有価証券報告書-第52期(平成26年5月1日-平成27年4月30日)

【提出】
2015/07/31 10:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
116項目

対処すべき課題

地球温暖化問題への本質的な解決には、過度に化石燃料に依存するエネルギー社会からの脱却が問われております。また我が国は、エネルギー源の中心となっている化石燃料に乏しく、その大半を海外からの輸入に頼っており、エネルギーを巡る国内外の状況変化に影響を受けやすい状況です。
LPガスは化石燃料の分類としての位置付けですので、省エネ、節エネルギーの風潮は避けられません。また数年先に予想されます電力、都市ガスの完全自由化によるエネルギー間競争の激化も予見されます。このような環境の中、LPガス事業を如何に基幹事業として位置付け、事業の拡大に繋げていくかが課題です。
平成26年4月に資源エネルギー庁より発表されました「エネルギー基本計画」の中でLPガスについて以下のごとく位置付けております。「LPガスは、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が比較的低く、発電においては、ミドル電源(発電コストがベースロード電源の次に安価で、電力需要の動向に応じて、出力を機動的に調整できる電源)として活用可能であり、また最終需要者への供給体制及び備蓄制度が整備され、可搬性、貯蔵の容易性に利点があることから、平時の国民生活、産業活動を支えるとともに、緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体のエネルギーである」となっております。
このような下、LPガス事業では分散型クリーンエネルギーの特性を生かした「ミックスエネルギー供給」への取組を加速化します。具体的には太陽光発電、燃料電池、蓄電池、GHP(ガスヒートポンプ)等とLPガスを組合せ、顧客のニーズに合ったベストエネルギー供給の提案を行い、需要の喚起を行います。当社が創業以来進めてまいりました、物流機能の大型化、湾岸直送配送等の独自の物流システムと、顧客増による供給密度の高まりは物流コストを押し下げる結果となっており、競争力強化のためには今後とも物流投資は継続いたします。またエネルギーの自由化による電力、ガスの競争の激化に対しては、当社もPPS(特定規模電気事業者)との提携で電力小売りに参入し、顧客サービスの向上を図ります。
一方、ウォーター事業はボトルウォーターの「安全」「美味しい」「宅配の利便性」が評価され市場はまだ成長を続けると見ております。その分新規参入業者も増えると考えます。競合他社との差別化は「品質」「価格」「サービス」です。品質につきましては「3,000m級の山々が連なる日本の秘境、自然豊かな北アルプスの天然水」と「太平洋の真中に浮かぶ常夏の楽園ハワイの地下水」を謳い「原水の品質へのこだわり」で一層の品質訴求を進めてまいります。価格につきましては50余年のLPガス事業で培われた当社の物流機能の強みをウォーター物流にも取入れることで、物流コストの低減を行い価格競争力の強化をしてまいります。サービス面では自社のコールセンターでの24時間365日、受注からサービス対応まで行っておりますが、より一層の顧客満足化のための質の充実を計ってまいります。米国ハワイ州からの遠距離輸入のリスク回避のために自社のモアナルア工場を建設しましたが、生産稼働率を上げ損益分岐点を超えることで、ハワイ、大町工場合わせて安定供給と生産性向上を求めてまいります。
LPガス、ウォーター事業に次ぐ第三の事業として植物工場、養殖工場での実験を進めておりますが、一日も早い事業化に繋がるよう研鑚を重ねます。