26年2月28日)

【提出】
2014/05/27 12:52
【資料】
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【項目】
104項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における国内経済につきましては、デフレ脱却を目指した政府の経済政策の効果等を背景とした企業収益の改善や消費マインドの向上により、個人消費の増加や設備投資の持ち直しが見られ、景気回復の動きが鮮明になりつつあります。一方で、世界経済を巡る景気先行きの不透明感や消費増税後の個人消費の下振れ懸念など、依然として国内景気の下押しリスクが存在しております。
国内衣料品販売につきましては、シーズンを通して、気温の変動や天候状況によって、月次ベースで販売動向が大きく左右される専門店が多く見られました。また、消費者の購買行動においても、ここ数年、実需での購買傾向が強まってきており、専門店としての独自性を発揮し、季節感やトレンドに柔軟に対応した商品展開のできる専門店であることが求められてきております。
このような状況の中で当グループは、店頭から生産現場までを結んだ情報システム網を活用し、製造・販売を一体化した自己完結型の国内生産体制の強みを生かしながら、多様に変化する顧客ニーズに、機敏かつ柔軟に対応できるように尽力して参りました。
当連結会計年度における業績につきましては、4月~5月初旬に気温が低くなったことや10月に記録的な残暑の影響を受けたこと、11月~12月の気温が比較的温暖であったこと等により、季節感のズレや天候不順による影響を受けた月の売上高は低調な動きとなりました。一方、暖かい陽気に包まれた3月や秋色夏物素材の商品展開を行った8月、猛暑から一転して初秋の訪れを感じさせる気候となった9月や厳冬となった1月~2月においては、季節商品に対するニーズが高まり、カバーソックスやショート丈靴下、ストッキングやタイツなど、季節感やお客様のニーズと商品提案が一致した月の売上高は堅調に推移しました。
出退店状況におきましては、フランチャイズチェーン店8店舗、直営店21店舗の新規出店と、フランチャイズチェーン店5店舗、直営店13店舗の退店により、当連結会計年度末における店舗数は、フランチャイズチェーン店126店舗、直営店170店舗(海外子会社の5店舗を含む)、合計296店舗となりました。
連結子会社におきましては、Tabio Europe Limitedの経営改革を継続すると共に、Tabio France S.A.S.においては、直営店『タビオ』の収益基盤の確立に向けた取り組みに注力して参りました。また、タビオ奈良株式会社では、商品品質検査や検査検品体制の強化、商品の入出庫業務の改善等に向けた取組みを行って参りました。
利益面におきましては、不採算直営店の内装・什器等にかかる減損損失34百万円等を特別損失として計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、15,844百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は543百万円(前年同期比19.2%減)、経常利益は587百万円(前年同期比16.8%減)、当期純利益は304百万円(前年同期比13.5%減)となりました。
・事業部門別の業績は、次の通りであります。
a.靴下屋関連部門
当グループの主力部門である「靴下屋関連部門」では、中高生からファミリー層に至るお客様に向けて、地域・出店場所に応じた品揃えと、ご来店頂き易い店構えを念頭においた『靴下屋』を核として、ブランド構築に努めて参りました。
当部門では、本部組織の刷新を行い、店頭を起点とした体制構築に重点を置いた戦略を進めて参りました。また、未開拓エリアへの店舗展開を強化し、顧客ニーズの掘り起こしを行うと共に、新規出店や移転増床によるレディース・メンズの複合店展開の強化に尽力して参りました。さらに、小型店舗に関しては、スタイリッシュで洗練されたイメージのヤングに特化した店作りにも着手して参りました。
これらの結果、「靴下屋関連部門」の売上高は、13,192百万円(前年同期比3.0%増)となりました。なお、フランチャイズチェーン店8店舗、直営店11店舗の新規出店とフランチャイズチェーン店5店舗、直営店4店舗の退店により、当連結会計年度末における「靴下屋」全業態の店舗数は、フランチャイズチェーン店126店舗、直営店107店舗、合計233店舗となりました。
b.ショセット関連部門
「ショセット関連部門」では、百貨店やファッションビル等、ハイセンスな立地への出店に特化し、高品質・高感覚の商品を展開する『ショセット』や『タビオ』と、紳士ビジネス靴下を中心に上質で品格の高い商品の提案を行う紳士靴下専門店『タビオ・オム』、カジュアル紳士靴下を中心に取扱う『タビオ・ガレージ』のブランド構築を進めて参りました。
「ショセット事業」では、ハイセンスな商業施設への新規出店に積極的に取り組むと共に、百貨店等での催し物コーナーにおいて、本格的な催事売場の展開に尽力し、『タビオ』ブランドの浸透と強化に努めて参りました。また、「紳士靴下事業」では、レディース・メンズの複合展開を強化していく一方で、大都市でのメンズ単独店の出店を行い、今後の販路拡大に向けた布石を打って参りました。
この結果、「ショセット関連部門」の売上高は、2,295百万円(前年同期比6.2%増)となりました。なお、直営店10店舗の新規出店と直営店7店舗の退店により、当連結会計年度末における「ショセット」全業態の店舗数は、直営店58店舗となりました。
c.その他の部門
「海外関連部門」では、イギリスの販売子会社Tabio Europe Limitedの経営改革を積極的に推し進め、収益改善を図っていくと共に、フランスの販売子会社Tabio France S.A.S.では、安定した収益基盤の構築と販売力強化に向けた取組みに尽力して参りました。また、香港においては、当期より現地代理店にて当社商品の販売を開始し、今後の海外展開への可能性を模索して参りました。
この結果、「その他の部門」の売上高は、356百万円(前年同期比24.6%増)となりました。
(注) セグメント情報について
当グループは、靴下に関する事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
なお、セグメントに代えて、事業部門等に関連付けて記載しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、期首に比べ112百万円減少し、当連結会計年度末には、2,106百万円(前年同期比5.1%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額で△240百万円あったものの、税金等調整前当期純利益で532百万円、減価償却費で503百万円あったこと等により、885百万円(前年同期比132百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出で△404百万円、その他の投資活動による支出で△170百万円あったこと等により、△600百万円(前年同期比36百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額で△205百万円、長期借入金の返済で△119百万円あったこと等により、△414百万円(前年同期比128百万円の増加)となりました。