有価証券報告書-第122期(2024/04/01-2025/03/31)
② 戦略
気候関連のリスクと機会は、事業活動に大きな影響を与える可能性があるため、当行では、気候変動シナリオ分析によるリスク量の把握に取り組んでおります。また、脱炭素社会への移行を新たなビジネスチャンスと捉え、お客さまの気候変動への適応とその影響の緩和に資する金融商品ならびにサービスの開発・提供に取り組んでおります。

a リスク
当行では、気候関連リスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しております。
移行リスクは、脱炭素社会への移行にともなう気候関連の規制強化や消費者嗜好の変化等により、一部のお客さまの事業に対する信用リスクの増加等を想定しております。また、物理的リスクは、洪水等の自然災害の増加によるお客さまの事業停滞や担保物件の毀損による信用リスクの増加、当行営業店舗の損壊等によるオペレーショナルリスクの増加などを想定しております。
2024年度においては、これらのリスクを定量的に把握のうえリスク低減に対応していくため、次の内容でシナリオ分析を実施しております。
(a)移行リスク
移行リスクは、国内の法人を対象にNGFSの1.5℃シナリオに基づき、多くの企業や国が目標として掲げる「2050年カーボンニュートラル」を達成し、平均気温の上昇を1.5℃以内に抑えることができた場合に生じる炭素税や設備更新等のコスト増による影響をもとに、当行の与信リスクの増加額を推計しております。算定対象は、特に受ける影響が大きいと考えられる「電力」、「石油・ガス」セクターのほか、当行のエクスポージャーや秋田県内への影響度等を踏まえて、食品製造業に関連する「食品・飲料」セクターを加えた3セクターとしております。
<分析対象セクターの選定プロセス>
<分析結果の概要>
(b)物理的リスク
物理的リスクは、国内の法人を対象にIPCCの4℃シナリオに基づき、100年に1度の規模の洪水が発生した場合の当行の担保物件の被害額と、お客さまの事業に及ぼす影響を事業停止・停滞日数により算定し、当行の与信コスト増加額を推計しております。
<分析結果の概要>
b 機会
脱炭素社会の実現に向けて、さまざまな気候関連リスクが想定される一方で、再生可能エネルギー分野への投融資の増加、お客さまの脱炭素への移行を支援する金融商品やサービスの提供など、当行にとってのビジネス機会は拡大していくものと認識しております。
〇再生可能エネルギー関連事業への取組み
秋田県は、日本海の恵まれた風況を背景に、洋上風力発電の整備を促進する区域として全国最多となる4海域の指定を受け、他地域に先駆けて事業開発が進められております。秋田県沖の洋上風力発電プロジェクトの推進により、脱炭素社会実現のほか、供給された電力を県内で消費する再エネ工業団地の整備など、県内経済への波及効果にも注目が集まっております。
当行では、こうした再生可能エネルギー関連事業が地域経済の発展や脱炭素への移行に資する重要な取組みであると捉えております。2024年7月には「洋上風力産業支援室」を設置し、洋上風力発電事業の建設工事、管理・メンテナンス等のほか、付随するさまざまな事業への地域企業の参入サポートを推進しております。洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギー事業が地域の新たな産業として定着するよう、今後もファイナンスをはじめとする各種支援を積極的に推進してまいります。
■ 再生可能エネルギー関連融資の累計実行額
〇森林資源・J-クレジットの活用
森林資源に対しては、世界的な人口増加にともなう木材需要の増加に加え、気候変動・生物多様性の観点から非常に大きな関心が寄せられております。全国有数の森林面積を誇る秋田県では、豊かな森林資源を活用したJ-クレジットの創出が進められており、当行では、地域の脱炭素化をはじめ、林業の活性化や森林資源の保全につながる重要な取組みであると認識しております。
2023年度に大仙市および丸紅株式会社とJ-クレジット創出・販売に向けた連携協定を締結したほか、2024年度は、秋田県林業公社、横手市・森林組合森林吸収共同プロジェクト推進協議会、上小阿仁村の3主体が創出したクレジットの販売支援を進めました。今後も、森林資源を起点とした新たなビジネスモデルの構築と地域経済・環境価値の域内循環に向けた取組みを進めてまいります。
c 炭素関連資産
炭素関連資産は、一般的に直接的または間接的なGHG(温室効果ガス)排出量が比較的高い資産または組織とされており、当行では次のセクターに関連する資産(貸出金)を炭素関連資産としております。
(注)1.主な業種は、当行が取引先ごとに設定している主たる業種コードをGICS(世界産業分類基準)に読み替えて分類しております。
なお、再生可能エネルギー関連の事業は炭素関連資産に含めておりません。
2.貸出金は、2025年3月末時点において該当する法人の事業性貸出(割引手形、手形貸付、証書貸付、当座貸越)の残高としております。
気候関連のリスクと機会は、事業活動に大きな影響を与える可能性があるため、当行では、気候変動シナリオ分析によるリスク量の把握に取り組んでおります。また、脱炭素社会への移行を新たなビジネスチャンスと捉え、お客さまの気候変動への適応とその影響の緩和に資する金融商品ならびにサービスの開発・提供に取り組んでおります。

a リスク
当行では、気候関連リスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しております。
移行リスクは、脱炭素社会への移行にともなう気候関連の規制強化や消費者嗜好の変化等により、一部のお客さまの事業に対する信用リスクの増加等を想定しております。また、物理的リスクは、洪水等の自然災害の増加によるお客さまの事業停滞や担保物件の毀損による信用リスクの増加、当行営業店舗の損壊等によるオペレーショナルリスクの増加などを想定しております。
2024年度においては、これらのリスクを定量的に把握のうえリスク低減に対応していくため、次の内容でシナリオ分析を実施しております。
(a)移行リスク
移行リスクは、国内の法人を対象にNGFSの1.5℃シナリオに基づき、多くの企業や国が目標として掲げる「2050年カーボンニュートラル」を達成し、平均気温の上昇を1.5℃以内に抑えることができた場合に生じる炭素税や設備更新等のコスト増による影響をもとに、当行の与信リスクの増加額を推計しております。算定対象は、特に受ける影響が大きいと考えられる「電力」、「石油・ガス」セクターのほか、当行のエクスポージャーや秋田県内への影響度等を踏まえて、食品製造業に関連する「食品・飲料」セクターを加えた3セクターとしております。
<分析対象セクターの選定プロセス>

<分析結果の概要>
| シナリオ | NGFSによる「NetZero2050(1.5℃シナリオ)」 |
| 対象セクター | 電力、石油・ガス、食品・飲料 |
| 分析方法 | ・選定したセクターに対して、事業に与えるリスク・機会を整理 ・整理した内容を踏まえて、シナリオに基づき、脱炭素化へ移行する際に生じる設備更新や炭素税などのコスト増加にともなう将来の業績変化を予想し、与信コストへの影響を推計 |
| 分析期間 | 2050年まで |
| 分析結果 | 与信コスト(貸倒引当金ベース)増加額:2050年までの累計で26.3億円程度 |
(b)物理的リスク
物理的リスクは、国内の法人を対象にIPCCの4℃シナリオに基づき、100年に1度の規模の洪水が発生した場合の当行の担保物件の被害額と、お客さまの事業に及ぼす影響を事業停止・停滞日数により算定し、当行の与信コスト増加額を推計しております。
<分析結果の概要>
| シナリオ | IPCCによる「RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)」 |
| 対象セクター | 国内に本店を置く法人融資先 |
| 分析方法 | ハザードマップを利用して当行担保不動産の毀損額およびお客さまの事業停止日数を予想し、お客さまの事業への影響ならびに与信コストへの影響を推計 |
| 分析期間 | 2050年まで |
| 分析結果 | 水災リスク発生時の与信コスト(貸倒引当金ベース)増加額:平均53.1億円程度 |
b 機会
脱炭素社会の実現に向けて、さまざまな気候関連リスクが想定される一方で、再生可能エネルギー分野への投融資の増加、お客さまの脱炭素への移行を支援する金融商品やサービスの提供など、当行にとってのビジネス機会は拡大していくものと認識しております。
〇再生可能エネルギー関連事業への取組み
秋田県は、日本海の恵まれた風況を背景に、洋上風力発電の整備を促進する区域として全国最多となる4海域の指定を受け、他地域に先駆けて事業開発が進められております。秋田県沖の洋上風力発電プロジェクトの推進により、脱炭素社会実現のほか、供給された電力を県内で消費する再エネ工業団地の整備など、県内経済への波及効果にも注目が集まっております。
当行では、こうした再生可能エネルギー関連事業が地域経済の発展や脱炭素への移行に資する重要な取組みであると捉えております。2024年7月には「洋上風力産業支援室」を設置し、洋上風力発電事業の建設工事、管理・メンテナンス等のほか、付随するさまざまな事業への地域企業の参入サポートを推進しております。洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギー事業が地域の新たな産業として定着するよう、今後もファイナンスをはじめとする各種支援を積極的に推進してまいります。
■ 再生可能エネルギー関連融資の累計実行額
| 電源別 | 2022年3月末 | 2023年3月末 | 2024年3月末 | 2025年3月末 |
| 風力 | 368億円 | 491億円 | 584億円 | 657億円 |
| 太陽光 | 315億円 | 374億円 | 456億円 | 517億円 |
| バイオマス・地熱ほか | 37億円 | 57億円 | 67億円 | 71億円 |
| 合 計 | 720億円 | 922億円 | 1,107億円 | 1,245億円 |
〇森林資源・J-クレジットの活用
森林資源に対しては、世界的な人口増加にともなう木材需要の増加に加え、気候変動・生物多様性の観点から非常に大きな関心が寄せられております。全国有数の森林面積を誇る秋田県では、豊かな森林資源を活用したJ-クレジットの創出が進められており、当行では、地域の脱炭素化をはじめ、林業の活性化や森林資源の保全につながる重要な取組みであると認識しております。
2023年度に大仙市および丸紅株式会社とJ-クレジット創出・販売に向けた連携協定を締結したほか、2024年度は、秋田県林業公社、横手市・森林組合森林吸収共同プロジェクト推進協議会、上小阿仁村の3主体が創出したクレジットの販売支援を進めました。今後も、森林資源を起点とした新たなビジネスモデルの構築と地域経済・環境価値の域内循環に向けた取組みを進めてまいります。
c 炭素関連資産
炭素関連資産は、一般的に直接的または間接的なGHG(温室効果ガス)排出量が比較的高い資産または組織とされており、当行では次のセクターに関連する資産(貸出金)を炭素関連資産としております。
| セクター | 主な業種 | 貸出金(百万円) | 比率(%) |
| エネルギー | ・石油及びガス ・電力ユーティリティ | 18,984 112,888 | 0.92 5.47 |
| 小 計 | 131,872 | 6.39 | |
| 運輸 | ・旅客空輸 ・海上輸送 ・鉄道輸送 ・トラックサービス ・自動車及び部品 | 730 92 16,954 17,308 27,300 | 0.04 0.01 0.82 0.84 1.32 |
| 小 計 | 62,384 | 3.02 | |
| 素材・建築物 | ・金属・鉱業 ・化学 ・建設資材 ・資本財 ・不動産管理・開発 | 13,789 21,819 2,075 125,422 60,958 | 0.67 1.06 0.10 6.08 2.95 |
| 小 計 | 224,063 | 10.85 | |
| 農業、食料、林産物 | ・飲料 ・農業 ・加工食品・加工肉 ・製紙・林業製品 | 2,836 7,271 16,511 14,682 | 0.14 0.35 0.80 0.71 |
| 小 計 | 41,301 | 2.00 | |
| 上記セクター合計および貸出金に占める割合 | 459,620 | 22.27 | |
(注)1.主な業種は、当行が取引先ごとに設定している主たる業種コードをGICS(世界産業分類基準)に読み替えて分類しております。
なお、再生可能エネルギー関連の事業は炭素関連資産に含めておりません。
2.貸出金は、2025年3月末時点において該当する法人の事業性貸出(割引手形、手形貸付、証書貸付、当座貸越)の残高としております。