有価証券報告書-第45期(2024/09/01-2025/08/31)
② 戦略
イ TCFD提言に基づいたシナリオ分析
当社グループは地球温暖化を主因とする自然災害の深刻化をはじめとした気候変動緩和に向けた取り組みを重要な経営課題として位置づけ、気候関連課題への対応の議論・監督を行っております。気候変動が当社グループの事業に及ぼす影響(リスク及び機会)を明らかにするため、シナリオ分析を実施しております。
シナリオ分析の範囲は、当社グループすべての事業を対象に、短期・中期・長期の3つの期間で、(ⅰ)「NZE2050(1.5℃シナリオ)」、(ⅱ)「IPCC RCP 8.5(4℃シナリオ)」の2つのシナリオをもとに分析、評価を行っております。
気候シナリオ分析の前提条件
(ⅰ)「NZE2050(1.5℃シナリオ)」
2100年までに世界の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑制するためには、2050年までにカーボンニュートラルを実現しなくてはならないことと分析されております。そしてこのシナリオにおいては、例えば2030年をもって炭素税が最大140ドル/t-CO2にて導入が想定されることや、2050年時点では約70%の電力を再生可能エネルギーにしなくてはならない等、様々な脱炭素につながる転換が必要とされており、移行リスクに大きな影響を与えるシナリオであります。本シナリオの予測を元に、低炭素社会への移行並びに物理的に伴うリスクと機会及び当社グループへの具体的な影響を分析しております。
(ⅱ)IPCC RCP 8.5(4℃シナリオ)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「代表濃度経路(Representative Concentration Pathways)シナリオ」のうち、21世紀末の世界平均気温の上昇が最大で4.8℃になる、「RCP8.5」を用いて、気候変動による物理的な影響を分析しております。本シナリオは、世界が化石燃料依存型のまま気候変動に対する政策や対策が行われず温室効果ガスが大量に排出されるシナリオであります。地域や季節により降水量の差が激しくなり、海水面は最大0.82m上昇します。また、極端な高温や大雨、干ばつ等が起こる可能性が高まります。本シナリオの予測を元に、気候変動による物理的な影響に焦点を当て、当社の事業及び財務に及ぼす可能性について分析しております。
ロ シナリオ分析結果
2つのシナリオで分析を行った結果、どちらのシナリオにおいても「移行リスク」である炭素税や排出量取引制度等が導入され、GHGの排出に対するコストが増加する他、排出量報告義務の強化や家電製品に対する省エネ基準の強化や消費者の気候変動意識の向上と購買行動の変化等の影響が生じることが明らかになっております。また、「物理的リスク」である大型台風や集中豪雨等、極端な気象事象が増加し、店舗や物流網の被害が増え、猛暑や平均気温の上昇等、当社の店舗運営と商品販売に影響を及ぼすことが分析の結果明らかになっております。
NZE2050(1.5℃シナリオ)においては、脱炭素や排出量取引制度の導入・強化によるコストの増加が見込まれる一方で、サステナビリティ経営への対応遅れによるブランド価値の低下の懸念が増大する他、省エネ家電のニーズの高まりによる売上げ増加が見込まれることが予想されます。サステナビリティ経営を重要課題とし企業価値の向上に努めるとともに、省エネ家電のニーズに対応していくことで消費者からの信頼を得ていくことは、非常に重要な取り組みであると認識しております。
IPCC RCP 8.5(4℃シナリオ)においては、炭素税や排出量取引制度の導入・強化によるコストの影響は微量なものの、気温上昇による自然災害の増加により店舗や物流拠点等の被害による損益、省エネ家電のニーズの高まりに対応できない場合の消費者からの信頼失墜が懸念されます。
予想されるリスク及び機会
イ TCFD提言に基づいたシナリオ分析
当社グループは地球温暖化を主因とする自然災害の深刻化をはじめとした気候変動緩和に向けた取り組みを重要な経営課題として位置づけ、気候関連課題への対応の議論・監督を行っております。気候変動が当社グループの事業に及ぼす影響(リスク及び機会)を明らかにするため、シナリオ分析を実施しております。
シナリオ分析の範囲は、当社グループすべての事業を対象に、短期・中期・長期の3つの期間で、(ⅰ)「NZE2050(1.5℃シナリオ)」、(ⅱ)「IPCC RCP 8.5(4℃シナリオ)」の2つのシナリオをもとに分析、評価を行っております。
気候シナリオ分析の前提条件
| 対象事業 | 当社グループのすべての事業 |
| 期間 | 短期:2023年~2025年、中期:2026年~2030年、長期:2031年~2050年 |
| 参照したシナリオ | (ⅰ)「NZE2050(1.5℃シナリオ)」、(ⅱ)IPCC RCP 8.5(4℃シナリオ) |
(ⅰ)「NZE2050(1.5℃シナリオ)」
2100年までに世界の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑制するためには、2050年までにカーボンニュートラルを実現しなくてはならないことと分析されております。そしてこのシナリオにおいては、例えば2030年をもって炭素税が最大140ドル/t-CO2にて導入が想定されることや、2050年時点では約70%の電力を再生可能エネルギーにしなくてはならない等、様々な脱炭素につながる転換が必要とされており、移行リスクに大きな影響を与えるシナリオであります。本シナリオの予測を元に、低炭素社会への移行並びに物理的に伴うリスクと機会及び当社グループへの具体的な影響を分析しております。
(ⅱ)IPCC RCP 8.5(4℃シナリオ)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「代表濃度経路(Representative Concentration Pathways)シナリオ」のうち、21世紀末の世界平均気温の上昇が最大で4.8℃になる、「RCP8.5」を用いて、気候変動による物理的な影響を分析しております。本シナリオは、世界が化石燃料依存型のまま気候変動に対する政策や対策が行われず温室効果ガスが大量に排出されるシナリオであります。地域や季節により降水量の差が激しくなり、海水面は最大0.82m上昇します。また、極端な高温や大雨、干ばつ等が起こる可能性が高まります。本シナリオの予測を元に、気候変動による物理的な影響に焦点を当て、当社の事業及び財務に及ぼす可能性について分析しております。
ロ シナリオ分析結果
2つのシナリオで分析を行った結果、どちらのシナリオにおいても「移行リスク」である炭素税や排出量取引制度等が導入され、GHGの排出に対するコストが増加する他、排出量報告義務の強化や家電製品に対する省エネ基準の強化や消費者の気候変動意識の向上と購買行動の変化等の影響が生じることが明らかになっております。また、「物理的リスク」である大型台風や集中豪雨等、極端な気象事象が増加し、店舗や物流網の被害が増え、猛暑や平均気温の上昇等、当社の店舗運営と商品販売に影響を及ぼすことが分析の結果明らかになっております。
NZE2050(1.5℃シナリオ)においては、脱炭素や排出量取引制度の導入・強化によるコストの増加が見込まれる一方で、サステナビリティ経営への対応遅れによるブランド価値の低下の懸念が増大する他、省エネ家電のニーズの高まりによる売上げ増加が見込まれることが予想されます。サステナビリティ経営を重要課題とし企業価値の向上に努めるとともに、省エネ家電のニーズに対応していくことで消費者からの信頼を得ていくことは、非常に重要な取り組みであると認識しております。
IPCC RCP 8.5(4℃シナリオ)においては、炭素税や排出量取引制度の導入・強化によるコストの影響は微量なものの、気温上昇による自然災害の増加により店舗や物流拠点等の被害による損益、省エネ家電のニーズの高まりに対応できない場合の消費者からの信頼失墜が懸念されます。
予想されるリスク及び機会
| シナリオ | 種類 | 分類 | 主な内容 | 主な対応 |
| 1.5℃ | 移行リスク | 政策・法規制 | 炭素税・排出量取引、省エネ基準強化、エネルギーコスト増 | LED照明化・高効率設備投資、PPA拡大、EV導入、省エネPB拡充 |
| 市場・評判 | 消費者の低炭素志向、サステナビリティ経営未対応によるブランド低下 | 環境配慮型商品・サービス拡大、市場・投資家との対話 | ||
| 物理リスク | 急性・慢性 | 異常気象による店舗・物流被害、冷却コスト増 | 被害地域特定と対策、温度管理の徹底 | |
| 機会 | 製品・サービス | 省エネ家電需要、再エネ導入拡大 | 省エネ・再エネ製品普及、補助金活用 | |
| 資源効率 | リユース・リサイクル推進 | 中古品取扱・リサイクル率向上 | ||
| 4.0℃ | 移行リスク | 政策・法規制 | 法規制・技術革新の停滞による影響限定、省エネ投資負担 | 現行対応継続、省エネ設備導入 |
| 物理リスク | 急性・慢性 | 異常気象による店舗・物流被害、気温上昇による冷却コスト増 | BCP強化、災害訓練、効率的空調導入 | |
| 機会 | 製品・サービス | 省エネ家電・防災関連商品・再エネ需要の拡大 | 省エネ・防災関連製品販売、再エネ普及 | |
| 資源効率 | リユース・リサイクル推進 | 中古品取扱拡大、資産見える化アプリ開発 |