有価証券報告書-第47期(2025/03/01-2026/02/28)
(2)気候変動対応の戦略
1)シナリオ選定の考え方
当社は、事業環境および財務への影響を把握するため、移行リスク・機会の評価では、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える努力目標」と整合するIEA「Net Zero Emissions by 2050(NZE)」等を参照し、社会的・制度的変化を前提に、事業への影響と新たな機会創出を把握します。
物理的リスクの評価では、温室効果ガス排出削減が世界的に十分に進展しなかった場合を想定した高位気温上昇シナリオ(4℃シナリオ)を参照し、急性災害の激甚化や気温上昇等による慢性的変化が店舗や物流センターへ及ぼす被災リスクや、事業継続に対する影響を把握します。これらのシナリオに基づき事業のレジリエンスを検証し、中長期的な対応策を検討します。
2)リスク・機会の特定
主に国内の事業店舗(加盟店・直営店)を対象に、当社事業に影響を与えうる重要なリスク・機会を特定しています。必要に応じてサプライチェーン(Scope3)も視野に含め、定量・定性の両面から影響を把握します。
(3)リスク管理
1)リスク特定プロセス:
各部門の視点で移行(政策/規制、技術、市場、評判)、および物理(急性/慢性)の観点で抽出します。外部シナリオや気象・政策動向を踏まえ、気候変動対応事務局が統括します。
2)評価基準:
・影響度(売上・コスト・投資・供給途絶等への影響)
・発生可能性(政策導入の確度、物理事象の予測)
・時間軸(短期:~3年/中期:~2030年/長期:~2050年 目安)
の3軸でスコアリングし、重要度に応じて優先順位を付与します。
3)実施頻度:気候関連リスクの特定・評価を年1回以上実施します。
(4)リスク・機会一覧
1)シナリオ選定の考え方
当社は、事業環境および財務への影響を把握するため、移行リスク・機会の評価では、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える努力目標」と整合するIEA「Net Zero Emissions by 2050(NZE)」等を参照し、社会的・制度的変化を前提に、事業への影響と新たな機会創出を把握します。
物理的リスクの評価では、温室効果ガス排出削減が世界的に十分に進展しなかった場合を想定した高位気温上昇シナリオ(4℃シナリオ)を参照し、急性災害の激甚化や気温上昇等による慢性的変化が店舗や物流センターへ及ぼす被災リスクや、事業継続に対する影響を把握します。これらのシナリオに基づき事業のレジリエンスを検証し、中長期的な対応策を検討します。
2)リスク・機会の特定
主に国内の事業店舗(加盟店・直営店)を対象に、当社事業に影響を与えうる重要なリスク・機会を特定しています。必要に応じてサプライチェーン(Scope3)も視野に含め、定量・定性の両面から影響を把握します。
(3)リスク管理
1)リスク特定プロセス:
各部門の視点で移行(政策/規制、技術、市場、評判)、および物理(急性/慢性)の観点で抽出します。外部シナリオや気象・政策動向を踏まえ、気候変動対応事務局が統括します。
2)評価基準:
・影響度(売上・コスト・投資・供給途絶等への影響)
・発生可能性(政策導入の確度、物理事象の予測)
・時間軸(短期:~3年/中期:~2030年/長期:~2050年 目安)
の3軸でスコアリングし、重要度に応じて優先順位を付与します。
3)実施頻度:気候関連リスクの特定・評価を年1回以上実施します。
(4)リスク・機会一覧
| 分類 | リスク・機会項目 | リスク | 機会 | 影響 時期 | これまでの取り組み | 今後 | |
| 移 行 リ ス ク ・ 機 会 | 政策/ 規制 | 各国の炭素排出目標・政策 | ・GHG排出規制が強化され、1.5℃目標に整合した水準の省エネ、脱炭素対応が前提条件となり、店舗設備の更新や運営対応に係る投資、コストが増加 ・行政への報告、開示要請が高度化、詳細化し、対応負荷が増加 | 店舗での省エネ機器更新および再生可能エネルギー導入により、エネルギー使用量やGHG排出量を削減 | 中期 | ・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え(LED化、環境配慮冷ケースの入れ替え)を通じ、エネルギー使用量およびGHG排出量を削減 ・エリアごとに再生可能エネルギー由来の電力へ切り替え | ・店舗における計画的な省エネ機器更新 ・エリアごとに再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを加速 ・太陽電池導入検討 |
| 電力価格 | ・脱炭素政策の進展により、化石燃料由来電源を中心に電力価格が構造的に上昇、変動し、店舗、物流センターのエネルギーコストが増加 ・原材料調達コスト、製造コストが増加し収益構造が悪化 | 再生可能エネルギー比率の向上により、中長期的なコスト変動リスクを低減できる | 中期 | ・店舗における計画的な省エネ機器への入れ替え ・電力調達方法の変更 | ・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え(LED化、環境配慮冷ケースの入れ替え) ・電力調達方法の変更 | ||
| プラスチック規制 | ・脱炭素素材(バイオプラ等)の原料高騰 ・環境配慮素材への切り替えによる加盟店経費の圧迫 ・対応遅れによるブランドイメージの低下 | 対応を早めることでブランドイメージが高まる | 中期 | ・ソフトクリームのプラスチックスプーンを食べるスプーンへ切り替え ・アイスコーヒー紙カップ化、ストローレスの蓋への切り替え ・手作り弁当容器の軽量化 | ・ファストフード資材等を、より環境負荷の低い素材へ変更 ・石油系プラスチック製カトラリーの段階的廃止 ・2030年までにすべての使い捨てプラスチックを環境配慮型素材に変更 | ||
| 炭素税、炭素価格 | 1.5℃目標に整合した政策導入により、資材・物流・電力コストが上昇するとともに、炭素価格水準や地域差の不確実性が高まり、中長期のコスト見通しが立てにくくなる | 温室効果ガス排出量削減が進展した場合、炭素コストの影響を抑制できる | 長期 | ・冷凍商品のシッパー納品による配送頻度、積載率の向上を図る実験を開始 ・カーボンフットプリント算定による商品由来のCO2排出量算定 | ・冷凍商品のシッパー納品による配送頻度、積載率の向上を図る実験と検証 ・実験結果によりエリア拡大 ・インターナルカーボンプライシングの情報収集および導入に向けた体制づくり ・再生可能エネルギーへの転換 ・太陽電池導入検討 | ||
| サプライチェーン(加盟店・商品・物流)における排出削減要請の強化 | ・Scope3排出量削減が求められ、加盟店・取引先への対応が不十分な場合、開示・評価面で不利になる ・本部主導の対応が弱い場合、フランチャイズモデル自体の持続性に疑義が生じる | 本部主導で排出削減メニュー(設備標準、共同調達)を整備することで、加盟店負担を抑えつつ全体最適が可能 | 中期 | ・冷凍商品のシッパー納品による配送頻度、積載率の向上を図る実験を開始 | ・Scope3の主要内訳(店舗電力・物流・主要商品)の整理 ・加盟店向け排出削減支援メニューの体系化 | ||
| 技術 | 電動車の普及 | ・店舗敷地内への電気充電設備の設置を求められ、対応できない場合は集客力が低下する ・営業車、配送車のEV化による投資拡大 | ・充電設備設置により、競合他社との差別化を図り、固定客の集客促進を図ることが可能 ・社有車および配送車の電動化により、燃料経費削減 | 中期 | ・店舗敷地内にEV充電器を設置 ・HPの店舗情報にEV設置について掲載 ・一部エリアの配送車をEV車に切り替える実験を開始 | ・店舗敷地内へのEV充電器の設置拡大および設置情報発信 ・自治体との連携 ・ホームページの店舗情報にEV設置について掲載継続 ・配送車および社有車のEV車への切り替え検討、拡大 | |
| 再エネ・省エネ技術の普及 | 再生可能エネルギー、省エネ技術の導入が遅れた場合、規制対応や競争力の面で不利になる | 技術普及により、低コストな再生可能エネルギー選択肢が拡大 | 中期 | ・太陽光発電システムの設置 ・電力調達方法の変更 ・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え | ・太陽光発電システムの設置 ・電力調達方法の変更 ・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え(LED化、環境配慮冷ケースの入れ替え) | ||
| 分類 | リスク・機会項目 | リスク | 機会 | 影響 時期 | これまでの取り組み | 今後 | |
| 移 行 リ ス ク ・ 機 会 | 評判 | 顧客の嗜好変化 | ・環境配慮が不十分な場合、特定世代に限らず顧客全体から支持を得られなくなる ・既存ビジネスモデルが訴求力を失い、競合激化によりシェアを失う ・グリーンウォッシュの疑いを掛けられる | ・若年層が上世代より環境に関心が高いZ世代、α世代環境配慮型商品、資材を通じたブランド価値向上となる | 中期 | ・ソフトクリーム提供時のスプーンを食べるスプーンに切り替え ・ソフトクリームのカーボンフットプリントの算定、公表 ・ベトナムチョコソフトやサステナブルコーヒー等、環境に配慮した商品の販売 | ・環境配慮型商品・資材の更なる充実 ・店頭、SNS、学習ツールへの掲載など、多様な手段で発信し認知を高める ・カーボンフットプリントの算定アイテムの拡大 ・カーボンフットプリントを活用した商品改良、商品開発 |
| 投資家からの評価 | 気候変動への取り組みや開示情報が不十分な場合、投資家からの評価が低下 | 開示を基に投資家との対話を行うことによって投資家からの評価が高まる | 中期 | ・TCFDのフレームワークに合わせた情報開示 | ・ISSB基準に合わせた情報開示を行うための社内体制確立 ・第三者保証実施 ・開示内容の充足と投資家との多様な対話のための体制構築 | ||
| 物 理 的 リ ス ク ・ 機 会 | 急性 | 異常気象の激甚化 | ・豪雨・高潮等の発生により浸水、突風、停電、土砂崩れ等が発生し、お客さま、従業員に対してや、店舗・配送センターの被害や休業が一時的ではなく反復的に発生する ・被災による修繕費・保険料の増加、営業停止による売上損失が累積的に発生する ・複数エリアで同時被災が起こり、広域で商品供給が停止するリスクが高まる | 災害発生時における早期営業再開体制の構築により、地域インフラとしての役割を発揮し、信頼性向上につながる | 短期 | ・災害規程、マニュアルの整備、統一化(事業継続基本計画書・地震対策マニュアル・自然災害マニュアル等の整備) ・事業継続基本計画書の被害想定更新 ・ローリングストックの啓発 | ・事業継続基本計画(BCP)の被害想定を4℃前提で更新 ・自然災害が発生した場合の訓練の実施 ・同時多発災害を想定した本部主導の指揮 ・情報連携体制の強化・分散化を含めた原材料調達先の検討と実施 ・気象データを活用した需要予測・発注システムの高度化 ・新規出店・改装時における立地リスク評価基準の見直し ・更なるローリングストックの啓発 |
| 慢性 | 降水・気象パターンの変化 | ・記録的な豪雪や激しいひょう、干ばつ、熱波、寒波、落雷、噴火等が頻発し、特定地域に依存した原材料・製造・物流体制が恒常的に不安定化する ・季節変動の不確実性が高まり、需要予測・発注精度が低下する | ・原材料の調達先、商品仕様の分散化により、供給途絶リスクを低減 ・代替商品の開発 | 長期 | |||
| 海面の上昇 | ・海面上昇や高潮の常態化により、沿岸部、低地立地店舗や物流拠点で慢性的な浸水リスクが発生 ・立地条件によっては、継続営業が困難となる可能性 | ・店舗の早期営業体制の構築 ・立地リスクを考慮した店舗ポートフォリオ管理の高度化 | 長期 | ||||
| 平均気温の上昇 | ・猛暑日の増加により、店舗・配送センターの電力使用量が増加し、電力供給制約や停電時の事業停止リスクが拡大 ・従業員の健康・安全確保が難しくなり、人材確保・労務管理コストが増加 ・冷凍・冷蔵設備の稼働増加による設備劣化・故障リスクの増大 ・原材料調達価格の高騰など、円滑な調達が困難 | 気温上昇に伴い需要が上がる商品(飲料・氷、コールドデザートなどのコールド商品等)の売上増加 | 長期 | ・省エネ・節電マニュアルの徹底による電力使用量の削減 ・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え ・FFコールド商品の販売期間延長 | ・省エネマニュアルの徹底に加え、停電・電力制約を想定した非常用電源・設備対策の検討 ・気候変動に左右されにくい商品構成・オペレーション設計 ・FFコールド商品の拡充、販売期間の延長 | ||