有価証券報告書-第63期(2024/09/01-2025/08/31)

【提出】
2025/11/17 15:31
【資料】
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【項目】
138項目
①戦略
a)短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会
対象事業当社のすべての事業
時間軸短期:~3年、中期:3年~8年、長期:8年~
参照したシナリオNZE2050(1.5℃シナリオ)、IPCC RCP8.5(4℃シナリオ)

当社は、2100年までに世界の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑制するためには、2050年までにカーボンニュートラルを実現しなくてはならないとしたNZE2050(1.5℃シナリオ)を用いています。
このシナリオにおいては、例えば2030年をもって炭素税が最大140ドル / t-CO2にて導入が想定されることや、2050年時点では約70%の電力を再生可能エネルギーにしなくてはならない等、様々な脱炭素につながる転換が必要とされており、移行リスクに大きな影響を与えるシナリオであります。本シナリオの予測を元に、低炭素社会への移行並びに物理的に伴うリスクと機会及び当社への影響を分析しました。
また、当社は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「代表濃度経路(Representative Concentration Pathways)シナリオ」のうち、21世紀末の世界平均気温の上昇が最大で4.8℃になる、「RCP8.5」を用いて、気候変動による物理的な影響を分析しました。RCP8.5は、世界が化石燃料依存型のまま気候変動に対する政策や対策が行われず温室効果ガスが大量に排出されるシナリオです。地域や季節により降水量の差が激しくなり、海水面は最大0.82m上昇します。また、極端な高温や大雨、干ばつなどが起こる可能性が高まります。本シナリオの予測を元に、当社への影響を分析しました。
気候シナリオ分析の結果
リスク・
機会の
種類
評価
項目
大分類
事業への
インパクトに
関する考察
当社にとってのリスクと機会の内容1.5℃4℃


事業/財務
への影響


事業/財務
への影響
移行
リスク
政策及び
法規制
・温室効果ガス排出抑制の強化・温室効果ガス排出抑制に向けた新たな政策導入や、法規制強化に伴う店舗運営コストの増加

・家電製品に対する省エネルギー基準の強化・エアコンや冷蔵庫等、省エネ性能の向上のための商品価格への転嫁による、売上の減少
・炭素税の導入・炭素税の導入による税負担の増加
技術・省エネ技術の革新・省エネ技術の革新による設備や仕入価格増加によるコスト負担の増加

市場・消費者行動の変化・気候変動問題に対する消費者の意識や行動
・変化に対応できないことで新たな成長機会が失われる


評判・消費者の信頼低下・気候変動問題に対応する姿勢が見られないことにより消費者の信頼が低下する

・投資家の評価下落・気候変動問題に取り組む姿勢が無いことでステークホルダーの評価が下がり株価にも影響を与える

リスク・
機会の
種類
評価
項目
大分類
事業への
インパクトに
関する考察
当社にとってのリスクと機会の内容1.5℃4℃


事業/財務
への影響


事業/財務
への影響
物理的
リスク
急性・大型台風、集中豪雨などの自然災害が増加・自然災害の発生により店舗の施設・設備が被害を受ける若しくは従業員の出勤が不能となる等により営業休止を余儀なくされる
・自然災害に備える対策や災害復旧コストが増加する


慢性・平均気温上昇・自然災害の増加によりBCP対策コストが増加する
・熱中症など従業員の健康リスクが高まる
・媒介生物の生息域拡大により、感染症罹患リスクが高まる


機会製品・
サービス
・省エネ家電製品のニーズの高まり・電力消費量が少ない家電製品の売り上げ増加

運用・CO2削減・空調設備の運用改善や照明器具の高効率化による収益改善

資源効率・リユース、リサイクルの利用・中古品の買取、再販売や処分品における再資源化率の向上による産業廃棄物費用の減少


(時間軸) (事業/財務への影響)
短期~3年1億円以上の影響
中期3年~8年1千万円以上、1億円未満の影響
長期8年~1千万円未満の影響

影響度「高」に対する分析結果
・炭素税の導入による影響
(前提条件)10,000円/t-CO2の炭素税が導入される
(影響額)2024年8月期 :329,980,000円(32,998t-CO2)
2030年8月期(※目標達成の場合):237,325,500円(23,732t-CO2)
※2030年までにScope1,Scope2合計GHG排出量を2017年度比55%削減
・省エネ性能の高い商品の販売による影響
(前提条件)省エネ性能の高い家電に対する需要増加により、冷蔵庫・洗濯機・調理家電・季節家電・テレビ
の売上が10%増加または減少する
(影響額)約106億円
・自然災害による影響
(前提条件)気候変動により発生する台風や豪雨により、店舗が5日間営業停止になった場合
(影響額)約35億円
b)気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
当社では、将来の温室効果ガス排出規制の強化に備え、温室効果ガスの排出削減を行うため、店舗で使用する空調機器を省エネ性能の高い空調機器に更新したり、店舗内の照明をさらに省エネ性能の高い調光可能なLED照明に交換することや、省エネルールを徹底することにより、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。
なお、温室効果ガス排出削減のために、2015年9月1日から当事業年度末までに約42億円をかけて店舗に省エネ性能の高い空調機器やデマンドコントローラーを導入し、約21億円をかけて店舗内の照明をさらに省エネ性能の高い調光可能なLED照明に切り替えました。また、デマンドコントローラーを33店舗に導入、倉庫の節電対策に人感センサーを62店舗に導入しました。
これらの施策を通して、将来の温室効果ガス排出量削減に取り組んでまいります。
c)気候シナリオに基づく検討を踏まえた戦略のレジリエンス
当社は、気候シナリオ分析を実施することで、気候変動が当社の事業に影響を及ぼすリスクと機会を明らかにしました。これにより、マイナスの影響を回避または低減し、プラスの影響を最大化するために、今後更なる分析を行い、戦略のレジリエンスを高めてまいります。
d)コーポレートPPA
当社店舗の屋上・屋根等に太陽光発電設備を設置し、発電したグリーン電力を当社で購入し使用するコーポレートPPA(PPAは「Power Purchase Agreement」の略、電力販売契約)を導入しています。現在12店舗に導入しており、今後更なるCO2排出量削減へ向け、引き続き店舗への導入を進めてまいります。
e)EV用充電設備の設置
当社店舗のうち、電気自動車(EV)の普及率の高い地域に立地している42店舗にEV用充電設備(2025年8月末現在、急速充電設備14店舗を含む)を導入しております。当社では、環境負荷の少ないEVの普及促進のためには、充電環境の充実が必要と考えており、今後もEV用充電設備の設置を進めてまいります。

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