有価証券報告書-第16期(平成28年12月1日-平成29年11月30日)

【提出】
2018/02/22 10:19
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121項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移したものの、金融市場の変動や米国新政権の政策動向による影響が懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
エネルギー業界では、平成28年4月の電力小売全面自由化に続き、平成29年4月に都市ガスの小売全面自由化が開始されました。当社グループ(以下、「サーラグループ」といいます。)の都市ガス供給エリアにおきましては、現在のところ新たに参入した企業はないもののエネルギーを取り巻く環境は大きな転換期を迎えました。
このような状況のなか、サーラグループは平成28年12月より、「私のまちにはSALAがある ~暮らしとエネルギーのSALAへ~」をテーマに掲げた第3次中期経営計画に基づく重点課題への取組みを開始しています。本中期経営計画では、グループが成長していくための基盤を確固たるものにするため、引き続き既存事業の強化に取り組みます。そして、サービス体制から事業展開、組織運営に至るまで徹底してお客さま起点から見直すことにより、お客さま一人ひとりに喜んでいただけるサービスの提供に努めております。
その一環として、当連結会計年度に取り組んだ主な施策は次のとおりです。
・エネルギーのお客さま基盤の強化
都市ガス小売全面自由化にあわせ、都市ガスとサーラグループの商材を組み合わせたお得な料金サービスの適用を開始しました。また、平成28年4月に開始した電力小売販売は申込み件数が22,000件を超えるなど、お客さまから選ばれる商品・サービスの提供により、サーラグループの重要なお客さま基盤であるエネルギーのお客さまとの結びつきを強める取組みを強化しました。
・西三河エリアにおける住宅販売部門の強化
サーラ住宅株式会社は、平成29年10月に愛知県西三河エリアにおいて住宅販売事業を展開する太陽ハウジング株式会社の株式を取得し、子会社化しました。サーラ住宅株式会社は、住宅販売事業を強化する上で同エリアを重要な拠点と位置付けており、子会社化に伴う同エリアにおける用地取得体制の強化などにより、ハウジングセグメントのさらなる発展を目指しています。
・土地付注文住宅の販売強化
サーラ住宅株式会社は、お客さまの暮らしに合わせたカスタマイズが可能な土地付注文住宅「Realvo(リアルボ)」の販売を強化しています。平成29年6月、愛知県豊川市にオープンした「サーラガーデン御津駅前」など、同商品を身近に体感できる街かど展示場を相次いで開設し、高品質でありながらリーズナブルな住宅の提案を行っています。
・中古車販売体制の充実
サーラカーズジャパン株式会社は、平成29年5月に同社として3店舗目となるフォルクスワーゲンの認定中古車センターを愛知県岡崎市にオープンしました。新車に限らず高品質な中古車の販売を強化することにより、新たなユーザー層を獲得するとともに、安定的な収益の確保に努めています。
・まちの賑わいづくり
サーラグループが取り組むまちの賑わいづくりの一環として、中部ガス不動産株式会社は平成29年3月に愛知県豊橋市の中心市街地に分譲マンション「ココラハウス駅前大通三丁目」を竣工しました。上質な暮らしを実現する都心レジデンスの誕生により、市街地の活性化に貢献しています。
また、当社は子会社が保有する当社株式の一部について、相当の時期に処分することを求める会社法への対応並びに株式の分布状況の改善及び流動性の向上を目的として、平成29年11月に中部瓦斯株式会社及びガステックサービス株式会社の両社が保有する当社株式8,050千株の売出しを実施しました。なお、本売出しにより獲得した資金5,592百万円は、平成31年11月までにサーラグループにおけるバイオマス発電所の建設等にかかる設備投資資金に充当する予定です。
当連結会計年度の業績につきましては、平成28年7月に中部瓦斯株式会社及びサーラ住宅株式会社を株式交換により完全子会社化したことに伴い、前連結会計年度は両社並びにその子会社の実績は5ヵ月間のみの計上であったことに対し、当連結会計年度はその通期実績が加わったため、売上高は前連結会計年度比34.1%増の199,675百万円と大幅に増加しました。利益面は、子会社化した中部瓦斯株式会社、サーラ住宅株式会社など主要各社の事業が順調に推移したことにより、営業利益は4,696百万円と前連結会計年度比80.9%増加し、経常利益は4,491百万円と前連結会計年度比46.8%増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度において上記子会社化に伴う「負ののれん発生益」10,210百万円を特別利益に計上したため、前連結会計年度比65.0%減の2,772百万円となりました。
セグメント別の概況は次のとおりです。
なお、当社は、平成28年12月1日付で「ガス&パワー事業」と「エネルギーサプライ&ソリューション事業」を統合し、「エネルギー&ソリューションズ事業」を設置するとともに、不動産賃貸、売買及び仲介や、マンション分譲、まちづくりなどの不動産事業と「ホスピタリティ事業」を統合し、「プロパティ事業」を設置する報告セグメントの変更を行っております。当連結会計年度より、新たな報告セグメントの区分に基づいて開示を行っております。また、前期比較にあたっては、前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えて行っております。
エネルギー&ソリューションズ事業
売上高 85,948百万円(前連結会計年度比43.2%増)
営業利益 2,139百万円(前連結会計年度比107.3%増)
売上高、営業利益は平成28年7月に中部瓦斯株式会社を子会社化したことに伴い、同社並びにその子会社の通期実績が加わったことにより、大幅に増加しました。エネルギー事業のお客さま基盤をさらに確固たるものにするため、都市ガス部門は大口取引先の獲得並びに販売量の増加に、またLPガス部門は家庭用戸建て住宅のお客さまの獲得に重点的に取り組みました。需要期である冬期の平均気温が前期を下回ったことや、取引先である工場の稼働率向上などにより、都市ガス、LPガスともに販売量は増加しました。
エンジニアリング&メンテナンス事業
売上高 28,129百万円(前連結会計年度比5.0%減)
営業利益 1,037百万円(前連結会計年度比34.1%減)
建築部門において、これまで受注した大型物件の完成工事が増加しました。一方、土木、設備の両部門の大型物件の完成工事が減少したため、売上高は減少しました。利益面は売上高の減少に加え、土木部門における厳しい受注環境が影響し、利益率が低下したことから、営業利益は減少しました。
ハウジング事業
売上高 34,359百万円(前連結会計年度比121.1%増)
営業利益 869百万円(前連結会計年度比86.0%増)
平成28年7月に新設したセグメントであり、前期は平成28年7月から平成28年11月までの5ヵ月間のみの実績であったため、売上高、営業利益ともに大幅に増加しました。住宅販売部門は、注文住宅の販売が堅調に推移しました。住宅部資材加工・販売部門は、主要事業エリアである愛知県などにおける住宅販売の市況が良好であり、大口取引先からの受注が増加したため、好調に推移しました。
カーライフサポート事業
売上高 13,731百万円(前連結会計年度比5.7%増)
営業損失 265百万円(前連結会計年度は営業損失8百万円)
独フォルクスワーゲン社の排ガス不正問題の影響が残るなか、既存ユーザーに対する販売活動の強化や、中古車販売の新店舗開設による中古車部門の拡充に取り組んだことにより、売上高は増加しました。利益面は、新車及び中古車販売における経費増加の影響などにより、営業損失を計上しました。
アニマルヘルスケア事業
売上高 25,216百万円(前連結会計年度比7.6%増)
営業利益 585百万円(前連結会計年度比9.2%増)
畜産部門は食肉の市況価格が高値を維持したため、動物用医薬品の販売が好調に推移しました。ペット関連部門は、新商品の拡販に積極的に取り組んだことにより、好調に推移しました。以上により、売上高、営業利益ともに増加しました。
プロパティ事業
売上高 9,010百万円(前連結会計年度比129.4%増)
営業利益 671百万円(前連結会計年度は営業損失57百万円)
売上高、営業利益は報告セグメントの変更により、前期のホスピタリティ事業の実績に不動産事業の実績が加わり、大幅に増加しました。不動産部門は、平成29年3月に完成した分譲マンション「ココラハウス駅前大通三丁目」の販売が順調に推移しました。ホテルアークリッシュ豊橋などホスピタリティ部門の売上高は、前期並みとなりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加12,425百万円、投資活動による資金の減少7,917百万円、財務活動による資金の減少4,524百万円となり、あわせて15百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、12,425百万円(前連結会計年度比81.9%増加)となりました。これは主に、「税金等調整前当期純利益」4,345百万円、「減価償却費」6,940百万円、「デリバティブ評価損」372百万円、「たな卸資産の減少額」2,601百万円、「仕入債務の増加額」840百万円などの増加要因と、「売上債権の増加額」1,861百万円、「法人税等の支払額」1,645百万円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7,917百万円(前連結会計年度比55.6%支出の増加)となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」8,049百万円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4,524百万円(前連結会計年度比167.0%支出の増加)となりました。これは主に、「長期借入金の返済による支出」14,049百万円、「短期借入金の純減額」10,040百万円、「配当金の支払額」952百万円などの減少要因と、「長期借入れによる収入」14,900百万円、「自己株式の売却による収入」5,866百万円などの増加要因によるものであります。