有価証券報告書-第21期(2023/04/01-2024/03/31)
「中期経営計画2026」における当社グループの人材戦略基本方針として、「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」の3点を掲げています。
1) 人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」
「多様性を競争力に」をテーマに、人材の多様性を、変化の激しい市場環境に対応し、常にスピード感をもって事業創造できる組織の力へと変えることで、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を目指しています。ジェンダー、現地人材、高い専門性を持つキャリア採用者など、多様な人材の獲得と活躍機会の提供を積極的かつ継続的に行いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かせる職場環境整備、マネジメント層の教育など様々な取り組みを実施しています。
● 女性活躍推進
組織の意思決定に関わる女性社員を増やし、2030年代には男女間の差がなく適所適材が実現している状態を目指し、ダイバーシティマネジメントの専任組織を中心に、課長までの人材パイプライン拡張に取り組んでいます。
多様性をイノベーションの創出といった競争力につなげていくために、女性活躍推進を人材戦略の最重要テーマの1つと位置づけています。「中期経営計画2026」の最終年度には課長に占める女性の比率を20%程度とし、2030年代には、これを50%程度へ引き上げていきます。各世代層のパイプライン形成と経験の蓄積、男女間における経験値のギャップ解消、女性特有のライフイベントを見越した「キャリアを止めない」施策に取り組んでいます。

- 女性課長職比率は、2023年度に10%以上とした目標に対し、2024年3月31日現在で12%
- 女性総合職の新卒採用比率は2018年度以降継続して30%以上を維持 (2024年4月入社:42%)
- 女性総合職の海外・国内出向経験割合は2023年度に50%とした目標に対しては2024年3月31日現在で48%
なお、「中期経営計画2026」における人材KPIについては、37ページをご参照ください
- (ご参考)取締役9名のうち2名、監査役5名のうち2名が女性役員
(2024年3月31日現在:女性役員割合28.6%)
- (ご参考)専門知識や経験を備えた外部からの人材登用や内部昇格により、女性執行役員は2名
(2024年3月31日現在)
女性社員の採用、育成、登用を積極的に進めてきた結果、新規事業領域で活躍する事例も生まれています。国内では、当社がロイヤルホールディングス株式会社と設立したカフェ事業の運営展開を行う事業会社において、女性社員が社長に就任し、事業運営の陣頭指揮を執っています。また、当社がベトナム最大手の乳業メーカーVietnam Dairy Products JSCと共同で設立した事業会社の立ち上げでは、出身部署やキャリア、国籍が異なる多様なバックグラウンドの社員が集結した中で、メンバーの一人である女性駐在員が、セールス・マーケティング担当として、ベトナム国内における販売チャネルの開拓に取り組んでいます。
ジェンダーに関わらず仕事と育児を両立することについて、職場全体が理解・応援できる環境を整えることは、女性がライフイベントを経てもキャリアを中断することなく活躍できる企業風土醸成のために重要であり、男性社員を含めた育児休暇取得率100%の維持を目指しています。その中で、業務効率化やチームマネジメント力の強化に向けた取り組みや早期復職支援や両立支援策の推進により、社員のキャリア形成を支援しています。
当社は2022年4月に育児のための特別休暇である男女共通の「産後育児休暇」を導入しました。生まれた子が1歳になるまで通算で40労働日の有給休暇を回数制限なく分割し、自由に取得できるもので、男性社員では、従事中の業務や家族の状況に応じて育児休暇・休業を柔軟に取得することを可能としています。
下図は、男性社員の育児休暇・休業の実績分布です。これは、「産後育児休暇」の運用を開始した2022年4月からの1年間(2022年度)に初めてこの休暇を利用した男性社員46名を対象に、生まれた子が1歳になるまでに取得した育児休暇・休業の通算日数※を示したものです。実績分布をみると、短期間の育休取得から長期間の育休取得まで幅があり、男性社員それぞれの状況に応じて育児休暇・休業を取得していることがわかります。
※産後育児休暇と、これに連続する所定休日又は法定の育児休業を加えた日数。
子が1歳になるまでの追跡となるため、育児休暇・休業の取得期間には翌年度となる2023年度も含まれます。
<2022年度に初めて育休を取得した男性社員(46名)の出生後1年までの育休取得日数>
また、当社では「産後育児休暇」を取得した男性社員から、どのように休暇を取得したかをヒアリングしています。以下は男性社員の利用実例ですが、出産直後から取得する育休だけでなく、多様な取得の形が見られます。
<男性社員の利用実例>・プロジェクトに取り組んでいる期間や決算期を避けた育児休暇の取得
・配偶者が出産の前後に実家に滞在する「里帰り出産」から戻った時からの育児休暇の取得
・配偶者の早期復職支援として復職のタイミングでの育児休暇の取得
・新生児を養育中の配偶者と定期的に交代して配偶者の負担を軽減する目的で、所定休日に産後育児休
暇1日を加えて週休3日として担当する業務との両立を図った形での育児休暇の取得など
仕事と育児の両立を応援する風土を醸成するために、部長研修では、男性育休をテーマとするパネルディスカッションを実施し、現場の課題やマネジメントの工夫など、活発な意見交換を実施しました。また、多様性を価値創造につなげるための意識醸成の取り組みとして、ダイバーシティ月間を開催し、育児、介護、LGBTQなど複数テーマでの講演会を通じて社員一人ひとりがDEI推進を考え、理解を深める機会を設けています。
男女の賃金の差異については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」及び「男女の賃金の差異」(11ページ)及び後述の女性活躍推進法による情報開示(補足説明)(45~48ページ)」をご参照ください。
● デジタル人材育成の活用と育成のさらなる強化
当社は社内外のパートナーと共にデジタルを活用することで、ビジネスモデルや業務プロセスの変革を実践できるデジタル人材を育成するため、スキル分野・スキルレベルの設計と研修カリキュラムの独自開発を行いました。既に、入門・基礎による全社員のリテラシーレベルの底上げが完了し、上位の応用人材も「中期経営計画2023」の目標であった300人の育成を達成(実績:321人、そのうちエキスパート:60人)しました。これらのデジタル人材を活用することで、鉱物取引における価格最適化、水産事業会社の商品販売戦略などのデータ分析や、本マグロ養殖事業のデジタルツインによる尾数推定方法の特許出願など、ビジネス課題への実践を着実に進めています。また、エキスパートとなった管理職を営業本部・コーポレートの各組織内のデジタル専門部隊のマネジメントに抜擢し、Digital in Allの実現に向けて強固な体制を築いています。
「中期経営計画2026」においては、全社のデジタルリテラシーの更新・底上げを継続しつつ、応用人材の研修カリキュラムの強化と育成人数のさらなる拡大を進めていきます。応用基礎では、データとテクノロジーをビジネスモデルにどのように組み入れるかを構想するためにビジネスアーキテクチャ研修(約20時間程度)を新設します。また、育成人数も全総合職の50%程度(約1,000名)、そのうちエキスパートは10%程度(約200名)の育成を目指し、全組織に応用人材が配置され、同人材を基軸とした全社レベルでのデジタル変革の実現を目指します。
● キャリア採用者の活躍
当社では、経営人材、DXなどの専門人材、ジェンダー、現地人材などの多様性強化に向けたキャリア採用に注力しています。2024年3月末現在で、管理職ポストにおけるキャリア採用者の割合は24%、役員ポストにおいては39%を占めています。なお、2023年度の採用に占めるキャリア採用者の比率は31%でした。今後も、年間の新規採用者数の30%程度をキャリア採用者としていく予定で、そのうち40%程度を女性とする方針です。また、2021年12月には、CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)・執行役員として専門人材(女性)を社外から迎えました(※)。これまでに他社で培った知見や女性ならではの視点などを経営や現場との対話に活かし、新規事業の創出と事業モデルの変革につながるデジタルの実装を加速していきます。
※2024年4月1日付で、専務執行役員 CDO 兼 CIO 兼 デジタル推進担当本部長に就任
● 現地人材の活躍
海外事業会社を起点に現地ネットワークに入り込み、事業領域の拡大や新規事業の創出につなげるため、現地人材のCxOポストをさらに拡大し、2022年3月末に40%だった海外事業会社の現地人材CxO比率が、2024年3月末現在で45%となりました。2025年度までに50%と設定していた目標値を、「中期経営計画2026」では60%に引き上げ、さらなる現地化を目指しています。域内での意見交換/情報共有によるマーケットイン・事業機会発掘の強化、共創と共有を推進するための海外地域における取り組みとして、海外事業会社CxOで構成するアドバイザリーボードを米国で開催しており、当時の社長も参加し、米州の事業会社のCxOと今後の成長戦略に関して積極的に議論しました。このような交流を通じ、当社グループが持つ多種多様な事業と掛け合わさることにより、事業拡大につなげ、連結力強化を目指しています。
● トレーニー制度
当社では、400社を超えるグループ会社を通じて多様なビジネスを展開しており、それぞれの事業会社の経営を担う人材の育成は重要な課題です。経営人材の育成・確保のため、国内外へ派遣、MBA派遣・語学自己研鑽制度など、様々な研修を行っています。特にユニークな取り組みとして、現所属組織とは異なるミッションを持つ本部外トレーニー制度があります。例えば、コーポレート(職能)出身の人材が事業会社で営業を経験、また化学本部のトレーディング業務を担当していた人材が航空・社会インフラ本部主管の事業会社でM&A後の統合効果を最大化させるべく、経営・業務・意識統合に向けた取り組みに携わるという形で、これまでと異なる経験を積みます。新たな経験を通じて、社員が多角的な視野を身に付け、知識や人脈に加え社員の幅出しのきっかけとなる成長の機会となっています。2023年度は24ヶ国に海外トレーニーを派遣(うち40%が女性社員)、日本とは異なる現場を早期に経験することで、さらなる成長につなげグローバルで活躍できる人材の育成を目指しています。
<参考リンク>トレーニー制度
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/jinzai/
● 発想×双日プロジェクト(通称:Hassojitzプロジェクト)
当社における「さらなる成長」を考え、未来構想力や戦略的思考を定着させるべく、2019年に新規事業創出プロジェクト「発想×双日プロジェクト」を開始しました。第1回目に社長賞を受賞した「ワイヤレス充電」案件は、2023年3月より公道での実証実験を開始しています。
他にも、2020年度のeスポーツや早生樹案件は会社を設立するなど、新たな事業づくりを進めています。開始から5年目となる2023年度は「情熱のチカラで変革を!」をテーマに、外部の有識者やアルムナイメンバーとのディスカッションを行い、発想を起点とした事業創出力の強化を継続しています。2021年度からは内定者研修プログラムの一環として「内定者×Hassojitz」を導入し、当社の業務理解の促進と既存の枠にとらわれない事業の発想力強化をおこなっています。また、外部プログラムへの派遣や、外部講師からのアドバイスを通じ、事業アイデアの精緻、高度化、共創による発想、イノベーションを加速させています。Hassojitzプロジェクトでは起業家精神の醸成と自律的に事業創出ができる人材の育成を促進しています。
<参考リンク>ワイヤレス充電事業
https://www.sojitz.com/jp/newway_newvalue/article/nwnv_post_11.html
● 人と人とが徹底的に向き合い対話する文化浸透
当社グループの価値創造の源泉である人材同士の活発なタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションは、多角的な意見・情報共有による意思決定の質向上、自由な発想や組み合わせによるイノベーション創出、目標達成に向けた貢献意欲・組織エンゲージメント向上など、会社・組織の成長と発展に重要な役割を果たすと考えています。
多様性と自律性を備える「個」それぞれが当社らしさを考え、行動に変えていくことが人的資本経営の先にあるべき姿と考え、2023年4月、全社を巻き込んだ対話型プロジェクト“双日らしさの追求プロジェクト”を立ち上げました。社内外へのヒアリングを通じた現状認識、全組織から選抜されたコアメンバーによるワークショップ、経営と意見交換・議論を繰り返し、将来と現在、会社と個人などの観点から、当社らしさやありたい姿を言語化しました。2030年の目指す姿の実現について社員一人ひとりが“自分ごと”として言語化することにより、社員の日々の行動と経営目標の方向性を合致させ、人材の力が会社の力につながるよう、全社をあげて取り組んでいます。
● 双日アルムナイ
双日アルムナイ活動内容
https://sojitz-alumni.com/page
● 多様なキャリアプラン実現に向けた支援(双日プロフェッショナルシェア株式会社)
双日プロフェッショナルシェア
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/jinzai/
2) 人材戦略基本方針②「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」
多様性と自律性を備える「個」の成長(Will/Can)を組織と会社の成長(Shall)、企業価値向上につなげるためには、経営層と現場社員の結節点・橋渡し役として戦略遂行とエンゲージメント向上を担うミドルマネジメント層の強化が不可欠と考えています。
● ミドルマネジメントの強化による組織力向上
当社の価値創造の源泉である人材の力を最大化するため、対話を通じて社員の力を引き出し組織力の向上につなげるマネジメント力の強化が重要であると考えています。エンゲージメントサーベイ結果(2022年度回答率99%)を分析し、部課長の中で最も現場に近い課長職が組織エンゲージメントに大きな影響を与えることがわかりました。組織エンゲージメント向上においては、部長職と比べて課長職の影響力が高いため、課長職を中心としたミドルマネジメント層の強化に取り組んでいます。
また対話力の高い課長職の組織は、「風通し」「挑戦意欲」「成長実感」が高い傾向にあることがデータから明らかになりました。当社におけるミドルマネジメントの強化は「対話力向上が最重要」と位置づけ、研修の実施など強化施策を実行しています。今後、対話の質をより向上させ、組織の統率力向上、「事業創出力・事業経営力」の強化につなげます。
● 活躍し続けられる人材育成(研修プログラム)
当社では、会社目線(戦略遂行上求められる組織能力の確保)、社員目線(個々が持つ能力と目指すキャリアの実現)の双方の観点から、対話を通じて最適な人材開発を継続しており、社員の成長をサポートするために様々な研修を実施しています。全ての世代と階層に提供するデジタル人材育成プログラムなどのコンテンツのほか、新入社員向けや管理職向けの研修、役員向けの研修など様々な研修コンテンツを提供し、個の成長を組織の成長につなげています。次世代リーダー育成を目的とした選抜研修も展開し、組織のレジリエンス力を向上させ、豊富な人材プール・サクセッションプラン構築に向け、計画的に人材育成を推進しています。経営人材としての素養の醸成、高度な経営スキルの獲得、他社経営人材とのネットワーキング、専門家によるコーチングや異業種交流型研修への派遣などを行っています。
<参考リンク>研修プログラム
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
3) 人材戦略基本方針③「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」
テクノロジーの発展や地政学リスクなどの著しい環境変化や多様な顧客ニーズに対応し続けるため、機動的かつ計画的な人材配置や育成・抜擢を行い、2030年の目指す姿の実現に向け事業創出力と事業経営力を高めていきます。
● 多様な経験機会による人材育成(ジョブローテーション制度、社内公募制度)
当社では、管理職登用までに2つ以上の異なる業務(出向や海外駐在を含む)を経験し多様な専門知識とスキルを身に付けるジョブローテーション制度や、自らが思い描くキャリアを切り拓く機会としての社内公募制度など、社員の育成促進とキャリアの幅を広げる制度を導入しています。社員とキャリアプランを共有するための定期的な面談機会のほか、異動して約半年後のタイミングで活躍・定着度合いをヒアリングしサポートする仕組みなど、社員のモチベーションをモニタリングできる体制を整え、必要に応じて面談を実施しています。また、2020年度からは昇格に必要な要件を見直し、能力とやる気を兼ね備えた若手社員の早期抜擢を可能としています。
● 機動的・計画的な人材配置や育成を支える人材の可視化
「個」と「組織」の強化をさらに進めるべく、人材データを活用(データサイエンス)しています。エンゲージメントサーベイや360度サーベイなど、定期的に実施する全社サーベイや人事データを多角的・多面的に分析しデータドリブンな人材戦略の遂行につなげています。また、全社でタレントマネジメントシステムを活用し、タテ・ヨコ・ナナメの対話促進、適所適材の実現、公正・公平な評価フィードバック、社員の成長を可視化するなど、社員個人と組織をデータでつなぎ、人的資本経営の基盤を充実させていきます。
4) 多様な人材の活躍を支える制度・取り組み
当社グループの成長は社員と共にあると考え、多様な価値観やキャリア志向を持つ全ての社員が、挑戦・成長を積み重ねることで、高いモチベーションを維持しながら自律的に働き続けられる環境を整えていきます。
● 健康経営
当社グループにとって最大の財産である社員とその家族が心身共に健康であり、社員が働きやすさと働きがいを持てる健全な職場環境づくりは、会社の重要な責任の1つと考え、『双日グループ健康憲章 “Sojitz Healthy Value”』を策定しました(2018年3月)。疾病の未然予防・健康増進に加え、仕事と治療の両立を図るべく、健康推進担当の組織体制を強化し、各健康関連施策を実施しています。定期健康診断の一次受診率100%を継続しつつ、疾病の早期発見・予防を目指し、二次健診受診率を人材KPIとして定め、2023年度は目標の70%を上回る77%まで向上しました。2023年度は、2022年度に策定した健康戦略マップをもとにフィジカルヘルス対策/メンタルヘルス対策/女性の健康対策を主軸として健康施策を実行し、それらの取り組みが評価され、「健康経営銘柄」に2度目の選定を受けています。
<参考リンク>健康戦略マップ
https://www.sojitz.com/pdf/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/strategymap.pdf
フィジカルヘルス対策では、健康に対する社員の意識と行動の変容を促すことを目的に、2023年9月に当社は「双日健康フェス」と題し、10種類の施策を実施しました。社長を含む経営層も参加し、運動奨励(体力測定会など)や各種セミナー(睡眠、体の歪み改善、健康診断結果の読み方、食生活など)を通じ、健康の重要性の理解を深める機会を提供しました。
メンタルヘルス対策では、精神科産業医監修のもと、発症予防を目的とした全社員向けのセミナーや、部下のメンタルケアを目的とした管理職向けのセミナーを実施し、産業医と所属組織との連携を深めメンタル不調の予防に取り組んでいます。
女性の健康対策については、2022年4月以降、子宮頸がん・乳がん検診の対象の全年齢への拡大、社内診療室への婦人科嘱託医の配置、不妊治療に関わる相談窓口の設置、外部企業と契約し、医師や専門家による女性の健康に関するオンラインセミナーの配信等、施策を強化しています。不妊治療は仕事との両立の難しさが課題として認識され、本人のみならず、所属組織が理解を深めることを目的に、婦人科医による仕事と不妊治療の両立に関するセミナーを実施するなど、取り組みを強化しています。
今後も健康経営を推進し、社員一人ひとりが心身健康な状態を維持し活躍し続けられる環境を整備していきます。
<多様な人材の活躍を支える主な制度・取り組み一覧>
● グループ全体で企業価値向上を加速させる取り組み(従業員持株会・株式の付与)
当社は、グループ全体で持続的な企業価値向上及び株価上昇に向けた意識醸成を企図し、株主への利益還元だけではなく、当社を支える従業員への株式の付与を通じて従業員一人ひとりの会社への帰属意識と企業価値向上に向けたモチベーションを高めていきます。2023年5月には、従業員持株会の会員である社員に対して、特別報酬として1人あたり100株を付与しました。2024年3月現在で、当社における従業員の持株会加入率は90%程度となり、収益の拡大による資金の循環を人や事業の成長につなげるべく、グループ全体で企業価値向上に向けた取り組みを加速させていきます。「中期経営計画2026」の数値目標を双日グループ一丸となって達成した際は、従業員に対して特別報酬を付与する予定です。
1) 人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」
「多様性を競争力に」をテーマに、人材の多様性を、変化の激しい市場環境に対応し、常にスピード感をもって事業創造できる組織の力へと変えることで、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を目指しています。ジェンダー、現地人材、高い専門性を持つキャリア採用者など、多様な人材の獲得と活躍機会の提供を積極的かつ継続的に行いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かせる職場環境整備、マネジメント層の教育など様々な取り組みを実施しています。
● 女性活躍推進
組織の意思決定に関わる女性社員を増やし、2030年代には男女間の差がなく適所適材が実現している状態を目指し、ダイバーシティマネジメントの専任組織を中心に、課長までの人材パイプライン拡張に取り組んでいます。
多様性をイノベーションの創出といった競争力につなげていくために、女性活躍推進を人材戦略の最重要テーマの1つと位置づけています。「中期経営計画2026」の最終年度には課長に占める女性の比率を20%程度とし、2030年代には、これを50%程度へ引き上げていきます。各世代層のパイプライン形成と経験の蓄積、男女間における経験値のギャップ解消、女性特有のライフイベントを見越した「キャリアを止めない」施策に取り組んでいます。

- 女性課長職比率は、2023年度に10%以上とした目標に対し、2024年3月31日現在で12%
- 女性総合職の新卒採用比率は2018年度以降継続して30%以上を維持 (2024年4月入社:42%)
- 女性総合職の海外・国内出向経験割合は2023年度に50%とした目標に対しては2024年3月31日現在で48%
なお、「中期経営計画2026」における人材KPIについては、37ページをご参照ください
- (ご参考)取締役9名のうち2名、監査役5名のうち2名が女性役員
(2024年3月31日現在:女性役員割合28.6%)
- (ご参考)専門知識や経験を備えた外部からの人材登用や内部昇格により、女性執行役員は2名
(2024年3月31日現在)
女性社員の採用、育成、登用を積極的に進めてきた結果、新規事業領域で活躍する事例も生まれています。国内では、当社がロイヤルホールディングス株式会社と設立したカフェ事業の運営展開を行う事業会社において、女性社員が社長に就任し、事業運営の陣頭指揮を執っています。また、当社がベトナム最大手の乳業メーカーVietnam Dairy Products JSCと共同で設立した事業会社の立ち上げでは、出身部署やキャリア、国籍が異なる多様なバックグラウンドの社員が集結した中で、メンバーの一人である女性駐在員が、セールス・マーケティング担当として、ベトナム国内における販売チャネルの開拓に取り組んでいます。
ジェンダーに関わらず仕事と育児を両立することについて、職場全体が理解・応援できる環境を整えることは、女性がライフイベントを経てもキャリアを中断することなく活躍できる企業風土醸成のために重要であり、男性社員を含めた育児休暇取得率100%の維持を目指しています。その中で、業務効率化やチームマネジメント力の強化に向けた取り組みや早期復職支援や両立支援策の推進により、社員のキャリア形成を支援しています。
当社は2022年4月に育児のための特別休暇である男女共通の「産後育児休暇」を導入しました。生まれた子が1歳になるまで通算で40労働日の有給休暇を回数制限なく分割し、自由に取得できるもので、男性社員では、従事中の業務や家族の状況に応じて育児休暇・休業を柔軟に取得することを可能としています。
下図は、男性社員の育児休暇・休業の実績分布です。これは、「産後育児休暇」の運用を開始した2022年4月からの1年間(2022年度)に初めてこの休暇を利用した男性社員46名を対象に、生まれた子が1歳になるまでに取得した育児休暇・休業の通算日数※を示したものです。実績分布をみると、短期間の育休取得から長期間の育休取得まで幅があり、男性社員それぞれの状況に応じて育児休暇・休業を取得していることがわかります。
※産後育児休暇と、これに連続する所定休日又は法定の育児休業を加えた日数。
子が1歳になるまでの追跡となるため、育児休暇・休業の取得期間には翌年度となる2023年度も含まれます。
<2022年度に初めて育休を取得した男性社員(46名)の出生後1年までの育休取得日数>

また、当社では「産後育児休暇」を取得した男性社員から、どのように休暇を取得したかをヒアリングしています。以下は男性社員の利用実例ですが、出産直後から取得する育休だけでなく、多様な取得の形が見られます。
<男性社員の利用実例>・プロジェクトに取り組んでいる期間や決算期を避けた育児休暇の取得
・配偶者が出産の前後に実家に滞在する「里帰り出産」から戻った時からの育児休暇の取得
・配偶者の早期復職支援として復職のタイミングでの育児休暇の取得
・新生児を養育中の配偶者と定期的に交代して配偶者の負担を軽減する目的で、所定休日に産後育児休
暇1日を加えて週休3日として担当する業務との両立を図った形での育児休暇の取得など
仕事と育児の両立を応援する風土を醸成するために、部長研修では、男性育休をテーマとするパネルディスカッションを実施し、現場の課題やマネジメントの工夫など、活発な意見交換を実施しました。また、多様性を価値創造につなげるための意識醸成の取り組みとして、ダイバーシティ月間を開催し、育児、介護、LGBTQなど複数テーマでの講演会を通じて社員一人ひとりがDEI推進を考え、理解を深める機会を設けています。
男女の賃金の差異については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」及び「男女の賃金の差異」(11ページ)及び後述の女性活躍推進法による情報開示(補足説明)(45~48ページ)」をご参照ください。
● デジタル人材育成の活用と育成のさらなる強化
当社は社内外のパートナーと共にデジタルを活用することで、ビジネスモデルや業務プロセスの変革を実践できるデジタル人材を育成するため、スキル分野・スキルレベルの設計と研修カリキュラムの独自開発を行いました。既に、入門・基礎による全社員のリテラシーレベルの底上げが完了し、上位の応用人材も「中期経営計画2023」の目標であった300人の育成を達成(実績:321人、そのうちエキスパート:60人)しました。これらのデジタル人材を活用することで、鉱物取引における価格最適化、水産事業会社の商品販売戦略などのデータ分析や、本マグロ養殖事業のデジタルツインによる尾数推定方法の特許出願など、ビジネス課題への実践を着実に進めています。また、エキスパートとなった管理職を営業本部・コーポレートの各組織内のデジタル専門部隊のマネジメントに抜擢し、Digital in Allの実現に向けて強固な体制を築いています。
「中期経営計画2026」においては、全社のデジタルリテラシーの更新・底上げを継続しつつ、応用人材の研修カリキュラムの強化と育成人数のさらなる拡大を進めていきます。応用基礎では、データとテクノロジーをビジネスモデルにどのように組み入れるかを構想するためにビジネスアーキテクチャ研修(約20時間程度)を新設します。また、育成人数も全総合職の50%程度(約1,000名)、そのうちエキスパートは10%程度(約200名)の育成を目指し、全組織に応用人材が配置され、同人材を基軸とした全社レベルでのデジタル変革の実現を目指します。
● キャリア採用者の活躍
当社では、経営人材、DXなどの専門人材、ジェンダー、現地人材などの多様性強化に向けたキャリア採用に注力しています。2024年3月末現在で、管理職ポストにおけるキャリア採用者の割合は24%、役員ポストにおいては39%を占めています。なお、2023年度の採用に占めるキャリア採用者の比率は31%でした。今後も、年間の新規採用者数の30%程度をキャリア採用者としていく予定で、そのうち40%程度を女性とする方針です。また、2021年12月には、CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)・執行役員として専門人材(女性)を社外から迎えました(※)。これまでに他社で培った知見や女性ならではの視点などを経営や現場との対話に活かし、新規事業の創出と事業モデルの変革につながるデジタルの実装を加速していきます。
※2024年4月1日付で、専務執行役員 CDO 兼 CIO 兼 デジタル推進担当本部長に就任
● 現地人材の活躍
海外事業会社を起点に現地ネットワークに入り込み、事業領域の拡大や新規事業の創出につなげるため、現地人材のCxOポストをさらに拡大し、2022年3月末に40%だった海外事業会社の現地人材CxO比率が、2024年3月末現在で45%となりました。2025年度までに50%と設定していた目標値を、「中期経営計画2026」では60%に引き上げ、さらなる現地化を目指しています。域内での意見交換/情報共有によるマーケットイン・事業機会発掘の強化、共創と共有を推進するための海外地域における取り組みとして、海外事業会社CxOで構成するアドバイザリーボードを米国で開催しており、当時の社長も参加し、米州の事業会社のCxOと今後の成長戦略に関して積極的に議論しました。このような交流を通じ、当社グループが持つ多種多様な事業と掛け合わさることにより、事業拡大につなげ、連結力強化を目指しています。
● トレーニー制度
当社では、400社を超えるグループ会社を通じて多様なビジネスを展開しており、それぞれの事業会社の経営を担う人材の育成は重要な課題です。経営人材の育成・確保のため、国内外へ派遣、MBA派遣・語学自己研鑽制度など、様々な研修を行っています。特にユニークな取り組みとして、現所属組織とは異なるミッションを持つ本部外トレーニー制度があります。例えば、コーポレート(職能)出身の人材が事業会社で営業を経験、また化学本部のトレーディング業務を担当していた人材が航空・社会インフラ本部主管の事業会社でM&A後の統合効果を最大化させるべく、経営・業務・意識統合に向けた取り組みに携わるという形で、これまでと異なる経験を積みます。新たな経験を通じて、社員が多角的な視野を身に付け、知識や人脈に加え社員の幅出しのきっかけとなる成長の機会となっています。2023年度は24ヶ国に海外トレーニーを派遣(うち40%が女性社員)、日本とは異なる現場を早期に経験することで、さらなる成長につなげグローバルで活躍できる人材の育成を目指しています。
<参考リンク>トレーニー制度
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/jinzai/
● 発想×双日プロジェクト(通称:Hassojitzプロジェクト)
当社における「さらなる成長」を考え、未来構想力や戦略的思考を定着させるべく、2019年に新規事業創出プロジェクト「発想×双日プロジェクト」を開始しました。第1回目に社長賞を受賞した「ワイヤレス充電」案件は、2023年3月より公道での実証実験を開始しています。
他にも、2020年度のeスポーツや早生樹案件は会社を設立するなど、新たな事業づくりを進めています。開始から5年目となる2023年度は「情熱のチカラで変革を!」をテーマに、外部の有識者やアルムナイメンバーとのディスカッションを行い、発想を起点とした事業創出力の強化を継続しています。2021年度からは内定者研修プログラムの一環として「内定者×Hassojitz」を導入し、当社の業務理解の促進と既存の枠にとらわれない事業の発想力強化をおこなっています。また、外部プログラムへの派遣や、外部講師からのアドバイスを通じ、事業アイデアの精緻、高度化、共創による発想、イノベーションを加速させています。Hassojitzプロジェクトでは起業家精神の醸成と自律的に事業創出ができる人材の育成を促進しています。
<参考リンク>ワイヤレス充電事業
https://www.sojitz.com/jp/newway_newvalue/article/nwnv_post_11.html
● 人と人とが徹底的に向き合い対話する文化浸透
当社グループの価値創造の源泉である人材同士の活発なタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションは、多角的な意見・情報共有による意思決定の質向上、自由な発想や組み合わせによるイノベーション創出、目標達成に向けた貢献意欲・組織エンゲージメント向上など、会社・組織の成長と発展に重要な役割を果たすと考えています。
多様性と自律性を備える「個」それぞれが当社らしさを考え、行動に変えていくことが人的資本経営の先にあるべき姿と考え、2023年4月、全社を巻き込んだ対話型プロジェクト“双日らしさの追求プロジェクト”を立ち上げました。社内外へのヒアリングを通じた現状認識、全組織から選抜されたコアメンバーによるワークショップ、経営と意見交換・議論を繰り返し、将来と現在、会社と個人などの観点から、当社らしさやありたい姿を言語化しました。2030年の目指す姿の実現について社員一人ひとりが“自分ごと”として言語化することにより、社員の日々の行動と経営目標の方向性を合致させ、人材の力が会社の力につながるよう、全社をあげて取り組んでいます。
● 双日アルムナイ
双日アルムナイ活動内容
https://sojitz-alumni.com/page
● 多様なキャリアプラン実現に向けた支援(双日プロフェッショナルシェア株式会社)
双日プロフェッショナルシェア
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/jinzai/
2) 人材戦略基本方針②「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」
多様性と自律性を備える「個」の成長(Will/Can)を組織と会社の成長(Shall)、企業価値向上につなげるためには、経営層と現場社員の結節点・橋渡し役として戦略遂行とエンゲージメント向上を担うミドルマネジメント層の強化が不可欠と考えています。
● ミドルマネジメントの強化による組織力向上
当社の価値創造の源泉である人材の力を最大化するため、対話を通じて社員の力を引き出し組織力の向上につなげるマネジメント力の強化が重要であると考えています。エンゲージメントサーベイ結果(2022年度回答率99%)を分析し、部課長の中で最も現場に近い課長職が組織エンゲージメントに大きな影響を与えることがわかりました。組織エンゲージメント向上においては、部長職と比べて課長職の影響力が高いため、課長職を中心としたミドルマネジメント層の強化に取り組んでいます。
また対話力の高い課長職の組織は、「風通し」「挑戦意欲」「成長実感」が高い傾向にあることがデータから明らかになりました。当社におけるミドルマネジメントの強化は「対話力向上が最重要」と位置づけ、研修の実施など強化施策を実行しています。今後、対話の質をより向上させ、組織の統率力向上、「事業創出力・事業経営力」の強化につなげます。
● 活躍し続けられる人材育成(研修プログラム)
当社では、会社目線(戦略遂行上求められる組織能力の確保)、社員目線(個々が持つ能力と目指すキャリアの実現)の双方の観点から、対話を通じて最適な人材開発を継続しており、社員の成長をサポートするために様々な研修を実施しています。全ての世代と階層に提供するデジタル人材育成プログラムなどのコンテンツのほか、新入社員向けや管理職向けの研修、役員向けの研修など様々な研修コンテンツを提供し、個の成長を組織の成長につなげています。次世代リーダー育成を目的とした選抜研修も展開し、組織のレジリエンス力を向上させ、豊富な人材プール・サクセッションプラン構築に向け、計画的に人材育成を推進しています。経営人材としての素養の醸成、高度な経営スキルの獲得、他社経営人材とのネットワーキング、専門家によるコーチングや異業種交流型研修への派遣などを行っています。
<参考リンク>研修プログラム
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
3) 人材戦略基本方針③「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」
テクノロジーの発展や地政学リスクなどの著しい環境変化や多様な顧客ニーズに対応し続けるため、機動的かつ計画的な人材配置や育成・抜擢を行い、2030年の目指す姿の実現に向け事業創出力と事業経営力を高めていきます。
● 多様な経験機会による人材育成(ジョブローテーション制度、社内公募制度)
当社では、管理職登用までに2つ以上の異なる業務(出向や海外駐在を含む)を経験し多様な専門知識とスキルを身に付けるジョブローテーション制度や、自らが思い描くキャリアを切り拓く機会としての社内公募制度など、社員の育成促進とキャリアの幅を広げる制度を導入しています。社員とキャリアプランを共有するための定期的な面談機会のほか、異動して約半年後のタイミングで活躍・定着度合いをヒアリングしサポートする仕組みなど、社員のモチベーションをモニタリングできる体制を整え、必要に応じて面談を実施しています。また、2020年度からは昇格に必要な要件を見直し、能力とやる気を兼ね備えた若手社員の早期抜擢を可能としています。
● 機動的・計画的な人材配置や育成を支える人材の可視化
「個」と「組織」の強化をさらに進めるべく、人材データを活用(データサイエンス)しています。エンゲージメントサーベイや360度サーベイなど、定期的に実施する全社サーベイや人事データを多角的・多面的に分析しデータドリブンな人材戦略の遂行につなげています。また、全社でタレントマネジメントシステムを活用し、タテ・ヨコ・ナナメの対話促進、適所適材の実現、公正・公平な評価フィードバック、社員の成長を可視化するなど、社員個人と組織をデータでつなぎ、人的資本経営の基盤を充実させていきます。
4) 多様な人材の活躍を支える制度・取り組み
当社グループの成長は社員と共にあると考え、多様な価値観やキャリア志向を持つ全ての社員が、挑戦・成長を積み重ねることで、高いモチベーションを維持しながら自律的に働き続けられる環境を整えていきます。
● 健康経営
当社グループにとって最大の財産である社員とその家族が心身共に健康であり、社員が働きやすさと働きがいを持てる健全な職場環境づくりは、会社の重要な責任の1つと考え、『双日グループ健康憲章 “Sojitz Healthy Value”』を策定しました(2018年3月)。疾病の未然予防・健康増進に加え、仕事と治療の両立を図るべく、健康推進担当の組織体制を強化し、各健康関連施策を実施しています。定期健康診断の一次受診率100%を継続しつつ、疾病の早期発見・予防を目指し、二次健診受診率を人材KPIとして定め、2023年度は目標の70%を上回る77%まで向上しました。2023年度は、2022年度に策定した健康戦略マップをもとにフィジカルヘルス対策/メンタルヘルス対策/女性の健康対策を主軸として健康施策を実行し、それらの取り組みが評価され、「健康経営銘柄」に2度目の選定を受けています。
<参考リンク>健康戦略マップ
https://www.sojitz.com/pdf/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/strategymap.pdf
フィジカルヘルス対策では、健康に対する社員の意識と行動の変容を促すことを目的に、2023年9月に当社は「双日健康フェス」と題し、10種類の施策を実施しました。社長を含む経営層も参加し、運動奨励(体力測定会など)や各種セミナー(睡眠、体の歪み改善、健康診断結果の読み方、食生活など)を通じ、健康の重要性の理解を深める機会を提供しました。
メンタルヘルス対策では、精神科産業医監修のもと、発症予防を目的とした全社員向けのセミナーや、部下のメンタルケアを目的とした管理職向けのセミナーを実施し、産業医と所属組織との連携を深めメンタル不調の予防に取り組んでいます。
女性の健康対策については、2022年4月以降、子宮頸がん・乳がん検診の対象の全年齢への拡大、社内診療室への婦人科嘱託医の配置、不妊治療に関わる相談窓口の設置、外部企業と契約し、医師や専門家による女性の健康に関するオンラインセミナーの配信等、施策を強化しています。不妊治療は仕事との両立の難しさが課題として認識され、本人のみならず、所属組織が理解を深めることを目的に、婦人科医による仕事と不妊治療の両立に関するセミナーを実施するなど、取り組みを強化しています。
今後も健康経営を推進し、社員一人ひとりが心身健康な状態を維持し活躍し続けられる環境を整備していきます。
<多様な人材の活躍を支える主な制度・取り組み一覧>

● グループ全体で企業価値向上を加速させる取り組み(従業員持株会・株式の付与)
当社は、グループ全体で持続的な企業価値向上及び株価上昇に向けた意識醸成を企図し、株主への利益還元だけではなく、当社を支える従業員への株式の付与を通じて従業員一人ひとりの会社への帰属意識と企業価値向上に向けたモチベーションを高めていきます。2023年5月には、従業員持株会の会員である社員に対して、特別報酬として1人あたり100株を付与しました。2024年3月現在で、当社における従業員の持株会加入率は90%程度となり、収益の拡大による資金の循環を人や事業の成長につなげるべく、グループ全体で企業価値向上に向けた取り組みを加速させていきます。「中期経営計画2026」の数値目標を双日グループ一丸となって達成した際は、従業員に対して特別報酬を付与する予定です。