有価証券報告書-第9期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/21 15:23
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有報資料

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和などにより、雇用や所得環境が改善に向かいました。一方で、中国などの新興国の景気減退、英国のEU離脱問題や米国の政権交代による政策の不確実性などを背景に景気の先行き不安が高まるなかで、個人消費は力強さを欠く展開となりました。
このような状況のもとで、当社グループは中長期経営計画に基づき、付加価値の高い商品やサービスのご提案や、お客さま接点の拡大と充実を推進してまいりました。また、生産性向上の取り組みと連携した経費削減や、グループリソースを活用するための基盤を強化してまいりました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1,253,457百万円(前連結会計年度比2.6%減)、営業利益は23,935百万円(前連結会計年度比27.7%減)、経常利益は27,418百万円(前連結会計年度比25.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,976百万円(前連結会計年度比43.5%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①百貨店業
百貨店業におきましては、「百貨店のあるべき姿」を実現すべく、独自性や収益力の高い商品開発の推進や、独創性の高いキャンペーンなど、お客さま満足の向上に努めるとともに、EC事業の強化や、中小型店舗の出店を進め、お客さまとの接点を拡げてまいりました。
具体的には、伝統的な技術や素材とクリエイターの新たな感性を繋いで開発した商品を、婦人雑貨・衣料・リビング・食品と、生活全般に拡大してまいりました。このなかで主力となる「ナンバートゥエンティワン」の婦人靴は、売上が前年比20%増の11億円となり、当社グループ店舗だけではなく、国内外の百貨店においても取扱いを拡げております。
また、日本の伝統・文化・美意識がつくり出す価値を再認識し、新たな価値としてお客さまに提供する「ジャパン センスィズ」キャンペーンは、年間の開催回数を2回から4回に拡大し、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店の基幹となる3店舗を中心に、全国で展開いたしました。さらに、全国7か所で開催したサロン・デュ・ショコラや、伊勢丹新宿本店の130周年企画などのイベントには、多くのお客さまにご来店いただきました。
地域百貨店につきましても、リモデルなどにより、お客さまのご満足向上をめざしてまいりました。名古屋三越栄店は、隣接する専門店ラシックとともに、1つの商業施設「SAKAEファッションモール」の構築を進めております。その一環として、昨年10月には、ウオッチ&ジュエリーゾーンを2倍に拡大いたしました。また、高松三越は、3年ぶりの大型リモデルを行い、本年2月に香川県内初となる化粧品や婦人雑貨のブランドを出店いたしました。
EC事業は、百貨店の店頭と連動した三越・伊勢丹オンラインストアのコラボレーション企画が、好調に推移いたしました。また、ラグジュアリーオンラインストア「NOREN NOREN ISETAN MITSUKOSHI」のオープンや、アリババグループの越境EC「天猫国際」への出店などにより、より多くのお客さまに上質な商品やライフスタイルをご提案する機会を拡げてまいりました。
中小型店舗につきましては、周辺地域のお客さまのご要望にお応えすべく、最適な店づくりをめざしてまいりました。昨年4月から5月にかけて出店した福岡市、苫小牧市、新発田市のエムアイプラザは、多くのお客さまにご利用いただき好調に推移いたしました。空港内小型店は、「イセタン 羽田 ストア」3店舗合計の売上が前年を上回り、昨年10月には、名古屋の中部国際空港内に「イセタン セントレア ストア」がオープンいたしました。また、ラグジュアリーコスメの編集ショップ「イセタン ミラー メイク&コスメティクス」は、昨年4月にアトレ恵比寿店、9月にルミネ荻窪店がオープンし、14店舗となりました。
海外事業は、中国景気の回復が遅く減収となりましたが、構造改革による経費抑制の徹底により増益となりました。また、昨年10月には、日本の優れた商品や文化を海外のお客さまにご提案するスペシャリティストアが、パリとクアラルンプールにオープンいたしました。
以上のような取り組みを進めてまいりましたが、百貨店業全体の業績は、主力である衣料品や宝飾・時計等の高額品の動きが鈍く、さらに、購買単価の低下傾向もあり、総じて厳しい展開となりました。
なお、当社グループは、収益力の向上と財務基盤の強化に向けた諸施策に取り組んでおりますが、経済環境が急速に変化するなか、限られた経営資源を新たな成長分野に再配分し、積極的な成長を果たすために、三越千葉店、三越多摩センター店、および小型店の三越高崎店は、本年3月20日に営業を終了いたしました。各店舗の営業終了に伴うご不便につきまして、深くお詫び申しあげますとともに、今までのご支援やご愛顧に心より御礼申しあげます。
なお、このセグメントにおける、売上高は1,151,020百万円(前連結会計年度比3.1%減)、営業利益は11,093百万円(前連結会計年度比48.6%減)となりました。
②クレジット・金融・友の会業
株式会社エムアイカードは、昨年4月より特典をポイント化し、外部企業との連携や当社グループ内のお買い回りの利便性をさらに高めるとともに、収益力の高い経営基盤の構築に向けた運営体制の整備に取り組んでまいりました。これにより、外部加盟店手数料やマーケティング事業の受注が増加いたしましたが、百貨店手数料は、百貨店売上高の減少に連動し前年を下回りました。
なお、このセグメントにおける、売上高は37,780百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は5,380百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。
③小売・専門店業
株式会社三越伊勢丹フードサービスは、クイーンズ伊勢丹におけるサプライチェーンマネジメントおよび新POSシステムのインフラ投資や、リモデル店舗にかかる一時閉鎖や初期投資などにより減益となりました。また、クイーンズ伊勢丹は、昨年7月31日をもちましてふじみ野店の営業を終了いたしましたが、昨年4月から12月にかけて仙川・品川・本八幡の3店舗がリモデルオープンし、食に関心の高いお客さまに向けて、食から広がるライフスタイルを提案する発信型ストアをめざしております。
なお、このセグメントにおける、売上高は56,074百万円(前連結会計年度比0.4%増)、営業損失は1,154百万円(前連結会計年度は営業損失1,058百万円)となりました。
④不動産業
不動産業につきましては、安定的な収益を確保すべく、当社グループの保有する不動産の商業的活用を推進してまいりました。また、株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、オリンピック開催に向けたホテル開発や商業施設などに積極的に参画し、昨年11月には、スタジオアルタ跡地を活用して「アルタシアター」をオープンいたしました。株式会社三越伊勢丹不動産は、賃貸事業の拡大に努めるとともに、資本業務提携先である野村不動産株式会社との共同分譲事業の取り組みを進めてまいりました。
なお、このセグメントにおける、売上高は41,671百万円(前連結会計年度比9.9%減)、営業利益は6,444百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
⑤その他
情報処理サービス業の株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズ、物流業の株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポート、人材サービス業の株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズは営業支援体制の効率化を推進するとともに外部営業の強化や販売管理費の圧縮を推進いたしました。
また、新たな消費ニーズに対応すべく、体験型の「コト」消費に関する事業を強化するために、本年1月にトータル・ビューティ事業の株式会社ソシエ・ワールドを子会社化し、さらに本年3月に旅行事業の株式会社ニッコウトラベルを子会社化いたしました。当社グループの資源を共有・活用して事業拡大を図り、企業価値の向上をめざしてまいります。
なお、このセグメントにおける、売上高は77,364百万円(前連結会計年度比3.4%増)、営業利益は1,920百万円(前連結会計年度比435.9%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,214百万円減少し、60,024百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、35,373百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が7,726百万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、40,913百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が16,432百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,413百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ支出が6,124百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度には、連結の範囲の変動を伴わない子会社株式の取得による支出があったことなどによるものです。

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