有価証券報告書-第59期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/17 12:26
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【項目】
152項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、次のような経営理念・経営戦略の下で、その実現を目指しています。
[経営理念]
当社グループは、総合毛髪企業として、髪に関する悩みを抱える全てのお客様に対して、最も適した最高の品質と最良のサービスを提供することによって、「よりポジティブな生き方、より美しく輝きのあるライフスタイルを提唱する」とともに、「お客様に満足頂ける毛髪文化を創造する」ことを経営理念としております。
[経営戦略]
当社グループは、この経営理念の実現に向けて、「グローバル・ネットワークで、最高の品質と最良のサービスを提供する」とともに、「広く社会から信頼される経営を通して、常に豊かで潤いのある未来を築いていく」ことを目指します。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、売上の拡大と効率的な経営の推進を目指しており、売上高、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の3つを目標とする経営指標としております。
売上高は、顧客基盤を継続的に拡大させることで着実に引き上げてまいります。売上高経常利益率は、資産の適正化とその有効活用、および経費効率の向上により着実に引き上げてまいります。さらには、ROEは、自社の資本コストを的確に把握した上で、資本の効率的な活用の実践により向上させてまいります。
なお、目標とする経営指標の設定事由や2027年3月期の見通しは次の通りです。
[経営指標の設定事由]
目標とする経営指標設定した事由
売上高当社グループは限界利益率が高く、売上高の増加が利益の増加に直結するため設定
売上高経常利益率経費節減の結果や財務活動を含めた収益力が確認できるため設定
ROE(自己資本利益率)コーポレートガバナンス・コードや議決権行使助言会社の動向を踏まえ設定

[2027年3月期の見通し]
次期の業績見通しとして、連結売上高48,494百万円(当連結会計年度比8.7%増)、営業利益2,500百万円(同22.3%減)、経常利益2,665百万円(同22.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,214百万円(同36.0%減)を見込んでおります。
<目標とする経営指標に係る過年度推移グラフ>
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
今後の経済見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直したことやインバウンド需要の拡大などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、為替相場の変動や原材料価格の高騰、物価上昇による消費マインドの減退懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社の属する国内毛髪関連市場は、高齢化の進展や定年延長、アンチエイジング志向の高まりなどにより需要の拡大が見込まれる一方で、生産年齢人口の減少に伴う人手不足や、異業種を含めた競合激化、世界的な物価高騰など、不透明な経営環境は続いていくと考えております。
<国内毛髪業市場の動向>(単位:億円)

注.事業者売上高ベース
(出所)(株)矢野経済研究所「ヘアケアマーケティング総鑑」
<国内毛髪業市場におけるシェア>
<男性市場><女性市場>注.事業者売上高ベース
(出所)(株)矢野経済研究所「ヘアケアマーケティング総鑑」
国内毛髪業市場において、男性市場でトップシェア、女性市場で第2位となっております。
2008年秋のリーマンショック以降の消費の低迷に加え、隣接市場との競争激化によって低迷しておりましたが、各社の女性用ウィッグ強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び2012年度以降拡大に転じてまいりました。しかし、2016年度以降は新規参入企業や中小事業者の低価格品が市場に多く出回った影響から市場は一転して減少傾向となり、直近年度も、コロナ禍の影響を強く受けた2020年度対比では増加したものの、コロナ禍前の市場規模には戻っていません。

[アートネイチャーFrontierプランの概要]
当社では、2027年3月期を初年度とする中期経営計画では、「世界一のウィッグライフメーカーを目指す」という長期ビジョンの下で、「事業基盤を強化し、新領域の事業に挑戦する」という目標に向かって、自らの道を切り拓いていく「開拓者」としての強い意志を込め、「アートネイチャーFrontierプラン」と名付けました。将来への見通しが不確実な昨今においても、当社グループの強みを活かし、中期経営計画でさまざまな課題に挑戦していくことで、業績や毛髪業界シェアを伸長させると共に、新領域の事業を獲得し拡充することで、「世界一のウィッグライフメーカー」へと飛躍させてまいります。

アートネイチャーFrontierプランで目標とする経営指標は次の通りです。
経営指標2026年3月期
(実績)
2030年3月期
(目標)
事業毎の方針
売上高44,600百万円59,953百万円・男性向け事業では、「一生涯の伴走」による生涯顧客の創出を目指します。
・女性向け事業では、女性向け既製品事業を含めたオールアートネイチャーでレディースシェアNo.1を目指します。
・通販事業では、投資効率を維持しつつ、売上拡大への反転攻勢を目指します。
売上高経常利益率7.7%6.7%・上述により業績を伸長させると共に、資産の適正化とその有効利用、経費の効率的な活用によって、生産性や効率性を更に高めてまいります。
ROE6.9%9.2%

(注)2030年3月期(目標)については、新リース会計基準の適用前の数値となります。
なお、当社では事業ポートフォリオに関する基本方針等を策定し、経営資源の配分、事業毎の方針を次のように
決定しております。
[事業ポートフォリオに関する基本方針]
事業ポートフォリオに関する基本方針は「経営資源を効率的に活用して、事業を成長させる」としております。
各事業は「効率性」と「成長性」の観点から、「注力」「育成」「基盤」「改善」の4象限に分類し、分類された
領域の基本的な配分方針を踏まえ、経営資源を配分しております。なお、基本的な経営資源の配分方針は次の通り
となっております。
[事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針]
事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針は次表の通りです。
位置付け配分方針
基盤領域安定的な事業価値向上に貢献収益源として事業を長期に維持するために配分する
注力領域更なる収益拡大を見込む収益の拡大を加速するために配分する
育成領域3年以内の注力領域転換を期待効率の向上を加速するために配分する
改善領域早期に抜本的な収益構造の改善が必要な領域左述に従い配分する

[事業ポートフォリオに関する見直し]
事業ポートフォリオに係る方針等(基本方針の変更、経営資源の配分、戦略の実行、見直し等)は、取締役会に
おいて、中期経営計画の策定、年度の事業計画及び予算案の策定の中で審議しております。また、事業ポートフォ
リオに係る開示等は、取締役会において、中期経営計画並びに事業計画及び予算案と共に審議しております。
[事業ポートフォリオの区分]
事業ポートフォリオの区分は次表の通りです。縦軸の成長性は「事業別売上高成長率」、横軸の効率性は「事業
別投下資本利益率(ROIC)」とし、縦軸の区分は「毛髪業3か年平均市場成長率」、横軸の区分は「想定加重平均
資本コスト(WACC)直近3か年平均」としております。

[事業ポートフォリオ 前中期経営計画(2023-2025)と本中期経営計画(2026-2029)の対比]
青:男性向け事業、オレンジ:女性向け事業、紫:女性向け既製品事業

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題とその対応策
当社グループの属する国内毛髪関連市場は、高齢化社会の進展や、定年延長、アンチエイジング志向の高まりにより需要の拡大が見込める一方で、生産年齢人口の減少に伴う人手不足や、異業種を含めた競合激化、世界的な物価高騰など、不透明な経営環境が続いていくものと推察されます。このような環境下において、当社グループは中長期的な企業価値の向上を目指し、以下の5つの課題に重点的に取り組んでまいります。
[顧客基盤を増強する]
「アートネイチャーの真のファン」を増やし、安定的な成長基盤を構築するため、顧客満足度の向上を最優先に推進いたします。メンズ・レディース部門では、高品質な製品とサービスの投入を継続するとともに、広告宣伝の最適化により新規需要を掘り起こしてまいります。また、お客様の定着化に向けた施策を強化することで、安定的な成長を目指します。
女性向け既製品ウィッグ部門は、オーダーメイドウィッグとの連携強化により、顧客満足度の向上と顧客の定着化を推進してまいります。ヘアケア商品などの販売は、ラインアップの拡充と自社ECの伸長のみならず、外部ECサイトの販路拡大を加速させ、認知度を引き上げてまいります。更には、「生活コンシェルジュサービス」として、毛髪関連に留まらないクロスセル商材の検討・導入を進めることで、顧客満足度を引き上げつつ、顧客一人あたりの生涯価値(LTV)の向上を図ってまいります。
<オーダーメイドウィッグ事業の流れ>オーダーメイドウィッグ事業では、髪にまつわるさまざまな課題を抱えている方や、ウィッグでおしゃれを楽しみたい方などへ向けて、テレビや新聞、インターネットなどのさまざまな広告媒体を利用して広告宣伝を行い、その結果、当社商品・サービスに関心を持って当社にコンタクトいただいた方を新規のお客様として取り込んでいく「反響営業」と言われる営業活動を行っています。「反響営業」によって当社商品やサービスをご利用いただいたお客様に対して、全国サロンでの充実したアフターサービスや、お客様のニーズに合わせたさまざまな提案を行うことで、お客様と当社の間に信頼関係を築き、リピート受注につなげていきます。

[生産基盤を強化する]
市場競争力のある供給体制を構築するため、生産の安定性と機動性を高めます。バングラデシュ新工場を早期に軌道に乗せ、生産拠点の分散化を推進します。また、生産拠点全体で原材料の備蓄や生産工程の見直しを行い、「高品質・短納期・低原価」を同時に実現する最適化された生産体制を構築し、需要変動へ機動的に対応してまいります。
[効率性を向上する]
物価高騰等に対応し、収益構造の抜本的な改善に取り組みます。店舗の移転・リニューアルを厳選して実施することで資産の適正化に努めます。また、店舗運営を効率化すべく、ブース稼働率を向上させることで店舗生産性を最大化させます。また、コスト構造を改革すべく、システム刷新による事務の効率化と経費効率を徹底的に追求することで生産性の向上に取り組んでまいります。
[新領域への挑戦と海外への展開を検討する]
国内市場の構造的変化に備え、新たな成長エンジンの創出に挑みます。既に展開しているスタンダードウィッグ事業、医薬品販売事業、医療関連サポート事業を着実に成長させるとともに、国内外のM&Aや新規事業立ち上げを通じ、「美と健康」に係る新領域の事業を開拓・拡充いたします。また、シンガポール、タイ、マレーシア等の既存市場でのブランド浸透を図る一方で、さらなる海外毛髪業への事業展開を見据えた事前調査・準備を進め、グローバルな収益基盤の構築を目指します。
[人的資本を強化する]
専門性の高い人財こそが当社の競争力の源泉であるという認識のもと、人財への投資を加速させます。全正社員の約8割を占める理容師・美容師資格保有者に対しては、最新の技術力・接客力・商品提案力のリスキリングを実施し、お客様ニーズへの対応力を高めます。また、次世代を担う人財を育成すべく、買収先や海外拠点へ派遣可能な管理人財、およびデータドリブン経営や生成AI活用を担うデジタル人財の育成に注力いたします。さらには、健康経営を推進するとともに、「くるみん」や「えるぼし」認定に関わる諸施策を通じてワークライフ・バランスの向上を図り、社員が能力を最大限に発揮できる職場環境を整備します。あわせて、主要ポストのサクセッションプランを実践し、サステナブルな経営体制を構築してまいります。

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