有価証券報告書-第208期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 16:17
【資料】
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【項目】
161項目

事業等のリスク

当社ならびに当社グループの事業等のリスクに関し、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主要な事項は、以下のとおりです。
当社ならびに当社グループは、これらのリスクの抑制と顕在化回避を図るとともに、万一、リスクが顕在化した場合の対応に努めてまいります。
なお、記載事項のうち将来に関する事項が含まれておりますが、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる可能性があります。
(1)信用リスク
①日本経済の低迷により、企業倒産ならびに個人破綻が増加した場合、与信関連費用や不良債権処理額が増加する可能性があります。
②特定業種、特定企業の業績低迷により、与信関連費用や不良債権額が増加する可能性があります。
③不良債権の最終処理促進により、与信費用が増加する可能性があります。
④自己査定規程ならびに償却・引当規程に基づき貸倒引当金を算出しておりますが、著しい経済状態の悪化や不動産価格の下落などに伴い、自己査定基準または償却・引当基準を変更した場合には、貸倒引当金の積み増しにより与信関連費用や不良債権額が増加する可能性があります。
⑤当社の貸出金は、不動産を担保とする融資が多く、不動産価値の下落、流動性の低下により、担保資産価値が下落する可能性があります。
⑥当社の個人向け貸出金の多くは、賃貸を目的とした不動産取得を使途とした貸出金(投資用不動産融資)であり、不動産市況の悪化や不動産の経年劣化により、入居率が低下するなどにより債務者の賃料収入が減少した際には、与信関連費用や不良債権額が増加する可能性があります。
⑦投資用不動産融資案件については、融資審査書類等の偽装・改ざんを完全に排除すべく融資審査態勢の再構築に努めておりますが、偽装・改ざんの点検に過誤があった場合には、債務者の返済能力や担保資産価値の評価の誤謬により、与信関連費用や不良債権額が増加する可能性があります。
⑧有価証券価値の下落、流動性の低下により、担保資産価値が下落する可能性があります。
(2)コンプライアンスの不徹底や、リスク管理・内部監査体制が適切に機能しないこと等により直接的または間接的に損失が発生するリスク
コンプライアンスの不徹底に起因し、過去または将来の事業活動に関して、多額の損害賠償請求訴訟や集団訴訟等を提起された場合など、その訴訟の帰趨によっては、当社ならびに当社グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、リスク管理・内部監査体制が適切に機能しないことにより、リスクの予兆の看過やリスクの評価の誤謬等を招き、当社ならびに当社グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)流動性リスク
市場環境の悪化などにより必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなる可能性や、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる可能性があります(資金繰りリスク)。また、債券などの金融商品の売買において、市場の混乱などにより取引ができなくなる可能性や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります(市場流動性リスク)。
(4)市場リスク
①株式市場の低迷により、保有株式の評価損、株式関係損失が増加する可能性があります。
②市場金利の変動により、保有債券の評価損、債券関係損失が増加する可能性があります。
(5)オペレーショナル・リスク
① 事務リスク
各種取引に伴う事務を適宜適切に処理しなかったこと、および事務プロセスそのものの不備、ならびに外部者による窃盗や詐欺などの事故が発生した場合、金融資産の喪失や原状回復にかかわる対応費用などの発生により損失を被る可能性があります。
② システムリスク
災害、各種機器や通信回線の故障、プログラムの不備などによりコンピューターシステムが停止・誤作動した場合や、コンピューターの不正使用、サイバー攻撃などにより情報の破壊や流出が発生した場合、決済機能やサービス業務の停止、社会的信用の失墜などによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報管理リスク・業務委託リスク
当社ならびに当社グループが管理している顧客情報や経営情報などについて漏洩、紛失、改ざん、不正使用などが発生した場合、社会的信用の失墜などによって業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社ならびに当社グループ業務の委託先において、委託した業務に関する事故、システム障害、情報漏洩などの事故が発生した場合、社会的信用の失墜などによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 有形資産リスク
災害または資産管理の瑕疵などの結果、当社ならびに当社グループの所有する有形資産が毀損した場合や当社の有形資産が顧客などに損害を与えた場合、有形資産の再構築費用などの発生や、社会的信用の失墜などによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人的リスク
人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題などに関連する重大な訴訟などが発生した場合、社会的信用の失墜などによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 風評リスク
地域、お取引先、投資家、報道機関、インターネットなどにおいて、事実と異なる風説や風評により評判が悪化した場合や、不適切な業務運営などが公になり当社ならびに当社グループに対する信頼が低下し業務運営に支障をきたした場合、社会的信用の失墜などによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ その他オペレーショナル・リスク
上記①~⑥以外のオペレーショナル・リスク事象が発生した場合、金融資産の喪失や原状回復にかかわる対応費用などの発生により損失を被る可能性があります。
(6)事業戦略に関するリスク
①経営環境の変化により、事業戦略が想定した成果を生まない可能性があります。
②同業他社や異業種との競合により競争が激化し、想定した成果を生まない可能性があります。
(7)業務改善計画の遂行に関するリスク
当社は、2018年10月5日、銀行法第26 条に基づき、金融庁から、業務の一部停止を含む業務改善命令を受け、同年11月30日に金融庁に業務改善計画を提出し、以後、同年12月末時点を初回として3ヶ月毎に、業務改善計画の進捗状況を金融庁に報告しております。業務改善計画に基づき、コンプライアンスの徹底とお客さま本位の業務運営の実現に向け、諸種の改善策に取り組んでおりますが、深刻な不正や法令違反等が明らかになった場合には、当社の業務遂行等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)シェアハウス関連融資等の問題に関するリスク
当社は、シェアハウス関連融資に関する問題に端を発する投資用不動産融資の不祥事につきまして、第三者委員会の調査報告及び行政処分を深刻に受けとめ、業務運営体制の再構築に努めております。また、2018年6月に設置した「シェアハウス等顧客対応室」では、シェアハウス向け融資及びその他投資用不動産融資のご返済にお困りのお客さまの条件変更等に真摯に対応してまいりました。
2019年5月には、シェアハウス向け融資およびその他投資用不動産融資に関する元本一部カットについて、ご相談を承る体制を整えるなど、さらに積極的な取り組みを行ない、この問題の早期解決を図っております。
しかしながら、想定外の債務者動向の変化や世論の趨勢、不動産市況の大幅な下落等により、直接的または間接的に損失の発生や、問題解決の大幅な遅延が誘引された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)現行規制・制度への対応ならびに将来の規制・制度変更に関するリスク
当社ならびに当社グループは、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行等)に従って業務を行っており、これらの規制への対応ならびに、将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈等の変更により、当社の業務遂行等に影響を及ぼす可能性があります。
①業績の悪化に伴う回収可能性の判断、制度変更等により、繰延税金資産の取崩しが発生する可能性があります。
②年金制度が変更された場合、年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の運用利回りが想定を下回った場合、予定給付債務を計算する前提となる数理上の前提・仮定に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。また、金利環境の変動その他の要因により、年金債務および未認識債務に影響を及ぼす可能性があります。
③固定資産の減損に係る会計基準および適用指針の変更や、所有する固定資産に損失が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④業績の悪化ならびに自己資本比率規制の変更等により、自己資本が毀損する可能性があります。
(10)格付低下のリスク
格付機関が付与する当社の格付低下により、不利な条件での取引を余儀なくされるリスクや、取引を制限・停止される可能性があります。
(11)自然災害その他、当社ならびに当社グループの支配の及ばない事態の発生により、当社ならびに当社グループの財政状態ならびに経営成績に影響を与えるリスク
当社ならびに当社グループの主要営業基盤である静岡県ならびに神奈川県を中心とした巨大地震が発生した場合、当社ならびに当社グループ自身の被災による損害のほか、お取引先の業績悪化による信用リスクの上昇などを通じて、業績に影響を及ぼす可能性があります。