有価証券報告書-第101期(2025/03/01-2026/02/28)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」という基本理念を2006年より定款に定めています。グループとしての姿勢を国内外約67万5千人に上るすべての従業員が正しく理解して将来に伝承していくために、またステークホルダーの皆さまにも積極的に発信し、ご理解いただきたいという想いから、基本理念の背景や意義を綴った内容に改め、2023年5月の株主総会を経て定款に記し直しました。「すべてはお客さまのために」という視点から、市場やお客さまの変化を見据え、長期的な視点で持続可能な成長と地域社会に貢献するグループを目指し、企業価値向上に取り組んでいます。
また、「21世紀の企業に生まれ、変わる」ことを宣言して社名を“イオン”とした2001年当時にビジョンとして掲げた「夢のある未来」の意味を改めて問い直し、2023年4月、“一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを創造する”というステートメントとともに「イオングループ未来ビジョン」を策定しました。ビジョンステートメント「一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを創造する」を掲げた未来ビジョンの内容の詳細につきましては当社ウェブサイトをご参照願います。
この「イオングループ未来ビジョン」に則り、お客さまをはじめ、株主や取引先の皆さま、地域社会、従業員と良好な関係を築き、お客さまにご満足いただける商品やサービスを提供し続けることで、長期的な繁栄と成長を遂げてまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社グループを取り巻く事業環境は、賃金上昇を上回る物価上昇の常態化やあらゆるコストの上昇圧力、人手不足の深刻化、さらには気候変動や地政学的要因に伴う原材料・エネルギー調達環境の不安定化等、大きな変化の局面にあります。
このように変化が激しい環境下においては、イオンのマルチフォーマットの事業展開による「適応力」とグループ間の投資配分による「メリハリをつけた事業ポートフォリオ戦略」は大きな強みと言えます。
今後の事業環境の変化と、それに伴う消費者ニーズの変化を見据え、以下に示す5つの重点施策によってポートフォリオの質を高め、持続的成長を実現するための事業基盤の確立に取り組んでまいります。
① 食品小売事業の収益構造改革
商品:昨今のお客さまの多様化するニーズに対応するため、プライベートブランド「トップバリュ」とナショナルブランド商品の供給はイオングループのスケールメリットを活用してまいります。生産から販売までの一気通貫の効率的な全体サプライチェーンの構築により、原価構造を見直し、価格と価値の両面でお客さまに選ばれる商品を提供してまいります。
店舗フォーマット・インフラ:良質な惣菜をお値ごろな価格で提供することを可能とするプロセスセンターや物流センターへの投資を強化し、構造的な競争優位性を備えた事業モデルへの転換を進めてまいります。
② 新たなヘルス&ウエルネス事業への進化
㈱ツルハホールディングスとウエルシアホールディングス㈱との統合シナジーの創出に向けて、共同調達、プライベートブランド商品供給等の取り組みを着実に進めてまいります。
また、当社グループのもつ商品調達網・リテールテック等の経営資源を活用し、食品を強化した「ドラッグ&フード業態」の構築に着手しています。今後はオンライン・オフライン両方の顧客接点を起点に、健康軸での多様なサービス領域を含む包括的なヘルス&ウエルネス事業へと発展させてまいります。
③ ディベロッパーとエンターテイメントの融合
ディベロッパー事業は、地域に不足している公園や図書館等の社会インフラの補完、気候変動により失われつつある遊ぶ場や機会の提供等、こうした社会課題に解決策を提供できる事業と位置付けています。「買い物の場」にとどまらず、「地域インフラとしての機能強化」と「体験・エンタメ機能の強化」の2軸でリモデルしていきます。
特に、エンターテイメント領域を成長コンテンツとして国内最大規模のモール・ショッピングセンターに取り込むことで、来店動機の多様化をはかり集客力・アセット価値の向上をはかるとともに、グループ全体のブランドイメージの進化と新たな顧客層拡大につなげてまいります。
④ 海外事業の成長加速
将来の国内市場環境を見据え、海外事業を次世代の成長ドライバーと位置づけ、特に成長著しいベトナムにおいて小売及びディベロッパー事業を中心とした事業基盤の拡充を進めています。
今後は、主要都市圏に加え地方中核都市でのドミナント形成を通じ、グループの顧客基盤を活用した金融、エンターテイメント等のサービス事業を含むマルチフォーマットでの成長を加速してまいります。
⑤ 事業構造改革の断行
「収益性の向上」に向けて、これまで以上に踏み込んだ事業構造改革を進め、「競争力ある事業構造への転換」に取り組んでいます。
イオンモール㈱、イオンディライト㈱、㈱サンデー、㈱ジーフット等、既存事業の再成長に向けた資本政策と並行し、グループ企業の中の不採算企業を特定した上で、グループ内再編や事業整理に着手しています。今後、これらの取り組みによって経営効率を向上させ、創出した資金を成長領域へ傾斜配分することにより、ポートフォリオの質を高めてまいります。
(3) 人材の活躍・ダイバーシティの推進
① 「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進」グループの更なる成長と拡大を目指して
当社は、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)の推進を社会的課題への対応ではなく、グループの持続的成長と企業価値向上につながる重要な経営戦略のひとつとして位置付けています。2024年3月には、より個に寄り添い、多様な人材・価値観を活かす組織、挑戦できる風土の実現を目指し、「DE&I推進室」へと組織名称を変更しました。従業員とその家族、お客さま、会社の3者の満足の実現を目指す活動を“ダイ満足”と名づけ、一連の取り組み活動をグループ全体で推進しています。経営層及び管理職層に対する理解促進を通じて、DE&Iを踏まえた意思決定や組織運営の浸透をはかるとともに、女性の活躍推進、多様な働き方の実現、障がいのある従業員の雇用及び職場定着支援等、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
また、LGBTQ+に関する理解促進や、誰もが安心して利用できるインクルーシブな施設・サービスの実現に向けた取り組みを進めています。グループ各社における多様な取り組みを共有・発信する仕組みを通じて、各社の特性に応じた施策の展開を後押しし、多様性を競争力へとつなげる取り組みを進めています。
このように多様な視点を経営や事業に取り込むことで、多様性が生み出す価値創造の実現に貢献してまいります。
② 人的資本への投資
当社は、従業員一人ひとりの可能性を信じ、各自が能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを進めています。持続的成長を支える経営人材・専門人材・グローバル人材の育成と採用を強化するとともに、教育投資の拡充、キャリア支援の強化、採用戦略の高度化を推進しています。また、お客さまに対する価値創造を担う従業員こそが最大の経営資本であるという考えのもと、従業員の働きがい(エンゲージメント)向上を重要指標に設定し、国内外60万人規模でのサーベイ実施と改善に取り組んでいます。また、多様な人材が柔軟に働くための環境整備にも力を注いでおり、国内従業員の8割を占める約49万人のパートタイマーの賃金においては4年連続で7%以上引き上げました。革新しつづける企業集団として、生産性向上と人的資本投資の好循環を生み出すことで持続可能な成長を目指してまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」という基本理念を2006年より定款に定めています。グループとしての姿勢を国内外約67万5千人に上るすべての従業員が正しく理解して将来に伝承していくために、またステークホルダーの皆さまにも積極的に発信し、ご理解いただきたいという想いから、基本理念の背景や意義を綴った内容に改め、2023年5月の株主総会を経て定款に記し直しました。「すべてはお客さまのために」という視点から、市場やお客さまの変化を見据え、長期的な視点で持続可能な成長と地域社会に貢献するグループを目指し、企業価値向上に取り組んでいます。
また、「21世紀の企業に生まれ、変わる」ことを宣言して社名を“イオン”とした2001年当時にビジョンとして掲げた「夢のある未来」の意味を改めて問い直し、2023年4月、“一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを創造する”というステートメントとともに「イオングループ未来ビジョン」を策定しました。ビジョンステートメント「一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを創造する」を掲げた未来ビジョンの内容の詳細につきましては当社ウェブサイトをご参照願います。
この「イオングループ未来ビジョン」に則り、お客さまをはじめ、株主や取引先の皆さま、地域社会、従業員と良好な関係を築き、お客さまにご満足いただける商品やサービスを提供し続けることで、長期的な繁栄と成長を遂げてまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社グループを取り巻く事業環境は、賃金上昇を上回る物価上昇の常態化やあらゆるコストの上昇圧力、人手不足の深刻化、さらには気候変動や地政学的要因に伴う原材料・エネルギー調達環境の不安定化等、大きな変化の局面にあります。
このように変化が激しい環境下においては、イオンのマルチフォーマットの事業展開による「適応力」とグループ間の投資配分による「メリハリをつけた事業ポートフォリオ戦略」は大きな強みと言えます。
今後の事業環境の変化と、それに伴う消費者ニーズの変化を見据え、以下に示す5つの重点施策によってポートフォリオの質を高め、持続的成長を実現するための事業基盤の確立に取り組んでまいります。
① 食品小売事業の収益構造改革
商品:昨今のお客さまの多様化するニーズに対応するため、プライベートブランド「トップバリュ」とナショナルブランド商品の供給はイオングループのスケールメリットを活用してまいります。生産から販売までの一気通貫の効率的な全体サプライチェーンの構築により、原価構造を見直し、価格と価値の両面でお客さまに選ばれる商品を提供してまいります。
店舗フォーマット・インフラ:良質な惣菜をお値ごろな価格で提供することを可能とするプロセスセンターや物流センターへの投資を強化し、構造的な競争優位性を備えた事業モデルへの転換を進めてまいります。
② 新たなヘルス&ウエルネス事業への進化
㈱ツルハホールディングスとウエルシアホールディングス㈱との統合シナジーの創出に向けて、共同調達、プライベートブランド商品供給等の取り組みを着実に進めてまいります。
また、当社グループのもつ商品調達網・リテールテック等の経営資源を活用し、食品を強化した「ドラッグ&フード業態」の構築に着手しています。今後はオンライン・オフライン両方の顧客接点を起点に、健康軸での多様なサービス領域を含む包括的なヘルス&ウエルネス事業へと発展させてまいります。
③ ディベロッパーとエンターテイメントの融合
ディベロッパー事業は、地域に不足している公園や図書館等の社会インフラの補完、気候変動により失われつつある遊ぶ場や機会の提供等、こうした社会課題に解決策を提供できる事業と位置付けています。「買い物の場」にとどまらず、「地域インフラとしての機能強化」と「体験・エンタメ機能の強化」の2軸でリモデルしていきます。
特に、エンターテイメント領域を成長コンテンツとして国内最大規模のモール・ショッピングセンターに取り込むことで、来店動機の多様化をはかり集客力・アセット価値の向上をはかるとともに、グループ全体のブランドイメージの進化と新たな顧客層拡大につなげてまいります。
④ 海外事業の成長加速
将来の国内市場環境を見据え、海外事業を次世代の成長ドライバーと位置づけ、特に成長著しいベトナムにおいて小売及びディベロッパー事業を中心とした事業基盤の拡充を進めています。
今後は、主要都市圏に加え地方中核都市でのドミナント形成を通じ、グループの顧客基盤を活用した金融、エンターテイメント等のサービス事業を含むマルチフォーマットでの成長を加速してまいります。
⑤ 事業構造改革の断行
「収益性の向上」に向けて、これまで以上に踏み込んだ事業構造改革を進め、「競争力ある事業構造への転換」に取り組んでいます。
イオンモール㈱、イオンディライト㈱、㈱サンデー、㈱ジーフット等、既存事業の再成長に向けた資本政策と並行し、グループ企業の中の不採算企業を特定した上で、グループ内再編や事業整理に着手しています。今後、これらの取り組みによって経営効率を向上させ、創出した資金を成長領域へ傾斜配分することにより、ポートフォリオの質を高めてまいります。
(3) 人材の活躍・ダイバーシティの推進
① 「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進」グループの更なる成長と拡大を目指して
当社は、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)の推進を社会的課題への対応ではなく、グループの持続的成長と企業価値向上につながる重要な経営戦略のひとつとして位置付けています。2024年3月には、より個に寄り添い、多様な人材・価値観を活かす組織、挑戦できる風土の実現を目指し、「DE&I推進室」へと組織名称を変更しました。従業員とその家族、お客さま、会社の3者の満足の実現を目指す活動を“ダイ満足”と名づけ、一連の取り組み活動をグループ全体で推進しています。経営層及び管理職層に対する理解促進を通じて、DE&Iを踏まえた意思決定や組織運営の浸透をはかるとともに、女性の活躍推進、多様な働き方の実現、障がいのある従業員の雇用及び職場定着支援等、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
また、LGBTQ+に関する理解促進や、誰もが安心して利用できるインクルーシブな施設・サービスの実現に向けた取り組みを進めています。グループ各社における多様な取り組みを共有・発信する仕組みを通じて、各社の特性に応じた施策の展開を後押しし、多様性を競争力へとつなげる取り組みを進めています。
このように多様な視点を経営や事業に取り込むことで、多様性が生み出す価値創造の実現に貢献してまいります。
② 人的資本への投資
当社は、従業員一人ひとりの可能性を信じ、各自が能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを進めています。持続的成長を支える経営人材・専門人材・グローバル人材の育成と採用を強化するとともに、教育投資の拡充、キャリア支援の強化、採用戦略の高度化を推進しています。また、お客さまに対する価値創造を担う従業員こそが最大の経営資本であるという考えのもと、従業員の働きがい(エンゲージメント)向上を重要指標に設定し、国内外60万人規模でのサーベイ実施と改善に取り組んでいます。また、多様な人材が柔軟に働くための環境整備にも力を注いでおり、国内従業員の8割を占める約49万人のパートタイマーの賃金においては4年連続で7%以上引き上げました。革新しつづける企業集団として、生産性向上と人的資本投資の好循環を生み出すことで持続可能な成長を目指してまいります。