有価証券報告書-第12期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 9:00
【資料】
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【項目】
103項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.経営方針
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「北海道に根ざした総合ヘルスケア企業グループとして健康を願う人々を支えつづけます」を基本理念としております。医薬品卸売事業と医療機器卸売事業の二つの事業をコアとして「予防・診断・治療・調剤・リハビリ介護」という地域における健康ネットワーク全体の円滑な活動を支えて、患者様とご家族の満足の実現をめざします。
(2)中長期的な会社の経営方針
わが国は、急速な少子高齢社会による人口構成の変化と人口の減少が予測される中で、高齢者ができる限り住み慣れた地域で医療・介護・福祉のサービスを享受するための「地域包括ケアシステム」の実現へ向けた取り組みが進められております。この事業環境の大きな変革を迎えて、当社グループは「ホールディングスはひとつ」を合言葉に、存在感のある企業グループをめざしての「次の一手」を推進してまいります。
①お得意先との新たな関係作り
「コミュニケーション№1」を合言葉に、グループ企業の競争力の強化につとめ、お得意先とのコミュニケーションレベルを高めて、求められる新たな機能やサービスの開発・提案をもって、新しい時代にふさわしい関係作りに取り組んでまいります。
②地域包括ケアシステムへの対応
当社グループは、「地域包括ケア」構築へと進む流れにあって、医薬品卸売事業と医療機器卸売事業、調剤薬局事業、介護事業、ICT事業などヘルスケア全体を網羅する事業を営む企業群で構成されております。この総合ヘルスケア企業グループとして、事業相互間の連携による利便性の高い機能の開発と柔軟なサービス体制の構築をもって、お得意先や患者様の多様なヘルスケアに関するニーズの変化にお応えしてまいります。
③ソリューション営業の推進
お得意先の経営改善の一助となる提案を含む医薬品・医療材料の物品管理業務などをはじめ、経営課題解決へ向けた様々なサービスをご提供してまいります。
④IT戦略
お得意先の情報化推進のためのIT基盤開発や諸システムのご提案などを推進しております。またグループ内部の効率性と生産性向上のために、基幹システム統合や情報システム整備も積極的に行ってまいります。
⑤人材育成
グループ各社の事業の相互理解を深め、総合ヘルスケア企業グループにふさわしい人材育成のためにグループ間の人事交流を積極的に行っています。当社の事業活動のすべては、お得意先ごとのニーズにこたえる「顧客満足度の追求」からはじまります。個別のニーズに応じて社員一人ひとりが、グループ各社が持つ専門ノウハウと経営資源を最大限に活用できる人材を育成します。
⑥収益の改善
各企業における個別コストの削減に加えて、グループ間の共通業務の集約と効率化をすすめ、経費効率の改善を行います。
2.対処すべき課題
社会保障の制度改革や北海道地域医療構想を進めるなかで、当社グループが総合ヘルスケア企業として各地域で思い描く地域包括ケアシステムに対応するためには、各事業の機能強化に加え、地域密着と当社グループ内の協業シナジーを核に、BtoBとBtoC事業モデルの開発・展開を具体化する必要があります。さらに地域のコミュニケーションを強化し、医療と介護と福祉の提供体制に見合うワンストップサービスの開発とビジネスモデル構築が今後の課題となります。
3. 株式会社の支配に関する基本方針について
(1)基本方針の内容
当社は、永年にわたって構築してきた営業ノウハウを活用することによって顧客満足度を最大限に高めることを経営の基本施策としており、経営の効率性や収益性を高める観点から、専門性の高い業務知識や営業ノウハウを備えたものが取締役や執行役員に就任して、法令や定款を遵守しつつ当社の財務および事業の方針の決定につき重要な職務を担当することが、会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものと考えており、このことをもって会社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針としております。
(2)不適切な支配の防止のための取組み
現在のところ、不適切な支配についての具体的な脅威が生じているわけではなく、また当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策等」)を予め定めるものではありませんが、株主から付託を受けた経営者の責務として、当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、有事対応の初動マニュアルを作成するほか、株式の大量取得を企図する者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じます。具体的には、社外の専門家を交えて当該買収提案の評価や株式取得者との交渉を行い、当該買収提案(または買付行為)が当社の企業価値および株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否および内容等をすみやかに決定し、対抗措置を実行する体制を整えます。
(3)不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断
当社は、株式の大量保有取得を目的とする買付けなどの不適切な支配が行われる場合において、それに応じるか否かは、最終的には株主の判断に委ねられるべきものと考えており、経営支配権の異動を通じた企業活動の活性化の意義や効果についても、何らこれを否定するものではありません。しかしながら、当社の基本理念や企業価値、株主を始めとする各ステークホルダーの利益を守るのは、当社の経営を預る者として当然の責務であると認識しております。
また、株式の大量保有取得を目的とする買付け(または買収提案)等に対しては、当該買付者の事業内容、将来の事業計画や過去の投資行動等から、当該買付行為(または買収提案)が当社の企業価値および株主共同の利益に与える影響を慎重に検討し、判断する必要があるものと認識しております。