有価証券報告書-第54期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に景気は緩やかな回復基調ではありましたが、世界的な貿易摩擦など海外の政治経済情勢の不確実性の高まりに加え、新型コロナウイルス感染症の発生以降はその影響により足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。
外食産業を取り巻く環境は、人手不足を背景とした人件費の上昇に加え、消費税率の引き上げによる消費動向の変化や業種・業態の垣根を越えた顧客獲得に向けた企業間競争の激化など、引き続き厳しい経営環境に直面しています。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により店舗休業や営業時間の短縮に加え、外出自粛要請などもあり、消費動向は加速度的に悪化しております。
このような環境下で当社グループは、「食」とは文字通り「人を良くする」ものであるという価値観を共有し体現していくことで、世界の人々のより良いライフクオリティと豊かな人生の実現に貢献していくため、「ホールディングス機能の強化によるグループ収益力の強化」「投資案件への積極的な取り組み」「グローバル展開」「人材育成と職場環境の改善」を重点戦略として推進してまいりました。
しかしながら、2月度・3月度は新型コロナウイルス感染症の影響が経営成績に大きく響いたことから、当連結会計年度の経営成績は、売上高389億71百万円(前年同期比20億75百万円減)、営業損失2億51百万円(前年同期は営業利益7億27百万円)、経常損失2億9百万円(前年同期は経常利益7億46百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失10億89百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益3億30百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(レストラン事業)
レストラン事業においては、収益力向上のためフランチャイズ制度を引き続き推進いたしました。新店は2店舗であり、内訳はそば部門の「越後叶家」1店舗、㈱壱番亭本部の「らーめん桜壱」1店舗であります。また、改装19店舗を実施し、そのうち5店舗は業態変更を行いました。退店は32店舗であり、そのうち13店舗はフランチャイズ店舗へ移管いたしました。この結果、当連結会計年度末におけるレストラン事業の店舗数は、38都道府県に418店舗(フランチャイズ店舗71店舗を含む)となりました。店舗数減に伴う売上高の減少及び人手不足による人件費上昇の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、3月の既存店前年同月比で売上高が57%となったことにより減収減益となりました。
以上の結果、レストラン事業の売上高は259億65百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益94百万円(前年同期は7億70百万円の利益)となりました。
[うどん部門]
主力業態の「杵屋」では、10月の消費税増税前に高付加価値の商品導入や、一部の商品ブラッシュアップによる価格改定を行ったため、客単価は前年を上回ったものの、来客数の減少により減収となりました。夏には、親子三世代で楽しめるプレートを目指した「すごいお子さまプレート」を「杵屋」をはじめ、そば及び洋食部門においても販売し、ファミリー層の獲得を図りました。セルフうどんの「杵屋麦丸」も、10月のメニュー変更時に丼とうどんセットの充実や、牛肉うどんのブラッシュアップ、一部の価格改定を行ったため客単価増となりました。
当連結会計年度は、「杵屋」については退店15店舗(うちフランチャイズへの移管7店舗)、「おらが蕎麦」への業態変更1店舗、「麦まる」については退店2店舗、「杵屋麦丸」については退店1店舗、「めん坊」については「叶家」への業態変更1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は82億96百万円(前年同期比12.7%減)となりました。
[そば部門]
主力業態の「そじ坊」では、10月のメニュー変更で、小ポーションのそばを導入し、より女性や年配層の客数獲得に努めました。また季節商品の出品増もあり客単価は前年を上回りました。ビジネス立地を中心に展開している「おらが蕎麦」は、6月にメニュー変更を実施し、客数は横ばいながら客単価微増となりました。名物の「牛肉そば」と「鶏天そば」の2品がお客様に支持を受けたことも客単価増の要因となりました。9月には成田空港のそじ坊が移転改装し、ハラール認証店舗としてオープンしました。
当連結会計年度は、「そじ坊」については「KAMI-HIKŌKI」への業態変更1店舗、退店5店舗(うちフランチャイズへの移管4店舗)、「そば野」については「そじ坊」への業態変更1店舗、「おらが蕎麦」については退店2店舗、「叶家」については出店1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は116億72百万円(前年同期比8.3%減)となりました。
[洋食部門]
「しゃぽーるーじゅ」及び「ロムレット」では、10月の消費税増税後は客数が伸び悩みましたが、黒毛和牛を使用した高付加価値商品を導入し、お客様より高い支持を頂けた事で客単価が想定以上のアップにつながりました。
当連結会計年度は、子会社㈱エイエイエスケータリングに運営委託しておりました「レジェンド オブ コンコルド」については退店いたしました。この結果、当部門の売上高は7億44百万円(前年同期比27.0%減)となりました。
[和食部門]
丼業態の「丼丼亭」では、10月のメニュー変更時に大きく商品をブラッシュアップし価格改定を実施したことで、客単価は昨年に引き続き好調に推移しました。また、客数は消費税増税により下半期は前年割れしたものの、上半期は前年を大きく上回り、売上に大きく貢献しました。また、オペレーションの見直しと人員の効率化を図ることを目的に、電子決済可能な最新の券売機を梅田店に引き続き三宮店にも導入しました。とんかつ業態の「かつ里」では、メニュー変更時にオペレーションを変更し、とんかつの品質向上を図りました。
当連結会計年度は、「丼丼亭」については退店によるフランチャイズへの移管1店舗、フランチャイズ店舗の退店1店舗、「天亭」については「そじ坊」への業態変更1店舗、「天はな」については退店1店舗、「もりの屋」については退店1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は15億70百万円(前年同期比14.1%減)となりました。
[アジア部門その他]
韓国料理業態の「シジャン」では、春先にグランドメニュー及び時間帯セットメニューの刷新、主力商品のブラッシュアップにより、既存店舗の来店客数が増加するとともに、客単価も前年を上回り好調に推移しました。また、UberEatsなどのテイクアウトの拡大を図り増収に努めました。また、成田国際空港に和食中心のカフェスタイル超大型店舗である新業態「KAMI-HIKŌKI」を業態変更によりオープンしました。
当連結会計年度は、㈱壱番亭本部が運営する「壱番亭」については退店2店舗(うちフランチャイズへの移管1店舗)、新業態として「らーめん桜壱」の出店1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は36億81百万円(前年同期比14.5%増)となりました。
(機内食事業)
㈱エイエイエスケータリングにおいては、関西国際空港における中国便及び東南アジア・中東便等でのインバウンドの搭乗客の増加が続いていたことで好調に推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い航空会社の著しい減便により増収減益となりました。
以上の結果、機内食事業の売上高は56億86百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント損失28百万円(前年同期は1億44百万円の利益)となりました。
(業務用冷凍食品製造事業)
㈱アサヒウェルネスフーズにおいては、季節品のおせちの製造が増加したことから増収となりましたが、おせち食材の材料費の上昇や貝塚市に移転した新工場の稼働開始に伴う一時的なコストの発生等により減益となりました。
以上の結果、業務用冷凍食品製造事業の売上高は33億44百万円(前年同期比5.6%増)、セグメント利益82百万円(前年同期は96百万円の利益)となりました。
(不動産賃貸事業)
大阪木津市場㈱においては、地方卸売市場の入居率はほぼ前年同期並みではあるものの、新たに建設した食品加工場の賃貸開始等により増収増益となりました。
以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は7億3百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益3億28百万円(前年同期は2億85百万円の利益)となりました。
(運輸事業)
水間鉄道㈱においては、観光客誘致等の取り組みを続けているものの、沿線地域の利用客の減少及び新型コロナウイルス感染症の影響による乗車率低下により減収となりましたが、コストコントロールの効果により増益となりました。
以上の結果、運輸事業の売上高は4億57百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益5百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。
(その他)
新型コロナウイルス感染症による影響は、大阪木津市場㈱で展開しております水産物卸売事業の魚介の卸売数量の減少及び日本食糧卸㈱で展開しております米穀卸売事業の販売数量の減少にもおよび、減収減益となりました。
以上の結果、その他の売上高は28億14百万円(前年同期比8.9%減)、セグメント損失69百万円(前年同期は14百万円の利益)となりました。
財政状態につきましては、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は110億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億98百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金23億67百万円の増加によるものであります。固定資産は256億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億48百万円減少いたしました。これは主にのれん1億56百万円、投資有価証券1億87百万円及び差入保証金1億73百万円の減少によるものであります。
この結果、総資産は、366億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億50百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は74億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ95百万円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金8億22百万円の増加、買掛金3億99百万円及び未払費用3億40百万円の減少によるものであります。固定負債は151億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億61百万円増加いたしました。これは主に長期借入金32億30百万円の増加及び社債4億30百万円の減少によるものであります。
この結果、負債合計は、225億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億56百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は140億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億6百万円減少いたしました。これは主に配当金の支払い2億70百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失10億89百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は36.9%(前連結会計年度末は42.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は10億70百万円(前年同期は13億52百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費11億10百万円、減損損失6億13百万円、売上債権の減少額8億72百万円、仕入債務の減少額3億99百万円、未払費用の減少額3億40百万円等を反映したものであります
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億15百万円(前年同期は43億77百万円の使用)となりました。有形固定資産の取得による支出18億2百万円、退店等による差入保証金の回収による収入2億15百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は31億13百万円(前年同期は21億60百万円の獲得)となりました。長期借入れによる収入68億7百万円、長期借入金の返済による支出27億54百万円、社債の償還による支出4億30百万円及び配当金の支払額2億73百万円等を反映したものであります。
以上により、当連結会計年度における連結ベースの資金の増加額23億67百万円(前年同期は8億98百万円の減少)により、当連結会計年度末残高は84億14百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食事業を行っておりますので生産及び受注の実績は記載しておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、第3四半期連結累計期間までは順調に推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により業務用冷凍製造事業を除くすべてのセグメントがマイナスの影響を大きく受けたことにより、2011年3月期以来9期ぶりの経常損失となりました。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、原材料費動向、人材の確保等があります。また、今後の新型コロナウイルス感染症の収束状況も大きな要因であります。
当社グループの中核であるレストラン事業の属する外食産業におきましては、景気による個人消費動向の影響に加え、お客様のニーズの変化、多様化に対応すべく企業間の差別化が一層激しくなっており、厳しい競争にさらされています。また、当社グループの店舗は賃貸が基本となるためデベロッパー(賃貸人)の施設構想の変化により出退店の状況が影響を受ける可能性があります。当社グループといたしましては、接客力・セールス力の向上に力を入れ“真に価値あるものの提供”を店舗において実現すること、魅力的な商品・業態を開発し提供することで他社との差別化を図ってまいりますが、今後の更なる競争激化等が進行した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、レストラン事業をはじめ原材料仕入を伴う各事業においては、計画的仕入や国内外を問わない原材料産地の厳選を行っておりますが、天候不順や産地における干ばつ等の影響による品薄、為替変動による原材料コストの上昇等が生じた場合は、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
人材の確保においては、労働集約型産業であるサービス業では近年、人出不足が著しく、人材の確保のために様々な施策を実施し確保に努めておりますが、2021年開催の東京オリンピックに向けて今後の更なる競争激化が進行した場合、人件費及び採用費の増加だけでなく、確保の困難により事業活動が阻害され、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の収束が当社グループの予想以上に遅延し、経済活動の停滞が長引く場合や、消費マインドが冷え込む等の場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの財務戦略としては、堅実な財務体質のもと、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。そのために、自己資本比率の水準を50%、フリーキャッシュフローを20億円以上確保することを目指しております。
1)資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要、設備資金需要あります。運転資金需要としましては、グループ各社の営業活動に必要な運転資金(材料仕入、製造費、人件費等の営業費用)であります。設備資金需要としましては、レストラン事業における新規出店や既存店舗改装費等やその他各事業における事業の維持及び伸長に係る設備投資であります。また、当社グループの持続的成長を図るための新たな投資案件やグローバル展開のための資金需要も今後増加する可能性があります。
2)財務政策
当社グループは現在、運転資金、設備資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債の調達を実施しております。長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適時判断して実施していくこととしております。なお、有価証券報告書提出日現在までに、新型コロナウイルス感染症の拡大とその長期化の備えとしての借入を行っており、財務基盤の安定化を図るべく手元資金を厚く保持しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に影響されるため不確実な金額におきましては、予測・情報の適切性及び正確性に注意しながら、会計上の見積りを行っております。特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に景気は緩やかな回復基調ではありましたが、世界的な貿易摩擦など海外の政治経済情勢の不確実性の高まりに加え、新型コロナウイルス感染症の発生以降はその影響により足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。
外食産業を取り巻く環境は、人手不足を背景とした人件費の上昇に加え、消費税率の引き上げによる消費動向の変化や業種・業態の垣根を越えた顧客獲得に向けた企業間競争の激化など、引き続き厳しい経営環境に直面しています。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により店舗休業や営業時間の短縮に加え、外出自粛要請などもあり、消費動向は加速度的に悪化しております。
このような環境下で当社グループは、「食」とは文字通り「人を良くする」ものであるという価値観を共有し体現していくことで、世界の人々のより良いライフクオリティと豊かな人生の実現に貢献していくため、「ホールディングス機能の強化によるグループ収益力の強化」「投資案件への積極的な取り組み」「グローバル展開」「人材育成と職場環境の改善」を重点戦略として推進してまいりました。
しかしながら、2月度・3月度は新型コロナウイルス感染症の影響が経営成績に大きく響いたことから、当連結会計年度の経営成績は、売上高389億71百万円(前年同期比20億75百万円減)、営業損失2億51百万円(前年同期は営業利益7億27百万円)、経常損失2億9百万円(前年同期は経常利益7億46百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失10億89百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益3億30百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(レストラン事業)
レストラン事業においては、収益力向上のためフランチャイズ制度を引き続き推進いたしました。新店は2店舗であり、内訳はそば部門の「越後叶家」1店舗、㈱壱番亭本部の「らーめん桜壱」1店舗であります。また、改装19店舗を実施し、そのうち5店舗は業態変更を行いました。退店は32店舗であり、そのうち13店舗はフランチャイズ店舗へ移管いたしました。この結果、当連結会計年度末におけるレストラン事業の店舗数は、38都道府県に418店舗(フランチャイズ店舗71店舗を含む)となりました。店舗数減に伴う売上高の減少及び人手不足による人件費上昇の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、3月の既存店前年同月比で売上高が57%となったことにより減収減益となりました。
以上の結果、レストラン事業の売上高は259億65百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益94百万円(前年同期は7億70百万円の利益)となりました。
[うどん部門]
主力業態の「杵屋」では、10月の消費税増税前に高付加価値の商品導入や、一部の商品ブラッシュアップによる価格改定を行ったため、客単価は前年を上回ったものの、来客数の減少により減収となりました。夏には、親子三世代で楽しめるプレートを目指した「すごいお子さまプレート」を「杵屋」をはじめ、そば及び洋食部門においても販売し、ファミリー層の獲得を図りました。セルフうどんの「杵屋麦丸」も、10月のメニュー変更時に丼とうどんセットの充実や、牛肉うどんのブラッシュアップ、一部の価格改定を行ったため客単価増となりました。
当連結会計年度は、「杵屋」については退店15店舗(うちフランチャイズへの移管7店舗)、「おらが蕎麦」への業態変更1店舗、「麦まる」については退店2店舗、「杵屋麦丸」については退店1店舗、「めん坊」については「叶家」への業態変更1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は82億96百万円(前年同期比12.7%減)となりました。
[そば部門]
主力業態の「そじ坊」では、10月のメニュー変更で、小ポーションのそばを導入し、より女性や年配層の客数獲得に努めました。また季節商品の出品増もあり客単価は前年を上回りました。ビジネス立地を中心に展開している「おらが蕎麦」は、6月にメニュー変更を実施し、客数は横ばいながら客単価微増となりました。名物の「牛肉そば」と「鶏天そば」の2品がお客様に支持を受けたことも客単価増の要因となりました。9月には成田空港のそじ坊が移転改装し、ハラール認証店舗としてオープンしました。
当連結会計年度は、「そじ坊」については「KAMI-HIKŌKI」への業態変更1店舗、退店5店舗(うちフランチャイズへの移管4店舗)、「そば野」については「そじ坊」への業態変更1店舗、「おらが蕎麦」については退店2店舗、「叶家」については出店1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は116億72百万円(前年同期比8.3%減)となりました。
[洋食部門]
「しゃぽーるーじゅ」及び「ロムレット」では、10月の消費税増税後は客数が伸び悩みましたが、黒毛和牛を使用した高付加価値商品を導入し、お客様より高い支持を頂けた事で客単価が想定以上のアップにつながりました。
当連結会計年度は、子会社㈱エイエイエスケータリングに運営委託しておりました「レジェンド オブ コンコルド」については退店いたしました。この結果、当部門の売上高は7億44百万円(前年同期比27.0%減)となりました。
[和食部門]
丼業態の「丼丼亭」では、10月のメニュー変更時に大きく商品をブラッシュアップし価格改定を実施したことで、客単価は昨年に引き続き好調に推移しました。また、客数は消費税増税により下半期は前年割れしたものの、上半期は前年を大きく上回り、売上に大きく貢献しました。また、オペレーションの見直しと人員の効率化を図ることを目的に、電子決済可能な最新の券売機を梅田店に引き続き三宮店にも導入しました。とんかつ業態の「かつ里」では、メニュー変更時にオペレーションを変更し、とんかつの品質向上を図りました。
当連結会計年度は、「丼丼亭」については退店によるフランチャイズへの移管1店舗、フランチャイズ店舗の退店1店舗、「天亭」については「そじ坊」への業態変更1店舗、「天はな」については退店1店舗、「もりの屋」については退店1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は15億70百万円(前年同期比14.1%減)となりました。
[アジア部門その他]
韓国料理業態の「シジャン」では、春先にグランドメニュー及び時間帯セットメニューの刷新、主力商品のブラッシュアップにより、既存店舗の来店客数が増加するとともに、客単価も前年を上回り好調に推移しました。また、UberEatsなどのテイクアウトの拡大を図り増収に努めました。また、成田国際空港に和食中心のカフェスタイル超大型店舗である新業態「KAMI-HIKŌKI」を業態変更によりオープンしました。
当連結会計年度は、㈱壱番亭本部が運営する「壱番亭」については退店2店舗(うちフランチャイズへの移管1店舗)、新業態として「らーめん桜壱」の出店1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は36億81百万円(前年同期比14.5%増)となりました。
(機内食事業)
㈱エイエイエスケータリングにおいては、関西国際空港における中国便及び東南アジア・中東便等でのインバウンドの搭乗客の増加が続いていたことで好調に推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い航空会社の著しい減便により増収減益となりました。
以上の結果、機内食事業の売上高は56億86百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント損失28百万円(前年同期は1億44百万円の利益)となりました。
(業務用冷凍食品製造事業)
㈱アサヒウェルネスフーズにおいては、季節品のおせちの製造が増加したことから増収となりましたが、おせち食材の材料費の上昇や貝塚市に移転した新工場の稼働開始に伴う一時的なコストの発生等により減益となりました。
以上の結果、業務用冷凍食品製造事業の売上高は33億44百万円(前年同期比5.6%増)、セグメント利益82百万円(前年同期は96百万円の利益)となりました。
(不動産賃貸事業)
大阪木津市場㈱においては、地方卸売市場の入居率はほぼ前年同期並みではあるものの、新たに建設した食品加工場の賃貸開始等により増収増益となりました。
以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は7億3百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益3億28百万円(前年同期は2億85百万円の利益)となりました。
(運輸事業)
水間鉄道㈱においては、観光客誘致等の取り組みを続けているものの、沿線地域の利用客の減少及び新型コロナウイルス感染症の影響による乗車率低下により減収となりましたが、コストコントロールの効果により増益となりました。
以上の結果、運輸事業の売上高は4億57百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益5百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。
(その他)
新型コロナウイルス感染症による影響は、大阪木津市場㈱で展開しております水産物卸売事業の魚介の卸売数量の減少及び日本食糧卸㈱で展開しております米穀卸売事業の販売数量の減少にもおよび、減収減益となりました。
以上の結果、その他の売上高は28億14百万円(前年同期比8.9%減)、セグメント損失69百万円(前年同期は14百万円の利益)となりました。
財政状態につきましては、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は110億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億98百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金23億67百万円の増加によるものであります。固定資産は256億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億48百万円減少いたしました。これは主にのれん1億56百万円、投資有価証券1億87百万円及び差入保証金1億73百万円の減少によるものであります。
この結果、総資産は、366億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億50百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は74億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ95百万円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金8億22百万円の増加、買掛金3億99百万円及び未払費用3億40百万円の減少によるものであります。固定負債は151億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億61百万円増加いたしました。これは主に長期借入金32億30百万円の増加及び社債4億30百万円の減少によるものであります。
この結果、負債合計は、225億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億56百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は140億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億6百万円減少いたしました。これは主に配当金の支払い2億70百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失10億89百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は36.9%(前連結会計年度末は42.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は10億70百万円(前年同期は13億52百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費11億10百万円、減損損失6億13百万円、売上債権の減少額8億72百万円、仕入債務の減少額3億99百万円、未払費用の減少額3億40百万円等を反映したものであります
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億15百万円(前年同期は43億77百万円の使用)となりました。有形固定資産の取得による支出18億2百万円、退店等による差入保証金の回収による収入2億15百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は31億13百万円(前年同期は21億60百万円の獲得)となりました。長期借入れによる収入68億7百万円、長期借入金の返済による支出27億54百万円、社債の償還による支出4億30百万円及び配当金の支払額2億73百万円等を反映したものであります。
以上により、当連結会計年度における連結ベースの資金の増加額23億67百万円(前年同期は8億98百万円の減少)により、当連結会計年度末残高は84億14百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食事業を行っておりますので生産及び受注の実績は記載しておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| レストラン事業 | ||
| うどん部門 | 8,296,147千円 | △12.7 |
| そば部門 | 11,672,406 | △8.3 |
| 洋食部門 | 744,613 | △27.0 |
| 和食部門 | 1,570,833 | △14.1 |
| アジア部門その他 | 3,681,994 | 14.5 |
| 小計 | 25,965,995 | △8.2 |
| 機内食事業 | 5,686,405 | 5.7 |
| 業務用冷凍食品製造事業 | 3,344,044 | 5.6 |
| 不動産賃貸事業 | 703,430 | 7.7 |
| 運輸事業 | 457,146 | △1.2 |
| 報告セグメント計 | 36,157,022 | △4.7 |
| その他 | 2,814,142 | △8.9 |
| 合計 | 38,971,164 | △5.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、第3四半期連結累計期間までは順調に推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により業務用冷凍製造事業を除くすべてのセグメントがマイナスの影響を大きく受けたことにより、2011年3月期以来9期ぶりの経常損失となりました。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、原材料費動向、人材の確保等があります。また、今後の新型コロナウイルス感染症の収束状況も大きな要因であります。
当社グループの中核であるレストラン事業の属する外食産業におきましては、景気による個人消費動向の影響に加え、お客様のニーズの変化、多様化に対応すべく企業間の差別化が一層激しくなっており、厳しい競争にさらされています。また、当社グループの店舗は賃貸が基本となるためデベロッパー(賃貸人)の施設構想の変化により出退店の状況が影響を受ける可能性があります。当社グループといたしましては、接客力・セールス力の向上に力を入れ“真に価値あるものの提供”を店舗において実現すること、魅力的な商品・業態を開発し提供することで他社との差別化を図ってまいりますが、今後の更なる競争激化等が進行した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、レストラン事業をはじめ原材料仕入を伴う各事業においては、計画的仕入や国内外を問わない原材料産地の厳選を行っておりますが、天候不順や産地における干ばつ等の影響による品薄、為替変動による原材料コストの上昇等が生じた場合は、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
人材の確保においては、労働集約型産業であるサービス業では近年、人出不足が著しく、人材の確保のために様々な施策を実施し確保に努めておりますが、2021年開催の東京オリンピックに向けて今後の更なる競争激化が進行した場合、人件費及び採用費の増加だけでなく、確保の困難により事業活動が阻害され、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の収束が当社グループの予想以上に遅延し、経済活動の停滞が長引く場合や、消費マインドが冷え込む等の場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの財務戦略としては、堅実な財務体質のもと、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。そのために、自己資本比率の水準を50%、フリーキャッシュフローを20億円以上確保することを目指しております。
1)資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要、設備資金需要あります。運転資金需要としましては、グループ各社の営業活動に必要な運転資金(材料仕入、製造費、人件費等の営業費用)であります。設備資金需要としましては、レストラン事業における新規出店や既存店舗改装費等やその他各事業における事業の維持及び伸長に係る設備投資であります。また、当社グループの持続的成長を図るための新たな投資案件やグローバル展開のための資金需要も今後増加する可能性があります。
2)財務政策
当社グループは現在、運転資金、設備資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債の調達を実施しております。長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適時判断して実施していくこととしております。なお、有価証券報告書提出日現在までに、新型コロナウイルス感染症の拡大とその長期化の備えとしての借入を行っており、財務基盤の安定化を図るべく手元資金を厚く保持しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に影響されるため不確実な金額におきましては、予測・情報の適切性及び正確性に注意しながら、会計上の見積りを行っております。特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。