有価証券報告書-第57期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 10:04
【資料】
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【項目】
104項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が続き、総じて緩やかな景気拡大基調が見られますが、英国のEU離脱や米国新政権の政策運営への懸念などが影響し、内外の金融・経済情勢は先行き不透明な状況が続いております。また、家計部門においては、可処分所得の伸び悩みや社会保険料負担等の増加に伴う将来の負担増に対する生活防衛意識の高まりにより、個人の消費マインドの回復は依然として緩慢な状況にあり、眼鏡小売市場につきましては、企業間の販売競争・価格競争の激化と相まって厳しい経営環境にあります。
このような状況のもと、当社グループでは、当期を将来に向けた成長基盤を構築する事業年度として位置づけ、お客様視点による商品開発とサービスの充実に加え、顧客層別の施策の見直しや営業体制の整備に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度における経営成績は、主に眼鏡小売事業における低価格帯商品の販売数の伸び悩み等により、売上高は15,957百万円と前期比3.7%の減収となりました。販売費及び一般管理費については、不採算店の撤退や統合など経費節減に努めましたが、一方でTV広告などの広告宣伝費や既存店の活性化投資が増加しました。これらにより、営業損失は51百万円(前期は営業利益118百万円)、経常利益は11百万円(前期比94.5%減)となりました。また、特別損失として不採算店舗等の減損損失302百万円を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は390百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益43百万円)となりました。
当社グループにおける報告セグメントごとの状況は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[眼鏡小売事業]
当社グループの中核事業である国内眼鏡小売事業につきましては、個人のライフスタイルや価値観の変化に伴う趣味・スポーツ熱や健康意識の高まりなど多様化するニーズへの対応を主軸にして、特にミドル・シニア層のお客様に対しては、眼鏡専門店として自信をもって提供してきた視力補正技術をアピールしながら、材質・機能・デザインなどコストパフォーマンスに優れた商品の品揃えの拡充や親切で細やかな接客サービス面の強化に取り組んでまいりました。
商品につきましては、価格志向、機能・性能・デザイン性重視などお客様の様々なニーズに即した品揃えの充実に加え、「目の健康」をテーマとした快適で機能的なレンズやフレームなどの高付加価値商品を増強し、お客様にとって安心でお買い得な商品の充実に努めることで幅広い年齢層の多様なニーズに対応してまいりました。
売上高につきましては、品揃えの充実、丁寧なアドバイスや接客の推進によって販売単価は改善しましたが、低価格帯商品の販売数が伸び悩んだことや、店舗閉鎖による売上減少の影響で減収となりました。品種別では、サングラスの売上高は、品揃えの充実とそれに沿った販売促進の強化により増収となりました。また、補聴器の売上高は、前期が大幅な伸長であったため、当期は伸び悩みましたが、引き続きお客様の満足度向上を目指したアフターサービスのさらなる充実と補聴器取扱いの認知度向上に取り組んでおります。
店舗につきましては、4店舗を新規出店し、一方で不採算店を中心に17店舗を閉店し、17店舗で改装を実施しました。
この結果、眼鏡小売事業における売上高は15,083百万円(前期比3.6%減)、セグメント利益は20百万円(前期比87.3%減)となりました。
[眼鏡卸売事業]
眼鏡卸売事業につきましては、当社創業来の事業として、北海道から沖縄まで全国の眼鏡小売店等に対する卸販売を行っております。当連結会計年度におきましては、新規得意先による受注増加があったものの、競合店の進出など市場環境の変化が影響し、眼鏡卸売事業における売上高は518百万円(前期比2.8%減)、セグメント利益は3百万円(前期比65.3%減)となりました。
[写真館事業]
写真館(名称:愛写館)3店舗を営む写真館事業につきましては、子供から大人までの幅広い年齢層のお客様の記念写真や家族写真の撮影メニューを豊富に取り揃え、美容着付け、衣装レンタルもおこなう総合写真館を営んでおります。当連結会計年度におきましては、好評な「写真画像オールデータ販売プラン」の販売が順調に伸長してきていることに加え、成人式、卒業式、結婚式などの記念イベントに合わせた新たな撮影企画の投入や写真館の事業開始20周年のタイミングに合わせた「20周年記念特別クーポン券」による特別ご奉仕などで顧客の掘り起こしに努めましたが、市場競争の激化により厳しい状況となりました。
この結果、写真館事業における売上高は180百万円(前期比9.9%減)、セグメント損失は2百万円(前期はセグメント利益13百万円)となりました。
[海外眼鏡販売事業]
海外眼鏡販売事業につきましては、連結子会社である北京愛眼眼鏡有限公司が、北京市を拠点として眼鏡小売事業及び眼鏡卸売事業を展開しております。当連結会計年度におきましては、出店地において眼鏡小売店が増加し販売競争が激しくなってきたことや、立地環境の変化などが影響し、海外眼鏡販売事業における売上高は176百万円(前期比7.7%減)、セグメント損失は13百万円(前期はセグメント損失20百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、2,144百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動におけるキャッシュ・フローは228百万円となりました。
この現況に至った主な要因は、税金等調整前当期純損失293百万円、減価償却費185百万円、減損損失302百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動におけるキャッシュ・フローは161百万円となりました。
この現況に至った主な要因は、投資有価証券の取得による支出△505百万円、投資有価証券の償還による収入700百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動におけるキャッシュ・フローは△219百万円となりました。
この現況に至った主な要因は、長期借入金の返済による支出△60百万円、リース債務の返済による支出
△121百万円、配当金の支払額△38百万円によるものであります。