有価証券報告書-第123期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/15 13:37
【資料】
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【項目】
173項目
② 戦略
気候関連のリスクと機会は、事業活動に大きな影響を与える可能性があることから、当行グループでは、気候変動シナリオ分析によるリスク量の把握に取り組んでおります。また、脱炭素社会への移行をビジネスチャンスと捉え、お客さまの気候変動への適応とその影響の緩和に資する金融商品ならびにサービスの開発・提供に取り組んでおります。
区分事例時間軸
リスク移行リスク脱炭素化に向けた事業環境の変化にともない、お客さまの業態が悪化することによる当行の与信コスト増加中期・長期
CO2排出量削減対策や事業継続性強化のための設備投資額の増加短期・中期・長期
気候変動への対応不足やステークホルダーからの情報開示要請への遅れによる評判の悪化短期・中期・長期
物理的リスク洪水等の自然災害の増加によるお客さまの事業停滞・担保価値の毀損にともなう当行の与信コスト増加短期・中期・長期
自然災害等による当行営業拠点の被災にともなう当行資産の毀損およびオペレーショナルリスクの増加短期・中期・長期
機会再生可能エネルギー関連事業をはじめとする脱炭素社会への移行に向けた取組みの進展にともなう資金需要の増加短期・中期・長期
お客さまの脱炭素化を支援するコンサルティング機会の増加短期・中期・長期
省資源・省エネルギー化による事業コストの低下短期・中期・長期

(注)時間軸…短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度
a リスク
当行では、気候関連リスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しております。
移行リスクは、脱炭素社会への移行にともなう気候関連の規制強化や消費者嗜好の変化等により、一部のお客さまの事業に対する信用リスクの増加等を想定しております。また、物理的リスクは、洪水等の自然災害の増加によるお客さまの事業停滞や担保物件の毀損による信用リスクの増加、当行営業店舗の損壊等によるオペレーショナルリスクの増加などを想定しております。
2025年度においては、これらのリスクを定量的に把握のうえリスク低減に対応していくため、次の内容でシナリオ分析を実施しております。
(a)移行リスク
移行リスクは、国内の法人を対象にNGFSの1.5℃シナリオに基づき、多くの企業や国が目標として掲げる「2050年カーボンニュートラル」を達成し、平均気温の上昇を1.5℃以内に抑えることができた場合に生じる炭素税や設備更新等のコスト増による影響をもとに、当行の与信リスクの増加額を推計しております。算定対象は、特に受ける影響が大きいと考えられる「電力」、「石油・ガス」セクターのほか、当行のエクスポージャーや秋田県内への影響度等を踏まえて、食品製造業に関連する「食品・飲料」セクターを加えた3セクターとしております。
<分析対象セクターの選定プロセス>
①セクター別の気候変動による影響度の整理当行の業種コードをGICSコード(世界産業分類基準)に読み替えし、環境省のシナリオ分析実践ガイド等をもとに各セクター別の気候変動による影響度を整理
②セクター別ポートフォリオへの反映各セクターに対する当行のエクスポージャーを把握し、県内企業向けおよび県外企業向けの貸出残高をもとに、各セクターの地域における影響度を整理
③分析対象セクターの選定①、②の結果を踏まえ、気候変動および地域への影響度の両面から検討し、分析対象を「電力」、「石油・ガス」および「食品・飲料」セクターに選定

<分析結果の概要>
シナリオNGFSによる「NetZero2050(1.5℃シナリオ)」
対象セクター電力、石油・ガス、食品・飲料
分析方法・選定したセクターに対して、事業に与えるリスク・機会を整理
・整理した内容を踏まえて、シナリオに基づき、脱炭素化へ移行する際に生じる設備更新や炭素税などのコスト増加にともなう将来の業績変化を予想し、与信コストへの影響を推計
分析期間2050年まで
分析結果与信コスト(貸倒引当金ベース)増加額:2050年までの累計で27.1億円程度

(b)物理的リスク
物理的リスクは、国内の法人を対象として、IPCCの4℃シナリオに基づき、100年に1度の規模の洪水が発生した場合の当行の担保物件の被害額と、お客さまの事業に及ぼす影響を事業停止・停滞日数により算定し、当行の与信コスト増加額を推計しております。
<分析結果の概要>
シナリオIPCCによる「RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)」
対象セクター国内に本店を置く法人融資先
分析方法ハザードマップを利用して当行担保不動産の毀損額およびお客さまの事業停止日数を予想し、お客さまの事業への影響ならびに与信コストへの影響を推計
分析期間2050年まで
分析結果水災リスク発生時の与信コスト(貸倒引当金ベース)増加額:平均53.0億円程度

b 機会
脱炭素社会の実現に向けて、さまざまな気候関連リスクが想定される一方で、再生可能エネルギー分野への投融資の増加、お客さまの脱炭素化を支援する金融商品やサービスの提供など、当行グループの事業機会の拡大につながるものと認識しております。
○再生可能エネルギー関連事業への取組み
秋田県は、日本海の恵まれた風況を背景に、洋上風力発電の整備を促進する区域として全国最多となる4海域の指定を受け、他地域に先駆けて事業開発が進められております。秋田県沖の洋上風力発電プロジェクトの推進により、脱炭素社会実現のほか、供給された電力を県内で消費する再エネ工業団地の整備など、県内経済への波及効果にも注目が集まっております。
当行では、再生可能エネルギー関連事業の普及が地域経済の発展や脱炭素への移行に資する重要な取組みであると捉え、「洋上風力産業支援室」を設置し、洋上風力発電事業の建設工事のほか、管理・メンテナンスなど付随事業への地域企業の参入サポートを推進しております。今後も再生可能エネルギー関連事業に対するファイナンスなど、各種支援を積極的に推進してまいります。
<再生可能エネルギー関連融資の累計実行額>
電源別2023年3月末2024年3月末2025年3月末2026年3月末
風力491億円584億円657億円765億円
太陽光374億円456億円517億円553億円
バイオマス・地熱ほか57億円67億円71億円82億円
合 計922億円1,107億円1,245億円1,400億円

○お客さまの脱炭素化を支援する取組み
取組み内容
環境課題解決に資する融資商品の導入お客さまの脱炭素化につながる設備投資等に対し、一定の条件のもと金利を優遇する融資商品を用意
・サステナブルローン(グリーン・ローン型)
・サステナブルローン(サステナビリティ・リンク・ローン型)
・ZEH住宅ローン
・エコカーローン
グリーン定期預金の取扱い開始預金の充当先を再生可能エネルギー関連融資に限定することで、お客さまが脱炭素社会の実現に貢献できる商品
森林クレジット創出・販売支援自治体等と連携し、森林クレジットの創出・販売へのサポートを通じて、秋田県が保有する森林資源の活用および保全に貢献
CO2排出量算定サービスの無償利用の開始当行とお取引があるお客さまに対し、CO2排出量算定サービスの無償での利用を可能とすることで、CO2排出量の可視化を促進
省エネソリューションメニューの拡充省エネメニューを保有する事業者と提携し、お客さまのCO2排出量ならびにコストの削減を支援するサービスを追加

c 炭素関連資産
当行では、一般的に直接的または間接的なGHG(温室効果ガス)排出量が比較的大きいとされている次のセクターに関連する資産(貸出金)を炭素関連資産としております。
セクター主な業種貸出金(百万円)比率(%)
エネルギー・石油及びガス
・電力ユーティリティ
6,228
44,765
0.30
2.13
小 計50,9932.42
運輸・旅客空輸
・海上輸送
・鉄道輸送
・トラックサービス
・自動車及び部品
1,278
6,986
42,385
16,985
31,379
0.06
0.33
2.02
0.81
1.49
小 計99,0144.71
素材・建築物・金属・鉱業
・化学
・建設資材
・資本財
・不動産管理・開発
35,093
32,537
9,865
144,808
103,899
1.67
1.55
0.47
6.89
4.94
小 計326,20215.51
農業、食料、林産物・飲料
・農業
・加工食品・加工肉
・製紙・林業製品
7,106
6,423
29,492
11,865
0.34
0.31
1.40
0.56
小 計54,8862.61
上記セクター合計および貸出金に占める割合531,09525.26

(注)1.主な業種は、当行が取引先ごとに設定している主たる業種コードをGICS(世界産業分類基準)に読み替えて分類しております。
なお、再生可能エネルギー関連事業に対する貸出金は炭素関連資産に含めておりません。
2.貸出金は、2026年3月末時点において該当する法人の事業性貸出(割引手形、手形貸付、証書貸付、当座貸越)の残高としております。

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