有価証券報告書-第62期(2023/09/01-2024/08/31)
①戦略
a)短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会
当社は、国際エネルギー機関(IEA)の「Energy Technology Perspective」で示されている2100年までの世界平均気温の上昇が少なくとも50%の確率で2℃に抑えられるシナリオである「2℃シナリオ(2DS)」を用いて、低炭素社会への移行リスクを分析しました。本シナリオでは、エネルギー部門のCO2排出量が2060年に現状の70%削減となり、2100年にはカーボンニュートラルになる他、2060年の1次エネルギー消費における化石燃料への依存度は、35%に下がります。また多くの石炭火力が耐用年数を迎える前に閉鎖され、残った石炭火力はCCSを実施する設備となります。本シナリオの予測を元に当社への影響を分析しました。
当社は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「代表濃度経路(Representative Concentration Pathways)シナリオ」のうち、21世紀末の世界平均気温の上昇が最大で4.8℃になる、「RCP8.5」を用いて、気候変動による物理的な影響を分析しました。RCP8.5は、世界が化石燃料依存型のまま気候変動に対する政策や対策が行われず温室効果ガスが大量に排出されるシナリオです。地域や季節により降水量の差が激しくなり、海水面は最大0.82m上昇します。また、極端な高温や大雨、干ばつなどが起こる可能性が高まります。本シナリオの予測を元に、当社への影響を分析しました。
気候シナリオ分析の結果
分析の結果、炭素税や排出量取引制度などが導入され、GHGの排出に対するコストが増加するほか、排出量報告義務の強化や家電製品に対する省エネ基準の強化や消費者の気候変動意識の向上と購買行動の変化などの影響が生じることが明らかになりました。
また、大型台風や集中豪雨など、極端な気象事象が増加し、店舗や物流網の被害が増えたり、猛暑や平均気温の上昇など、当社の店舗運営と商品販売に影響を及ぼすことが明らかになりました。
b)気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
当社では、将来の温室効果ガス排出規制の強化に備え、温室効果ガスの排出削減を行うため、店舗で使用する空調機器を省エネ性能の高い空調機器に更新したり、店舗内の照明をさらに省エネ性能の高い調光可能なLED照明に交換することや、省エネルールを徹底することにより、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。
なお、温室効果ガス排出削減のために、2015年9月1日から当事業年度末までに約39億円をかけて店舗に省エネ性能の高い空調機器やデマンドコントローラーを導入しました。また、2015年9月1日から当事業年度末までに、約21億円をかけて、店舗内の照明をさらに省エネ性能の高い調光可能なLED照明に切り替えました。また、デマンドコントローラーを26店舗に導入、倉庫の節電対策に人感センサーを48店舗に導入しました。
これらの施策を通して、将来の温室効果ガス排出量削減に取り組んでまいります。
c)気候シナリオに基づく検討を踏まえた戦略のレジリエンス
当社は、気候シナリオ分析を実施することで、気候変動が当社の事業に影響を及ぼすリスクと機会を明らかにしました。これにより、マイナスの影響を回避または低減し、プラスの影響を最大化するために、今後更なる分析を行い、戦略のレジリエンスを高めてまいります。
d)コーポレートPPA
当社店舗の屋上・屋根等に太陽光発電設備を設置し、発電したグリーン電力を当社で購入し使用するコーポレートPPA(PPAは「Power Purchase Agreement」の略、電力販売契約)を導入しています。現在10店舗に導入しており、今後更なるCO2排出量削減へ向け、引き続き店舗への導入を進めてまいります。
e)EV用充電設備の設置
当社店舗のうち、電気自動車(EV)の普及率の高い地域に立地している20店舗にEV用充電設備(2024年9月末現在、急速充電設備4店舗を含む)を導入しております。当社では、環境負荷の少ないEVの普及促進のためには、充電環境の充実が必要と考えており、今後もEV用充電設備の設置を進めてまいります。
a)短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会
| 対象事業 | 当社のすべての事業 |
| 時間軸 | 短期:~3年、中期:3年~8年、長期:8年~ |
| 参照したシナリオ | IEA2DS(2℃シナリオ)、IPCC RCP8.5(4℃シナリオ) |
当社は、国際エネルギー機関(IEA)の「Energy Technology Perspective」で示されている2100年までの世界平均気温の上昇が少なくとも50%の確率で2℃に抑えられるシナリオである「2℃シナリオ(2DS)」を用いて、低炭素社会への移行リスクを分析しました。本シナリオでは、エネルギー部門のCO2排出量が2060年に現状の70%削減となり、2100年にはカーボンニュートラルになる他、2060年の1次エネルギー消費における化石燃料への依存度は、35%に下がります。また多くの石炭火力が耐用年数を迎える前に閉鎖され、残った石炭火力はCCSを実施する設備となります。本シナリオの予測を元に当社への影響を分析しました。
当社は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「代表濃度経路(Representative Concentration Pathways)シナリオ」のうち、21世紀末の世界平均気温の上昇が最大で4.8℃になる、「RCP8.5」を用いて、気候変動による物理的な影響を分析しました。RCP8.5は、世界が化石燃料依存型のまま気候変動に対する政策や対策が行われず温室効果ガスが大量に排出されるシナリオです。地域や季節により降水量の差が激しくなり、海水面は最大0.82m上昇します。また、極端な高温や大雨、干ばつなどが起こる可能性が高まります。本シナリオの予測を元に、当社への影響を分析しました。
気候シナリオ分析の結果
| リスク・ 機会の 種類 | 評価 項目 大分類 | 事業への インパクトに 関する考察 | 当社にとってのリスクと機会の内容 | 2℃ | 4℃ | ||
| 時 間 軸 | 事業/財務 への影響 | 時 間 軸 | 事業/財務 への影響 | ||||
| 移行 リスク | 政策及び 法規制 | ・温室効果ガス排出抑制の強化 | ・温室効果ガス排出抑制に向けた新たな政策 ・導入や、法規制強化に伴う店舗運営コストの増加 | 中 期 | 中 | 長 期 | 低 |
| ・炭素税の導入 | ・炭素税の導入による税負担の増加 | ||||||
| 市場 | ・消費者行動の変化 | ・気候変動問題に対する消費者の意識や行動 ・変化に対応できないことで新たな成長機会が失われる | 長 期 | 中 | 長 期 | 低 | |
| 評判 | ・消費者の信頼低下 | ・気候変動問題に対応する姿勢が見られないことにより消費者の信頼が低下する | 長 期 | 中 | 長 期 | 低 | |
| ・投資家の評価下落 | ・気候変動問題に取り組む姿勢が無いことでステークホルダーの評価が下がり株価にも影響を与える | ||||||
| リスク・ 機会の 種類 | 評価 項目 大分類 | 事業への インパクトに 関する考察 | 当社にとってのリスクと機会の内容 | 2℃ | 4℃ | ||
| 時 間 軸 | 事業/財務 への影響 | 時 間 軸 | 事業/財務 への影響 | ||||
| 物理的 リスク | 急性 | ・大型台風、集中豪雨などの自然災害が増加 | ・自然災害の発生により店舗の施設・設備が被害を受ける若しくは従業員の出勤が不能となる等により営業休止を余儀なくされる ・自然災害に備える対策や災害復旧コストが増加する | 短 期 | 高 | 短 期 | 中 |
| 慢性 | ・平均気温上昇 | ・自然災害の増加によりBCP対策コストが増加する ・熱中症など従業員の健康リスクが高まる ・媒介生物の生息域拡大により、感染症罹患リスクが高まる | 短 期 | 高 | 短 期 | 中 | |
| 機会 | 製品・ サービス | ・省エネ家電製品のニーズの高まり | ・電力消費量が少ない家電製品の売り上げ増加 | 短 期 | 中 | 中 期 | 低 |
| 運用 | ・CO2削減 | ・空調設備の運用改善や照明器具の高効率化による収益改善 | 中 期 | 中 | 長 期 | 低 | |
分析の結果、炭素税や排出量取引制度などが導入され、GHGの排出に対するコストが増加するほか、排出量報告義務の強化や家電製品に対する省エネ基準の強化や消費者の気候変動意識の向上と購買行動の変化などの影響が生じることが明らかになりました。
また、大型台風や集中豪雨など、極端な気象事象が増加し、店舗や物流網の被害が増えたり、猛暑や平均気温の上昇など、当社の店舗運営と商品販売に影響を及ぼすことが明らかになりました。
b)気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
当社では、将来の温室効果ガス排出規制の強化に備え、温室効果ガスの排出削減を行うため、店舗で使用する空調機器を省エネ性能の高い空調機器に更新したり、店舗内の照明をさらに省エネ性能の高い調光可能なLED照明に交換することや、省エネルールを徹底することにより、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。
なお、温室効果ガス排出削減のために、2015年9月1日から当事業年度末までに約39億円をかけて店舗に省エネ性能の高い空調機器やデマンドコントローラーを導入しました。また、2015年9月1日から当事業年度末までに、約21億円をかけて、店舗内の照明をさらに省エネ性能の高い調光可能なLED照明に切り替えました。また、デマンドコントローラーを26店舗に導入、倉庫の節電対策に人感センサーを48店舗に導入しました。
これらの施策を通して、将来の温室効果ガス排出量削減に取り組んでまいります。
c)気候シナリオに基づく検討を踏まえた戦略のレジリエンス
当社は、気候シナリオ分析を実施することで、気候変動が当社の事業に影響を及ぼすリスクと機会を明らかにしました。これにより、マイナスの影響を回避または低減し、プラスの影響を最大化するために、今後更なる分析を行い、戦略のレジリエンスを高めてまいります。
d)コーポレートPPA
当社店舗の屋上・屋根等に太陽光発電設備を設置し、発電したグリーン電力を当社で購入し使用するコーポレートPPA(PPAは「Power Purchase Agreement」の略、電力販売契約)を導入しています。現在10店舗に導入しており、今後更なるCO2排出量削減へ向け、引き続き店舗への導入を進めてまいります。
e)EV用充電設備の設置
当社店舗のうち、電気自動車(EV)の普及率の高い地域に立地している20店舗にEV用充電設備(2024年9月末現在、急速充電設備4店舗を含む)を導入しております。当社では、環境負荷の少ないEVの普及促進のためには、充電環境の充実が必要と考えており、今後もEV用充電設備の設置を進めてまいります。