有価証券報告書-第52期(平成26年5月1日-平成27年4月30日)

【提出】
2015/07/31 10:00
【資料】
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【項目】
116項目

事業等のリスク

以下に記載する事項は将来の経営予測を行う上で、当連結会計年度末現在において当社グループが認識または判断している事項であります。
1.LPガス事業の仕入れ価格が業績に与える影響について
わが国のLPガスは調達の約80%を輸入に依存しております。輸入価格はサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が毎月一方的に通告するCPと円/ドル為替相場により変動します。このCPは原油価格との連動性が強く、中近東の地政学情勢や世界経済に伴って需給バランスの影響を受けますが、一般的には北半球の需要期に値上がりし、不需要期に値下がりする傾向にあります。
また中東産油国の政情異変や紛争勃発等による輸入量の大幅な削減の可能性もありますが、現在は「石油の備蓄の確保等に関する法律」により輸入元売業者に対して50日の民間備蓄義務が課せられていると同時に、国家備蓄として150万トンを備えております。
一方、販売価格については、卸売、大口業務用、工業用等の取引先に対してCP価格連動性を基本採用しており、採算を維持することができるようになっておりますが、一般家庭用等については一般消費者の理解が得られるよう価格動向を慎重に見極めながら価格改定を行うため、仕入れ価格の変動をタイムリーに販売価格に反映できない場合があります。
輸入元売業者の備蓄に加えて、当社でも備蓄量の確保によって安定供給と価格の安定化を図っておりますが、産油国での紛争勃発等の当社の予想を超えて供給がタイトになり原料価格が上昇する中で販売価格の見直しが遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.LPガスの顧客基盤について
LPガス事業は顧客基盤の拡大を図るために、新規開拓、ゼネコン・ハウスメーカー等からの新規物件の獲得、販売店からの営業権譲受等で積極的に営業展開を図っております。一方で都市ガス、電力への転換や同業他社と価格競争等により顧客数の減少も起こっております。当社グループは顧客基盤の拡大、維持を図るため、湾岸直送システムの導入や車輛の大型化等により独自の物流体制の構築で他社との差別化に取組んでおりますが、当社グループの計画通りに顧客開拓が進まなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.ウォーター事業の調達リスクについて
① ハワイウォーター
当社グループではウォーター事業を平成14年1月より事業化の検討を始め、同年7月より本格的に開始いたしました。本商品の調達に関しては全量を米国ハワイ州にある「MENEHUNE WATER COMPANY,INC.」から、当社の子会社である㈱HWコーポレーションを通じて仕入れておりますが、仕入価格が米国ドル建てであるために為替の変動リスクが存在します。想定している範囲を超えて円安が進んだ場合には、当社グループの業績は仕入価格の変動による影響を受ける可能性があります。
また、本商品は同社一社に依存しており、同社に不測の事態が起こった場合や、政情異変や紛争等によって海運上の輸送経路が一時的に遮断されるような事態が起こり、長期化した場合には本商品の供給に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
この度TOELL U.S.A. CORPORATIONにて建設いたしました「モアナルア工場」は同社と近接し、同社に不測の事態が起こった場合には供給の代替機能を果たすことが可能です。
② 国産アルピナウォーター
当社グループは海外よりの輸入ウォーターの調達リスクを回避することも考慮に入れて、平成18年9月に長野県大町市に国産ピュアウォーターの製造工場を建設し、販売を開始いたしました。品質管理には品質検査機関の検査を受け万全を期しておりますが、大規模な自然災害や環境汚染等により同工場の水源が使用不能になったり、交通網が寸断されたりした場合には安定供給に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.ウォーター事業の海外展開について
当社は、ウォーター事業の仕入・販売・品質管理および生産の拠点とするため、海外に現地法人を設立して事業を展開しております。これらの海外市場における事業活動においては、現地の商習慣等や法律・規制等の制約、為替レートの変動、テロなどの要因による社会的混乱などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
5.業績の季節変動について
LPガス事業の需要は、気温及び水温の影響を大きく受け冬季に需要のピークとなり夏季に減少致します。
これに対してウォーター事業は逆の関係にあります。従って両事業は季節間の業績変動分を補完する関係にありますが、事業規模の格差や、冷夏・暖冬といった特異な異常気象の場合の季節変動要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.法的規制について
当社グループは、LPガス事業では「高圧ガス保安法」、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」をはじめとする諸規則、ウォーター事業では「食品衛生法」等数々の法律・規則により規制されております。将来において、これらの法的規制等が変更された場合には、新たな業務上の制約や競争激化につながることや、多額の設備投資が必要になること等、現在予見できない要因によって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7.新規事業に関するリスクについて
当社グループはLPガス事業、ウォーター事業に次ぐ第三の事業を計画しております。
植物工場や養殖場の運営、水質浄化装置の販売等がこれに該当しますが、これらの事業は一部製品出荷に至っておりますが、未だ研究段階であります。現在の投資は当社グループの業績に大きく影響を与えるものではありませんが、今後生産性を上げるために大型投資を行うことになれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
8.個人情報の取扱について
当社グループでは多くの個人情報を取り扱っており、「個人情報保護法」に定める個人情報取扱事業者として個人情報の取扱状況については適切な管理を行い、法の遵守に努めております。しかしながら当社グループの取り組みにも係らず個人情報の流出が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下、顧客からの損害賠償請求などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
9.自然災害等のリスク
当社はエネルギーとしてのLPガス、生活飲料水としてのボトルウォーターと、いずれも日常生活と社会のインフラに深く係る事業を行っております。そのために大規模な災害等の緊急時対応に向けた事業継続計画はもとより、地域住民や行政からの緊急応援要請に応えられる体制を整えております。
しかしながら、地震等の自然災害の発生により当社グループの事業所等が壊滅的な損害を被り、取引先・従業員の安全確保のために事業活動に影響が生じるような事態になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10.人材育成について
当社グループはLPガス事業、ウォーター事業の両事業共に顧客に「安全」「安心」なサービスを提供できるように、パナソニック株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、当社の3社で協同開発したGPS・PDAを使った業務支援システムの活用や、コールセンターでの受注サービスの充実、事務センターでの業務の一元化等で「選択」と「集中」で合理化を進める一方、事業基盤拡大に積極的に取組んでおります。このため、スキルある有能な人材を確保していく必要があります。特にウォーター事業の発展のための有能な人材や、GPSシステムの有効活用のためのオペレーション能力・顧客対応能力に秀でた人材の確保、育成は重要な課題であります。当社の人事政策は採用については新卒採用と通年採用を組合せ、広く人材の確保を図っております。育成教育については各階層別、エリア別に年間カリキュラムにて計画的に行っております。しかしながら市場の変動や事業の改革に人材教育が適合できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。