有価証券報告書-第60期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 13:38
【資料】
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【項目】
155項目
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、創業の精神である「信用本位」「感謝報恩」「よろこびのあきない」を基本理念と位置づけております。
この精神に基づく持続的な企業活動を通じて「心の平和と生きる力」を実現することを当社グループの使命と捉え、お客様、社員、社会、自然をはじめとしたあらゆるご縁への感謝の想いを体現し、歴史ある日本文化を伝承することで、ともに調和し、輝きあい、喜びあえる世界を実現してまいります。
また、これまで長年取り組んできた「供養」の領域を深めるとともに、ライフステージに寄り添った周辺領域にも視野を広げ、新たな商品・サービスを通じて、お客様の「穏やかで心豊かな生活(ピースフルライフ)」を支援する持続可能な企業グループを目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、仏壇仏具・墓石事業に次ぐ新規事業を成長させるとともに、店舗モデル改革、業務デジタル化による生産性向上を図ることで、主にROE、売上高伸張率、売上高営業利益率、自己資本比率を主要な経営指標の目標とし、各指標の向上を目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、第60期を初年度とする新たな3ヵ年の中期経営計画をスタートいたしました。本計画では「売り切り型からの脱却」「手を合わせる機会の創造」を通じた、お客様の「穏やかで心豊かな生活(ピースフルライフ)」の実現をテーマに掲げております。具体的には、市場の長期的縮小や多死社会の到来といった環境変化を背景に、従来の宗教用具の小売業から、お客様の終活、ご逝去、そしてその後の生活までを包括的に支援するビジネスモデルへの転換を目指しております。中核事業である仏壇仏具・墓石事業において株式会社現代仏壇とのシナジーを最大化させるとともに、ご供養周辺領域の悩みを解消するピースフルライフサポート事業(以下、PLS事業)を新たな収益の柱として確立させてまいります。これらを実現すべく、「既存事業の進化発展」「新規事業の成長」「戦略的投資の実行」「利益体質への転換」を重点課題に掲げ、持続的な企業価値の向上と生産性の高い経営体質の構築に邁進してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、持続的な企業価値の向上を目指し、「(1) 経営の基本方針」に記載の経営方針を実現し、中期経営計画において掲げた経営戦略を確実に実行するため、以下の4つの課題を最優先事項として取り組んでまいります。
①既存事業の進化発展
物価上昇による生活防衛意識の高まりと、大切な方のご供養には妥協したくないという想いが交錯し、消費の二極化が進んでおります。一段とシビアになったお客様の目線に対し、当社は専門店としての強みを再定義し、人生の最も大切な方に寄り添う「本物」を提供してまいります。具体的には、至高のクオリティを追求した 「H PREMIUM」や、国内の有名家具メーカーと共同開発した「LIVE-ingコレクション」、モダンかつ洗練されたデザインの現代仏壇ブランドを展開し、それぞれの特長を活かした高付加価値商品を拡充いたします。こうした質の高い提案を軸としつつ、購買意欲の高いボリュームゾーンに向けた戦略的な商品展開や、お仏壇の引取り供養付き定額利用サービス「買わないお仏壇 tutumuプラン」の展開、さらにはM&Aや、市場の変化に応じた機動的な店舗の出退店や統廃合を行ない、最適化された店舗網を構築することで、幅広いニーズを捕捉し、売上高の持続的な成長回帰を図ります。
②新規事業の成長
従来の売り切り型のビジネスモデルでは、ご供養後に数十年続くお客様の生活において、終活・相続・不動産といった様々なお悩みに十分に応えられず、接点が途切れてしまうことが課題となっておりました。また、お盆やお彼岸等、行事に伴う季節変動の影響を受けやすい既存事業に対し、年間を通じて安定した収益基盤を構築することも重要な経営課題です。
これらを解決するため、既存事業とPLS事業が相互の接点を活かし、一生涯を通じてお客様に寄り添い続けるビジネスモデルを構築することで、LTV(注1)の向上と収益の平準化を目指します。
具体的には、2026年4月に新設した「PLS不動産事業部」を軸に、ご供養や終活に伴う不動産売却・有効活用の相談機能を本格稼働させます。これにより、既存のお客様に対し、相続手続きの支援や遺品整理、身元保証といったサービスを、季節を問わず適切なタイミングで多角的にご提案し、ご供養の枠を超えた広範な生活支援へとつなげてまいります。同時に、PLS事業を入り口とした新規顧客の開拓も強化し、新たな収益柱へと成長させていくとともに、グループ全体の年間を通じた収益構造の安定化を図ってまいります。
③戦略的投資の実行
デジタル化の進展により、お客様が「まずネットで調べ、必要に応じて店舗へ行く」という購買プロセスが定着するなか、オンラインとリアルの情報の乖離や顧客接点の分断が、機会損失を招く大きな課題となっております。また、市場環境の変化に対応し持続的な成長を実現するためには、店舗網の刷新のみならず、デジタル、人材、研究開発といった各分野へのバランスの取れた資源配分が不可欠です。
これらの課題を解決するため、当社は中期経営計画の期間において、将来の成長と安定した経営基盤の構築に向けた戦略的な投資を実行いたします。具体的には、オンラインと実店舗の顧客情報を一体化し、双方の強みを活かしたサービス提供体制を構築するため、年間70万組の来店客と30万人のアプリ会員の購買行動データを一元管理することで、お客様が「いつ、どこで、何を必要としているか」を会社全体で把握できるようにいたします。この強固なデータ基盤を武器に、私たちの役割は「供養領域のお手伝い」から、その後に続く終活・相続・不動産活用まで、「一生涯のライフステージを支えるパートナー」へと進化します。デジタルの精度と、実店舗ならではの温もりのある接客を掛け合わせることで、お客様に寄り添い続ける関係を築き、LTV(注1)の最大化を目指してまいります。あわせて、出退店や統廃合を軸とした店舗投資、専門性の高い人材の確保・育成を目指す人的投資及びPLS事業や新サービスを生み出す研究開発投資を着実に実行いたします。また、不測の事態や将来のM&A・資本提携に備えた内部留保を適正に維持しつつ、配当方針として累進配当を導入し、安定的な株主還元を継続いたします。こうした多角的な資源配分により、経営の柔軟性を保ちながら、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
④利益体質への転換
社会的要請に基づく人件費の上昇や、採用競争の激化に伴う人手不足の影響により、これまで以上に効率的な運営体制の構築が喫緊の課題となっております。こうした環境のなか、店舗における定型業務の負担がスタッフの接客時間を制約し、本来の強みである「おもてなし」の品質維持を阻害している現状を改善するため、営業店及び間接部門の業務を「見直し・集約・廃止」の観点から抜本的に刷新します。生成AIやRPA(注2)等のデジタル技術を導入し、定型業務を徹底して省力化・自動化することで、少人数でも質の高い運営ができる体制を構築いたします。これにより創出した人的リソースを、付加価値の高い接客や、新規事業の企画立案といった成長分野へ配置転換し、グループ全体の生産性と収益構造の改善を断行いたします。
(注1)LTV…「Life Time Value」の略で、顧客が取引期間全体を通して企業にもたらす利益のこと。
(注2)RPA…「Robotic Process Automation」の略で、人工知能を備えたソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化すること。

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