四半期報告書-第35期第3四半期(平成30年8月1日-平成30年10月31日)

【提出】
2018/12/14 15:43
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【項目】
23項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済情勢は、政府における経済・雇用政策等を背景に、企業収益や雇用環境の改善がされてきたことにより、総じて緩やかな回復基調が続いております。一方で、小売、卸売業界におきましては、根強い低価格志向が見られ消費者マインドの盛り上がりは遅れており、依然として厳しい環境が継続しております。また、世界経済や社会情勢に目を向けると、最近では地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況となっていることも、国内の企業や個人に対し投資や消費を抑制する影響を少なからず与えていると懸念されます。
当社のセグメント別の業績は以下のとおりです。
①アパレル事業
当社が属しておりますアパレル・カジュアルウェア業界におきましては、大手得意先のPB化傾向の拡大や消費者の高い生活防衛意識の影響や天候・気温不順の影響による大手得意先の店頭在庫消化率低下など、総じて厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況の中、 基幹事業である卸売り事業につきましては、既存ブランドについての現在のポジショニングの分析を行い、細分化することで、ブランドポートフォリオの見直しを行い、各得意先に合わせたブランドを選択し企画提案をしてまいりました。そして、ライセンス事業とのシナジー効果を高めるため、サブライセンシー各社と協力し、当社ブランドの魅力を消費者に再認知してもらうための広告宣伝活動も併せて行ってまいりました。
さらに、前連結会計年度において開始したインナーウェアの輸入販売事業は百貨店等の催事売場や大型ショッピングセンターへの出店を通じて、ブランド露出度及び認知度を高め、インナーウェアの卸売りに繋がるような施策を実施して参りました。中国子会社を中心に実施している中国市場向けの自社ユニフォームブランドの企画・販売及びユニフォームの卸売り事業についても商品そのもののブランド価値を向上させる施策を行い、自社ブランドの確立を推進して参りました。
この結果、売上高は167,443千円、セグメント損失は103,472千円となりました。
②不動産関連サービス事業
当社は中華圏及び在日中国人のネットワークから収集された顧客ニーズに基づき、当該顧客ニーズにマッチングする仕入れ物件を探索・選択し、顧客に商談を申し入れる営業活動を積極的に行ったものの、当第3四半期連結累計期間においては売上の計上には至りませんでした。
この結果、売上高はなく、セグメント損失は5,578千円となりました。
③貿易事業
当社は、収益性の改善を図り、安定的な収益の柱の構築を目的に、第1四半期連結会計期間から日用雑貨品及びその他製品について中国企業との輸出入取引を開始いたしました。第2四半期連結会計期間からは日用雑貨品に加え、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の輸入及び販売を開始するとともに、中国子会社においても貿易事業を開始しております。
この結果、売上高は902,189千円、セグメント利益は490千円となりました。
以上の営業活動の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,069,633千円(前年同期比362.47%増)、営業損失は251,156千円(前年同期は営業損失179,326千円)、経常損失は275,573千円(前年同期は経常損失175,921千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は280,794千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失177,407千円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結累計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて242,659千円増加し、810,258千円となりました。この主な原因は、現金及び預金が211,338千円減少したものの、売掛金が269,368千円増加したこと、前渡金が144,062千円増加したこと、その他流動資産が41,931千円増加したこと、有形固定資産が11,112千円増加したこと等によるものです。
(負債)
当第3四半期連結累計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて36,298千円増加し、487,164千円となりました。この主な原因は、買掛金が33,525千円増加したこと、未払法人税等が4,001千円減少したこと、長期未払金が5,753千円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当第3四半期連結累計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて206,361千円増加し、323,094千円となりました。この主な原因は、親会社株主に帰属する四半期純損失280,794千円を計上したものの、第三者割当による増資及び新株予約権の行使により資本金が238,522千円、資本剰余金が238,522千円それぞれ増加したこと等によるものです。

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)重要事象等についての分析と対応策
当社グループは、前連結会計年度以前から継続して営業損失を計上しており、当第3四半期連結累計期間においても、営業損失251,156千円、経常損失275,573千円、親会社株主に帰属する四半期純損失280,794千円を計上しております。
これらにより継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しているものと認識しており、収益性と財務体質の改善を迫られております。
このような状況を解消するために当社グループは、(1)アパレル事業における卸売り事業の安定的な拡大と利益構造改革の推進、及び(2)不動産関連サービス事業の収益基盤の確立及び強化、(3)新規事業の開拓を進めます。
(1)アパレル事業における卸売り事業の安定的な拡大と利益構造改革の推進
基幹事業である卸売り事業につきましては、既存ブランドについての現在のポジショニングの分析を行い、細分化することで、ブランドポートフォリオの見直しを行い、各得意先に合わせたブランドを選択し企画提案をしてまいります。そして、ライセンス事業とのシナジー効果を高めるため、サブライセンシー各社と協力し、当社ブランドの魅力を消費者に再認知してもらうための広告宣伝活動も併せて行ってまいります。また主力ブランドのブランド力を強化するとともに、コスト面では生産コストの見直し等を通じた原価低減、在庫評価損を低減させる仕入施策の実施を通じて売上高総利益率の改善を図るとともに、間接費用となる販売費及び一般管理費についても引き続き様々なコスト削減の努力を行うことにより、利益構造改革に取り組みます。
さらに、前連結会計年度において開始したインナーウェアの輸入販売事業は百貨店等の催事売場や大型ショッピングセンターへの出店を通じて、ブランド露出度及び認知度を高め、インナーウェアの卸売りに繋がるような施策を実施しております。中国子会社を中心に実施している中国市場向けの自社ユニフォームブランドの企画・販売及びユニフォームの卸売り事業についても商品そのもののブランド価値を向上させる施策を行い、自社ブランドの確立を推進しております。これらの施策によりメンズカジュアル衣料以外の分野での販路拡大に努めてまいります。
(2)不動産関連サービス事業の収益基盤の確立及び強化
当社の不動産関連サービス事業では、中華圏及び在日中国人の人的ネットワークから収集された顧客ニーズに基づき、当該顧客ニーズにマッチングする仕入れ物件を探索・選択し、顧客に商談を申し入れる営業活動を実施しております。今後、成約件数を増加させるために、顧客ニーズに合った物件情報の獲得及び高付加価値サービスの提供に注力することによりさらなる収益獲得を目指してまいります。また販売用不動産の取得範囲も、事務所や共同住宅にも広げ精力的な活動を行ってまいります。
(3)新規事業の開拓
上記の既存事業に加えて、安定的な収益の柱の構築を目的に積極的に新規事業の開拓を進め業績改善に努めてまいります。すでに「貿易事業」として第1四半期連結累計期間において日用雑貨品及びその他製品について中国企業との輸出入取引を開始しております。また第2四半期連結会計期間においては日用雑貨品に加え、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の輸入及び販売を開始するとともに、中国子会社においても貿易事業を開始しております。
これらの施策を推進することで経営基盤の強化を図り、企業経営の安定化に努めてまいります。