有価証券報告書-第160期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/20 11:00
【資料】
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【項目】
202項目
② 戦略(気候関連シナリオ分析)
a.短期・中期・長期のリスク・機会の詳細
将来の気候変動が事業活動に与えるリスクと機会、財務影響を把握するため、TCFDが提唱するフレームワークにのっとり、シナリオ分析の手法を用いて、2050年時点における外部環境変化を予測し、分析を実施しました。気候変動に伴う自然環境の変化や資源の枯渇などは、長期間にわたり事業活動に大きな影響を与えるため、百貨店のみならずグループ事業全体において、従来型のビジネスから、地球資源を再生・修復するビジネスへと変革していくことが必要であると認識しています。当社がめざす将来社会を見据え、環境・社会領域におけるESG重点課題10項目は、2030年時点の達成目標(中長期)や、年度ごとの数値目標(ロードマップ)を設定し、PDCAサイクルにて進捗管理を行っています
b.リスク・機会が事業・戦略・財務計画におよぼす影響の内容・程度
TCFDが推奨する気候変動関連リスクを移行リスク・物理的リスクの2つのカテゴリーに分類し、当社の事業活動に甚大な影響をおよぼす可能性がある主要なリスク項目を特定しました。また、「2℃以下シナリオを含む、さまざまな気候変動関連シナリオに基づく検討」を行うため、IPCCやIEAなどのシナリオを参考に、事業活動や財務におよぼす影響を分析し、その対応策を検討・推進しています。シナリオ分析は、パリ協定の目標である「2℃未満」と、CO2排出量削減が不十分な「4℃」の2つのシナリオを想定し、TCFDが推奨する典型的な気候関連リスクと機会を参考に分析を行いました。
想定シナリオ
2℃未満
シナリオ
気候変動対応の厳しい法規制施行による事業運営コストの増加
エネルギーコストや商品価格の高騰に伴う、商品調達リスクの拡大
消費者の環境意識の高まりによる新たなマーケット獲得
4℃
シナリオ
自然災害の多発・激甚化に伴う店舗被災、サプライチェーンの断絶など、営業機会の損失
エネルギー価格の高騰や資源不足に伴う商品調達リスクの拡大
環境負荷を前提としたビジネスモデルから脱却できない企業に対する市場からの淘汰

●髙島屋グループのリスク・機会の概要と事業及び財務への影響
◎:非常に大きい ○:大きい 0102010_008.png:非常に大きくなる 0102010_009.png:大きくなる 0102010_010.png:軽微
リスク・機会
の分類
髙島屋グループ 気候変動関連リスク・機会の概要事業及び
財務への影響
+2℃未満+4℃






市場と
技術
* 再生可能エネルギーへの転換に伴う調達コスト増加
* 環境マーケット需要の獲得遅れに伴う競争力低下
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評判* 環境課題への対応遅れに伴うステークホルダーからの
信用失墜、ブランド価値の毀損、組織会員離反
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政策と
* 炭素税の導入、プラスチック循環促進法への対応など、
規制強化に伴う事業運営コストの増加
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物理的
リスク
* 大規模自然災害の発生に伴う店舗閉鎖や、サプライチェーン
断絶に伴う営業機会損失
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エネルギー源* 省エネ推進に伴う電力使用コスト削減
* 災害に備えた事業活動のレジリエンス確保
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市場* ESG経営の推進によるステークホルダーからの共感獲得、
企業価値向上
* 高まる環境意識に対応した商品・サービスの提供による
マーケット獲得
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※+4℃の矢印は+2℃未満シナリオと比較した際の影響の大きさを示しています。
c.シナリオに基づくリスク・機会及び財務影響とそれに対する戦略・レジリエンス
2030年時点を想定した2つのシナリオにおける事業及び財務への影響に関し、規制強化に伴う炭素税の導入や、再生可能エネルギー由来の電力調達コストが財務に影響をおよぼすものと考え、2℃未満シナリオにおける財務影響を試算しています。
●髙島屋グループへの財務影響
2030年時点を想定した財務影響
炭素税導入約25億円
コスト増
・IEA(※)の2℃未満シナリオにおける2030年の先進国
国際炭素税価格(約11千円/t-CO2)を基準に、当社
2019年時点のCO2排出量(約230,516t)より算出
再エネ由来の
電力調達
約16億円
コスト増
・現状の調達電気との料金格差(約4円/KWh)に、当社
2019年時点の電力使用量(約392,824MWh)より算出

※IEA(国際エネルギー機関)発行「世界エネルギー展望 World Energy
Outlook2019」参照
当社は、気候変動関連リスクに対する事業活動や財務に与える影響などを踏まえ、持続可能な社会の実現に貢献することをめざし、社会課題解決と事業成長の両立を図る「グループESG経営」を推進しています。その一環として、2019年に事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力で調達することをめざす国際的イニシアチブ「RE100」に参加し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。脱炭素化に向けては、中長期的視点で再エネ由来電力調達によるコスト増リスクも見据え、横浜店、大阪店、京都髙島屋S.C.、高崎髙島屋、日本橋髙島屋S.C.には、オフサイトPPAによる再エネ由来電力を導入しています。また、店舗設備を省エネ効率の高い機器へと順次更新するとともに、既存照明をLED照明に変更することで、使用電力及びCO2の削減に努めています。国内百貨店では、2024年度約5.3億円のLED化投資を行い、CO2排出量を推計約1,300t-CO2を削減しました。(※国内平均排出係数にて算定)
なお、2025年度についても、約2.1億円のLED化投資を継続して行いました。
さらにグループ総合戦略「まちづくり」を通じ、「街のアンカーとしての役割発揮」「館の魅力最大化」に取り組むとともに、環境に配慮した商品やサービス、店舗施設提供など、新しい価値を提案する次世代商業施設づくりにて、新たなマーケット獲得に取り組んでいます。グループ経営においても、既存事業の収益強化と将来の成長に向け事業規模拡大や、新規事業開発を進めるなど、気候変動リスクの抑制とともに、マーケット変化に積極的に対応した新たなビジネス機会獲得に取り組んでいます。

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