有価証券報告書-第31期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)

【提出】
2018/11/29 15:59
【資料】
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【項目】
115項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、市場環境の変化に対し組織的に対応し、かつ、グローバルでの成長を確実なものとするため、新たなブランドビジョンを「Magnify Life」(人々の生き方を豊かに広げる)とし、このブランドビジョンを実践していく上での行動指針(Attitude)を「Progressive」、「Inspiring」、「Honest」と定めております。
当社グループでは、社内及び顧客との間で「Magnify Life」を共有し、「Magnify Life」に基づいた顧客体験を提供することでブランドビジョンの浸透を図り、持続的な成長を実現してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、将来にわたり企業価値向上を図るために国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業の収益性を重視しながら事業の成長性を高め、連結業績における営業利益及び営業利益率並びに自己資本当期純利益率(ROE)の向上を目指してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、商品力、接客力の向上に努めながら、イノベーティブなプロダクトの開発や様々なニーズに応えられるサービスの導入を進めるなど、顧客価値を高めるビジネスモデルを構築し、継続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
商品戦略につきましては、高品質・高機能メガネを市場最低・最適価格で提供することを基本方針としつつ、「エアフレーム」「JINS SCREEN」といった新しい価値をもたらす商品開発を継続的に進めてまいります。
サービス戦略につきましては、常に新しい購買体験の提供を追究してまいります。デジタル技術を用いたこれまでにないメガネの新しい買い方を提供しつつ、ショールーミング化をはじめとした店舗オペレーション及びイニシャルコストの効率化を図ってまいります。
店舗戦略につきましては、国内アイウエア事業においては、引き続き郊外ロードサイドへの出店を加速し、市場規模の大きいシニア層への浸透を進めてまいります。海外アイウエア事業においても、既存店の着実な増収及び適切な新規出店を行うことで収益性の向上に取り組んで行くとともに、更なるグローバルネットワークの拡充に努めてまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
① 商品ラインアップの多様化
当社グループは、ブランドビジョンである「Magnify Life」の実現に向け、お客様に価値ある商品を提供できるよう価格を見直し、商品ラインアップを拡充してまいりました。しかしながら、20代から30代のお客様には引き続き高い支持をいただいている一方で、眼鏡装着率の高い40代以降のお客様に向けた品揃えの更なる強化が重要な課題であると認識しております。
そこで、視力矯正及び機能性メガネの両面でクオリティやデザインを持続的に向上させ、全世代に向けた品揃えの充実に取り組んでまいります。
② 店舗オペレーション力の向上
当社グループは、店舗オペレーションに関して「Magnify Life」ビジョンに沿った理想的な顧客体験を提供することでロイヤルカスタマーの創造に取り組んでおりますが、現在、その効果が徐々に現れつつあるものの、この点が課題と認識しております。
そこで、今後さらに取り組みを強化するためにも、接客力、店舗マネジメント力の向上は必要不可欠であり、店舗スタッフへの教育を強化してまいります。また、店舗生産性の向上に関しては、レンズ自動加工機の導入も進め、効率化に取り組んでまいります。
③ 持続的な店舗展開の推進
当社グループは、国内の店舗展開として、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に出店を行うとともに、一部郊外ロードサイドタイプにも出店を行う等、ロケーションの多様化を推進してまいりましたが、単一フォーマットによる店舗展開を行っていたため、ロケーションに合わせた店舗フォーマットやMD(マーチャンダイジング)の多様化が重要な課題であると認識しております。
そこで、今後の出店戦略を更に積極的に展開するためにも、ロケーションに沿った店舗フォーマットの構築やMD展開の確立を重点的に行い、新規出店に対する基盤強化を進めてまいります。
④ マーケティング戦略の見直し
当社グループは、テレビCMや誌上広告、交通広告を中心としたマーケティング活動を展開することで、認知度が上昇してきたものの、ブランドビジョンを適切にお伝えできていないという課題を認識するに至りました。
そこで今後は当社グループのビジョンである「Magnify Life」に基づいた顧客体験を提供するとともに、当社グループの企業姿勢を適切に評価いただけることを目指したマーケティング活動を実施し、持続的な集客力の上昇を目指してまいります。
⑤ グローバル展開の推進
当社グループが、今後とも持続的な成長を成し遂げるためには、グローバル展開の推進が重要でありますが、海外ビジネスを拡大していくためには人的リソースが不十分であると認識しております。
今後、海外ビジネスに精通した人材の確保と海外人材の採用を積極的に行い、市場環境調査や経営管理面での充実を図り、効率的な海外展開が可能となるよう経営基盤を強化してまいります。
⑥ SPA体制の効率化と堅確化
当社グループは、高品質かつ圧倒的な低価格での商品提供を可能にしている最大の原動力は、企画から販売までを一貫して行うSPA体制にあると認識しております。
そこで、このバリューチェーンを構成する各セクションの人材の育成・確保に注力するとともに、システム化を推進し、一層の効率化と堅確化に取り組んでまいります。
⑦ 経営管理機能の拡充
当社グループは、今後のビジネスを展開していく上で、全社的な戦略の構築、内部統制の充実、予算統制等経営管理機能全般の充実・強化は極めて重要な課題であると認識しております。
そのためには、研修を通じた当社グループ社員の能力向上に加え、外部からの人材登用も積極的に推進してまいります。